STG『解放少女』のその後をADVで描く本作
5pb.から、2013年12月5日発売予定のプレイステーション3用ソフト『解放少女 SIN』。本作の主人公・海堂清人は、他人の精神世界に入り込めるという特殊な才能を持つ。閣僚をはじめとした、さまざまな想いを抱える少女たちと心を通わせることで、彼女たちが抱える悩みを“解放”し、真実へと近づいていくのだ。
第二次解放戦争、女子高生による大統領及び閣僚、都市型戦艦と護国の飛行兵器“解放機”など、独特の世界観を持つ本作。今回は、そのゲーム本編の収録が終了したということで、主要キャラクターを演じた声優陣を直撃し、ゲームやキャラクターの魅力を語っていただいた。

◆前野智昭さん(海堂清人役)
「すごい量のセリフでした。約3ヵ月のあいだ、週一回の収録ということで、1クールのアニメの収録のようにやらせていただきました。物語が壮大な内容なので、たいへんな収録になると思っていたのですが、スタッフの方からも先の展開を知らないほうが、“清人”と同じ気持ちで演じられるということで、あまりシナリオを先まで読み込まずに収録しました。おかげで収録のたびに新しい事実が判明して、台本を読んでいるというよりも、小説を読んでいるような感覚でやらせていただきました。たいへんでしたが、楽しかったという思いが強いです。違う収録現場で、この“閣僚”の方々と会うときは、戦友と会ったような気分になりました(笑)。
これだけたくさんのかわいい女性のキャラクターが出ますが、その“かわいさ”をあまり押し出さずに、政治的な話を絡めたゲームというのは、新しいんじゃないかと思います。話自体は難しいのですが、とてもわかりやすく作られているので、どなたでも楽しめる内容だと思います。また、映像化しても映える作品だと思うので、感想を“しかるべきところ”にどんどん送っていただければと思います(笑)」
◆明坂聡美さん(明星かぐや役)
「最初に“防衛大臣”の役だと聞いてビックリしました。“かぐや”は軍人気質と言うか、“強い日本を目指そう”というまっすぐな気持ちを持った女の子です。そういう意志の強さを持った役が初めてだったので、録り直しやつまずくシーンも多かったです。ほかの皆さんもそうだと思うのですが、言葉使いや軍事的な専門用語も多かったので、アクセント辞典や百科事典を引きながらやらせていただきました。
それぞれのキャラクターに過去があるし、“解放機”に乗って“大国”と命がけで戦うシーンでは、いままでのアニメやゲームと違って、“覚悟”が見えるようなところが魅力だと思います。ゲームという媒体ですが、長編小説を読んでいるような重量感がありますし、また個人的には、私の演じている“かぐや”は壮絶なストーリーを歩みますので、そこにも注目していただけたらと思います」
◆佐藤利奈さん(安ノ雲ミブリ役)
「イラストを見ていただければおわかりの通り、かなりぶっ飛んだ感じのキャラクターです(笑)。研究や自分の興味のあることへの情熱は半端ないのですが、それ以外には関心を持たない天才肌のキャラクターなので、演じるにあたってどこまでやるかを相談しながら、結果的には「ほかとは違うしゃべりかたのペースが、逆に気持ち悪くなるといいよね」ということになり、気持ち悪いところを目指しました。私は前野さんとは逆で、ミブリさんは生い立ちや抱えているモノがあるので、先のほうまでガッツリと話を聞いてから収録しました。いい意味で、物語を引っかき回すキャラクターだと思うので、楽しく演じさせていただきました。
物語が骨太なので、のめり込めると思います。それから、私はこの物語のバッドエンドが大好きです! 超おもしろいので、みんな失敗すればいいと思う(笑)。これを考えた作家さんと、一杯飲みながら語ってみたいと思いました(笑)。全員のルートを隅々まで、もちろんバッドエンドまで遊んでいただいて(笑)、“しかるべきところ”に映像化の希望を送っていただけると、私たちも、またこうして集まることができると思います。応援してください」
◆石原夏織さん(左近田凪冴役)
「“凪冴”は大統領を目指す女の子です。エリートで、自信があって強気な性格のキャラクターというのは、いままで演じたことのないキャラクターだったので、本当に戸惑いました。最初は不安が大きかったのですが、スタッフと相談して、だんだんと“凪冴”というものが見えてきて、収録が終盤になるころには、“凪冴”が動いている姿が思い浮かんできて、すごく楽しくなりました。自分の中になかったものを“凪冴”に引っ張り出してもらえて、いろいろなことを学べたのがすごく楽しかったです。
私や政治や選挙のことがよくわからなかったのですが、この作品でだんだん理解できてきたのがおもしろかったです。それぞれのキャラクターのルートで、全然違う内容になっていると思います。全キャラクターのルートをプレイしてもらうと、このストーリーの本当の姿が見えてくると思います」
◆能登麻美子さん(不破聖役)
「大統領や閣僚が若い女の子たちというのが、とてもおもしろい設定だと思いました。ただ、物語はとてもハードで、いろいろなことと向き合いながら、「これから先はどうなるんだろう」とハラハラドキドキしながら演じました。“聖”は、日本の失われてしまった文化を復興しようと思っていて、とくに食に対しての思い入れが強くて、その理由も彼女の生い立ちと繋がっているなど、設定が深くて、ぐんぐん入り込んでいける物語でした。改めて、皆さんのストーリーをチェックしたいなと思ったし、収録が終わるときは少し寂しかったですね。
先ほどオープニングの映像を見たのですが、和のテイストが込められていて、映像も音楽もカッコイイと思いました。皆さんの熱や魂がたくさんこもった作品だと思います。大空を飛びまわり、ひとつひとつのルートをクリアーし、バッドエンドも含め(笑)、楽しんでいただけたらうれしいです」
◆小松未可子さん(環小神子役)
「私は収録がいちばん早かったので、皆さんとイチからキャラクターを作るというところから始めたので、まず収録するまでが長かったですね。練り込んで、ていねいにキャラクターを作り込んでいきました。“小神子”自身も負の部分を持ったキャラクターで、単純にクールだとか、ぶっきらぼうではなく、そこにはキチンと理由があって、それに向かい合うシーンが多かったです。私は収録前にキャラクターを自分の中に入れて臨むタイプなので、この収録のときは、いつもスタジオに向かう足取りが重かったです(笑)。
佐藤さんが言ったように、私もバッドエンドをたくさんやっていただきたい(笑)。まったく想像つかない終わりかたをすることもあるので、細かくルートを試していただきたいです。爽快感のあるオープニングとはうらはらに、ドロドロしたお話があったり、それぞれのキャラクターの深いお話があったりと、隅々までやり込めるゲームとなっています。楽しかったら、ぜひ“しかるべきところ”に「楽しかった」と伝えてください。「アニメが見たいなー」とか(笑)」