インティ・クリエイツとふたつのプロジェクトが進行

 “BitSummit 2014”のトークセッションで行われた、稲船敬二氏の特別講演。隠し玉として、ニンテンドー3DS用タイトルが発表されるなど、“BitSummit”の影響力が大きくなっていることを物語るセッションとなった。

 稲船氏とともに登壇したのは、インティ・クリエイツの代表取締役社長・會津卓也氏。まずは、Kickstarterの成功で注目を集めている『Mighty No.9』の最新情報から紹介された。
 稲船氏とインティ・クリエイツは、以前から『ロックマン』シリーズをいっしょに作ってきた経緯があり、稲船氏は信頼を置くとともに、大阪を訪れるほぼ週に1~2回のペースで最新バージョンをチェックしながら、忌憚のない意見を述べているようだ。また、フォーラムや“バッカー”と呼ばれるKickstarterの支援者からも、リリースされる前からユーザーのフィードバックがどんどん寄せられていると會津氏は語った。ただし、ユーザーからの希望をすべて取り入れているわけではなく、「作品はすべて稲船さんの判断の魂」だそうだ。稲船氏も、「細かい部分はインティ・クリエイツに任せていますが、リーダーとして大きな舵取りをしています」と語った。
 セッションでは、稲船氏がインティ・クリエイツを訪れ、実際にプレイしている模様の動画も公開された。これは、先日ラスベガスで開催された“D.I.C.E. Summit”で公開された動画のロングバージョンだという。気心の知れた間柄ということもあり、遠慮なく意見を出しつつ、いちばんこだわっているのは“手触り感”とのことだ。具体的なリリース等についてはとくに触れられなかったが、開発は順調に進んでいるようなので、楽しみにしたい。

『Mighty No.9』や隠し玉『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が電撃発表された稲船敬二氏特別講演【BitSummit 2014】_01
『Mighty No.9』や隠し玉『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が電撃発表された稲船敬二氏特別講演【BitSummit 2014】_02
▲稲船敬二氏と、インティ・クリエイツの代表取締役社長・會津卓也氏(左)。
▲「『Mighty No.9』では、新しいゲーム作り体験ができている」と稲船氏。

新作『蒼き雷霆 ガンヴォルト』を電撃発表!

 続いては、この“BitSummit 2014”のステージで発表するために用意されていた隠し玉、ニンテンドー3DS用ダウンロードソフト『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が発表された。
 本作の開発の陣頭指揮を執っているのは、インティ・クリエイツの津田祥寿氏。津田氏は、カプコン在籍時代に『ロックマン×2』や『ロックマン7』などを作っており、稲船氏とは師弟関係と言える関係だ。本作は、その津田氏がずっと温めてきた企画で、「ハイスピード、ハイテンション、そして厨二心をちょっとくすぐるようなライトノベルのような世界観」(津田氏)を持った2Dアクションだという。津田氏が通常の仕事の合間に少しずつ作っていたそうで、インティ・クリエイツでも予算がつかなかったというタイトル。そこで、ある程度形になった時点で會津氏が稲船氏に「どうリリースしたらいいか」と相談したのだそうだ。しかし、稲船氏は本作をプレイしたところ、「売り方以前に、まずシステムが古臭かった(笑)」と言い、自身がアクション監修として参加し、形にすることになった。
 稲船氏は津田氏の作るアクションを高く評価しており、ゆえにさまざまな指摘をし、いいものになるべく制作中とのこと。“BitSummit 2014”のインティ・クリエイツのブースでは、すでにプレイアブル状態の『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が出展されている。会場でぜひプレイしてみてほしい。『蒼き雷霆 ガンヴォルト』はニンテンドー3DS用ダウンロードソフトとして、2014年夏配信予定だ。

『Mighty No.9』や隠し玉『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が電撃発表された稲船敬二氏特別講演【BitSummit 2014】_03
『Mighty No.9』や隠し玉『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が電撃発表された稲船敬二氏特別講演【BitSummit 2014】_04
▲津田祥寿氏(左)は、カプコン時代に稲船氏の下でゲーム制作をしていた人物。
▲主人公のガンヴォルト(右)など、ライトノベルでも活躍できそうなタッチのキャラクターが登場。
『Mighty No.9』や隠し玉『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が電撃発表された稲船敬二氏特別講演【BitSummit 2014】_05
『Mighty No.9』や隠し玉『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が電撃発表された稲船敬二氏特別講演【BitSummit 2014】_06
▲メディアデイ(左)もパブリックデイ(右)でも、来場者の注目を集めていた『蒼き雷霆 ガンヴォルト』。