先生と裏話は使いよう!

 徳島県徳島市にて、2013年9月28日~10月14日の期間で開催された、エンターテインメントのイベント“マチ★アソビ vol.11”。2013年10月13日、ufotable CINEMAにて、“「犬とハサミは使いよう」大澤映見presents 原作の更伊先生に作品裏話を聞いちゃうトークショー”が行われた。

 前回のマチ★アソビで行われた“ファミ通文庫 マチ★アソビ大賞”で、「犬とハサミは使いよう」は作品賞に輝き、その登場人物のひとりである大澤映見は、見事ヒロイン賞を受賞した(前回のマチ★アソビの模様は→こちら)。

 テレビアニメ版「犬とハサミは使いよう」で映見を演じた声優の加隈さんは、「映見ちゃんがヒロイン賞を獲ったら、何かします!」と公言しており、今回、その公約どおり、加隈さんが出演するトークショーが行われることになったのだ。

 このトークショーのゲストは、「犬とハサミは使いよう」の作者、更伊俊介先生。更伊先生、じつは“更”と“伊”のふたり組の作家。“更”先生も“伊”先生も徳島は初めてで、徳島に来られてうれしい、と語った。

「犬とハサミは使いよう」大澤映見役の加隈亜衣さんが、原作者の更伊俊介先生を質問攻めに!【マチ★アソビ vol.11】_01
「犬とハサミは使いよう」大澤映見役の加隈亜衣さんが、原作者の更伊俊介先生を質問攻めに!【マチ★アソビ vol.11】_02
▲大澤映見役の加隈亜衣さん。
▲左から“更”先生、“伊”先生。

 ここでは、加隈さんが先生から聴きだした、裏話の数々をお届け。

■アニメ「犬ハサ」の最終回について

 “カオスだった”と評判のアニメ「犬ハサ」最終回。カオスになるのは狙いどおりで、監督を始め、スタッフみんなの中に「これが犬ハサだろう」という思いがあったそうだ。脚本の会議は、“伊”先生によれば「酒に酔ってんじゃねーかなー」というテンションで行われたとか。

 加隈さんは、オープニング曲「わんわんわんわんN_1!!」はカオスな歌だと考えており、その歌が最終回の締めを飾ったとき、“ピタッとハマっている”と感じた、とコメントした。

■アニメ「犬ハサ」に関する会議について

 続いての質問は、“監督やプロデューサーが参加する会議で、先生たちはどんな主張をするのですか?”というもの。“更”先生は、何かを強くお願いするのではなく、まさにお酒を飲んでいるようなテンションで、「これもいい」、「これもいい」とネタを乗せていった、と語った。

■大澤映見の誕生裏話

 加隈さんが演じる大澤映見。じつは、当初は“姫萩紅葉”の名前で考えられていた! 物語を作るうちに、紅葉とは別のキャラクターにすることになり、その性格については試行錯誤があったとか。毒舌で、ことあるごとに「死ねばいいのに」と言う、いまの映見とは真逆の性格のときもあったという。

 その後、“人間だったころの春海和人の同級生”というポジションのキャラクターのため、あんまりすさまじいキャラにするのもどうか、と模索した結果、映見が完成したそうだ。

■最初に思いついたキャラクターは?

 さまざまな個性的なキャラクターが出てくる「犬ハサ」。“更”先生によれば、キャラクターは、物語に登場する順番どおりに考えられているとのこと。

 ちなみに、“伊”先生はこのトークショーに出るにあたり、昔の設定を読み直してきたそうだが、なんと映見のところには“ラスボス”と書いてあったという。本当は、最初のラスボスは愁山だったのだが、映見がストーリーの中で目立ったほうがいいと考えた結果、愁山は吊るされることになり、あんなキャラクターになってしまったらしい。“更”先生は「書いてるままにやってたら、ああなった」、“更”先生は「俺達の頭の中、どうなっているんだ(笑)」とコメントした。

 なお、マキシは編集担当と打ち合わせしたときのままの設定で、輝き続けているそうです。さすがマキシ様。

■更伊先生がファーストインパクトを受けた小説は?

 こちらは、読者からメールで送られてきた質問。影響を受けた小説について聞かれ、“更”先生は、京極夏彦先生、川上稔先生の作品を挙げた。「犬ハサ」原作の1巻で、中原 冬至が本を振り回して戦うシーンがあるが、それは京極先生や川上先生の分厚い著書を見て、「これで戦ってみたらおもしろいんじゃないか」というアイデアが浮かんだために生まれたシーンであるという。もちろん、作品の中身も好きとのこと。

 “伊”先生が挙げたのは、上遠野浩平先生の「ブギーポップは笑わない」。ライトノベルの道に進むうえで、かなりの影響を受けたそうだ。

■「犬ハサ」Blu-ray&DVDについて

 更伊先生の書き下ろし小説が特典としてついてくる、「犬ハサ」Blu-ray&DVD。2013年10月25日に発売される第2巻に付いてくる小説のタイトルは、「犬と魔法少女は使いよう」。夏野霧姫や春海円香が変身するらしい……? 残念ながら「犬と魔法少女は使いよう」に映見は登場しないが、5巻あたりの特典小説で活躍するらしいので、お楽しみに。

「犬とハサミは使いよう」大澤映見役の加隈亜衣さんが、原作者の更伊俊介先生を質問攻めに!【マチ★アソビ vol.11】_03

 ここまで紹介してきたように、多数の裏話が飛び出したトークショー。アニメは終わりを迎えたが、「犬ハサ」はまだまだ続く。更伊先生は、ファンの顔を見ることができた喜びを語り、これからも応援してほしい、とメッセージを送った。

「犬とハサミは使いよう」大澤映見役の加隈亜衣さんが、原作者の更伊俊介先生を質問攻めに!【マチ★アソビ vol.11】_04
「犬とハサミは使いよう」大澤映見役の加隈亜衣さんが、原作者の更伊俊介先生を質問攻めに!【マチ★アソビ vol.11】_05
▲このトークショーの後、ポッポ街にて更伊先生&原作イラスト担当の鍋島テツヒロ先生のサイン会が開催! 多くのファンが訪れた。
「犬とハサミは使いよう」大澤映見役の加隈亜衣さんが、原作者の更伊俊介先生を質問攻めに!【マチ★アソビ vol.11】_06
▲サイン会参加者には、鍋島先生手作りのラミネートカードがプレゼントされた。