クリエイティビティーをより自由に発揮できる環境を実現

 オートデスクは、“Autodesk Maya 2015”および“Autodesk 3ds Max 2015”などの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンと、同ソフトウェアをパッケージにした“Autodesk Entertainment Creation Suite 2015”を2014年4月14日にリリースすることを明らかにした。

 オートデスクによると、新バージョンでは、先進的な機能セットの採用、パフォーマンス、そしてシステム信頼性について強化を実施。また、各ソフトウェアのユーザーインターフェイスに共通性を持たせて、業務ワークフローの相互運用性を強化。これらにより、より柔軟性の高いパイプラインと、クリエイティビティーをより自由に発揮できる環境を実現したとのことだ。

 “Autodesk Maya 2015”では、“複雑なことをシンプルに”、“Autodesk 3ds Max 2015”では、“高いパフォーマンス、さらなるリアリズム”、さらに“Autodesk Maya LT 2015”では、インディー系ゲーム開発者にさらなる便宜を図ったものになっているようだ。

 各ソフトウェアのおもな新機能は以下の通り。

■Autodesk Maya 2015
・液体効果をシミュレーションするプロシージャエンジン“Bifrost”を搭載、フォトリアルなレンダリングも可能
・ヘア、ファー、羽をスタイリングするXGen プリミティブ ジェネレータを搭載し、nHairツールセットによるシミュレーションが可能
・クアッド描画ツールやマルチカット ツール、ベベル機能などを改良することにより、モデリング機能を大幅に向上
・Pixar 社のOpenSubdiv を利用してサブディビジョン結果を正確にレンダリング可能
・ShaderFXリアルタイム ハードウェア シェーダ エディタにより、高度なビューポート シェーダ(HLSL、GLSL、CgFX)の構築が可能
・多面体 ボクセル バインディング手法を搭載し、短時間で高精度な結果を 生成可能

オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_01
Bifrost プロシージャル エフェクト プラットフォーム:
液体および液体スプラッシュのフォトリアルなレンダリングをパーティクルとボクセルでレンダリング可能。
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XGen Arbitrary Primitive Generator:
メッシュのサーフェス上にカスタムジオメトリを任意に配置できるほか、ヘアやファーを生成し、VP2.0でレンダリング可能。
ShaderFX:
専用シェーダエディタの利用から、HLSL / GLSL / CgFX ビューポートシェーダを素早く作成し、リアルタイムに表示可能。
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UV ツールセット:
新しい展開アルゴリズムに加え、UV 分布用チェッカーの切り替え、またシェル境界の色分けにより、UV作業の効率が向上。
多面体ボクセルバインド:
新たなスキニング手法は、非多様体コンポーネント、オーバーラップコンポーネントを含めることができ、高品質の結果を短時間で生成可能。

■Autodesk 3ds Max 2015
・超高解像度メッシュの扱いを軽量化し、テクスチャ ベイキングを高速化するなど、ビューポート機能を向上させ、膨大なデータセットでも高速かつ快適に作業可能
・ActiveShadeプレビューレンダリングで新たにmental rayをサポートし、機能を拡張
・実際に存在するものをキャプチャした大量のデータセットをポイント クラウド データとして読み込んで表示、レンダリングが可能。当社の製造業/建設業向けソフトウェアと組み合わせて幅広いワークフローに利用可能
・さまざまなシーン管理モードを追加してシーンエクスプローラに一元化。効率的なレイヤ管理が可能
・ポピュレート 群衆作成機能に座るモーションを追加
・Pythonスクリプト言語をサポートし、MAXScriptおよび3ds Maxのコマンドラインから実行可能

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ポイントクラウド:
ポイントクラウドオブジェクトの読み込み、レンダリングによるReCapワークフロー
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Shader FX:
Shader FX機能を使いリアルタイムシェーダの構築、書き出し
Nvidia mental rayのActive Shade対応:
Actitive Shadeでmental rayをサポート。レンダリング設定作業の効率化
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選択と配置ツール:
シーンレイアウト、オブジェクト配置をより直感的に、なおかつ高速に実現
シーン管理の強化:
強化されたシーンエクスプローラとレイヤーエクスプローラを使い膨大なシーンデータを効率よく管理

■Autodesk Softimage 2015
・Alembic 1.5 キャッシュフォーマットに対応
・ICEシーンの読み込みやビューポートでの大量データ選択速度を改善し、 パフォーマンスを向上
・mental ray 3.12をサポートしてプログレッシブレンダリングに対応
・入力のオートコンプリートやタブキーによるノードアクセスを可能にして使い勝手を向上

オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_11
Render TreeノードへTabキーから素早くアクセスが可能に。
プレビューウィンドウで露出・ガンマ調整にも対応。
オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_12
オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_13
Alembic 1.5 キャッシュフォーマットでの読み込み・書き出しをサポート。
カスタム属性の書き出しやトポロジ変化にも対応。
ICE Attribute Editorで属性の一覧をリスト表示が可能に。
重たいデータを扱う際に便利なICEツリーのミュートやオフライン編集モードも搭載。

■Autodesk MotionBuilder 2015
・マイクロソフト社Kinectのプラグインを搭載、簡易モーションキャプチャと音声認識による制御が可能
・117種類にもおよぶモーションクリップのライブラリをサポート
・Flexible Mocap機能でスケルトンの角度調節が可能

オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_14
マイクロソフト社のKinect用デバイスをサポートし、簡易モーションキャプチャーの収録が容易に。
オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_15
オートデスクが、Mayaや 3ds Maxなどの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンを4月14日にリリース_16
フレキシブルモーキャプで制御しながらスケルトン角度の調整が可能に、モーションクオリティの微調整に力を発揮。
プレビズ制作に便利なモーションクリップのライブラリを117種類も標準サポート。

■Autodesk Mudbox 2015
・既存のメッシュから左右対称のメッシュ作成が可能
・カリパスツールにより、モデルまたはカーブ上の2点間の距離計測が可能
・スカルプトレイヤ、ペイントレイヤにおいてレイヤグループ機能が実行可能

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スカルプト、ペイントレイヤのグループ機能
スカルプトレイヤとペイントレイヤーにグループ機能が搭載。テクスチャー書き出しの際に指定したパスや、命名規則に従い書き出しが可能に

■Autodesk Maya LT 2015
・Send to Unity機能で3Dアセットをポリゴン制限なしにUnityプロジェクトのアセットフォルダに直接書き出し可能
・ポリゴン制限を25,000から65,000に増加
・当社クラウドサービスとの連携を向上、異なるツール間のデータ共有が効率的に
・Pixar社のOpenSubdivを利用してサブディビジョン結果を正確にレンダリング
・新しいUV編集ツールを採用、モデリング作業の効率を向上
・Mayaのスクリプト言語“Maya Embedded Language(MEL)”スクリプトをサポート、反復的かつ複雑なタスクを簡素化し、チームメンバーとの効率的なワークフロー共有が実現

 また、オートデスクでは、各ソフトウェアの新バージョンを紹介するイベントを、4月に開催する予定だ。気になる方は、その機会に実際に触れてみるといいかも。

■イベント名:The day of Maya
・日 時:2014年4月17日(木) 13:30~17:30
・内 容:
 Mayaの新バージョンデモ
 ポリゴン・ピクチュアズ“Mayaによる『シドニアの騎士』制作事例紹介”
・場 所:秋葉原UDXシアター および ライブストリーミング中継

■The day of 3ds Max
・日 時:2014年4月18日(金) 13:30~17:30
・内 容:
 3ds Maxの新バージョンデモ
 フロム・ソフトウェア“3ds Maxによる『Dark Souls II(ダークソウルII)』制作事例紹介”

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