日本以上の熱狂的ファンが集結!?

 2014年1月23日から27日にかけて台湾の台北で開催されている、2014台北ゲームショウ(TAIPEI GAME SHOW)。2014年1月23日、現地法人のSony Computer Entertainment Taiwan(以下、SCET)ブースにて、スパイク・チュンソフトの人気シリーズ『ダンガンロンパ』のステージイベントが開催された。イベントには、プロデューサーの寺澤善徳氏と声優の緒方恵美さんが出演。イベントには、ほかのステージを凌駕する多数の報道陣とファンが集結し、ファンからの絶え間ない歓声が挙がる、非常に熱気の溢れるイベントになっていた。

『ダンガンロンパ』イベントで緒方恵美さんにも寺澤Pにも歓声の嵐!【2014台北ゲームショウ】_01
▲こちらが『ダンガンロンパ』の中国語版タイトル。なんとなく意味がわかる?
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▲イベント開始前にモノクマのきぐるみが登場。登場すると、甲高い歓声が! モノクマの人気はワールドワイド!
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▲こちらもイベント開始前。苗木誠、狛枝凪斗、江ノ島盾子、七海千秋のコスプレイヤーが登場。モノクマに勝るとも劣らない人気っぷり。
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▲集合写真! 
▲メディアも観客も数が多い!

 イベントがスタートすると、寺澤善徳プロデューサーが登壇。いきなり女性ファンからの歓声で迎えられる。さらに、寺澤氏が「ダンガンワー」という『ダンガンロンパ』シリーズ恒例の挨拶をすると、練習なしで「ダンガンワー!」と返される状況。しかも、台湾のファンのすごいところは、寺澤氏が本日のイベント内容を日本語で話している段階で、喜びの歓声を挙げるところ。ここに集まったファンは、日本語も理解するような、熱心なファンの様子。続いて、緒方恵美さんの登場というところで、ファンのボルテージはさらにアップ! しかも、緒方さんは、登場する前に苗木誠の「始まる。命懸けの戦いが」というセリフを披露し、興奮まっただ中のファンによる、ものすごい歓声のなかで迎えられることになる。

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▲寺澤善徳プロデューサー。
▲緒方恵美さん。
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▲ちなみに、台湾ではプレイステーション Vita版『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』が、2014年1月16日に発売されたばかり。

 まずは『ダンガンロンパ』のゲーム内容を寺澤氏が紹介。声優の部分では、モノクマ役の大山のぶ代さんについて、寺澤氏が「僕からは言えないんですが、日本の有名国民的アニメの……」と言い淀んでいると、緒方さんが「『●●●●●』(一応伏せ字)ですね」とぶっちゃけ。その国民的アニメの名前についても、ファンが叫んでいたり、作品名で歓声が挙がったりと、台湾のファンの知識には驚くばかり。

 また、ゲーム内容の紹介に合わせて、緒方さんが『ダンガンロンパ』のあらすじを初めて読んだときの感想を聞かれると、「Very crazy and amazing. とてもドキドキして、一回で好きになってしまって、絶対にこの作品をやりたいと思いました」(緒方さん)と、あらすじの段階でかなり惹き込まれたことを明かしていた。また、苗木誠というキャラクターについては、「とてもふつうの少年ですが、とても前向きで、絶対に諦めない。いつも前に進もうとしているキャラクターです。長く生きていると、ときどき辛い気持ちになったり、悲しい気持ちになったりしますが、苗木は絶対に負けないので、苗木をやるときは、とても強い気持ちでお芝居をする。すると、私も強くなる気がして、彼になるのがとても好きです」(緒方さん)と語る。

 イベントでは、台湾の『ダンガンロンパ』に関する発表も続々。まず、『ダンガンロンパ』のPSNカードが発売決定。江ノ島盾子バージョンと、霧切響子バージョンの2種類があり、それぞれにモノクマと、江ノ島盾子か霧切響子のプレミアムアバターがついてくるという。こちらは台北ゲームショウで先行販売され、続いて、一般販売が行われるようだ(日本での発売については触れられていない)。

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▲記者も早速買ってみました。こちらは江ノ島盾子バージョン。霧切響子バージョンは、見つからず。記者の英語が悪く、伝わらなかったのかも……。

 そして、台湾での発表第2弾は、『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』の中国語版発売決定(発売日は2014年春)。台湾ファン待望の内容だったらしく、かなりの歓声が挙がっていた。

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▲中国語版の『スーパーダンガンロンパ2』のPVを公開。声優名が出るたびに歓声が挙がる。

 『スーパーダンガンロンパ2』の中国語版発表にともない、緒方さんが演じる、『スーパーダンガンロンパ2』のキャラクター、狛枝凪斗の話題に。彼についての感想を求められると、「狛枝凪斗は苗木とまったく真逆で、ずっとダウナーモードで心の振り幅も大きくて疲れる。やると、気持ち悪くなるんです」(緒方さん)と、まさに感想も苗木と真逆。寺澤氏から「終わった後、ぐったりでしたもんね」(寺澤氏)と突っ込まれると、「そう。その後、寺澤さんに飲みに連れて行ってもらいました(笑)」(緒方さん)と話していた。

 その後、緒方さんが歌う『ダンガンロンパ』のテーマソング『Rebuild』のライブステージへ。目の前で熱唱する緒方さんの姿に、ファンは目をキラキラさせながら手拍子を送っていた。そして、最後に台湾ファンへメッセージ。「今日は本当にありがとうございました。いまの歌などを歌うライブを(2014年)3月8日か9日に日本でやるので、よかったらWelcome to Japan. Welcome to my concert. そして、もう一度台湾に来れたらいいなと思います。『ダンガンロンパ』、よろしくお願いします!」(緒方さん)。

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 イベントの最後には、ファンへのプレゼント(『ダンガンロンパ』グッズ)を用意したクイズコーナーへ。“この校章が使われている学校の名前は?”(答えは希望ヶ峰学園)、“このキャラクター(石丸清多夏)は、超高校級の何?”(答えは超高校級の風紀委員)といったクイズが出題され、ファンがこぞって答えるという展開に。そんな中、最後に出題されたのは、“寺澤氏が好きなキャラクターは誰?”というもの。日本の『ダンガンロンパ』ファンには有名な問題だが、台湾では寺澤氏のインタビューなどを読む機会も多くない。とはいえ、ほかの問題よりも苦戦しつつも、きっかり“朝日奈 葵”と正解を言い当てるあたり、台湾ファン侮れない!

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▲クイズを当てた人たちとフォトセッション。一般人も巻き込むフォトセッションすごい。

“お・も・て・な・し”の心を持つ台湾のファン

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 ステージイベントの終了後に行われた、台湾メディア向けのメディアセッションの模様もお届けする。こちらにも寺澤氏と、緒方恵美さんが登場し、インタビューの受け答えを行った。

――おしおきのシーンは、どれもユニークですが、その発想はどこから出てくるのでしょうか?
寺澤善徳氏(以下、寺澤) デザイナーの小松崎(小松崎類氏)と、そのころにいたムービークリエイター、どちらかというと、ムービークリエイターの発想かな。最初は桑田くんのおしおきが作られて、以降のおしおきは、それをベースに考えていきました。

――寺澤さんは、いろいろな場所で好きなキャラクターが朝比奈さんと答えていますが、『2』で好きなキャラクターは誰ですか? 緒方さんにもお聞きしたいです。
寺澤 狛枝はあまり好きではないんですよね(笑)。罪木ちゃんが好きです。
緒方めぐみさん(以下、緒方) 自分が演じているので、狛枝が自分の好きなキャラクターです。それ以外、言えない(笑)。ほかのキャラクターを選ぶと、波風が立つじゃないですか(笑)。

――なぜ『ダンガンロンパ』シリーズを中文化(中国語化)しようと思いましたか?
寺澤 日本では、評判もよくて人気も出たんですが、いままでにないタイプのゲームだと思うので、ほかの国々の方にも、新しく受け入れてもらえるんじゃないかと考えたんですね。いろいろな国で、もっと多くの人にやってほしいと思っていたところに、今回SCEさんがご協力してくださって、実現できることになったんです。

――『ダンガンロンパ』のローカライズで難しかった部分は?
寺澤 言葉で矛盾を撃ち抜くというテーマやトリックなどは、日本語だからこそできていたものがあったと思うので、その部分のローカライズは「しんどいんじゃないかな、大丈夫かな」と心配していました。ですが、実際に発売されてみると、反応がとてもよくて、いいローカライズをしていただけたようで、(SCEの担当者に向かって)ありがとうございます。

――『ダンガンロンパ』は、当初からシリーズ化を考えていましたか?
寺澤 まったく考えていませんでした(笑)。ね。
緒方 いや、私はわからないけど。ね(笑)。
寺澤 1作目を開発して、スタッフが燃え尽きちゃって。その後に『2』を作ろうということになって考えていきました。だから、狛枝くんは最初からはいませんでした(笑)。その後に、生まれたキャラクターですね。

――緒方さんに質問です。『ダンガンロンパ』のアニメーション版も含め、このシリーズのレコーディングでおもしろいエピソードがあれば、教えてください。
緒方 先ほど歌わせていただいた『Rebuild』は、私自身がゲームとは関係ないところで、新しい音楽、新しいミュージシャンとともに、『Rebuild』という言葉のように、“再構築をして、もう一回スタートを切ろう”という気持ちで作った曲なんです。その曲を作ってライブをやって、「せっかくだからデモテープを録っておこう」と録ったところで、『ダンガンロンパ』をやることになり、そこで寺澤さんから「緒方さんは、デモテープとか持ってないの?」と言ってくださったので、「いま、ありますよ」と出したら、寺澤さんや開発スタッフの皆さんが“これがピッタリだ”と言ってくれて、採用されたんです。ふつう、テーマ曲というのは作品に合わせて作るんですが、その直前にあった私の気持ち、ハートと『ダンガンロンパ』という作品がシンクロした。幸せな曲ですね。

――先ほど3月にコンサートを開くというお話がありましたが、機会がありましたら、ぜひ台湾でもやってほしいです。
緒方 ご招致いただけるのであればぜひ! ライブというのは、金銭的にたいへんで……。ご招待いただけるのであれば、喜んでうかがいたいと思っています。Sorry.

――緒方さんは、苗木誠、狛枝凪斗のイラストを見たとき、どんな感想を持ちましたか?
緒方 苗木に関しては、プレイヤーキャラクターなので、ごくふつうの男の子で、プレイヤーとシンクロするようなキャラクターにしようと思っていました。最後にはスペシャルなイメージになっていきますが、とても強い気持ちというか、前を向いたキャラクターだと思いました。それは、ゲームよりも、アニメのほうが強く出たかもしれません。最後の敵が、たとえばインターネットユーザーで悪口を書く人みたいなイメージで、悪い書き込みをするようなことをいっぱい言うので、インターネットを見ていて辛いと思うように、その敵の言葉で辛くなることもあるんですが、苗木はそれに勝てるように、アニメーションでとくにがんばったかもしれません。狛枝は、心の幅のアップダウンがとても激しくて広いので、すごく難しかったです。いままでも、二重人格や多重人格など、いろいろな気持ちを持ったキャラクターを演じて来ましたが、彼はひとつの心で、幅が広い。多重人格は人格を切り換えてしまえばいいんだけど、狛枝はひとりでものすごい幅があるので、すごく気持ち悪く、とてもたいへんでした。ですので、最初に録った狛枝のセリフは全部ボツになってやり直しましたね。

――イベントでも日本語に対して、すぐに反応が返って来ていましたが、アニメやゲームを入り口に日本語を学ぶ人がとても多いんです。その今回の熱烈な歓迎の印象を教えてください。
寺澤 今日最初にイベントに僕が出てきたときに、お客さんが「きゃー!」と言ってくれた。ありえないと思いました(笑)。これが緒方さんならわかるんですが、僕ですよ! ビックリしました。あと、日本語でしゃべってもすぐに反応があるということで、日本でのイベントと違和感がないというか、同じ感覚だったので、ビックリしましたね。
緒方 ふだんでもE-mailとかTwitter、お手紙などで反応をいただくんですが、中国、韓国の方は少し言葉が違うことが多い、でも台湾の方はとてもネイティブな単語、ネットスラングのような言葉もきっかり入れて、日本語をつかいこなしていらっしゃる。よく流暢な日本語で話しかけていただくので驚いていたんですが、実際に来て、ダイレクトに、言葉がわかっていらっしゃるんだなと感激しました。表面の言葉だけじゃなく、日本人が大事にしている“お・も・て・な・し”の気持ちとか、そういうものが似ている気がしました。街を歩いていても、どこかのお店の方やファンの方とお会いしても、似ているように思いました。すごくうれしかったです。

――台湾の皆様にひと言お願いします。
緒方 いつも日本のマンガやアニメやゲームをとても愛してくださる方が多いので、本当に感謝しています。これからも皆さんに楽しんでいただけるようなものを作っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
寺澤 スパイク・チュンソフトとして、『ダンガンロンパ』をがんばっていきますが、それ以外のタイトルもいろいろと出していくので、これからもSCEさんにご協力をお願いしながら、中文版を出していければと思います。台湾では、まだ市場が大きくない、だからこそチャンスだと思っています。そこを広げて行くのは、メディアさんの力が大きいと思うので、ご協力をお願いします。メディアさんの力を借りて、若い人たちにもっともっとコンシューマゲームを遊んでもらえるようにしたい。いまはスマホにバンバン、ユーザーを持って行かれていると思うんですが(苦笑)、コンシューマゲームを盛り上げていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!