全国のハンターが北の大地で湧いた!
2013年11月17日、北海道札幌市のアクセスサッポロ大ホールにて、“モンスターハンターフェスタ’13(札幌会場)”が開催された。本イベントは東京、名古屋、北九州、札幌、大阪と、全国5つの都市で開催される『モンスターハンター』(以下、『MH』)シリーズの祭典だ。この日、札幌の早朝の気温は1桁台と予報されたが、会場には多くの来場者が列を作り、寒さを吹き飛ばしていた。ここでは、イベントの様子を、ステージイベントを中心にリポートしていく。
※狩王決定戦ほか、タイムアタック大会のリポートは下記へ
※【速報】モンスターハンターフェスタ’13(札幌会場)タイムアタック大会の結果は!?
■開発者チャレンジクエスト
モンスターハンターフェスタの名物コーナーである“チャレンジクエスト”。『MH4』プロデューサーの辻本良三氏、ディレクターの藤岡要氏、プランナーの徳田優也氏に、『MH』シリーズのファンにはおなじみとなっているカプコンの小嶋慎太郎氏を加えた4人が、各自のデータを使ってクエストに挑戦。課せられたさまざまなペナルティーの回避を目指して奮闘するというコーナーだ。ちなみに、これまで行われた、東京、名古屋、福岡の各会場でのチャレンジはすべて失敗に終わっており、4人は罰ゲームとして、狩猟には必須とも言えるハチミツとクモの巣を失い、貴重な頭防具と護石を売られ、サポートに欠かせないネチャク草、生命の粉塵、閃光玉などを手放すという散々な目に遭ってきた。本会場でのお題は上位のブラキディオス討伐で、制限時間は11分。いつものチャレンジの制限時間は10分だが、今回は手強いブラキディオスが相手ということで、辻本氏の優しさにより、1分プラスされたとのことだ。
クエスト開始後に辻本氏から告げられた今回のチャレンジのルールは、“ブラキディオスの攻撃により付着した粘菌を、回避を使って解除してはいけない”というもの。付着した粘菌を放っておくと、爆発して大ダメージを受けてしまうため、この制限はかなりの痛手となる。また、ペナルティーは、現在身につけている防具をすべて売却するという、これまでにも増してきびしい内容だ。これに対し、辻本プロデューサー以外の3人は文句たらたら。すると、辻本プロデューサーの口から「成功したら、カニを奢る」という発言が飛び出す。愛用の防具を守るため、そしてカニにありつくためにがんばる一同だが、“粘菌がついているときに回避ができない”という制限に苦しむことに。さらに、それまではマジメにやっていた辻本氏もいつもの調子を取り戻し、マタタビ爆弾による無差別爆破やイーオスの剥ぎ取りなど、自由気ままにプレイし始め、クエストは混沌の様相を呈す。それでも、狩猟はどうにかこうにか順調に進み、ブラキディオスを弱らせることに成功。ここで辻本氏が粘菌の爆破により力尽きると、小嶋氏の「ジャマ者がいないうちに!」と声をかけ、一気呵成に攻め込む。ベースキャンプからやっと追いついた辻本プロデューサーがけむり玉を連続使用する中、見事ブラキディオス討伐に成功! 辻本氏を除く3人が満面の笑みを浮かべ、達成感に酔いしれていた。
■開発者に聞け!
“開発者に聞け!”は、藤岡氏と徳田氏が、ユーザーから寄せられた質問に答えるコーナー。開発陣のふたりによる思い入れや経験を交えた丁寧な解説が人気のコーナーだ。今回、“フィールドのアイデアがどこから生まれてくるのか?”と聞かれたふたりは、妄想をメインにフィールドを考え出し、リアリティを増すために海外のいろいろな場所を実際に訪れて取材を行っていると答えた。また、“趣味がゲーム開発に活きたエピソード”として、徳田プランナーは家で飼育している爬虫類を会社に持って行ってスタッフといっしょに観察し、その動きをモンスターに取り入れた話を披露。さらに、ネルスキュラ開発時は、こっそりとタランチュラを会社に持ち込んだ、という過激なエピソードも語られた。
■『MH4』スペシャルステージ
『MH4』スペシャルステージでは、辻本氏とスペシャルゲストによるトークや、ゲストと来場者がクエストに挑戦する模様を楽しむことができる。今回のスペシャルゲストは、辻本氏もファンだというお笑い芸人のザ・たっちのふたり。ザ・たっちはさっそく、みずからの持ちギャグ“幽体離脱”を『MH』バージョンにアレンジした(セリフを変えただけ)“剥ぎ取り”を披露するも、来場者はクールな反応。これに、辻本氏は容赦なくツッコミを入れていた。また、ふたりはプレイ状況を聞かれると、兄のたくやさんが約160時間、弟のかずやさんが約170時間とそれぞれ返答。いつもふたりでプレイしているとのことだ。トークの後には、ザ・たっちに来場者のふたりを加えた4人でゲネル・セルタス討伐にチャレンジ。ザ・たっちのふたりの行動が空回りし、会場の笑いを誘う場面も見られたが、来場者の活躍もあって無事討伐に成功した。
■良三の部屋
辻本氏がゲストを招いて、『MH』にまつわるトークをくり広げるラジオ番組“モンハンラジオ 良三の部屋”の公開収録。スペシャルステージに引き続き、ザ・たっちのふたりがゲストとして登場した。札幌名物であるトマトジュースの試飲や、東京ゲームショウやモンスターハンターフェスタなどのイベントに参加したザ・たっちの写真の披露などを交えつつ、のびのびとしたトークがくり広げられた。
■教えて!藤岡先生 ハンターライフ講座
藤岡氏が扮する藤岡先生と、小嶋氏が扮する小嶋助手が、『MH4』の世界設定を解説したり、来場者などから寄せられた質問に答えていく人気コーナー。今回のテーマは、“チコ村”、“ぽかぽか島”、“氷海”、“ザボアザギル”、“スクアギル”、“テツカブラ”だ。チコ村については、かつて行商人をしていた村長がアイルーとともに船で遭難して、たどり着いた浜辺に築かれた村であると解説。ぽかぽか島は、チコ村の近くに出現するモンスターに立ち向かうためのオトモアイルーが集う場所。氷海は、流氷と海から吹きつける風で、氷山が削られてできた場所という話がなされた。モンスターについては、『MH4』から登場する“両性種”の3種をピックアップ。ザボアザギルについては、外敵を氷漬けにする特殊な体液を有しており、怒ると身体にある溝から体液が噴き出すことで、空気中の水分と結びついて身体が凍りつくと解説。身体が膨らむのは、体内で液体が気化するのが理由だそうだ。また、スクアギルはザボアザギルの幼体で、過酷な環境で生き抜くために獲物に食らいつき、体液を活性化させ気化させることで急成長を遂げるのだそう。最後のテツカブラは、“バジェットガエル”というカエルを参考にしたモンスター。オスの個体が口の中で卵を育てる習性を持つという、ゲームをプレイしているだけではわからない設定を語った。
講座が終わると書籍『モンハン占い』を執筆する話題の占い師、ゲッターズ飯田さんが登場。手始めに、コーナーの司会を努めた三浦麻美さんを占い、「礼儀正しくしっかりしたタイプだが、ひと言多く基本が雑」と結果を発表した。その後、フェスタ恒例となるモンスターの手(足)相占いを実施。今回占うのは、ウルクススとクシャルダオラ。ウルクススは、人に好かれるタイプで「たぶん婚約者がいると思います」と発言。さらに、ウルクススが芸人だったら、2014年にブレイクすると語った。続いてクシャルダオラは会社の経営者で、以前大きな会社を倒産させた経験がある、という、ウルクススに輪をかけてモンスター離れした結果を発表した。
このあとは、狩王決定戦などのタイムアタック大会が開催され、大いに盛り上がっていた。なお、2014年11月24日には、最後の会場となる大阪のインテックス大阪で開催予定。近隣のハンターの皆さんはぜひ行ってみてはいかが?