来場者の満足度を向上させるために取り組む5つのポイント
ゲーム業界最大の催しと言えば、何といっても東京ゲームショウ。とはいえ、開催は毎年秋だし、「まだまだ先だな～」などと、のんびりしていたら2014年2月19日に都内にて“東京ゲームショウ2014開催発表会”が実施された。そう、東京ゲームショウ2014の開催概要が明らかにされたのだ。
東京ゲームショウ2014の会期は、2014年9月18日（木）～21日（日）で例年通り4日間の開催。18日、19日はビジネスデイとなる。会場はもちろんおなじみの千葉県・幕張メッセだ。
今年のテーマはずばり“GAMEは変わる、遊びを変える。”以下に、主催者側からテーマに込められたメッセージをそのまま引用させていただくが、今年はいよいよプレイステーション4やXbox Oneが発売されるということで、新しいゲームが引き起こすイノベーション（変革）が遊びを変えていくという強い意志が込められているそうだ。
“GAMEは変わる、遊びを変える。”
GAME の新しい世界が、いよいよやってきます。
それは、ネットワークとの融合から生まれる世界。
これまでのGAME の常識を変えるイノベーションは、
まだ誰も知らなかった感動と興奮をもたらすはずです。
GAME は変わる、遊びを変える。
今年のテーマには、そんな未来を拓くGAME への
期待と決意が込められています。
GAME の新しい世界の幕開けを、
東京ゲームショウ2014 で体感してください。
というわけで、順番が前後したが、“東京ゲームショウ2014開催発表会”の模様を追いかけてみよう。まず発表会に登壇したのは、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会（CESA） 会長の鵜之澤伸氏。鵜之澤氏は、「新しくあるべき姿を作ろう」という意気込みのもと取り組んだ昨年の東京ゲームショウ2013が、過去最最多の来場者数である27万197人を記録するなど、大成功を収めたことに対する手応えをにじませつつ、今年はさらに発展させていく方針であることを明言。「プレイステーション4やXbox Oneといった新世代機も発売されますし、一方でソーシャルゲームやスマートフォン向けゲームが勢いを落とすこともありません。メーカーさんには、今度の東京ゲームショウで新しいカタチを提案していただきたいです」とコメントした。
おつぎは、東京ゲームショウを共催する日経BP社 代表取締役社長、長田公平氏が登壇した。2002年に日経BP社が共催として東京ゲームショウに参加してから今年で13年目。その間ゲーム産業は年々大きくなっていると長田氏は語り、「新世代機がリリースされて、ゲーム業界がさらに活性化している印象があります。ソーシャルゲームやスマートフォン向けゲームなど、新しい形が生まれています。今年も一段とおもしろくなりそうです」と、東京ゲームショウ2014に対する感触を口にした。
会見では、その後日経BP社 東京ゲームショウ事務局 船本泰弘氏による“東京ゲームショウ2013結果発表”が行われた。アジアNo.1の国際的なイベントとして大きく成長したという東京ゲームショウ2013は、さきほども触れた通り、過去最多となる27万197人の来場者を動員。出展社数も、前年比約70％の増加となる、過去最多の352社を記録したという。出展社数の増加に貢献したのは、海外出展社で、前年の約2倍となる162社が参加。東京ゲームショウの国際化がさらに図られているという傾向が顕著になった。なお、海外からの出展では、東南アジアからの参加がとくに増えて、前年の約8倍にも及ぶという。
ちなみに、船本氏からは来場者にアンケートを行い、8割前後の人が東京ゲームショウ2013に満足しているという結果が出たことなどが明らかにされた。
その後で、肝心の東京ゲームショウ2014の開催概要が、日経BP社 東京ゲームショウ事務局 事務局長 渡辺一正氏から発表された。会期が2014年9月18日～21日、テーマが“GAMEは変わる、遊びを変える。”となったことは冒頭でご紹介した通り。最初に予定開催規模として、来場予定者数が22万人、出展予定者数が300社という数字が披瀝されたが、昨年の実績からするといささか控えめな印象。この数字は、「最低ラインとして、それ以上の規模を目指します」（渡辺氏）とのことだ。
中期ビジョンの実現に向けて、“アジアNo.1の情報網羅性”や“世界最大規模のイベント”などを上げ、「アジアのハブとして、世界に情報を発信する」（渡辺氏）という目標を掲げた東京ゲームショウだが、東京ゲームショウ2014開催にあたっての強化ポイントは以下の5つ。これにより、一般来場者の満足度向上を実現するという。
1.会場規模とコーナー配置
2.大型ブースの出展エリアを変更
3.一般来場者入場口を変更
4.来場者の満足度向上策
5.アジア圏からの出展強化
かいつまんで説明すると、昨年度同規模の過去最大の床面積で実施される東京ゲームショウ2014。今年はファミリーコーナーがホール8へ、飲食コーナーがホール9へと移動。さらに、人気ブース間の混雑を緩和し、来場者の動線を確保することも目的に、大型ブースの出展エリアを会場の南北壁側に配置することにするという。それにともない、一般来場者入場口も変更され、ホール1のサイドに。これにより、入場口は例年より1.5倍の広さになり、待機列の早期解消を目指す予定だ。
来場者の満足度向上策としては、案内看板や全体図の改善やデジタルサイネージの拡充など、会場案内の充実を心がけるという。また、飲食コーナーにテーブルを増設するなど、座って休憩できるエリアを会場内に増やす取り組みも行う。一方で、昨年開催して好評だったe-Sports競技会“サイバー・ゲームス・アジア”やコスプレエリア、“大抽選会”といった、“楽しめる・もらえる主催者企画”は継続実施するとのこと。「少しでも多くの人に、“来てよかった”と思ってもらえるイベントにします」（渡辺氏）という目標は、東京ゲームショウ全体の方針と言えるだろう。
アジアNo.1を掲げる東京ゲームショウにとって、アジア圏からの来場者促進は必然の流れ。そのための取り組みとして、昨年は東南アジアでコスプレコンテストを開催し、優勝者を東京ゲームショウのイベントステージプログラムに招待したが、今年はそれをさらに強化。2013年はタイ、マレーシア、ミャンマーで行われたが、今年はその3ヵ国に加えて、インドネシアやベトナムでの実施も予定しているという。
ちなみに、東京ゲームショウとは少し離れるが、日経BP社では、CESA依頼のもと、ゲームメーカーを対象とした“Game Networking”を開催している。こちらは、簡単に説明すると東南アジアのメーカーと日本のゲームメーカーとのビジネスマッチングを図るというもの。すでに、2012年、2013年と開催され、多数の実績を上げているという。今年も5月にタイ・バンコクとフィリピン・マニラで開催予定だという。
日本のゲームメーカーが、ビジネスの拡張を図ろうと思ったら、やはりアジア展開は必須。東京ゲームショウが“アジアのハブ”を目標とするのも、日本のゲーム産業の将来を考えると当然の流れと言えるのだろう。とはいえ、東京ゲームショウだけではできることに限りがあり、ビジネスマッチングなどに取り組むことでアジア市場を開拓し、ひいてはそれが東京ゲームショウの存在価値の向上にもつながる……という意味では、こうした着実な取り組みは歓迎したいところだ。
さて、来場者の満足度を向上させるために、さまざまな改善点に取り組んだという東京ゲームショウ2014。この秋の開催に、記者もいまからワクワクです。最後に、東京ゲームショウ2014の開催概要をお届けしよう。
■開催概要
名称：東京ゲームショウ2014 （TOKYO GAME SHOW 2014）
主催：一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会（CESA）
共催：日経BP社
後援：経済産業省（予定）
会期：
2014年9月18日（木） ビジネスデイ 10：00～17：00
2012年9月19日（金） ビジネスデイ 10：00～17：00
※ビジネスデイは、ビジネス関係者およびプレス関係者のみのご入場となります。
2012年9月20日（土） 一般公開日 10：00～17：00
2012年9月21日（日） 一般公開日 10：00～17：00
※一般公開日は、状況により、9:30に開場する場合があります。
会場：幕張メッセ（千葉県千葉市美浜区）
展示ホール1～9／イベントホール／国際会議場
来場予定者数：22万人
出展社数：300社（予定）
募集小間数：1600小間
入場料：一般（中学生以上）・・・当日1200円（前売券：1000円）
（一般公開日） 小学生以下・・・・・・・・・入場無料
