600人超のプレイヤーがお台場に集結!

 2013年11月3日、東京品川区(お台場)の東京レジャーランド パレットタウン店にて『鉄拳タッグトーナメント2アンリミテッド』の大規模大会、“MASTERCUP.6”(マスターカップ6)が開催された。その模様をリポートする。

 MASTERCUPは、2007年より始まった、ファンの有志が主催する『鉄拳』シリーズ最大級の5on5大会。全国より『鉄拳』ファンが集まり、このイベントの勝者は『鉄拳』シリーズの真の勝者とも評される大規模イベントだ。大会のエントリー数は150チーム、750人。その数だけでも、このイベントの規模がおわかりいただけるとだろう。

 午前8時より始まった一次予選リーグ(150チームから31チームに)と、ワイルドカード(各ブロック2、3位の62チームから1チームを選ぶ敗者復活戦)を経て、第二次トーナメントが始まったのは午後5時ころ。この32チームの時点で著名なプレイヤーによる有力チームが残っていたものの、『鉄拳』先進国のひとつ、韓国の強豪が集結したドリームチーム“TEAM GREEN ARCADE”(先日開催された世界大会の勝者“Saint”、同2位“JDCR”、闘劇制覇の経験もある“Nin”などが所属)を筆頭に優勝候補がつぎつぎと敗退。この大会のレベルの高さが如実に現れる結果となった。

世界最高峰の『鉄拳』大会“MASTERCUP.6”の模様をリポート_01
世界最高峰の『鉄拳』大会“MASTERCUP.6”の模様をリポート_02
↑まさに『鉄拳』のお祭りというムードで、白熱した試合と声援で会場は大盛り上がり。“鉄拳勢”ならではの同じゲームを愛する仲間の結束の強さがここに健在! といったところ。
世界最高峰の『鉄拳』大会“MASTERCUP.6”の模様をリポート_03
↑韓国鉄拳界のドリームチームも参加。写真は闘劇覇者としても知られるNin氏。韓国勢のために“ナスレバー”(ボールの代わりにナス状の部品が付いている、海外では主流の形状のレバー)が運営スタッフにより用意されていた。
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↑『鉄拳』シリーズを手掛けるバンダイナムコゲームスの原田勝弘氏も来場。選手兼解説として大活躍。試合の合間にはマッドキャッツの寺澤氏による静音レバー&ボタンを採用した新アイテムのプレゼンテーションに聞き役として参加。

勝者予測不可能の決勝トーナメント

 午後7時過ぎ、8チームによる決勝トーナメントが開始。まずは、出場チームが“MASTERCUP”伝統の、赤絨毯の通路を入場するシーンから始まり、会場はヒートアップ! 8チームの内訳を見ると、九州勢が8チーム中3チームとなっており、九州の“鉄拳王国”ぶりが表れている構図となっていた。さすが150チーム中の8チームという感じで、いずれの試合も各試合、副将、大将戦にまでもつれる手に汗握る拮抗した展開、かつ『鉄拳』ならではのワンチャンスのヒットから流れを変える逆転劇が随所で繰り広げられた。
 ハイライトのひとつは、準決勝戦での戦い。ナムコ公認プレイヤーであり、これまでの3~5回で前人未踏のマスターカップ3連覇を果たした“ノビ”が所属する“東京エクストリーム鉄拳クラブ”が敗退するという波乱の展開が起きた。

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↑決勝トーナメントはくじ引きで枠の選択順を決める。この時点で勝負の駆け引きは始まっている。観客が熱い視線で見守る試合。最高峰の戦いにふさわしい熱いシーンが続々と現れて、そのたびに大きな歓声が沸いた。

そして新たな歴史が生まれた!

 そして、『鉄拳』5on5の頂点を決める決勝戦に残ったのは今回の二次予選、決勝トーナメントを席巻した九州勢のひとつで、前回ベスト4の実績を誇る福岡のチーム“全日本風力発電所(外伝)”と、闘劇2012の覇者である若手強豪“AO”を筆頭にした日本勢と韓国の猛者“qudans”、“Secret”による日韓合同編成チーム“AOちゃん大好きーキスして”の戦い。
 試合はもつれにもつれてフルセットに及ぶ勝負が頻出、どちらが勝ってもおかしくない展開に。そして、この拮抗した戦いを制したのは“AOちゃん大好きーキスして”チームに! 前述の優勝候補チーム“東京エクストリーム鉄拳クラブ”を倒した勢いに乗って見応えあるバトルを見せてくれた。

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↑125チームの頂点に立ったのは“AOちゃん大好きーキスして”チーム。新たな覇者、誕生の瞬間を会場にいるすべての者が祝福した。

 終了時点で午後11時近くになった本大会。戦いの模様はニコニコ生放送でも生中継されていたが、累計の視聴者数は11万人を突破していたという点でも対戦格闘ゲームのイベントとしていかに大規模なものかが分かる。この伝統のイベント、次回はさらなる盛り上がりがあることは必至だ。

原田勝弘氏ミニインタビュー

 当日は『鉄拳』シリーズの原田勝弘氏(バンダイナムコゲームス)も駆け付けて、解説役や“新宿平八”の名で選手としても(!)活躍(ちなみに、結果は予選で早々に敗退)。決勝終了後に本大会の感想をたずねてみた。

――本大会の感想をお聞かせください。
原田勝弘氏(以下、原田) いやー、素晴らしい試合の連続でした! 今年も熱い戦いを見せてくれましたね。

――優勝チームはいかがでしたか?
原田 “MASTERCUP”の新チャンピオンが生まれて非常に盛り上がりましたね。日韓合同というこれまでにない新しい編成のチームが頂点に立ったことで、新たな歴史の始まりを感じました。これからの日韓の『鉄拳』界が非常に楽しみですよ。

――大会でほかに印象に残ったことは?
原田 ノビ選手にとっては4連覇が掛かっていた大事な大会。準決勝戦でも優勢だったのに、一つのミスで流れが完全に変わりましたね。『鉄拳』って、例えば野球みたいに勝負の流れが勝敗を左右するといったことがありますよね。まさにそんな感じで、ドラマチックに流れが動いたのが観ていてスゴイなと思いましたよ。

――本当に長丁場でしたね。お疲れ様でした!
原田 ファン主催でこういう規模の大会が開催、運営されていることは本当にすごいことだと実感します。運営を始めとした関係者様、熱い戦いを見せてくれた参加者、そして観戦していただいた方に感謝です。来年以降も楽しみです!