10周年の大進化を遂げた“プロ野球体験”!

 KONAMIより本日(2014年3月20日)発売されたPS Vita・PSP・プレイステーション3用ソフト『プロ野球スピリッツ2014』。その開発を手掛ける松井プロデューサーと山口ディレクターのインタビューを敢行。本誌では掲載しきれなかったインタビューの拡大版をお届けする。大幅に進化を遂げた本作の見どころと、10周年を迎えた『プロスピ』シリーズの未来をアツく語っていただいたぞ。

『プロ野球スピリッツ 2014』開発者ロングインタビュー! 10周年の大進化を遂げた“プロ野球体験” _01
コナミデジタルエンタテインメントベースボールコンテンツプロダクション
プロデューサー 松井 徹哉氏(右)
コナミデジタルエンタテインメントベースボールコンテンツプロダクション
ディレクター 山口 剛氏(左)

第1作から共通するテーマはゲームで触れるプロ野球“体験”

――ついにシリーズ10周年! これまでを振り返ってみていかがですか?

松井徹哉氏(以下、松井) 本シリーズでは最初期から“僕たちの大好きなプロ野球をプレイする”という明確なコンセプトを立てていました。いかにそこに近づけるかに取り組んだ10年間だったと思います。

山口剛氏(以下、山口) 『プロスピ』というと、まずは実物さながらのビジュアルが挙げられますが、この10年はゲームで“リアルな野球体験”をどう表現するかという点にも注力していました。今年は現役のプロ選手に本作を体験していただく機会を設けられましたが、実際のプレイに近いというコメントを頂戴しました。プロ野球選手も認めてくださったことで、我々も手応えを感じています。

松井 でも、まだまだ進化途中です。つぎの10年後には、さらに究極の体験ができるようになっているに違いありません。これまでもビジュアルの進化や新モードの搭載などがありましたが、その狙いはつねに“プロ野球を楽しんでいただく”という点にありました。ですから、ある意味、現実のプロ野球と一心同体というものであるべき商品なんですよ。ここは弊社の『パワプロ』シリーズとの大きな違いにもなりますね。

――リアルという意味でいいますと、毎年現実でもルール変更やチームの変化などがありますが、そういった細かい部分も必ずフォローされていますからね。

松井 開発スタッフの中では、「毎年起こる球界の変化をフォローできているか?」、新たなモードを加えるにしても「それは実際のプロ野球の今を反映できているか?」という価値観がすべてにおいて最優先されています。

――2014年度版となる本作、プロ野球の側から見た大きな見どころや変更点はどこにあるのでしょうか?

山口 2014年開幕時最新データを反映するということで、昨年のドラフトで大きな話題を呼んだ松井裕樹選手(楽天)の参加を筆頭に、新たな選手はすべて網羅しています。また、2014年シーズンに対応したユニフォームもすべて再現しています。まずは、そこで2014年感を満喫していただけるでしょうね。

松井 そして、2014年シーズンならではの話題として、中日ドラゴンズの谷繁元信選手兼任監督の存在も見逃せません。

山口 プレイングマネージャーという特殊な立場でペナントレースを戦うのですが、もちろんゲームの中でも反映していますよ。就任発表されたのが2013年10月。開発佳境の時期だったのですが、すぐに制作チームで緊急会議を開きました。

――就任発表からすべての作業が始まるのですから、かなり苦労されたのでは?

山口 ええ、タイミングとしてはギリギリ。でも、無事ゲームに反映することができましたよ(笑)。谷繁選手はスタープレイヤーモードに注目してみてください。このモードは選手の現役生活を、選手の視点で体験するものなのですが、谷繁選手の場合はプレイングマネージャーという球界では稀な立場で球界生活が体験できますから。途中で起こるイベントは、すべて谷繁選手視点による専用のものに差し替わっていますのでここも見どころですよ。

――それは楽しみです!

山口 2013年シーズンでは投手と野手を務める“二刀流”で話題の大谷翔平選手(北海道日本ハムファイターズ)など、最近のプロ野球界では起用面で特殊な選手が増えました。そういった特殊な面も含めてゲームで再現してほしいというプレイヤーさんの声は非常に多いので、開発チームでも“やるしかない!”と決断したのです。

モデルを一新してよりリアルになったグラフィック

松井 グラフィック面では、現在は新世代ハードの発売や技術力の向上もあり、まさによりリアルに近付くための進化を遂げている最中なのですが、現時点での最高峰のものを投入しました。

――つまり、去年からも進化さらにしているということですね。

松井 “現実同様のリアルなグラフィック”と一言で言うものの、“顔が似ている、似ていない”という個人の主観も評価の基準になってしまいがちです。でもそれだけがグラフィックのリアリティではありません。我々もより進化していくうえでは、似ている似ていないとの評価軸とは別の次元の進化をしようと現在鋭意研究中であります。

――具体的にはどういったことでしょうか?

山口 本作ではぜひ選手の体型に注目してみてください。本作から選手の体型データを新たに変更していて、腰や腕など身体の要所の位置もしっかり再現できるようになりました。投打画面などの、カメラが一歩引いた視点からも選手の姿がリアルに見えるようにしています。

――それは、かなりの大進化じゃないですか!

松井 ええ、モデルのパターンを選手全員分差し替えましたからね。リアルに再現するという目標がある以上、このような施策があって当たり前のことなのですが。ファンの皆様には“大変お待たせしました”という思いです。

――非常に地味で作業量がたいへんな部分でありながらも、しっかりこだわっていらっしゃる。

松井 作業はたいへんでしたが、これまでシリーズを楽しんでくださっている方には、見てすぐに違いを感じていただけることでしょう。それだけの大改変ができたのではないかと思っています。

山口 先日、埼玉西武ライオンズの選手に本作を体験していただく機会があったのですが、選手の皆さんからは、球界きっての大型大砲として知られる中村剛也選手の体型がそっくりだと好評をいただきました(笑)。

注目の新要素“新打撃システム”と“LIVEプロスピ”搭載の狙いは?

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新・打撃システム
プレイに直結する大きな刷新点が“新・打撃システム”の搭載だ。これは、従来の打撃システムに、“コース予測”の要素が加わったもの。投球に際して、インコースなのか、アウトコースなのかを打者が事前に予測。読み通りの投球が来ると、打力が大幅にアップする。つまり、打者が読みに勝つと、そのぶん打ちやすくなって打者側が有利になるのだ。現実の試合でくり広げられる“駆け引き”を再現したこの新・打撃システムで、投打の緊張感はさらに増すこと間違いなし! なお、コース予測をするかどうかは1球ごとに選択が可能。コース予測をせずに、従来通りの打撃システ
ムでバッティングを行うこともできるぞ。

――本作では新たな仕様も多く搭載されていますね。

山口 最大の改革が“新打撃システム”です。これまでは投球の緩急、つまり“前後の次元”で投打の駆け引きを再現していましたが、本作では緩急に加えて、コースによる“左右の次元”も取り入れることにしました。

――具体的にこのシステムでどういったメリットがあるのでしょうか?

山口 これまでですと、投手でプレイしていると、打たれるのは、配球が読まれているからか、まぐれなのかがわからないことがありますよね。開発チームで対戦をしていても、そんなことがよくありました。でも、システムとして“読まれたから長打を打たれた”、“読まれなかったから打ち取れた”というように、その理由を明確にすれば、投打の駆け引きが面白くなるし、投打両方の立場で納得感も生まれる、ということから採用しました。

松井 プロ野球の選手が実際に球場で実践していることを、ゲームの中にも落とし込むのはシリーズの目標のひとつでもあります。この新システムも実際の投打の駆け引きをゲームとして表したものです。さらに言いますと、読みを外したコースに投球がきて、打者が戸惑う仕草にしても、それを単なる動作としてデモンストレーション的に入れることは簡単なのですが、本作では“新投打システム”を経由して、選手の心理を反映するシステムを経由してした上で、その結果として驚きや戸惑いを表現しています。こういったところも『プロスピ』だからこそ入れる理由があるところなのです。

山口 このリアクションという面で一言付け加えると、ゲームとして見た場合、自分が起こした行動に対して、ゲーム内でどのような反応があるかは誰もが求めるものです。いかし、これを単なるデモとして、取って付けたように表現してしまうと、納得感が得られないと思うんですよ。

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“LIVEプロスピ”
“LIVEプロスピ”はPS Vita版とプレイステーション3版に対応した、各モードの遊びを拡張するオンライン機能だ。従来の遊びかたに加え、実際のプロ野球の結果にちなんだイベントがゲーム中に登場。現実のペナントレースの出来事が翌日にはゲームの中に反映されるのだ。また、オンライン上のプレイヤーどうしで楽しむイベントやキャンペーンも用意されている。毎日変化する現実世界とオンラインを介して連動することで、遊びの幅が大きく広がるぞ。なお、ハードがオンライン状態であれば自動的に接続される。

――PS3版、PS Vita版に導入されたオンライン機能、“LIVEプロスピ”も注目の機能ですね。導入の狙いを教えてください?

山口 本シリーズは、毎年シーズン開幕時期に発売させていただいていますが、せっかくこの始まりの時期に発売をさせていただいているのですから、現実のプロ野球ファンが関心を寄せている部分と連動した遊びを追求できないか? という研究テーマは以前よりありました。前作では、実際のペナントレースの勝敗を予測する“プロ野球リンクモード”を搭載していましたが、これもその連動した遊びを追求する一環として実装したもの。開発としては、プレイヤーさんの反応を伺いたいという狙いもあったのですが、想定していた以上の多くの方に遊んでいただき大きな反響がありました。

松井 現代では自宅にはインターネット回線はある家庭が多いのですが、必ずしもゲーム機と接続しているとは限りません。ここにゲームのオンラインサービスの難しさがあるのです。

山口 皆さんにシーズン中やその後も長く遊んでいただく上で、オンラインサービスは非常に有効な施策であることは我々も理解していました。でも、この“プロ野球リンクモード”を実装してみるまではオンライン要素が実際にどこまでのプレイヤーさんに遊ばれるものなのか、搭載したとしてもどこまで遊んでいただけるかが見えなかったんです。しかし、“プロ野球リンクモード”はたいへんご好評をいただき、そのオンラインサービスの展開イメージも具体的に見えてきました。そして、今年は10周年という節目の年でもあります。従って、本作で本格的に“LIVEプロスピ”という形で導入することにしたのです。

――何よりも注目は現実の野球と連動したコンテンツが配信されるという点ですね!

松井 プロ野球ファンのライフスタイルの中に、『プロスピ』を取り入れたいという目標がありました。具体的には、前晩の試合で大活躍して朝刊に大きく載った選手と、夜に本作で対決を楽しむ……といった野球ファンの日常生活と密着した遊び方ですね。これまでのファンツールとしてのゲームの遊びから、実際に自分の好きなペナントレースとの境界が無くなることで、野球ファンの生活の一環として楽しんでいただけないだろうか、という狙いが込められています。友達と昨晩の野球の会話で盛り上がることと同様に、オンラインでも楽しんでほしいですね。

――ゲームの中に現実の出来事は反映されるのは、かつてない体験。期待が膨らみます。

松井 今シーズンはどんなドラマが現実で生まれるか今から楽しみですよ。野球ファンが夢中になる大記録やプレイを“LIVEプロスピ”は絶対逃しません!

山口 “ホットプレイヤー”は前の日に球場やテレビで見た活躍選手が、プレイヤーの前に現れますから、ご期待ください!

――これまでは、現実とゲーム内の架空のペナントレースが、いわば平行世界のように独立していたものが、“LIVEプロスピ”を介することで架空の中に現実の出来事は反映されるという、かつてない新しい体験が楽しめます。期待が大きいですね。

松井 もちろん、従来通りの現実のペナントレースが反映されない楽しみ方もできますよ。「俺だけのペナントレースを体験したい!」というファンのニーズもありますからね。

山口 現実の野球を再現するとはいいつつも、架空の世界の出来事が楽しめるというのも本作の大きな魅力ですからね。本シリーズの“ペナントレース”を楽しんでいらっしゃる方の中には、ひいきのチームをどこよりも最強にして戦うのが面白いという方もいらっしゃれば、自チームの主力選手がケガで長期離脱するような不測のアクシデントがあるから面白いという方もいらっしゃるんですよ。

――なるほど。『プロスピ』の楽しみ方にもいろいろあるんですね。

山口 アクシデントにしても、それがストレスになるのではないか? という考え方もあるのですが、起こらないのはリアルのプロ野球を反映していないというお声もあるのです(笑)。筋書きのない戦い自体が、もうゲームの楽しみなんですね。

――前の晩の試合で活躍した“ホットプレイヤー”を毎日選出したり、現実のペナントレースの結果に連動したキャンペーンを展開をするとのことですが、運営面では大変なのではないでしょうか?

山口 開発チームでは、これまでも球界の情報を毎日欠かさずチェックしており、もともと情報収集についてはノウハウの蓄積はありました。“LIVEプロスピ”が始まることでそのアウトプットの経路に新たな道が加わったことになります。これまでは最新情報は主に次回作のためのものでしたが、“LIVEプロスピ“ではオンラインという新たな経路で即時展開していくということになります。

松井 オンラインを用いたゲームの世界では、日単位の更新情報提供は当然のことですからね。現在台頭しつつあるF2Pモデルのゲームですと、まず無料で配布して有料の追加コンテンツで楽しんでいただくというスタイルがおなじみになってはいますが、『プロスピ』の場合、ここは我々の誇りとする部分ではあるのですが、最初にその時点で最高のものをパッケージとして提供しています。そして、さらに長く遊んでいただけるものをオンラインで提供するのは、パッケージとして販売した上での義務とも考えています。

GM(ゼネラル・マネージャー)体験の要素を強化したマネジメントモード

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マネジメントモード
 新生球団のGM(ゼネラルマネージャー)となって球団経営を楽しむ“マネジメントモード”が、大幅にパワーアップ。球団本拠地の周辺に経営施設の建設が可能になり、街作りの要素が新たに加わった。施設を増やしてレベルを上げれば、そのぶん収支が増えて優秀な選手との契約が行いやすくなるのだ。また、プレイヤーの片腕となる美人秘書は、前作の5人から8人に増えている。個性豊かな彼女たちの能力をフルに発揮させ、日本一の球団を築き上げよう!

――マネジメントモードについてはかなりスケールアップしましたね。その狙いは?

山口 これまでのマネジメントモードでは、球団経営をしながらも、最終的には勝てるチームを育成するということに主力が置かれていました。でも、球団経営ということはチームの運営だけでなく、関連施設を発展させたり収益源を拡大させるなど、企業としての活動を追求していくことが球団経営のあるべき姿なのではないだろうか? ということから、本作では、今回は企業としての球団経営要素を高めています。

――発展的にこのモードで扱う対象が広がったという感じなのですね?

山口 そうなんです。そして、運営そのものをゲームとして楽しむのであるならば、極端な話、テキストや数字だけを表示させるだけでも成立するのですが、どんな施設を建ててどれだけ発展しているかは、イマジネーションを働かせて数字から想像しないといけません。そこで本拠地を中心とした街の地図を軸に、球団の発展状況が分かるビジュアル化にも踏み込みました。

――タウンマップ画面を見て「これは本当に『プロスピ』?」と思いました(笑)。

松井 この街作り要素はファンのニーズに応えたもの。現実のGMさながらの体験をしてみたいという要望は多いんですよ。球団が手がけるビジネスが順調に潤えば、結果的に自分の思い通りの戦力が揃えられるので、より本当のGMらしい気分になれますよ。

山口 選手を育てるというよりは、球団を育てることによって、総合的な戦力を補強していく流れですよね。

――多額の年俸で戦力を強化するにも、まずは球団という企業の健全な経営ががあってこそ、ですよね。

山口 前作では5年間というタイムリミットがあったことで、選手の年俸などの金額的なマネジメント面はあまり問われなかったのですが、本作では最大20年まで球団経営ができるようになりました。そうなると、お金のやりくりは必須になります。例えば、前年で選手の雇用に多額の予算を割いたり借金して見事優勝をしたものの、次の年には倒産してしまう……ということも起こりえます。また、街に建設する施設について、とても大きなビルも建設可能ですが、そのような施設は長い年月を掛けて貯蓄するなど将来を見据えた経営を展開しないと、実現は難しいバランスになっていますよ。苦労の末に、建てられると本当に気持ちいいですよ!

――このモードも“LIVEプロスピ”で拡張した遊びが体験できるんですよね。

山口 “LIVEプロスピ”を通じて、自分の街を披露できます。ほかのプレイヤーはどんな街を作っているのか比べてみるのはきっと盛り上がることでしょう。また、不動産の総資産額ランキングもありますから、我こそは名GMと思われる方はぜひ上位を目指してみてください。開発側では総資産額が2000億円に到達したら“優秀な経営者”となるようなバランスにしています。まずはその金額を目指してほしいですね。

――ほかに“LIVEプロスピ”でできることは何がありますか?

山口 随時キャンペーンを展開する予定です。期間中は特定のアイテムが安くなったり、秘書さんにまつわるアイテムが配布されます。こちらも見逃せませんよ。

往年のプレイヤーが球場に登場! “伝説のOB選手”

――かつてのプロ野球界を沸かせた“伝説のOB選手”を使ったプレイが楽しめることも、プロ野球ファンなら見逃せない点ですね。

松井 もう熱心な『プロスピ』ファンからの声が実現を後押ししてくれた、との一言に尽きます。プロ野球ファンなら誰しもが、伝説の名選手を自らの手で使ったり、対決したくなることでしょう。今回、それがついに叶いました。

山口 いままでもご要望は多数いただいていまして、近い機能は搭載していました。これまでですと、監督とコーチとしてそのシーズンに参戦している方の中から使えるという仕組みがあったのです。しかし、球界の歴史では、現在、もう現役を退かれて久しい方も大勢いらっしゃるので、この仕組みではフォローできないこと、そしてシリーズ10周年ということで新たに“伝説のOB選手”という枠を新設しました。

松井 ペナントレースでは選手として起用できますが、このモードでは途中で監督やコーチに転身することができますので、伝説の選手が現役引退後に実際にたどった足跡までもが体験できます。OB選手同士が選手として対決できるだけでなく、監督の対決も可能ですし、伝説のOB選手が監督を務めるチームで現役選手はどう育つか……という球界の「もしも」も楽しめるのです。もうプレイする人の想像力次第でいろんな楽しみ方もできますよ。

山口 第1弾として発表させていただいた、早期購入特典として獲得できるOB選手(稲尾和久氏、江夏豊氏、王貞治氏、山田久志氏、山本浩二氏 ※このOB選手のうちひとりが特典として入手可能)は、30~40代以上の方々にはおなじみの選手ですが、今後は90年代に活躍した選手など、若い世代のOB選手も予定していますのでご期待ください。プロ野球自体、非常に幅広い年齢層の方に愛されているので、そこは我々としてもきちんと応えていく所存です。

そして未来のプロ野球、そして『プロスピ』への思い

――新機能だけを取り上げても本作の進化ぶりはすごいですね。

山口 選手の一人になりきる)選手プレイ、育成、監督プレイ、球団経営など様々な遊び方を経て、10周年の節目にようやく「現実の野球とリンクする」ことまで辿り着くことができました。

松井 現実に近付くという目標がある以上、まだまだ我々もやるべきことはたくさんあります。この先の10年、さらに『プロスピ』がどう進化、変化をしていくか?……開発を手がける我々からも楽しみです。

――『プロスピ』はまだまだ進化を止めないと!

松井 プロスピには“現実の野球により近付く”という明確な目的があります。これまでの10年だけでも、ゲーム機やネットワークなどテクノロジーが大きく発展しましたし、これからもあるでしょう。その発展は我々の目的をさらに実現に導いてくれますからね。
山口 球界の側から見ても、大谷選手のような“二刀流”が現れたり、谷繁選手のようなプレイングマネージャーが現れるなど、プロ野球そのものがこれまでにない進化をしていますよね。僕らは進化し続ける野球を追い続けて、ゲームという形でプロ野球の最新の姿や楽しみ方を提供する立場です。現実の野球がどう進化していくのかも、楽しみですね。

――事実、これまで10年間でも、選手面のみならず、新設球団の参入やクライマックスシリーズの導入などが実際にありましたね。

松井 フィクションとして再解釈する必要があるほかの分野のゲームとちがって、野球ゲームは、そのそのものを忠実に再現することが目的になります。プロ野球という世界が、ますます発展していくことで、『プロスピ』というゲームの世界もきっと今まで以上に広がることでしょう。
山口 我々もゲームの側から、今まで以上にプロ野球界を盛り上げていきたいですね。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

松井 我々が目指しているのは、“だれもが楽しめるプロ野球”。今回の“LIVEプロスピ”ではその一端に到達できたかなと思っています。スポーツニュースを見る感覚で、幅広い方に体験してほしいですね。

山口 プロ野球の熱いドラマを“LIVEプロスピ”でお伝えできることでしょう。リアルとゲームの野球で一緒に盛り上がれたらいいですね。


プロ野球スピリッツ2014
メーカー KONAMI
対応機種 PS3プレイステーション3 / PSVPlayStation Vita / PSPPSP
発売日 3月20日発売
価格 価格は備考欄参照
ジャンル アクション・シミュレーション / 野球・育成
備考 PS Vita版は6650円[ 税抜](6982円[ 税込])、ダウンロード版は6150円[ 税抜](6457円[税込])、PSP版は3790円[ 税抜](3979円[ 税込])、ダウンロード版は3290円[ 税抜](3454円[税込])、プレイステーション3版は7600円[税抜](7980円[税込])、ダウンロード版は7100円[税抜](7455円[税込])