EARLY WING GROUPが声優を目指す人に向けたトークイベントを開催
2013年10月10日(木)、都内某所において今井麻美さんや大坪由佳さん、逢坂良太さんらが所属するアーリーウィングと喜多村英梨さんの所属するAbility Soul Proなどを有する、EARLY WING GROUPによるトークイベントが開催された。同イベントはEARLY WING GROUPが主催するトレーニングスタジオ“アーリー・トレーニング・スタジオ”の生徒や、声優を目指す人たちを対象に実施されたもので、いままさに現場で活躍している声優さんの生の声を届けるために開催。喜多村英梨さん&逢坂良太さんが出演する第1部と、今井麻美さん&大坪由佳さんが出演する第2部それぞれに多くの人が集まり、現場で活躍するプロの声優の言葉に耳を傾けた。本記事ではイベントで披露されたトークの一部を抜粋してお届けしていく。
第1部には、喜多村英梨さんと逢坂良太さんが出演。季節を問わず、つねにマスクを携帯して喉のケアや自身の体調管理、また現場で風邪をもらわないようにしていることなど、現在気をつけていることなどが語られる。また、逢坂さんは冬場に野外で叫んで喉を鍛えようとしたところ、乾燥しているから危険だと言われたという失敗談を明かしつつ、間違った鍛えかたをしてはいけないので、養成所などで学ぶ基礎を大事にしてほしいと語った。
喜多村さんは、日常生活から自分の話しかたなどを意識しておくことが重要であると語る。また、ある現場で先輩の声優さんが「声優さんはいろいろな声が出せてすごいですね」と言われた際に、いろいろな声が出せるのではなく、いろいろな演技をしている。赤ちゃんなら赤ちゃんの声を出しているのではなく、赤ちゃんの演技をしているのだ、ということを語ったエピソードを交えながら、技法について学ぶのではなく、人をよく見ることが重要であると力説。毎日意識して人を見ていることで、自分の引き出しが増え演技の幅が広がるとのこと。実際、喜多村さんも絶対に回ってこないであろう、サラリーマンのおじさんなどもよく観察していると語り、笑いを誘っていた。
またコミュニケーション能力の重要性も指摘。逢坂さんは、事務所に所属しているとはいえ、ひとりひとりが自営業なので、いろいろな人に相談してみるというのは大きいと語る。喜多村さんもコミュニケーションはどんな立場になっても重要なものであると続く。さらにデビュー当時と現在とで意識が変わった部分を問われると、喜多村さんはデビュー当時は台本ばかり見ていて、ほかの声優さんの芝居を見ていなかったことを悔いる。現在は現場を楽しむ余裕が出てきたことで、性別問わずいい芝居をされている方の背中を見て日々吸収していると語った。最後に喜多村さんは「“好きこそものの上手なれ”はある」とコメント。チャンスは事務所だけではなくいろいろなところに転がっているので、人とのコミュニケーションを忘れず、またいつでも自分で自分の鼻を折って日々吸収することを意識してほしいと語り、最後は「また現場でお会いしましょう」とコメントした。
続いて行われた第2部には今井麻美さんと大坪由佳さんが登場。大坪さんは、アーリー・トレーニング・スタジオで基礎を固めている段階でオーディションに受かったことで、名前だけがどんどん前に出て行って、自分の実力を追いつかせることがたいへんだったと語る。しかし、基礎を固め、自分の特徴を見直すことで自信につながり、自信があると現場で思い切って演じられるようになったという体験談を披露。まずは自分磨きが必要であることを力説する。これに今井さんも基礎を学ぶ機会があるのにやらないのはもったいないとコメント。やっておかなかったことで現場に出て恥をかくぐらいなら、やれるうちにしっかり基礎を固めるべきと語る。
現場で気をつけていること、という話題では大坪さんが養成所で挨拶の練習をしたことを明かす。今井さんも挨拶は人間性としても重要なことであることを説きつつ、自分がどんな役で現場にいるのかを伝えることで、現場でのマイクワークなどがスムーズになるという、実際に現場に出てみなければわからないエピソードなども披露した。
コミュニケーション能力に関しては、いかに自分のことを印象づけるかが重要であると語る大坪さんに、「あまりにも奇抜なことはするなよ!(笑)」と今井さんがツッコミを入れるシーンも。ときに楽しく、ときに真剣に声優という職業について語られた今回のトークイベント。最後に今井さんから、「続けていれば、いずれチャンスは来ると思います。自分を否定する負のループに陥るようなことはしないでほしい」と自身の経験を思い返しながら、声優を目指すイベント参加者に向けてエールを送った。
また、イベント終了後に喜多村さん&逢坂さん、今井さん&大坪さんからコメントをいただくことができたので、こちらも要チェックだ。
第1部喜多村英梨さん&逢坂良太さんコメント
――非常に多くの生徒さんの前でのイベントでしたが、イベントが終わっての感想を伺えれば。
逢坂良太さん(以下、逢坂) こんな感じで話すことが初めての経験だったので、何を話したらいいんだろうと思っていました(笑)。でも、わりと自分の伝えたいことは言えたんじゃないかなと思いますし、何か感じてもらえればうれしいなと思います。
喜多村英梨さん(以下、喜多村) 声優というカテゴリーで考えれば、私たちも今回のイベントに参加してくださった皆さんも志はいっしょなので、自分に言い聞かせる意味も込めて、改めて声優としての意識を高める機会になりました。現場に出てしまうと現場のことにかかりっきりになってしまうので、そういう意味で基礎のことを改めて思い返すことができたのは、私たちにとってもプラスになったと思います。
――イベントに参加された方、そしてファミ通.comの読者の皆さんに、ひと言お願いします。
逢坂 イベント参加者の皆さんは、今日聞いた話で何かしら頭に残っていることがあれば、それを少しでも実践して自分の糧にしていただければいいなと思います。まだまだ自分も未熟なので、自分もがんばるとともに皆さんといつかお会いできたらいいなと思います。今回ご参加されなかった方も、アーリーウィングではこのようなイベントが実施されているので、ぜひホームページなどをチェックしていただければ。
喜多村 EARLY WING GROUPはいろいろな色の役者陣が一線で活躍させてもらっているのですが、そんな役者陣の話を間近で伝えられるというのは事務所の取り組みとしておもしろいなと思って、本気で話をさせていただきました。今日のトークイベントに来られた方も、この記事を見てくれている方も、気になった方はEARLY WING GROUPに注目していただきたいです。私たち自身、発言をしながら改めて気を引き締めるいい機会になりました。ウチの事務所は、役者ひとりひとりのカラーを大事にしているので、いろいろなタイプの人に門を叩いてもらって、お互いに競り合って高め合っていければと思っています。
第2部今井麻美さん&大坪由佳さんコメント
――たくさんの生徒さんの前でトークイベントを行ったことの感想を伺えれば。
大坪由佳さん(以下、大坪) たくさんいるなーって思いました(笑)。0期生としてアーリー・トレーニング・スタジオに入ったときはがんばってふたつの組に分けていたぐらいだったんですけれど、いまはたくさんのクラスがあって、しかもトークイベントを2部に分けるほどで、ホントにたくさんの方が入ってくれたんだなと感じました。
今井麻美さん(以下、今井) 私はまだ教える側の人じゃなくて、演じる側の人でいたいし、そうであると自分でも思っています。偉そうなことを言える立場ではないので、演技を教えてあげることはできないですけど、それ以外の部分で自分の後輩たちが損をしないための知恵を教えられるのであれば、こういう機会があってもいいのかなとはちょっと思いました。
――イベントに参加された方、そしてファミ通.comの読者の皆さんに、ひと言お願いします。
今井 アーリーウィングは人材を求めていますので、素敵な役者さんが入ってくれれば私たちもすごく楽しくお仕事できると思います。いろいろな才能の方が来てくれるとうれしいです!
大坪 素敵なスタッフ、素敵な先輩、素敵な後輩に囲まれて私は本当に幸せな環境にいるなと心から思っています。私も皆さんのことを支えていけるような先輩になりたいと思いますので、いっしょにがんばっていきましょう。そして私たちを支えたいという方は、ぜひマネージャースタッフとして入っていただければ(笑)(※編註:現在募集はしていません)。
今井 そんな締めかた(笑)。