最先端の技術を使った聖地巡礼が実現

 2013年10月25日~11月4日にかけて、鹿児島県の種子島にて、人気ゲーム作品『ロボティクス・ノーツ』とのコラボレーションで、準天頂衛星みちびきの実証実験が行われた。今回、MAGES.スタッフが体験してきたオフィシャルリポートが到着したので、お届けしていく。以下、オフィシャルリポート。

 今回の実証実験は、経済産業省による平成25年度“準天頂衛星システム利用実証事業”に関わる補助事業として、一般財団法人 衛星測位利用推進センター(SPAC)とソフトバンクテレコム株式会社の共同事業として、JAXAや県内自治体他の協力で実施されたもので、モニターとして一般からツアー参加者を募集。島内、島外からの参加者が『ロボティクス・ノーツ』の登場キャラクターのAR(拡張現実)を探しつつ、種子島の名所を巡る冒険を満喫するというもの。

『ロボティクス・ノーツ』とコラボレーションした準天頂衛星みちびきの実証実験をリポート_01
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▲島内各所に設置された『ロボティクス・ノーツ』のキャラクターのARは、八汐海翔や瀬乃宮あき穂などのメインキャラクターはもちろん、サブキャラクターまで続々登場。観光名所はもちろん、公共施設やJAXAの施設内まで、至るところにARが出現する。

 ツアーでは、これまで日本で使用されてきたGPSよりも更に高度な位置の測定を可能にする“みちびき”専用受信機が参加者全員に貸し出され、参加者はその受信機と手持ちのスマートフォンをペアリングさせ、専用アプリ“ふらっと案内”を駆使して島内各所をラリーすることができ、島内には、キャラクターが表示されるARポイントが数十ヵ所、君島レポートが数ヵ所設置されており、これらをゲットできるほか、複数のコースが設定されたデジタルスタンプラリーにも参加できる。

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▲受信機を正しく使うための説明会の模様。受信機とスマートフォンをペアリングさせる方法なども丁寧にレクチャー。
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▲説明会ではARキャラクターを撮影する際のポイントなどもサンプル写真を見せて丁寧に説明してくれた。
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▲これが、準天頂衛星みちびき専用受信機。
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▲ツアーではJAXAのスタッフによる講演会も行なわれた。
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▲いざツアーに出発! 島内、島外を問わず、ツアーには女性ファンも多く参加していた。
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▲専用アプリ“ふらっと案内”の指示に従ってARポイントに近づくと画面にヒントが表示され、誰でもわかりやすくAR撮影ポイントに到達することができる。
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▲数ヵ所設定された君島レポートをゲットできるポイント。ポイントが現れたら画面にタッチすることで君島レポートが出現する。
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▲デジタルスタンプラリーでは、アプリ内で地域別に設定された10コースのスタンプラリーコースから参加者が任意にコースを選んでラリーに参加する。

 ARのキャラクターは3Dキャラクターのため、“動く”、“しゃべる”に加えて、画面にタッチして、横を向かせたり後ろを向かせたりもできるので、同じ場所でもいろいろな角度からキャラクターを撮影することができ、ちょっとしたグラビアカメラマン気分も味わえたりしてしまう。

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▲3Dキャラクターだけに、スマートフォンの画面に映し出されたキャラクターにタッチして動かすことで、キャラクターを360度動かすことができる。

 さらに、友だちといっしょに回ることで、実際の人間といっしょに記念写真を撮影することができ、“いっしょのポーズで記念写真”、“肩を組んで撮影”、手をつないで撮影”などの基本パターンだけでなく、アイデア次第で、かなり楽しい記念写真を撮ることもできる。

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▲最先端ARを使って『ロボティクス・ノーツ』のキャラクターと夢のコラボレーション写真を撮影。
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▲これが人物とARキャラクターをいっしょに撮影している様子。しかし端から見ると変な人にしか見えないので注意が必要だ。

 また、ARの表示設定として、位置情報だけを使用した箇所、ポイントを認識させた箇所、位置情報と認識を併用した箇所などがあり、位置情報だけを使用したARポイントで撮影する場合は、被写体に寄って撮影することもできる。

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▲位置情報で出現するARはかなり遠くからでもキャラクターが出現し、スマートフォンをかまえたまま近づくとキャラクターもどんどんアップになる。

 今回の実証実験では、このツアー参加者の動きや受信状態などを観測してデータ化することで、今後のGPS精度の向上に役立てていこうという試みで、現在一般的にGPSと呼ばれている位置情報の測位精度は10メートル以上の誤差があるが、準天頂システムを活用することで、“みちびき”に対応した一般的な受信機でも誤差1メートル前後以内の測位が可能になり、さらに高さもわかるようになるという。そして、この実証実験の成果は、今後、観光関連ビジネスのほか、災害時の行動把握・情報伝達などに活用されていく予定とのこと。

 また、今回の実証実験の為に種子島の各所に設置されたARは、みちびき受信機を使用しなくても表示位置の精度の差は出るが、専用アプリ“ふらっと案内”を使えば、通常のスマートフォンでもARを見る事ができるとのこと。使用する端末(iPhoneやAndroidなど)の種類によってGPS精度にバラつきはあるそうだが、ツアー中に、みちびき受信機をペアリングさせずに使用してみたところ、ARは問題なく映し出されていた。

 結果として、種子島を舞台とした作品『ロボティクス・ノーツ』のARキャラクターが、実際に種子島の名所という名所に表示されるという、ファンにとってはまさに夢のような体験ができることになったわけで、このレポートを見て、作品やARに少しでも興味を持った人は、ぜひ時代の最先端とも言うべきARを駆使した聖地巡礼を体感しに種子島に行ってみてほしい。