アップグレード版やディスク版の時期が判明! 日本は!?

 2014年1月23日から27日にかけて台湾の台北で開催されている、2014台北ゲームショウ(TAIPEI GAME SHOW)。現地法人のSony Computer Entertainment Taiwan(以下、SCET)ブースでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(以下、SCEJA)関連や、サードパーティーのゲームにまつわるトークイベントを開催している。2014年1月24日のSCETブースでは、カプコンから日本で2014年に発売予定のプレイステーション3(以下、PS3)用ソフト『ウルトラストリートファイターIV』のイベントが開催。『ストリートファイター』シリーズの統括プロデューサーを務める小野義徳氏と、本作でアシスタントプロデューサーを務める綾野智章氏が登壇し、本作に関する発表を行った。

『ウルトラストリートファイターIV』、YouTubeアップ機能、配信日など新情報満載! 第5の新キャラも!?【2014台北ゲームショウ】_01
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▲小野義徳氏。台北ゲームショウではおなじみで、もともと人気が高いが、流暢な台湾語で挨拶を披露すると、会場から大きな歓声が挙がっていた。
▲綾野智章氏。小野氏に負けじと中国語を披露するも、発音がよくなかったのか、あまり伝わらなかった様子。
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▲イベントスタート前に、観客にプレゼントを見せるコンパニオン。今回は、『ストリートファイターIV』のフィギュア。

 ステージは、小野氏と綾野氏による漫才のような掛け合いで進行。『ウルトラストリートファイターIV』の特徴をそれぞれ紹介していく。最初に話題に挙がったのは、“4人の新キャラクター”。本作では、『スーパーストリートファイターIV』のキャラクターに加え、ポイズン、ヒューゴー、ロレント、エレナの4人が追加されている。しかし、スクリーンに表示された数字を見ると、“総勢44名”と(中国語で)書いてあるのだ。これに対し、小野氏は「新キャラは、4キャラしか出ないんですか?」と綾野氏に問いかけ。すると、綾野氏は「いい質問です。44キャラクター出るんですが、いまは39キャラなので、じつは5人目がいるんです。ですが、詳細は今後のお楽しみで」と返答。この5人目のキャラクター、非常に気になるところ。本記事の最後に、ちょっとしたヒントが……!?

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 また、そのほかの特徴としては、多段攻撃がセービングできるようになる“レッドセービングアタック”。2種類のウルトラコンボを発動できる“ウルトラコンボダブル”。世界中のユーザーどうしでネットワークを通じたトレーニングモードが楽しめるになる“オンライントレーニングの登場”などがある。さらに、“チームバトルが進化”。勝ち抜き戦のルールはそのままに、その前の戦いの体力を引き継ぐようになったため、「体力を引き継ぐことで、強い人しか残れなかったのが、みんなにチャンスが出てくるんじゃないかと思います」(綾野氏)とのこと。

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 そして、続いての新要素の発表は世界初の公開。“ワンボタンで動画をYouTubeにアップロードできる”というもの。PS4のSHARE機能などで話題の動画アップロード機能を、本作ではPS3で実現するという。詳しくは、本記事の末尾にあるインタビューを参照のこと。

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 ひと通りの新要素発表が終わり、製品情報の説明に。本作には、ディスク版とアップデート版が存在し、アップデート版は『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』だけでなく、『スーパーストリートファイターIV』からもアップデートができるようになっている。発売&配信時期は、アップデート版が2014年6月上旬。ディスク版が2014年8月上旬(この時期が日本版でも当てはまるかは不明)。価格は公表されていないが、「お安くなっています」(綾野氏)とのこと。ちなみに、そこからなぜか小野氏が「ソニーさんのFacebookで、綾野が10本プレゼントっていうのはありえる?」と無茶ぶり。そのまま、話はスルスルと進み、綾野氏がアップデート版を自腹で10本プレゼントする流れに……。小野氏は、「綾野が自腹で10本買っても大丈夫なくらい安い!」と、この状況を活かした(?)アピールをしていた。

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 ここで、特別ゲストとして、プロゲーマーのGamerBee氏とRB氏が登場。本作で新しくなったチームバトルの機能を使って、小野氏&綾野氏のカプコンチームと対戦を行う。ちなみに、この対戦は実際にPSNを通じた対戦だったが、とくにラグなどはなく、対戦相手がその場にいることも相まって、ネットワーク越しの対戦とは思えない滑らかさだった。そして、対戦の内容はと言うと、それぞれが本作の新キャラクターを選択し、最初にポイズンを使った小野氏とヒューゴーを選んだRB氏の試合で、RB氏が勝利。ここで、小野氏が「RBに勝ったら、綾野にお年玉をあげる!」と宣言すると、小野氏との対戦で体力が減っていたRB氏は、ロレントを使う綾野氏にあえなく敗退。小野氏からのお年玉が……と思いきや、「体力引き継いでるんだから、やっぱりGamerBeeに勝ったらに変更」と、お年玉は延期。続いて、綾野氏とエレナを使うGamerBee氏の対戦。前の戦いから体力が減っている綾野氏は、善戦をするも、GamerBee氏のエレナの前にあえなく敗退。お年玉どころか、小野氏から「ふがいない負けかたをしたから、アップグレード版のプレゼントは20名に変更!」と、綾野氏の自腹負担額が増える結果になっていた。

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▲プロゲーマーのRB氏とGamerBee氏。
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 ここで、さらにゲストが登場。ゲストとして現れたのは、カプコン台湾の越知雄一氏。越知氏は、『モンスターハンター フロンティアG』の紹介スライドをつぎつぎと見せると、2014年に中文版のサービスを開始することを発表。PSフォーマットでのサービス開始となるが、それがPS3なのか、もしくはPS Vitaなのか、フォーマットの詳細については明かされなかった。さらに、トークの流れで、越知氏は綾野氏に負けじと、『モンスターハンター フロンティアG』を30名にプレゼントすることを宣言。今後、どういった形でプレゼントされるのかわからないが、綾野氏の『ウルトラストリートファイターIV』アップデート版とともに、続報に注目したい。

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▲越知雄一氏。
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 イベント終盤は、台北ゲームショウSCETステージ恒例のプレゼントコーナー。『ウルトラストリートファイターIV』と、『モンスターハンター フロンティアG』にまつわるクイズを出題し、答えられた人たちにプレゼントを渡していた。

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 イベントの締めとして、小野氏、綾野氏から台湾のユーザーへコメント。

綾野氏 『ウルトラストリートファイターIV』、皆さんに1日でも早くお届けできるように開発を進めております。21本目から売り上げを数えたいと思いますので、よろしくお願いします!(笑)
小野氏 本当に毎年多くの方にいらっしゃっていただき、ありがとうございます。そろそろ『ストリートファイターIV』というロゴも飽きてきたので、つぎはまた違うロゴを持って来れたらなと思っています。

 小野氏の発言が非常に気になるところだが、この発言に綾野氏がすかさず「ダッシュですか!」と突っ込むと、小野氏は笑顔で「そうそう。ダッシュ!」と答えていたため、真意はいまだわからず……。“IV”ではないというと、“V”という文字が浮かぶが……?

5人目の新キャラクターは、プレイアブルではないキャラクター!?

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 ステージイベントの終了後に行われた、台湾メディア向けのメディアセッションの模様もお届けする。ステージでも話題になった5人目の新キャラクターに食いつく台湾メディアに、小野氏からさまざまなヒントが飛び出した……!

――YouTubeへのアップロード機能ですが、『ストリートファイターIII』にあったバージョンでは、オフィシャルのYouTubeチャンネルへアップロードされていましたが、今回は自分のアカウントにアップできるのでしょうか? また、画質は選べるのでしょうか?
綾野智章氏(以下、綾野) 『ストIII』では、専用の公式サイトにアップロードしていたんですが、本作では各ユーザーにひもづいたアカウントにアップロードできます。画質は、本作に最適なように自動的に変更されてアップロードされます。

――以前、『ストリートファイター』のキャラクター全員が登場するイラストがありましたが、そのときはリュウの横に、列がいました。彼が、今度の『ウルトラストリートファイターIV』に登場するという噂がありますが、5人目の新キャラクターは列ですか?
小野義徳氏(以下、小野) 列は出ません(笑)。ネット上で列やレインボー・ミカなど、いろいろ憶測がありましたが、どちらも出ません。いまのところ、ネット情報でかすっている人は4人くらいしかいませんでした。65億人の中で4人は当たっていましたよ。……これ、かなりすごいこと言ったでしょう!
綾野 ヒント出しますねー(笑)。
小野 今日から、Googleで探してみてください!

――YouTubeの動画エンコードは、PS3だけで完結するのか、それともカプコンのサーバーを介してエンコードするのか。
綾野 PS3の本体でエンコードしてアップロードします。

――まだ公表されていない新キャラクターの話題なんですが、さっきのヒントはマニアックなので、バトルスタイルなどの情報を教えていただけないでしょうか?
綾野 僕の口からは言えないです……。
小野 じゃあ、僕の口から(笑)。こういうインタビューがあるたびに、全世界のカプコンPR担当がヒヤヒヤしているんですね。でも、今日はいないので、ちょっとだけ(笑)。ちょっと動きが早いです。もう噂になっていると思いますけど、女性です。たぶんリリースされるとやっかいです。喜ぶ人は、最初発表された段階ではほとんどいないかもしれません。
綾野 ちょちょちょちょ!(笑) メチャクチャ言いますね!
小野 『ストリートファイターワールド』には存在しますが、一度たりともプレイアブルで出たことはないキャラクターです。これくらいで勘弁してください(笑)。

――新要素のレッドセービングアタックについて、『ストIII』のときにあったブロッキングに似ているように思いますが、そこにヒントを得たのでしょうか?
綾野 ブロッキングは『ストIII』において、すごく高度なプレイヤーしか使えなくて、かつ真空波動拳などの多段技を連続でブロッキングするのは非常に難しかったと思うんですね。それを、今回カジュアルに落としこんで、多段ブロッキングの爽快感はそのままに、操作は簡単にして、ユーザーさんに届けたいと思い、作りました。僕の中で『ストIII』へのリスペクトがあるので、影響はありましたが、ただカジュアルにすることに苦労しました。
小野 これ、短く言うと、(綾野氏を指して)僕は多段ブロッキングができないので、レッドセービングを作りました……という個人的な事情です(笑)。合ってるよね?
綾野 合って……ますね。
小野 ジャスティンと大吾みたいなことができないから作ったのが、レッドセービングアタック(笑)。

――去年もおふたりは、台北ゲームショウにいらっしゃっています。前回と今回で会場が違ったりしますが、感想をお聞かせください。
小野 ……本当の感想を言って、台湾の国や市から怒られたりしないでしょうか?
質問した記者 大丈夫です。
小野 本当に? 僕も家族がいるから、給料がもらえなくなると困るんだけど、大丈夫かな? え、大丈夫じゃない?(笑)。あのー、ここの会場は、僕にとって因縁の会場なんですよね。さかのぼること4年前ですかね。カメラが盗まれるという事件があった会場ですので(苦笑)、印象を……と言われると、僕はカメラを腰から下げるんじゃなく、首から下げるようにして回っているという印象です。あと、コンパニオンを近くでぼーっと見ないという反省も得られたので、人生のいい教訓の場所に戻ってこれたなという気持ちです。僕も空気の読める男になってきたので、あまりリアルなことを言うと、政府とかから怒られるとイヤなので、この辺で終われれば……。
綾野 真面目なやつ、僕から言っていいですか? 日本では、まだPS4が発売されていないので……。
小野 お。いいこと言うね!
綾野 2月22日に日本で発売されるんですが、PS4、この会場で売っているじゃないですか。僕も欲しいんですが、買いたいと思っても街でも、会場でも完売していて売ってない。この勢いを日本に持って来て、日本でも爆発してくれるんじゃないかと期待しています。
小野 さては、江口総経理(SCETの江口達雄氏)から、PS4もらったな?
綾野 ください(笑)。
通訳 いないので、伝わらないです。
小野 じゃあ皆さん、江口総経理へと、僕らのメッセージで“PS4ください”と。なるべく大きく15ポイントのボールドくらいで書いてください。書いてくれた媒体には、独占インタビューを受けますよ(笑)。……この辺にしておきます。

――PS4の話がありましたが、PS4、PS3、PS Vita、PSP、PS Vita TV、PS Nowなどの話もありますが、これだけたくさんのプラットフォームがあると、開発にとっての苦労はいかがですか?
小野 ここからは記事に書けるような真面目な話を……。プラットフォームやサービスがマルチ化してくることで、開発の負担が減ることはないと思うんですね。ただ、それぞれが持つハードのターゲット層やマーケットというものが、きっちりとSCEさんのファミリー像やサービス像がマッピングされていますので、我々はマッピングに合うものを、合う形で、合うであろうタイトルを供給していくのがカプコンの姿勢ですし、これからもその流れで開発が進められるんじゃないかと思っています。いまカプコンは『deep down』というPS4専用のゲームを開発を進めていますが、『deep down』はPS4のユーザーが喜ぶであろう機能、PS4の時代にマッチするであろうサービスというものを念頭に置いて作っています。これもマルチで作るよりかは、我々がPS4に向けてのゲーム開発であったり、アイデアだったりと、表現もそうですし、そういうものを詰め込んで開発しようとしています。たいへんさはあるんですけど、しっかりとマーケットと買ってくれている人が見えているので、やりやすくはなってきていると思います。……『ストリートファイターIV』や『ストリートファイター』シリーズが、PS4にマッピングされていないんですが、これはどういった指針を持たれているんでしょうか?
綾野 逆インタビューですか(笑)。僕、小野さんから「作れ」という命令があれば、いつでも作りますよ。
小野 あれ? 出してなかったっけ?(笑)。これ、言いすぎましたかね。この辺にしておきましょうか。

――『ウルトラストリートファイターIV』について、ロケテストをくり返していますが、最初のバージョンと、いまのバージョンでもっとも変わった大きな違いは?
綾野 12月にSCETでロケテストをさせてもらったんですが、いちばん大きいのが新キャラクターへの意見が多かったので、メスをたくさん入れています。あとは、新システム、レッドセービングについてもバトルバランスやEXゲージの消費コストなどを調整しています。
小野 いま綾野がお話したとおり、今回ロケテストに力を入れていまして、台湾において、ソニーさんの会議室で「早く出て行け」と言われるくらい、夜11時くらいまで、やらせていただいて、多くのファイティングゲームファンの方から声を取り入れていこうとしています。これは、カプコンが台湾の市場を重要視しているという現れです。まだまだアンケートを取っていますので、台北ゲームショウのコンパニオンのお姉さんに、アンケートを書いていただければ、チューニングや内容の反映は続けていきたいと思っています。

――いまカプコン社内でカプコン共通のエンジンがありますが、もし『ストリートファイターV』を作るとしたら、そのエンジンを使うのでしょうか?
小野 いま、我々はパンタレイという新しいエンジンに切り換えて、『deep down』を制作しているんですが、そのパンタレイに乗せるシェーダーや各種機能は、ファイティングゲームを見据えた作りかたにまだしていません。将来、これを『ストリートファイター』なのか、もしくは別のファイティングゲームなのか、それを作るとして、パンタレイを改造することが、ファイティングゲームにマッチするのであれば、パンタレイを拡張していく。そうじゃないほうがいいという開発側の判断であれば、パンタレイはパンタレイの道で、ファイティングゲームエンジンは別の道でということは考えられると思います。現状、まだどちらがどうするかという判断は決めていませんので、カプコンとしては『deep down』とパンタレイを先に完成させようということがファーストプライオリティなので、『ストリートファイター』をどうするかというのは、この先の話かなと思っています。