コロコロコミックとタッグを組んでメディアミックス展開

 東京ゲームショウ2013のセガブースにて、2013年9月20日(ビジネスデイ)と22日(一般公開日)の2回に渡り、セガの3DS用新タイトル『ヒーローバンク』のトークイベントが催された。『ヒーローバンク』は、“お金”をテーマにしたRPG。ある日、100億円もの借金を背負ってしまった小学生・豪勝カイトが、サイバースポーツ“ヒーローバトル”で賞金を稼ぎ、謝金返済を目指すというストーリーが展開する。

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▲"ヒーロバンクの制作者"としてイベントに臨んだ名越稔洋氏。

 9月20日(ビジネスデイ)開催の1回目のステージには、『ヒーローバンク』の制作総指揮を務める名越稔洋氏と、PR担当の南木助手氏、小学館・コロコロコミック編集者の益江宏典氏が登場し、作品のコンセプトやコロコロコミックとのメディアミックス展開について語った。初めにステージへ姿を現わした名越氏によると、『ヒーローバンク』は子供向けを意識したタイトルだが、子供だましにならないように、ゲームとしてちゃんと楽しめるようデザインしたとのこと。同氏は『龍が如く』シリーズの生みの親として有名だが、『ヒーローバンク』については「プロジェクトのスケール感としては、『龍が如く』を最初に立ち上げたときよりも大きい」と話した。また、本作のテーマを"お金"としたことについて、「子供向けだとしても、ぼくはドラマを訴えたいです。お金というものをコソコソと隠すのではなく、前面に出しながら、お金を稼ぐことの意味や喜びについて何か感じ取ってもらえたら」と意気込みを語った。

つぎに登場したのは、小学館・月刊コロコロコミックの編集者である益江宏典氏。益江氏は『ヒーローバンク』の紹介記事と連載マンガを担当しており、マンガ版『ヒーローバンク』(作・伊原しげかつ)の連載が、月刊コロコロコミック11月号(10月15日発売)からスタートすると明かした。また、現在発売中のコロコロコミック10月号にも、予告マンガと特集記事が掲載されているという。お金をテーマにした『ヒーローバンク』について、益江氏は「昔は『つるピカハゲ丸』や『おぼっちゃまくん』というお金をテーマにしたマンガがあったので、考えてみたらコロコロコミックの王道だったな、と思いました。昔の王道マンガに負けない作品にしたいです」と語った。

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▲マンガ版『ヒーローバンク』の担当編集・益江宏典氏。
▲発売中の月刊コロコロコミック10月号に掲載されている予告マンガが紹介された。
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▲南木助手氏は白衣姿での登場。

 つづいて、セガのPR担当・南木助手氏が登場。格闘家の角田信朗氏が歌う『ヒーローバンク』の主題歌『かせげ! ジャリンコヒーロー』のミュージックビデオを初めて公開した(歌と歌詞は、『ヒーローバンク』公式ページで公開中(⇒サイトはこちら)。さらに、コロコロコミックの人気キャラクター・ケシカスくんが、ゲーム『ヒーローバンク』に登場することが決定したことも発表。主人公がヒーロー着を装着することで、ケシカスくんに変身できるという。ほかにもコロコロコミックの人気キャラクターがヒーロー着として登場するとのことなので、続報にも期待してほしい。

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▲コロコロコミックの人気キャラ、ケシカスくんもヒーロー着になって参戦!
▲主人公・豪勝カイトが着るヒーロー着"エンター・ザ・ゴールド"が応援に駆けつけた。

ヒーローバトルとビジネスチャンスで稼ぎまくれ!

 9月22日(一般公開日)に開催された2回目のステージには、1回目に引き続き制作総指揮の名越稔洋氏が出演したほか、プロデューサーの下里陽一氏とディレクターの吉田雄高氏も登場。今回は、ゲームの内容紹介を中心に話が進められた。

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▲プロデューサー・下里陽一氏。
▲ディレクター・吉田雄高氏。

 本記事の冒頭でも触れたとおり、主人公は100億円もの借金を背負わされてしまった小学生・豪勝カイト。借金の返しかたは2種類あり、ひとつはヒーロー着をまとってヒーローバトルに勝利し、賞金を稼ぐ方法。そしてもうひとつ、町のいたるところにある"ビジネチャンス"を生かして稼ぐ方法がある。いちばんの目的は100億円の借金を返すことだが、「ストーリーが進行するといろいろなライバルに勝つことも目的のひとつになりますし、巨悪の陰謀にも巻き込まれてしまいます」と吉田氏が明かした。

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▲主人公・豪勝カイト(CV:三瓶由布子)。スーパー元気でお調子者だが、仲間からの信頼は厚い。口グセは「じゃりんじゃりん稼ぐゼ~!」。
▲財前ミツオ(CV:沢城みゆき)。学校一の秀才で、カイトの参謀役。カイトが苦手なビジネスチャンスについてアドバイスしてくれる。
▲兼丸フクタ(CV:中井和哉)。ネズミの言葉を理解でき、ネズミから教えてもらったお得な情報をカイトに伝えてくれる。

 カイトがヒーローバトルを行なうときに装着するヒーロー着は、実際にある職業と別の何かをミックスしてデザインされているとのこと。たとえば、“シノビストライカー”はサッカー戦と忍者、“ブルワッパ”は警察官とブルドッグがミックスされているのだという。ヒーロー着はかっこいい系からおもしろ系までさまざまなタイプが用意されているので、コレクションすることも楽しみのひとつになりそうだ。

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▲ヒーロー着のごく一部を会場でも紹介。

リアルタイム移動とターン制バトルが融合したシステム

 つづいて、吉田氏が東京ゲームショウバージョンのROMを実際にプレイし、下里氏がバトルの流れを説明した。本作のバトルシステムは“リアルタイム・ターン・バトル”を採用し、リアルタイム移動とターン制バトルのふたつが融合した戦いが楽しめる。バトルが始まったら、まず観客がリングに投げ込む“おひねり”(お金)を拾う。お金が一定額貯まると技が発動可能になり、ターン制バトルに移行。攻撃した側は技のコマンドを選び、攻撃された側は防御のコマンドを選ぶ。また、ヒーロー着には属性があり、互いに有利な属性と不利な属性があるので、ほかのヒーロー着を装着して変身して相手に有利な属性を選ぶことが大事な戦略のひとつになる。ヒーロー着を変えるときはお金を必要としないが、変身できる時間がそれぞれ限られているので、さまざまなヒーロー着をこまめに着替えながら、バトルを進めていくことになる。ヒーローバトルで勝利すれば、みごと賞金を獲得! ただ勝利するのではなく、観客を沸かせて勝利すると賞金額がさらにアップする。観客の反応を見ながらバトルの展開を工夫すると、借金完済への道も近くなるわけだ。

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▲リング上に落ちているおひねりを拾い集め、技の発動に必要な資金を貯める。
▲対戦相手は、課長+サラリーマンをモチーフにした"カチョリーマン"。より強力な"ブチョリーマン"や"シャチョリーマン"も存在するらしい。

 最後に、ユーザーへのメッセージでイベントが締めくくられた。「わたし自身もお金に疎いところがあるんですが、皆さんもぜひ、このゲームを通じてお金のことについて考えてくれたらと思います」(吉田氏)。「発売が2014年春を予定していますまだまだ先の話ですが、ぜひ"じゃりんじゃりん"と稼いで楽しんでもらえたらと思います」(下里氏)。「セガが本気で取り組んでいる子供向けのタイトルです。大きなアクションをまだまだいっぱい用意してありますので、ぜひお楽しみにしてください」(名越氏)。

(取材・文:ライター/ムライサトシ)