助演男優賞は細谷佳正さん、助演女優賞は石川由依さんが受賞

 2014年3月1日、東京・文化放送メディアプラスホールにて、第8回声優アワードの授賞式が開催された。
 声優アワードは、その年度に“もっとも印象に残る”声優や作品を対象に、その業績を称える賞。2006年に創設され、今年で8回目の開催となる。今回は、梶裕貴さんが2年連続で主演男優賞、神谷浩史さんが3年連続で最多得票賞を獲得した。なお、今回はパーソナリティ賞は該当者なしとなった。
 以下、各種賞の受賞者および受賞コメント、受賞作を授賞式の発表順に紹介する。
 

第8回声優アワードが開催 梶裕貴さんが主演男優賞、佐藤利奈さんが主演女優賞を受賞_01

新人男優賞
石川界人さん
「このような賞をいただき、大変うれしく思っております。まさか僕が受賞できるとは思っていませんでした。驚きと感激で胸がいっぱいです。この賞は僕ひとりで取ったものではありません。関わってくれた方々、作品、ファンの皆様とともに取ったものです。本当にありがとうございます」

山下大輝さん
「まさかこんなすばらしい賞をいただけるとは思っていませんでした。すごくびっくりしています。この賞は僕ひとりでは決して受賞できませんでした。支えてくださった偉大な先輩方、スタッフの皆様、マネージャーさん、そして応援してくださったファンの皆様のおかげです。ステキな先輩方のような役者になれるように精いっぱいがんばっていきますので、これからも応援をよろしくお願いします」

新人女優賞
内田真礼さん
「本日は、新人女優賞をいただけたということで、本当にうれしく思っています。キャラクターと向き合ってぶつかっていくことを教えてくださったのは、たくさん先輩方でした。そんな先輩のようになれるように、今年も来年もがんばっていきます!」

歌唱賞
宮野真守さん
「このような栄えある賞をいただき、心より光栄に思います。自分はまだ歌い手としてはまだまだ未熟です。このような賞をいただけたのはひとえに、支えてくれるファンの皆様、スタッフさん、楽曲を作ってくださるクリエイターの皆様のおかげです。本当に感謝しております。これからも声優宮野真守だからこそ歌える歌やパフォーマンスを目指して精進して参りますので、どうかよろしくお願いします」

キッズファミリー賞
比嘉久美子さん
「ステージに上がるまで、私の言葉で何が言えるかなと考えていました。作品に関わるたくさんの方々の大切な想いが繋がって繋がって、私を今日のこのようなステキな場所まで運んでくださったのだと思います。これからもたくさんの笑顔と出会うために、皆様と私の大切な想いを繋いで繋いでいきたいです」

シナジー賞
ガールズ&パンツァー
(代表者として渕上舞さんが登壇)
「本日は代表としてここに立たせていただいております。作品の製作に関わってくださった皆様、物語の舞台となっております茨城県大洗町の皆様たちとともに作り上げた『ガールズ&パンツァー』が、こんなにもすばらしい賞を受賞することになり、とてもうれしく、誇りに思っております。本当にありがとうございました」

富山敬賞
三木眞一郎さん
「声優というものを知って初めて覚えた方の名を冠した賞をいただけるということで、とてもうれしいやら、照れくさいやらです(笑)。いま自分がここに立てるのも、両親が生んで育ててくれたからですし、愛する妻と愛する息子が僕を支えてくれたからでもあります。そして、そんな僕の背中をファンの皆様や、先輩方が押してくださったからです。いただいた賞に恥じないように、これからも精進していきたいと思います」

高橋和枝賞
三石琴乃さん
「本当に光栄に思います。いままでに出会えたキャラクターや、そのキャラクターを生み出してくれたスタッフの方、そのキャラクターを愛してテレビの前で応援してくださった皆様のおかげです。声優として、女性が長く続けていくことはとても大変だと思いますが、これからも先輩方を見習って、自分なりにあがいて、錆びつかないようにがんばっていきたいと思います。今日いただいたこのトロフィーは、ダメママな私をいつも影で支えてくれている主人と娘に捧げたいと思います。ありがとうございました」

功労賞
キートン山田さん
「僕はまだ中堅でございます(笑)。いやほんとに(笑)。人生まだまだ後半に続く、という感じです。とある友人から「とりあえずもらえるものはもらっておきなよ」と言われたもので、今日は来ました(笑)。本日は本当にありがとうございました!」

納谷六朗さん
「人間長く生きているといろんなことがあるものですね(笑)。僕は今年で81になります。トロフィーのプレゼンターが81プロデュースの社長(南沢道義氏)ということで、なんか変な感じです(笑)。今日はどうもありがとうございました」

特別賞
アンパンマン
戸田恵子さん(代表者として)
「今日はステキな賞をいただきありがとうございます。また、ともにほかの賞を受賞された皆様、おめでとうございます。キートン山田さんが中堅であるならば、私と中尾さんはまだまだ新人であります(笑)。先は長いなと思います(笑)。ご承知のように、昨年の10月、『アンパンマン』の生みの親であるやなせたかし先生がサッとマントをつけて天国へパトロールに行ってしまいました。その喪失感たるや相当なもので、正直なところしばらくやる気が出ませんでした。しかし、そうも言っていられないということで、さまざまなイベントに参加しつつ、番組はこれまで通り続けさせていただきました。たくさんの子どもたちと接することで、答えを見つけることができました。子どもたちは大人の事情には関係なしに『アンパンマン』が大好きで、着ぐるみに元気いっぱいで突進してきてくれたり、大きな“アンパンマン”のリュックを背負っていたりしてくれます。そんな姿を見て、やなせたかし先生は天国で笑っておられると思います。私たちは本当に大きな傘の中に入っていたのだなと実感しました。私たち個人では小さな傘しかさせませんが、声優チーム、スタッフと、みんなで小さな傘を繋げて、先生のような大きな傘になれるようにがんばっていきたいと思います。今日は本当にステキな賞をありがとうございました」

中尾隆聖さん(代表者として)
「ステキな賞をありがとうございます。25年間『アンパンマン』に出演させていただいております。ステキなキャラクターに出会えたことを誇りに思います。これからもやなせ先生の大切にしていらした“想い”を、番組を通して伝えていけたらいいなと思います。これからも精進してがんばっていきますので、応援のほどをよろしくお願いします。本日は本当にありがとうございました」

特別功労賞
内海賢二さん(妻・野村道子さんが登壇)
「1年の間に、名だたる声優の先輩方がつぎつぎと天国へ旅立たれました。内海賢二もそうです。どうも最近夢に彼が出てこないのですが、それはきっと天国がとても賑やかで忙しいからだと思います。彼が大好きだった“あねさん”、ウチではそう呼んでいたのですけれど、来宮良子さんと同じ賞をいただけて、本当に大満足だと思います。今日はありがとうございます」

来宮良子さん(関係者/俳協 理事長 田代利之氏が登壇)
「第2回の声優アワードでも、功労賞を頂戴しているのですが、その際私が本人に電話してそのことを伝えました。すると一言“私なにもしてないわよ?(笑)”と言っておりました。いかにも来宮らしいです。今日の受賞のことも、改めて報告しようと思っているのですが、きっと恥ずかしがるのではないかと思います(笑)。昨年の11月25日に亡くなるまで、およそ60年に渡り、俳優、声優、ナレーターとして活躍して参りました。長きに渡り来宮を支えてくださったスタッフの皆さん、共演者の皆さん、そしてテレビを通して彼女を支えてくれたファンの皆さん、本当にありがとうございました」

助演男優賞
細谷佳正さん
「皆さん、始めまして、細谷佳正です。本日はステキな賞をありがとうございます。受賞が決まったときは、全然実感が湧きませんでした。周りのスタッフの方が“声優始めたばかりのころはスケジュールが真っ白だったのに、賞をとれて本当によかったね!”と受賞を喜んでくれたのが本当に印象的でうれしかったです。共演者の方々、スタッフの皆様、ファンの皆様が喜んでくださることが、自分にとってもっともうれしいことです。実感はまだちょっとしかないままなのですが、今日一日は大いに喜んで、明日からは通常通り仕事を楽しんでがんばっていこうと思いますので、これからも応援よろしくお願いします」

助演女優賞
石川由依さん
「今回はステキな賞をありがとうございます。2013年は私にとってすごく幸せな1年でした。『進撃の巨人』をはじめとする素晴らしい作品に出会わせていただき、そして声優の先輩方や共演者の方々に恵まれて本当に素晴らしい1年を過ごさせていただきました。ただ、あまりにも新しいことをたくさんやらせていただいたので、自分のことでいっぱいいっぱいで、なかなか振り返ったり反省したりする余裕がないまま突っ走ってきてしまったような気がします。そんな中、今回このような賞をいただき、改めて皆様に感謝の意を伝えるチャンスをいただいたように感じます。支えてくださったスタッフの皆様、キャストの皆様、いつも身近なところで見守ってくれている家族、応援してくださったファンの皆様、本当にありがとうございました。これからも、助演女優賞をいただいた身として恥ずかしくないよう、大好きなお芝居でがんばっていきたいと思います」

最多得票賞
神谷浩史さん(代理人が登壇し、神谷さんの手紙を朗読)
「この度は、最多得票賞をいただき誠にありがとうございます。本来であれば授賞式に参加させていただきたかったのですが、スケジュールの都合が合わず、大変申し訳ございません。昨年、一昨年に続きこの賞をいただけたことは大変光栄に思っております。作品に参加させていただき、ひとつひとつのセリフに真剣に向き合ってきた結果としてこのような形で評価いただいたことは、声優という誇りある仕事を続けていくうえで無上の励みとなります。これからもこれまでと変わらず精いっぱい取り組んで参りますとともに、生涯現役を目指し日々精進していこうと思います。この1年間お世話になりました、作品を支えてくださったスタッフの皆様、共演者の皆様、そして作品を愛してくださるすべての方々へこの場を借りて御礼申し上げ、ご挨拶と変えさせていただきます。本日は本当にありがとうございました」

主演男優賞
梶裕貴さん
「1年前、ここでこの賞をいただいたときは(二年連続受賞となる)、またこのような賞をいただけることは難しいのではないかと思っていました。でも、日ごろ支えてくださっているファンの皆様、そして共演者やスタッフの皆様の支えがあってまた受賞させていただくことができました。本当にありがとうございました。昨年1年は、改めて“ご縁”というものの大切さを知ることができた年でした。これからもひとつひとつの作品、役、新しく出会うスタッフの方、共演者の方、応援してくださる皆様、すべての人との出会いを大切にしてひとりの役者としてがんばっていきたいと思います。魂をこめて、心臓を捧げて、がんばっていきたいと思います」

主演女優賞
佐藤利奈さん
「主演女優賞という、大変素晴らしい賞をいただき光栄に思います。正直なところ、賞をいただけると聞いたときは、“私がいただいていいのだろうか?”と不安に思っていました。この賞が発表された生放送を聞きながら、スタッフさんが電話をしてくれました。名前が呼ばれた瞬間に皆さんが“名前呼ばれましたよ! おめでとうございます!”って言ってお祝いをしてくれました。愛すべき家族のようなスタッフさんに恵まれて光栄に思います。それと、私Twitterをやっているのですが、そこでもたくさんの方々が祝福のコメントをくださいました。“自分のことのようにうれしいです! 涙が出ました!”というコメントを読んで私自身も涙が出ました。この賞は私ひとりがいただいたものではなく、支えてくださった多くの皆様のおかげで受賞することができました。この世界にはとてもすばらしい先輩方がたくさんいらっしゃいます。その背中は果てしなく遠く、私なんてひよっこでまだ卵にもなっていない状態だと思いますが、とにかくその素晴らしい先輩方の背中を一生懸命追いかけて、真摯に初心を忘れず、そして周りの方々を大切にして、これからも精進していきたいと思います。これからもよろしくお願いします」