日本発売はもうチョイ先ですが……。
エレクトロニック・アーツから発売予定の超大作FPS『Titanfall』(タイタンフォール)。先日サンフランシスコで2日間行われたXbox One版のレビューイベントに参加し、両日たっぷりプレイしてきたので、プレイ動画を交えたリポートをお届けする。
なお本作は、日本ではPC版が3月13日、Xbox 360版が3月27日に発売予定。Xbox One版は現状、発売日未定となっている。
なお本誌では、体験版バージョンを使ったプレスイベントのプレイリポートも掲載しているので、「そもそもタイタンフォールってナニ?」という人は、そちらも合わせて読んでほしい。
キャンペーンモードもマルチプレイで展開
本作のゲームモードは、キャンペーンと、クラシック(スタッフはクラシックマルチプレイと呼んでいた)に二分される。
FPSのキャンペーンモードと言ったら、普通はシングルプレイでストーリーを追っていくような感じだが、本作のキャンペーンモードは、マルチプレイの戦闘の前後に専用の演出などがついたもの。12名のプレイヤーが企業帝国IMCと抵抗組織ミリシアに分かれて戦うという部分は通常の対戦と同じ。
■キャンペーンモード
・全9話のシナリオをプレイしていく。負けてもシナリオは進行。
・同じシナリオをIMCとミリシア双方で体験できるので、全クリアーまでは9試合×2の合計18マッチ。
・各話、使用マップとルールは固定。例えば“The Odyssey”はマップがRelic、ルールがAttrition(消耗戦)。
・Attrition5試合、Hardpoint Domination(拠点制圧)4試合で、その他のルールは登場しない。
■クラシックモード
・旧来のマルチプレイ対戦モード。
・キャンペーンモードにはないマップもプレイ可能。
・ルールは全部で5種類。AttritionとHardpoint以外に、ラスト・タイタン・スタンディング、パイロットハンター(Attritionと異なりプレイヤー以外を倒してもポイントが入らないチームデスマッチ)、そしてキャプチャー・ザ・フラッグ。
・マッチングを行うロビーはルールごとに分かれており、さまざまなマップ・ルールを渡り歩いていくロビーもある。
チュートリアル第2弾としてのマルチプレイ・キャンペーン
とにかく18試合プレイすればクリアーということで、かかる時間は待ち時間やカスタマイズ時間を入れても5時間程度。試合の勝敗による分岐なども特にないので、マルチプレイ対戦専用ゲームでは薄くなりがちな、物語や世界観を補完するためのものと考えた方が良さそう。やはり本作のメインはクラシックだと考える。
この点では、キャンペーンにはさらに別の側面もある。キャンペーンがAttritionとHardpointというベーシックなルールだけで構成されているのは、初心者を含むプレイヤーを、いきなり延々と続くクラシックの対戦に放り込むのではなく、チュートリアルの第2弾として、リアルなプレイヤーを相手に基本的なテクを実践してもらいたいのではないか。
この方法のいいところは、たとえボコボコにされてもストーリーが進んでいくので、18試合分は興味が持続できること。FPSのベテランにとっては5時間は短いが、初心者の学習の時間としては結構充実したものだ。
しかも本作はNPC兵士(ミニオン)も戦場にいる関係上、Attritionでは彼らを倒すだけでもポイントが入る。もしキャンペーンに採用されたのがパイロットハンターだったらこうはいかない。
さらに、敵味方が入り乱れる展開になることが多いので、ほかの標的に気が取られているプレイヤーを落ち着いてスマートピストル(オート照準つき)で撃てばプレイヤーキルも達成だ。Hardpointでもタイタンに乗って他のプレイヤーのタイミングに合わせて拠点に突撃すれば、1回ぐらいは拠点を奪取できるだろう。
前回のリポートでもお伝えしたが、出撃すれば何かを起こせるというのは本作のいい所だ。もし「FPSは好きだけどシングル専門だからなぁ」という人がいたら、本作でマルチプレイ対戦にチャレンジしてみるというのもアリだと思う。
FPSに慣れたプレイヤーでも、特有のムーブや要素を把握するのにベストだし、IMCとミリシア双方でプレイして「あー、それぞれこんな感じなのね」というのを知っておくと、普段のプレイにも気持ちが入りやすくなると思うので、まずはキャンペーンをプレイするのをオススメしたい。
キャプチャー・ザ・フラッグが楽しい!
製品版で面白かったのが、体験版には存在しなかったモード“キャプチャー・ザ・フラッグ”。
正直、世界観やストーリー的な整合性を結構頑張っている本作にこのモードがあるとは思わなかったし、実際「なんでこの世界で旗を取り合うのか」という説明はまったくもって足りていないものの、『Titanfall』の魅力が凝縮されていて楽しい。
ルールを説明しておくと、相手チームの拠点にある旗を奪い、自分の旗のある場所に持ち帰るとポイントゲット。
拠点から旗が持ち去られているとポイントが入らないが、旗を持ち去ったプレイヤーを倒すと旗を落とし、旗を拾えば即座に拠点に旗が戻される。
ちなみにラスト・タイタン・スタンディングとキャプチャー・ザ・フラッグはハーフタイム制になっていて、前後半で拠点が入れ替わるので、マップ構造による不利は比較的少ない(無理に世界観的な説明をつけようとせずスポーツライクな対戦に振り切っている部分)。
『Titanfall』の魅力は高機動な歩兵戦と豪快なタイタン戦の融合にあるが、キャプチャー・ザ・フラッグでは、壁走りや2段ジャンプなどを駆使して歩兵で持ち逃げしてもいいし、タイタンを呼んでパワープレイで運ぶという手も可能。
本作のマップ構造は立体的なものが多く、旗のポイントはタイタンに乗ったまま入れたり入れなかったりとマップによってバリエーションがあるので、いかにして奪うか考えがいがある。
クローク(光学迷彩)で隠れて旗ポイントへの侵入を狙うとか、透視能力で護衛がいないか確認するとか、サッチェルグレネード(リモート起爆爆弾)で旗を取りに来た敵を倒すとか、タイタンのスモーク(ダメージアリ)で兵士を追い払うといったさまざまなテクが存在し、本作の選択肢の多さが見事に発揮されたモードだと感じた。
懸念点はやっぱりコンテンツのアップデート
というわけで今回のレビューイベントでは、すでに前回のプレスイベントや体験版などをしこたま遊んでいたにもかかわらず、2日間ぶっ通しで10時間ほど楽しむことができた。
こりゃもう製品も買うしかないでしょ、ってことで記者のXbox Oneに紐付いているアカウントにソフト代をチャージして全力で待機中なのだが、懸念点がないわけではない。
それは継続したコンテンツアップデートがない限り、いくら本作で超スゲー対戦を毎回楽しめるとしても、やがてモチベーションが減っていくことだ。
例えばカスタマイズ。プレイヤーのレベルが上がると新たな武器や能力などが手に入るのだが、最大レベルは50で、ゆるめにプレイしても恐らく数週間で到達してしまう(レビューイベントだけでも30台後半まで行った)。
レベルをリセットして“2周目”以降に入ることもできるのだが、名前の横に勲章(最大10段階)が表示される程度で、武器やパーツのアンロックは取り直し。まぁそれはいいのだが、喜んで勲章を増やしていこうという人ばかりではないだろう。
同様に、タイタンの機体が3種類しかないのも、ちょっと寂しい感じではある。もっと色んなタイタンに乗って暴れまわりたい! 武器や能力もそうだ。
もちろん開発元Respawn Entertainmentもそんなことは分かっているハズで、ユニークなアップデート戦略を用意しているそうなので、無料・有料はともかく(有料のシーズンパスがあることは判明している)、的確なタイミングでのコンテンツ追加を期待したい。
(取材・文・編集:ミル☆吉村)