あなたの想像力が最高のレースを作り出す

 ロックスター・ゲームスのプレイステーション3/Xbox 360用オンラインサービス『グランド・セフト・オート:オンライン』(以下、『GTAオンライン』)について、開発チームが実際に使用しているツールの一部を使って、プレイヤーの手で“ジョブ(『GTAオンライン』でのミッションやクエスト)”を作成することができるようになった。現在はレースが作成可能で、近日配信予定のアップデートではデスマッチも作成可能となる予定だ。以下、リリースより抜粋してお届けする。

■コンテンツクリエイターで自分だけの“ジョブ”を作ろう
 『GTAオンライン』では、ロックスター・ゲームスの開発チームが実際に使用しているツールの一部を使って、プレイヤーの手によって“ジョブ”(『GTAオンライン』でのミッションやクエスト)を作成することができます。現在はレースが作成可能ですが、近日配信予定のアップデートではデスマッチも作成可能となる予定です。
 ロックスター・ゲームスSocial Clubではすでに、全世界のプレイヤーから250万以上ものジョブが作成、投稿されています。今回は、レースを題材に初めて“ジョブ”を作成するプレイヤーに向けた解説から、より多くのプレイヤーに楽しんでもらえるレース作りに必要なコツやヒントをご紹介します。

『グランド・セフト・オート:オンライン』開発チームが実際に使用しているツールの一部を使って自分だけの“ジョブ”を作ろう_01

■レースの種類を選びましょう
 まず、作成するレースの種類を決めます。ランドレース、シーレース、エアレースのいずれかの選択に加えて、さらに二輪車を使用した複数の地形にまたがる耐久レースなのか、クラ
シックスポーツカーで広大なエリアを駆け抜けるのか、飛行機で街中を飛びナイフエッジの
スキルを試すのか、それともまったく別の何かなのか、といった内容を考えます。
 しっかりと“目指す物”を初めから決めておくことで、方向性がブレなくなります。“レース詳細”メニューから使用する乗り物、時間帯、周回数、天候などさまざまな項目を設定できますが、テストプレイをしてみて考えが変わったり、不都合な点が判明した際には、後からこれらの項目を変更できるので、あまり悩まずに進めましょう。

『グランド・セフト・オート:オンライン』開発チームが実際に使用しているツールの一部を使って自分だけの“ジョブ”を作ろう_02
▲スターティング・グリッドの配置で順調な滑り出しを。

■スタート位置とコース設計
 レース作成の第一歩は“トリガー”の設置です。トリガーとは、フリーモード中のプレイヤーがレースを開始するために向かう場所であり、スターティング・グリッドの周辺に設置する必要があります。現在プレイヤーがいる場所がレースの作成を開始したい地点から離れているときは、STARTボタンを押して行きたい場所をマップ上で選ぶことで、瞬時にその地点へ移動できます。レース開始前にプレイヤーが集まる際の背景となるロビー・カメラ用の撮影も行えます。
 つぎに決めるのは、レースのルートを示すことになる、チェックポイントの配置です。チェックポイントの位置がコースの面白さを決めるのでしっかりと考えましょう。左スティックでゲームの世界内を移動し、右スティックでカメラのパン、L2/LTとR2/RTでズームができます。“レース詳細”メニューで決めた乗り物の設定をとくに考慮して(ただし設定は後から変更可能です)、レースに使用する地形や場所を時間をかけて慎重に検討しましょう。すでに配置済みのチェックポイントのあいだに新たなチェックポイントを追加するときは注意が必要です。先に配置したふたつのチェックポイントのあいだに表示されている青い線に触れる形で新しいチェックポイントを配置しないと、新しいチェックポイントはレースの一番後ろの地点として配置されてしまいます。配置済みのチェックポイントのあいだに新たにチェックポイントが追加されるときは、青い線が黄色くハイライトされます。“レース詳細”メニューでルートタイプを“ラップ(周回)”に設定している場合、レースのルートがスタート地点に戻って来なければいけないことも、念頭に置きましょう。“ターゲットレース”を選択した場合は、最後に配置したチェックポイントが自動的にゴール地点となります。
 レースは必ず1キロ以上の距離を必要とし、作成したプレイヤーによるフルテストを最低1回は完了させなければ(十分な精査には、2回以上のテストを強く推奨します)公開できません。

■アイテムを配置しよう
 小道具、武器、ブーストの独創的な配置を工夫することで既存のゲーム世界のレイアウトに手を加え、自分だけの個性的なレースを作り上げることができます。戦闘行為もOKの“GTAレース”でのプレイを選択した場合は、レースのルート上に武器、ライフ、ブーストを
設置できます。これらは“設置物”内の“武器”メニューにあり、小道具は“設置物”内の“小道具”に含まれています。うまく配置を行えば、橋を封鎖することや、ジャンプ台を配置してレースの進行にアクション映画的なスペクタクルを加えることなど、想像力次第であらゆることが可能になります。特定のジャンプ台を飛び越える際に、カメラが特別なアングルに切り替わるスタントジャンプを配置することもできます。スタントジャンプを配置するには、プレイヤーがジャンプを開始するジャンプ台の端と、スタントジャンプ用のカメラの位置、ふたつのマーカーを設置します。カメラの高さは、アナログスティックを使って調節できます。

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▲ジャンプ台の設置に絶好のポイントを探そう。

■陸上? 海? それとも空中?
 チェックポイントの配置可能な場所がランドレースの場合は平坦な地形、シーレースの場合は水上であるという当然の違いを除けば、ランドレースとシーレースの作成行程はよく似ています。また、小道具はそれぞれ設置できる場所が決まっていることにも注意しましょう。たとえば、ブイやウォータージャンプは水の上にしか設置できません。エアレースを作成する際は、チェックポイントの高さも考える必要があります。左スティックを押すことで各チェックポイントの高度を上げ、右スティックを押すことで高度を下げられます。

■テストプレイでチェックしよう
 すべてのゲーム開発がそうであるように、本当に特別な傑作を生み出す一番の方法は、厳格なテストと改善です。レース作成中はいつでも、進行状況を失うことなく自分でレースのテストが行えます。納得のいかない点を発見したときは方向キー/方向パッドの下を押してクリエイターに戻れば、素早くその地点まで移動して微調整や大規模な作り直しが行えます。
 また、SELECT/BACKボタンを押せば、ゲーム内カメラに切り替えて乗り物に乗った状態で簡単にチェックポイントや小道具を配置することができます。実際に移動しながらレースのチェックポイントの配置ができるだけでなく、これによりクリエイターのカーソルが届かない地下トンネルの中といったエリアにも入ることができます。
 レースのテストをする際は、リタイアしたプレイヤーの復活地点が正常に機能するか、
とくに障害物や大きな構造物が近くにある場合に問題がないか確かめることも重要です。

■作ったレースを大幅に変更したい場合には?
 よくあることですが、ときにはそれ以上行き場のない場所にたどり着いてしまったり、チェックポイントの配置が酔っぱらったトレバー・フィリップスのように混沌としてしまったりすることもあります。白紙に戻して作り直したいときは、いつでも“設置物”内の“削除”からすべてのチェックポイントを削除することや、すべての要素をまとめて削除することができます(すべての武器、すべての小道具、すべての可動小道具、すべてのスタントジャンプの削除も行えます)。

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▲あとはSocial Clubウェブサイトで公開して、ほかのプレイヤーと楽しもう。

■レースデザインのヒント
 コンテンツクリエイターの基本的な仕組みが分かったところで、ほかとは違う際立ったレースを作るためのアドバイスをいくつかご紹介します。

・つねにつぎのチェックポイントがよく見える配置にすること。参加するプレイヤーを混乱させずに、勝敗の決め手が“プレイヤースキル”になるように心がけましょう。
・急カーブでは、チェックポイントをカーブの頂点の少し手前に置くこと。カーブを予告することでプレイヤーにブレーキをかける十分な余裕が生まれ、コース取りに集中することができます。
・99%の場合において、うまく配置されたひとつのチェックポイントのほうが、バスの残骸を並べるよりも適切なコーナーの目印になります。
・説明では、ほかのプレイヤーにレースをどうプレイするのが一番いいかを伝えるようにしましょう。たとえば、小道具を多く設置して道を塞いだため、一般車の交通をオフにしたほうがレースの進行にいいとテストで感じたのなら、それをほかのプレイヤーにも知らせましょう。
・武器やライフといったアイテムは、ひとりのプレイヤーが同時に両方を拾えないよう十分に距離を置いて別々に配置しましょう。これにより、リードしているプレイヤーが有利になりすぎることを避け、GTAレースの競争性を高められます。
・武器の配置、具体的にはミサイルの配置は控え目に行いましょう。ミサイルを多用してつねに不安定な状態を作ってしまうのではなく、GTAレースにおけるターニングポイントの可能性を示す役割を持たせるべきです。長い直線の入り口など、戦略的に効果の高い場所に配置することを心がけましょう。
・武器の配置を行うと、作成されたレースはすべてGTAレースとしてプレイ可能になります。作成したレースが通常のレース、GTAレースの両方でバランスが保たれ楽しめるものになっているかをよく確かめることで、プレイヤーがくり返し遊びたくなるレースが生まれます。
・ジャンプ台の設置も控え目に行うべきです。ジャンプ台の数が多すぎる、あるいは配置がよくない場合、動きが妨げられ、悪い意味で印象的なレースになってしまいます。
・ブーストは直線上の逆転のチャンスとなる位置に配置し、その効果を最大限に持たせましょう。
・スタントジャンプのカメラをコーナーの前に置くとプレイヤーが自分の乗り物を見失う可能性があるので、配置しないこと。
・乗り物の選択はつねにコースのレイアウトや地形を考慮し、慎重に決めましょう。コンパクトカーは都市部の入り組んだルートに最適で、オフロードタイプの乗り物はブレイン郡の険しい自然の中でもっとも力を発揮します。スポーツカーとオフロードなど、違う乗り物タイプを組み合わせたレースを試したい場合は、どちらか片方だけが有利にならないように地形やコースを組み合わせるのがいいでしょう。また、ゲーム内のタイトで危険な山道を通るバイク用のショートカットといった分岐ルートを含むエリアを選ぶことも可能です。バランスがすべてです。そしてそれは入念なテストを通して達成されます。さまざまな乗り物を使ってレースを試し、どの乗り物でもつねに近いタイムが記録できるようになることを目指しましょう。
・エアレースでは、長時間の直線的な飛行のくり返しを避けるため、垂直、水平、横の動きを組み合わせてパイロットのテクニックの見せ所をつくりましょう。空ではハンドブレーキが使えないので、あまりに急なターンはレースの難易度を理不尽に上げてしまったり、不可能にしてしまうかもしれません。チェックポイントの位置調整をする時は、ゲーム内カメラに切り替えて各飛行機のターン性能の感覚を掴むのがいいでしょう。
・パイロットの技術をとことん試すレースを作りたい場合は、難度の高いエリアを作るためにチェックポイントの配置とゲームの世界そのものを巧妙に組み合わせることを考えましょう。たとえば、橋の上下を縫うように配置されたチェックポイントでは高度のコントロール力が試され、近接する高層ビルの間にチェックポイントを配置すれば、パイロットはナイフエッジを余儀なくされます。

 今回ご紹介したことをもとに、何よりもプレイヤーによる“テストと改善”を重ねることがキーとなります。それではコンテンツを作り出す、“クリエイター”の楽しみを存分に味わって下さい。

■最後に。分かち合いは思いやり
 納得のできるレースが完成したら、“公開”を選択してSocial Clubコミュニティと共有しましょう。フリーモードセッション内のほかのプレイヤーがSocial Clubウェブサイトを通して作成したジョブにアクセスし、ダウンロード、プレイ、評価、共有をいつでも行えるようになります。認定ジョブに日本のプレイヤーが作った“ジョブ”が加わるかどうかは、『GTAオンライン』に参加しているあなた次第です。