メタルスライム製スマホ!? DoCoMo×ドラクエコラボ携帯にクローズアップ!
NTTドコモとスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)のコラボによって生まれたスマートフォン『ドラゴンクエストスマートフォン(SH-01F DRAGON QUEST)(以下、ドラクエスマホ)』が先日リリースされた。この端末は、既存のスマートフォン『AQUOS PHONE ZETA(以下、SH-01F)』をベースに、ソフト面ハード面ともに『ドラゴンクエスト(以下、ドラクエ)』仕様をあつらえたモデル。リリース後ではあるが、その実機を手にする機会があったので、動画とレビューを交えつつ紹介をしていこう。
ドラクエスマホの中身はどんな感じ?
まずは、ベースとなった『SH-01F』の紹介からしていこう。この端末最大の特徴は、シャープが開発した省エネ液晶“IGZO”を搭載しているという点。IGZOは、通常の液晶パネルよりも消費電力が少ないだけでなく、発色、輝度という面でも高いパフォーマンスを見せてくれる。“AQUOS PHONE ZETA”は、このIGZO、独自エンジン“FEEL artist”や、大容量バッテリーの働きにより、ハイパフォーマンスを維持しながらの長時間稼動を実現している。一部ユーザーからは「ディスプレイの応答速度が遅い気がする」等の声が上がっているようだが、激しいアクションゲームなどをプレイしても、遅延などは確認できなかったので、これは体感的な問題であると考えられる。
【裏話も設定されている外観】
さて、それではさっそく本題移ろう。『SH-01F』に、どのようなカスタマイズが施されているのか? まず見た目だが、背面にスライム・ドラキーといったモンスターのシルエットやロトの紋章がデザインされたシルバーのボディになっている。これだけでもファンには嬉しい仕様。さらに、このボディには「メタルスライムを倒して入手したメタルのかけらを集めて作った」という設定もされており、ストーリーにこだわりを持つ、スクエニらしさが感じられるものとなっている。
【画面内はドラクエ一色】
ソフトウェア面、とくにUIの変更点は多い。まず起動画面だが、ここには『ドラゴンクエスト3』のオープニングシーンが採用した、細かい演出が組み込まれている。さらに、各種アイコンがドラクエ仕様になっていたり、“マチキャラ”の“ひつじのしつじ”が勇者装備の格好をしていたり、端末をスリープさせるときにはスライムの形状を作って暗転したりと、画面全体がドラクエ一色に染まっているのも特徴だ。
【通話&メールもドラクエ仕様】
着信画面、そしてメール作成画面もドラクエ一色! きせかえコールを設定すれば、着信時の画面が、ファミコン版『ドラゴンクエスト』風の戦闘画面となり、電話を受ける、受けないのコマンドを入力して受話、または拒否する作りになっている。また、着信音設定もユニークだ。通常のメロディのほかに、『ドラクエ』シリーズの楽曲、そして効果音などが大量にプリインされている点も必見だ。
メール画面に限ったことではなく、文字入力時にはドラクエ辞書が引用されるのも、特徴的だ。人気のフレーズを中心に、あらゆるワードを辞書登録したと思われるこの辞書の容量は膨大で、予想外のものも封入されている。文字を入力するたびに「こんな言葉まで設定されているのか!」と新しい発見があるので、文字入力をするだけでワクワクできるだろう。
【ゲームも充実!】
『ドラクエスマホ』には、この端末でしか遊べないゲーム『ドラゴンクエスト いつでも冒険ダイス』と、先日リリースされたばかりの、スマートフォン版『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』が無料で楽しめる。前者は、着信・メール受信・歩数などスマホを使えば使うほど冒険が進むライトなゲーム。冒険を進行していくことにより、あらたな壁紙やデコメ絵文字が取得できるようになっている。
後者は、プレイステーション2でリリースされた同タイトルのゲームを、スマートフォン向けに移植した、いわずと知れた本格RPGだ。
【オプション品がやたらと豪華!】
オプション品(同梱品)のコダワリ具合が堪能できるのも、コラボ携帯の楽しみのひとつ。もちろん、その楽しみは本端末にも存在している。『ドラクエスマホ』のオプション品は、端末等が収められた特製宝箱、ドラクエテイストにアレンジされた説明書・冒険の導き書、端末背面をキレイに磨けるロトの紋章クロスの3点。特製宝箱には、端末が収められているボール紙にスライム型の穴が開けられており、小さなところへのコダワリが感じられる。
また、コダワリの強さは冒険の導き書も同じく「ドラクエ世界の本は、きっとこんな感じなんだろうなぁ」と思わせるテイストに仕上がっている。ロトの紋章クロスは、美しい背面ボディを常にピカピカに保つためには必要不可欠なグッズと言える。これをしっかり同梱させているあたりに、ユーザーへの細かな気遣いが感じられ、非常に好感が持てる。
ただ、これだけを聞くと魅力いっぱいのオプション品に感じられるかもしれないが、この中のグッズのひとつだけが、大きな問題をはらんでいる。それは、ロトの紋章クロス。クロスは、あくまでも汚れを取るための布。つまり、使用していくと汚れてしまうのだ。とてもじゃないが、もったいなくて私には使えない! 観賞用とするのか? それとも実用品とするのか? ユーザーに凄まじいジレンマを投げかけてくるこのクロスをどう扱うのか、これには大いに悩まされそうだ。
ドラクエ一色に染まっているのは、ファンとして嬉しい限り。ここで紹介した以外の場所にも、ドラクエ要素は込められており、端末を利用していれば、つねに『ドラクエ』を近くに感じられる作りになっている。
しかし、本端末でピックアップすべきポイントは、そこだけに留まらない。省電力製に優れた『SH-01F』をベースにしているため、プリインされている『ドラゴンクエストVIII』を含め、ゲームで遊んでもバッテリーの心配をする頻度が減るというのも、着目すべきポイント。また、この省電力設計は、通常使いする端末としても非常に有能なのだ。
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