これはただの美少女ゲームではない!

 本日(2013年11月14日)発売となったアークシステムワークスのニンテンドー3DS用ソフト『星霜のアマゾネス』のプレイインプレッションをお届けする。

 本作は、“美少女×囚人×脱出”という一風変わったコンセプトのもとに作られた作品。3DダンジョンRPGをベースに、女の子をタッチしまくる“因子解放”というけしからん要素を盛り込んだ本作の遊び心地はいかに。美少女ゲーム、ロールプレイングゲームマニアといっても過言ではない、ライター・浅葉たいがが、「絶対買うべき」というその理由とは!?

これはただの美少女ゲームではない!3DダンジョンRPG『星霜のアマゾネス』プレイインプレッション_01
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パーティメンバーは女の子ばかり。敵も女の子率高し。女の子の敵を倒せば、ギリギリを踏み越えそうな「因子解放」イベントがはじまる!「因子解放」は上下2画面で楽しめるのだ。
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ガンタイ
声:藤村歩
シンイリ
声:上坂すみれ
クイーン
声:小岩井ことり
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クノイチ
声:田所あずさ
マリア
声:ブリドカット セーラ 恵美
ヒメ
声:東山奈央

↑がおもなパーティメンバー。筆者はクイーンちゃんが大好きです!

■ギリギリのところまで踏み込む「因子解放」!
 女の子ばかりのパーティメンバーというだけで、萌えゲーとしてのやる気を感じさせてくれる本作ですが、その一番の見所というとやはり「因子解放」というえっちな要素!この「因子解放」とは、女性タイプの敵を倒したときに発動するもので、ガンタイが持つ「王の眼」の力で、倒した敵を屈服させて、「因子」と呼ばれるものを抽出するというイベントです。もっと簡単に説明すると、倒した敵をタッチで触りまくって、辱めて、いろいろ大事なものを暴き出してしまうという大変にえっちなもので、ひらがなにするとごまかせるほどヤワなものではない、過激なシステムとなっています。この「因子解放」は、ちゃんとした設定に基づき、”とある目的のために因子を解放する”という物語に欠かせないファクターのために行なわれる行為なので、何も後ろめたいことはありません。そして、作中でこの能力を駆使するのは、美少女のガンタイなので、ニンテンドー3DSを握る僕たちの心も、やましい方向ではなく、熱い使命感に燃えているはずです。
 ただし、「因子解放」は、ダンジョンクリアのおまけなどではなく、冒険中に頻繁に発生するので、人が多くいるところでは、興奮のあまりイヤフォンが外れないように注意してください。もしイヤフォンが外れようものなら、あられもない声が周りに響き渡ってしまいます。本作は、ほぼフルボイス(チュートリアルはボイスなし)になっているので、声もしっかり楽しんでこその紳士と言えるでしょう。

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「因子解放」の実際の流れは、女の子を自由にタッチして屈服レベルを高め、女の子の体のあちこちから因子が飛び出してきたら、今度はそれをタッチでつかまえていくというものになっている。画面を方向パッドで上へ下へとスクロールすることで、触れる位置が変化する。

 いろいろな美少女ゲームを遊んできた僕ですが、このゲームのけしからん度は素晴らしいものです。ニンテンドー3DSのタッチスクリーンと、美少女の相性の良さは、過去にもいろいろな作品で体験してきましたが、これほどしなやかな動きと、際どいボイスを体験するのは初めてです。「因子解放」を行なえる女性キャラクターの数が非常に多いのも本作の特徴で、「とにかく大きい子が好き!」、「貧乳はステータス」というような、さまざまな嗜好に応えてくれます。キャラクターによって、悶えるポイントが違うのもついつい熱くなってしまうところで、わき腹か!わき腹が弱いんか!とか思いながら、声に出さないようにプレイしております。

 そして、本作がダンジョンRPGということもあり、一度倒したボスを「因子解放」で辱めるには最初から遊びなおさないとだめなのではと心配する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本作には、「記憶の吹溜」という神ダンジョンが用意されていて、ボス敵との再戦及び、「因子解放」が気軽に楽しめます。製作陣の細かな配慮に、勝手に仲間意識を感じてしまうほど、本作の「因子解放」は作りこまれた要素になっています。

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ボスクラスの敵はもちろん、雑魚として出現する敵も「王の眼」の餌食に。女性型だったお前が悪い!

■ダンジョンRPGとしてのクオリティは!?
 美少女&ダンジョンRPGというと、RPGはオマケ的な要素なのでは、と思ってしまう人も多いはず。しかし、そんな心配を一切吹き飛ばしてしまうほど、本作はRPGとしても非常に「面白く」、「歯ごたえのある」ものとなっています。「因子解放」の圧倒的なけしからん度に目を奪われてプレイを始めると、本作のRPGとしての面白さに驚かされるはずです。
美少女たちが冒険することになるダンジョンはどれも、一筋縄ではいかない構成になっていて、ギミックを操作して道を開いていくものや、ワープゾーンなど、ダンジョンRPGファンをニヤリとさせるような仕掛けが盛りだくさんです。反面、オートマッピングは非常に親切なので、ダンジョンRPGを遊んだことがないという人にも、入門用として最適な作品になっています。下画面にダンジョンのマップを表示できるニンテンドー3DSは、3DダンジョンRPGと極めて相性の良いハードですよね。

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本作の全体的な難度はやや高め。ダンジョンRPGとして、がっつり遊べる作品になっています。

 そして、本作を遊んで、最も驚かされたのは戦闘まわりの戦略性の高さ。プレイを始めて数時間もしないうちに、新しさと、歯ごたえを同居させた本作ならではのユニークな戦闘の虜になってしまいました。
 本作の戦闘の肝となるのは、「AP」と「EN」という、「スキル」(本作では、戦う、などのコマンドはなく、「スキル」を実行して戦闘を進めることになる)を実行するごとに消費していくパラメーター。「AP」はパーティ全体で持つもの、「EN」はキャラクター個別で持つものとなっており、このパラメーターがあることで”ワンパターンな行動ができない”という絶妙な縛りを、戦闘の中にもたらしてくれます。
 特に、「AP」の使いかた次第で大きく戦略を変えられるのが本作の面白いところで、”パーティメンバーの数に関わらず戦闘開始時の「AP」は3”、”1ターンごとに「AP」が3回復”、”「AP」の続く限りパーティメンバーは連続行動ができる”という仕組みになっているので、あえて1ターン目はなにもせずに「AP」を温存し、次のターンで6になった「AP」で勝負をかけるといった戦略をとることも可能です。一定確率で「AP」を回収できるスキルや、「AP」を2以上消費する代わりに強力な効果を持つスキルなどが、キャラクター別に多彩に用意されています。
 「EN」については、なにかしらの行動をとることで1消費しますが、何もしないと1回復するという仕組みになっています。補助や回復を重視したい敵との戦いでは、窮地に備えて「EN」を温存しておくキャラクターなどを設けるなど、「EN」についてもいろいろな戦略が練れるようになっています。限られたAPの中でどうパーティメンバーを行動させ、ENをどう消費、回復していくかという駆け引きが、強敵との戦いが求められます。

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強敵との戦いでは、「AP」と「EN」をどう管理するかが肝となる。雑魚敵はそれほど強くなく、気軽に戦えるので、メリハリのある冒険が楽しめるのだ。

 そして、この「AP」と「EN」という要素に加えて、「連携」という要素を加えることで、より本作の戦闘は面白さを増してくれます。本作は、「射撃」、「衝撃」、「斬撃」、「治癒」など、「スキル」ひとつひとつに属性がわりふられており、スキルの中には、”斬撃のクリティカル率を高める”ものや、”治癒の回復割合を増加させる”ものなどが存在します。こういった要素を活用して、”斬撃のクリティカル率を高める”「スキル」のあとに、「斬撃」属性の「スキル」を繰り出せば、クリティカル率が高まっているので、与えるダメージが高くなる可能性が跳ね上がるんです。このほかにも、”連携数2以上ならAPを1取得”といった効果を持つ「スキル」なども存在するので、「連携」の組み方次第では、省エネ戦法を作ることも可能です。

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スキルの効果を上昇させる連携を、AP、ENの残量と相談しつつ組み立てていくのだ。

 「AP」、「EN」、「連携」の要素を理解し、敵に応じて使い分けることを意識できるようになれば、戦闘の面白さが何倍にも膨らみます。本作は、全体的に、ダンジョンのボスに相当する敵は強めに、繰り返しエンカウントする雑魚敵は弱めにチューニングされているので、戦略を練るのが苦手という人や、強引にクリアーしたいという人は、雑魚を倒してレベル上げをしっかりやれば、ごり押しでもボスを撃破できるようになっています。プレイヤーの好みによって、遊び方が大きく変えられるのも、本作の戦闘の魅力のひとつです。

■美少女ゲームファンはもちろん、ダンジョンRPGファンにも!
 突然ですが、筆者は、3DダンジョンRPGというと、どんな作品でもとりあえず買ってみるほどのファンです。3DダンジョンRPGの多くは、自分の感情移入したキャラクターを育成して、強い装備を揃えるためにダンジョンをもぐっていくという作りになっているので、どんな作品を買っても、その要素だけは楽しめるというのが魅力だと個人的には思っています。反面、この面白さが鉄板であるからこそ、古き良き3DダンジョンRPGであることのみを重視し、目新しさが感じられない作品が多いのも事実です。
そんなちょっと閉塞感を感じていたところに突如飛んできた、『星霜のアマゾネス』という意外な作品。本作は、古き良き3DダンジョンRPGの面白さを少しひねった形で継承しつつも、過激な「因子解放」や、AP、EN、連携といった、戦略性の高いバトルを新しさとして練りこみ、今までにない混沌としたRPGになっています。本作を遊べば、ニンテンドー3DSの2画面とダンジョンRPGの相性の良さ、タッチパネルと美少女タッチの相性の良さを再確認できるはずです。戦闘中の演出カットや、オートバトル、装備の発掘といった、3DダンジョンRPGではお馴染みの要素が一部入っていないため、荒削りに感じる部分もあるかもしれませんが、筆者はそういった部分も含めて、非常に遊び応えのある作品だと感じました。こうした要素があれば、もっとやりこみ要素が増えたかもしれませんが、そこに不便さや、物足りなさを感じることはありませんでした。本作でも、雑魚敵を倒してレベル上げをすることはあるのですが、オートバトルを使わなければ煩わしいというほど、その機会が多いわけではありません。装備がないということについては、多彩なスキルと、バトル後の因子解放が、それを補ってあまりある楽しさを持っています。

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3Dダンジョンゲームのエッセンスは十分に含まれている。丁寧に作りこまれているため、3Dダンジョンゲーム初心者も安心して遊ぶことができる。
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シナリオは、ギャグとシリアスのメリハリが絶妙。イベントシーンでは特殊なカットが入ることも。

シナリオ面は、笑いあり、友情あり、切なさあり…と、どんどん先に進めたくなるような構成をとっています。深読みさせられてしまうような用語や設定もチラホラ登場するので、シナリオ重視という人にもオススメしておきます。また、3DダンジョンRPGといえば、プレイヤーを主人公に投影するために、キャラメイキングをさせてみたり、個性の薄いキャラクターを主人公にするという手法で作られていることが多いのですが、本作はそういった慣例じみたことですら、やすやすと乗り越えてきます。本作で主人公的な立ち位置のガンタイと、その仲間たちは、プレイヤーの想像もしない方向に突き進んでいくので、目が離せません。パーティ内で、気が合ったり、友情を超えた愛をアピールしてきたり、ちょっとしたことで言い争ってしまったりと、いろいろな関係が生まれていきますが、なんだかんだ、わいわいと冒険してしまうヒロインたちに、ぐいぐいと引き込まれるはずです。美少女ゲームファンにはもちろん、3DダンジョンRPGファンにもプッシュしたい1本、是非とも遊んでみてください!(浅葉たいが)


星霜のアマゾネス
メーカー アークシステムワークス
対応機種 3DSニンテンドー3DS
発売日 2013年11月14日発売予定
価格 6090円[税込]
ジャンル RPG / ダンジョン
備考 ニンテンドーeショップ ダウンロード版は5800円[税込]、開発:インテンス、キャラクターデザイン:みやま零、木村樹崇