いかにして、当時のゲームセンターは忠実に再現されたか?

 毎週金曜日の深夜0時52分から1時23分まで、テレビ東京、テレビ大阪ほかにて放送中の『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』。1983年~2013年までのゲーム史を描くという本作において、キモとなったのが、いかにその時代のゲームセンターをしっかりと再現するか。テレビをご覧になって、当時のゲームセンターの再現度の高さに驚かれた方も多いのではないだろうか。ゲームセンターを再現するうえで、重要な役割を担ったのが、大塚ギチさんと安部理一郎さんだ。大塚ギチさんは、もともとゲーム雑誌の編集者で、『バーチャファイター』をテーマにしたノンフィクション『トウキョウヘッド19931995』などを執筆。安部理一郎さんは、かつてゲームライターなどを努め、いまは新宿にあるビデオゲーム・バー、bar 16SHOTSの店長として、業界内ではつとにおなじみ。ともに大のゲーム通として知られている方々だ。

 本日(2013年10月18日)の第3話の放送に先駆け、『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』の裏方のキーパーソンとも言えるおふたりからのコメントが到着したのでお届けしよう。

■大塚ギチさん
 主に筐体の搬入搬出やゲームセンターワタナベの設営をお手伝いさせていただきました。持ち上げる筐体の一台一台からそれぞれが歩んできた時代を重さとして感じる、そんな作業でした。なかでも2話に登場する『ポールポジションII』は重量級でありながらさらに高さがあるため、店への出し入れに大変苦労しました。ゲームセンターの原風景は人それぞれなので、すべての人を納得させる共通のイメージを作り出すには限界があると思います。なので“どこかにあるであろう、ちょっと行ってみたいゲームセンター”として“ワタナベ”という空間を楽しんでいただければ嬉しい限りです。

■安部理一郎さん
 「劇中に登場するゲームの手配、設定の考証、筺体のメンテナンスや調達、運搬を担当しました。ミッションとしては架空のゲーセンを作るということで、原作者の佐藤大さんたちの原風景をヒアリングしつつ、できるだけウソがないように、それでいて「ああ、ああいう店あった…かもね?」という雰囲気を目指しつつ、限られた時間で辻褄を合わせていく……という作業を30年分! お話をいただいたとき、30年分のメンテナンスが必要ということは想定していなかったわけですが……。30年選手の俳優さん(筺体)のご機嫌を取るのも一苦労で、取り寄せた筺体がメンテ中に煙を吹くことも多数。とにかく時間との戦いの連続でした。ドラマですから、「こんな美少女いなかったよ!」なんて、ツッコミを入れながらお楽しみいただければと思います。

『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』当時のゲームセンターを忠実に再現するうえで大きな役割を果たしたキーパーソンからのコメントが到着_02
『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』当時のゲームセンターを忠実に再現するうえで大きな役割を果たしたキーパーソンからのコメントが到着_01
▲第2話から。この回は『ポールポジションII』が取り上げられていた。

ドラマ『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』
■放送日時:毎週金曜深夜0:52~1:23(テレビ東京、テレビ大阪ほか)
■出演:田中圭、波瑠、浜野謙太、佐藤二朗
■内容:1983年から2013年現在に至るまでの30年間を、実在のゲームを織り交ぜながら描く。ドラマとゲームのストーリーが融合し、毎回ドラマのテーマとなる当時のエポックメイキングなゲームが実名で登場する。登場人物たちが実際にゲームをプレイし、それがドラマの話にもリンクしていく、全く新しいドラマ。