『初音ミク Project mirai 2』Mitchie M氏&小幡怜央氏インタビュー【週刊ファミクーFace完全版】

『初音ミク Project mirai 2』のテーマソング「アゲアゲアゲイン」を手掛けたMitchie M氏と、この楽曲に合わせてミクのコスチュームをデザインした小幡怜央氏(スクウェア・エニックス)のインタビューをお届け。

●テーマソング&コスチュームの魅力に迫る!

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▲「アゲアゲアゲイン」とともに流れる『初音ミク Project mirai 2』オープニングムービー。

 セガより2013年11月28日発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『初音ミク Project mirai 2』。本作のテーマソング「アゲアゲアゲイン」(ボーカル:初音ミク)を手掛けるのは、数々の名曲を手掛けてきたMitchie M氏。そして、この楽曲に合わせてミクのコスチュームをデザインするのは、スクウェア・エニックスのデザイナー小幡怜央氏だ。このふたりのタッグで生み出される「アゲアゲアゲイン」の世界とはどんなものなのか、話をうかがった。

※このインタビューは、2013年8月30日に行われたイベント“初音ミク「マジカルミライ2013」”で配布された冊子「週刊ファミクー 8月30日号」に掲載された文に、加筆したものです。


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■写真左
Mitchie M(ミッチー エム)

フリーのコンポーザー、サウンド・プロデューサー。2011年7月にニコニコ動画にアップしたオリジナル曲「FREELY TOMORROW」がリアルな調声で話題を呼び、史上最短の10時間40分でVOCALOID殿堂入り(10万再生突破)し大ヒット。最新作「ビバハピ」もニコニコ動画総合チャート1位を記録し、100万再生を超えるヒットとなっている。

■写真右
スクウェア・エニックス
小幡怜央(おばた れお)

スクウェア・エニックス 特モバイル二部所属のデザイナー。“SiSiLaLa OVERDRIVE”レーベルのタイトルでキャラクターデザイン・イラストを担当している。また、NIL名義で『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- f/F』に収録されたモジュール(衣装)“スターヴォイス”をデザインした。



――本日は、「アゲアゲアゲイン」の楽曲とコスチュームを手掛けたおふたりに、制作秘話などをうかがっていきたいと思います。初めに、セガからオファーを受けたときのMitchieさんのお気持ちを教えてください。
Mitchie 本当にもう、すごく光栄なことだなと思いました。僕はVOCALOID(ボーカロイド)での曲作りを始めて、まだ2年くらいですから、「僕なんかで本当にいいんでしょうか」という感じでした。起用していただけて、うれしく思っています。

――テーマソングの方向性について、セガスタッフの方からリクストはありましたか?
Mitchie 基本的には任せていただいたのですが、耳に残るメロディーにしてほしいということと、“ミライ(未来)的な”曲にしてほしいというお話がありました。

――“ミライっぽさ”は、どのように表現しようと考えましたか?
Mitchie 未来感を出すために、「電子音を多用しよう」という考えはすぐに浮かびました。それから、セガさんが「パーティーのようなにぎやかさが欲しい」とおっしゃったので、“パーティー”という言葉を歌詞に使って、未来のパーティー感を表現できるよう心がけました。

――Mitchieさんの中で、テーマソングのイメージは早くから固まっていたのですね。では、コスチュームのデザインを小幡さんが担当することになった経緯を教えていただけますか?
Mitchie 『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- f/F』に『FREELY TOMORROW』が収録されたとき、小幡さんにデザインしていただいたコスチュームがとてもよかったので、「今回もぜひ!」とお願いしました。

――Mitchieさんからのラブコールを受けて、再びおふたりがタッグを組むことになったのですね。
小幡 本当に、恐縮です。

――「FREELY TOMORROW」の衣装をデザインしたときも、Mitchieさんからお声掛けしたのですか?
Mitchie はい。デザインしてくださる方を捜していたときに、小幡さんの絵を見て、「これだ!」と思いまして。
小幡 お話をいただいたときは、びっくりしましたね。手汗が出るほどでした(笑)。

――(笑)。Mitchieさんは、小幡さんの絵について、とくにどんなところが魅力的だと感じますか?
Mitchie まず人物の描写がすごく魅力的ですよね。そしてメカなども、とても細かく描かれていますし。描くものすべてがすごいです。緻密で、未来的で。それが自分の曲にバッチリ合うのではないかと思いました。

――「アゲアゲアゲイン」の“ミライっぽい”というイメージにもぴったりということですね。小幡さんは、最初に「アゲアゲアゲイン」を聴いたとき、どのような感想を抱かれましたか?
小幡 Mitchieさんがこれまでニコニコ動画にアップされた曲は、すべて聴いているのですが、今回は「あれ、新しい感じが出てきたな」という印象でしたね。

――とても中毒性の高いメロディーですよね。誰でもすぐに覚えられるような。
Mitchie  “パーティー”のほかに“アゲアゲ”という言葉が最初に浮かんだので、それを印象づけるようなメロディーを考えました。わりとすぐにメロディーは出てきましたね。

――Mitchieさんと言えば“神調声”でおなじみですが、今回の声もリアルで素敵です。VOCALOIDの声を調整するとき、Mitchieさんはどのような点にこだわられているのですか?
Mitchie とにかく、細かく声をエディットすることが大事だと思っています。なるべくいい状態になるように、ひたすらエディットする。曲によっては、2週間ぐらいずっとエディットしていることもあります。「アゲアゲアゲイン」は、メロディーを比較的早く作れたので、その後はどれだけ声を綺麗に仕上げられるかに力を入れました。

――とにかく、納得がいくまで続けることがポイントなのですね。
Mitchie はい。「アゲアゲアゲイン」も、自分がイメージしていた声になったと思います。


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▲小幡氏によるデザインラフ。

――小幡さんは「アゲアゲアゲイン」を聴いて、すぐに衣装のイメージが浮かびましたか?
小幡 最初は、歌詞に“ワンピ”や“ヒール”といった言葉が出てくるので、ふつうの女の子の衣装を考えていたんです。でも、なかなかおもしろいものにならなくて。描いては直し、描いては直しをくり返して、「これじゃないなあ、もう締め切りが近いから答えを出さなきゃ……」と悩んでいたときに浮かんできたのが、髪の毛のギミックです。

――デザイン画に描かれている、ツインテールの先にある+型の部分が、くるくると動くギミックのことですね。
小幡 運よくアイデアが浮かんだんです。偶然。「あ、これは新しいんじゃないかな」と思って。アニメーションがついた髪の毛なんて、いままでにないものなので、モデリング担当の方には申し訳ないと思いつつ、わがままを言いました。

――デザイン画の右下に描かれている初期案と比べると、かなりミライ的なデザインになりましたね。
小幡 最初は、楽曲のイメージをもとにデザインすることから出発したんですけど、デザイン作業が進むにつれて、「ゲームをプレイしてくださる方々が、どんなコスチュームのミクが踊っていたら楽しいのかな」と考えるようになりました。「何かおもしろいアイデアを、ひとつでも盛り込みたい」って。

――ゲームの中で見たときに、映えるように意識されたのですね。
小幡 はい。いま、この「アゲアゲアゲイン」衣装のCGモデルを監修させていただいているところなんですけど、さすがですね。僕がぶん投げたデザインを、プロの仕事で仕上げていただいて。もう、すごくよかったです!
Mitchie 僕も見させていただきましたが、髪の毛が動いているのが斬新で、カッコよかったです。


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――小幡さんは、コスチュームをデザインするとき、どのような作業から始めるのですか?
小幡 そうですね……まず、曲をずっとヘビロテして、曲にどっぷり浸かります。それから、「こうかな?」とふっと湧いてきたアイデアを、部分的にでもスケッチしていって、方向性が見えてきたら、一度全身を描いてみますね。

――部分的に、というのは、たとえば髪型だったり、ブーツの形だったり。
小幡 はい。色味やディテールを描いていく……かな? 最初のほうは、ぐちゃぐちゃなんですよね。最後に見返すと、「なんだこれ?」という感じのものを、いっぱい描き出していきます。

――“ねんどろいど”の頭身のキャラクターを描くのは、難しかったですか?
小幡 これまでに描いたことのない頭身だったので、まずはふつうの頭身で描いて、それをもとに“ねんどろいど”の体型の絵を描きました。いい感じになるまで、試行錯誤しましたね。頭身が違うと、絵の印象もだいぶ違うので。「これでいいのかな?」と悩みながら、Mitchieさんの期待に応えたい、とがんばりました。じつを言うと、「FREELY TOMORROW」の衣装をデザインさせてもらったとき、あまり期待に応えられなかったような気がしていて……。
Mitchie いやいや、まったくそんなことないですよ!(笑)
小幡 ありがとうございます。でも、自分ではそう思ってしまって。今回は、もっといいものを出す! と気合を入れたんです。

――お話を聞いていると、おふたりとも、理想をとても高く持っていらっしゃるのだなと感じます。
小幡 じつは今日、Mitchieさんのお話を聞いて、ものの作りかたのタイプが自分と似ているなと思ったんです。
Mitchie そうですよね、僕も似てるなと感じました。
小幡 細かいところまで、ひたすらやり続けるところですとか……。Mitchieさんは、「アゲアゲアゲイン」に限らず、どの曲も「これ、すごいな! 作るのはどれだけたいへんなんだろう!!」と思うようないい作品ばかりなので、そのクオリティーに見合うような、おもしろさのあるデザインを出したかったんですよね。

――ぜひ、今後もおふたりがタッグを組んだ作品を見てみたいです。
Mitchie ぜひお願いしたいです!
小幡 こちらこそお願いします。


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――楽しみにしています。ところで、『初音ミク Project mirai 2』のプロモーションのため、「アゲアゲアゲイン」を題材にした“アゲアゲ体操”をミクダヨーさんが踊ることになりましたが、ミクダヨーさんへの激励のお言葉をいただけますか?
Mitchie 曲のテンポが速いので動きづらいかもしれませんが、かわいく踊っていただけたらうれしいです。
小幡 ダヨーさんは、ちょっと顔に陰影が落ちますが……これで、かわいく踊ってほしいですね(笑)。

――ありがとうございます(笑)。それでは、最後に読者にひとことメッセージをお願いします。
小幡 「アゲアゲアゲイン」の衣装は、新鮮なデザインになっていると思いますし、セガさんのお力のおかげですごくかわいくできましたので、着せ替えて楽しんでいただければと思います。僕は、スクウェア・エニックスのゲームでは『拡散性ミリオンアーサー』の絵を描いているので、そちらも見ていただけるとうれしいです。
Mitchie 僕も小幡さんもそうですが、何よりセガの皆さんが、全力で取り組んでらっしゃるので、とても素敵な作品ができあがると思います。楽しみにしていてください。また、おかげさまで、11月6日にファースト・アルバム「グレイテスト・アイドル」をリリースできることになりました。「アゲアゲアゲイン」をそのアルバムにも収録しますので、そちらも楽しみにしていてもらえたら嬉しいです。


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デザイン協力:ねんどろいど 記載の商品名および社名は各社の登録商標です。 ※画面は開発中のものです。
※ニンテンドー3DSの3D映像は、同本体でしか見ることができません。画面写真は2D表示のものです。