ヘッドフォンと同じ手軽さで高精彩な立体視を楽しめるヘッドマウントディスプレイ

網膜投影ディスプレイGlyphがクラウドファンディングを開始、25万ドルを4時間で集める_03

 CESでのデモリポートをお届けした、Avegant社の網膜投影ヘッドマウントディスプレイ“Glyph”が、記事でもお伝えした予定通り、KickStarterでクラウドファンディングを開始した。出資希望額の25万ドルはなんと4時間でクリアーし、成功を確定させている。

 βキットは499ドル以上の出資から入手可能で、日本への発送には50ドルをさらに足しておいて欲しいとのこと(つまり549ドル以上)。

 Glyphの特徴は、第一に200万枚の小さなミラーで直接目に映像の光を送り届ける網膜投影を採用していることだ。このことで、小さなディスプレイを使った場合に起こるスクリーンドア効果(画素の間の隙間が見える)がない、自然な立体視映像を体感できる(視野角45度で2.4メートル先に80インチの立体視ディスプレイがあるのに相当)。

 また、ヘッドフォン型の本体に機能を集約しており、再生機以外に必要なのがGlyph本体と映像入力のためのケーブル1本だけで、本当にどこでも視聴可能だというのもポイント。このためサウンド機能についても、普段高級ヘッドフォンを使っている人ががっかりしないよう、単体のヘッドフォンとしての使用にも耐えるこだわりの設計になっている。

 同社CEOのEdward Tang氏は本誌へのメールで「我々にとって重要なマーケットである日本のバッカー(出資者)の皆さんに期待しています!」と語っており、ガジェット好きの諸氏がβキットを入手して日本での知名度が向上し、日本市場進出の先駆けとなることに期待感を示している。
 (一応ヘッドトラッキング機能はついているものの)Oculus Riftなどの広い視野角で覆うVR体験とはまた異なり、注視したい時は高精細に、視野外で飲み物を取りたい時は視線を下に外せばいいという生活度を下げない裸眼立体視が楽しめるこのデバイス(Tang氏いわく、狙いは「すべてを映像で覆うVRと現実世界に映像を足すARの中間」)。スキモノの人は思いきって出資してみてはいかがだろうか。

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▲ヘッドフォン型のデバイス本体+1本のコードで動作するGlyph。βキットのカラーバリエーションは3種類。単なるヘッドフォン(サウンド機能はGlyphの売りのひとつ)として使うこともできる。