そのこだわりぶりに記者も少しクラクラ……

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▲Turn10 Studiosのコミュニティマネージャ、ブライアン・エックバーグ氏。

 2013年8月21日~25日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて欧州最大のゲームイベントgamescom 2013が開催中だ。会期中にXbox Oneのロンチタイトルとして予定されている『Forza Motorsport 5』のプレゼンテーションが行われた。登壇したのは、開発元であるTurn10 Studiosのコミュニティマネージャ、ブライアン・エックバーグ氏。2013年7月に行われた“コミコン”時のプレゼンと重なる部分もあるが(⇒記事はこちら)、改めて、プレゼンをもとに、本作の概要を紹介していこう。

 エックバーグ氏はプレゼンの冒頭で、「『Forza Motorsport 5』は野心的なゲームです!」ときっぱり。新ハードでロンチタイトルにレーシングゲームがラインアップされることは珍しくないが、『Forza』シリーズは今回が初めて。「ロンチタイトルはスケールダウンして無難にまとまっているケースもままありますが、『Forza Motorsport 5』はすべての面で革新的であり、非常に野心的なタイトルです」(エックバーグ氏)という。

・新しいグラフィックエンジンのパワーにより、光の反射がより正確に再現され、クルマの外観も内装もよりリアルになった。
・1080p、秒間60フレームの描画を維持
・ドライバター(ドライブ+アバター)という学習システムにより、人間の行動を再現できるようクラウドが学んでくれる。
・マルチプレイでは専用サーバを採用し、スキルレベルや言語を考慮したスマートマッチを実現。さらに、不正をするプレイヤーとは出会わずに済む。

 といったことが“野心的”な根拠となるらしい。実際のところ、記者も『Forza Motorsport』シリーズとの関わりは長くなるが、クルマゲームの開発に対してはむちゃくちゃ深いこだわりを持つTurn10 Studiosだけに、よくロンチに間に合わせてきたな……というのが正直な感慨。それだけ、マイクロソフトの戦略として、『Forza Motorsport 5』はXbox Oneのロンチの目玉タイトルの1本として、欠かせなかったということでもあるのだろう。

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  “クルマを所有しているような気分を味わえるように”ということで、『4』から採用された“AutoVista”は、『5』においては、“ForzaVista”としてさらに進化。前作では26車種でしか見られることができなかったが、本作では全車種に対応。微に入り細を穿って、クルマを眺めることができる。ときに音声によりそのクルマの歴史が披露されたり……と、クルマファンはこれだけでもおかわり3杯はいけてしまうのではないだろうか。実際のところ、きれいなクルマを観察しているとちっとも飽きないというのは、男の子のサガであろうか。

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▲見ているだけで楽しい“ZorzaVista"。

 で、本作のメインとなる“キャリアモード”。「ふつうのレースゲームでは、最初は性能のあまりよくないクルマでスタートして、短いコースでがんばって経験を積んでいいクルマに買い換えて、そのうち長いレースにチャレンジすることになります。でも、やがて飽きてしまうケースが多い」とチクリ。それが、『Forza Motorsport 5』では、8つのリーグが用意されており、ジャンルごとに6つのキャリアを積めるのだという。その内訳は、“モダン・ホット・ハッチ”、“アーリー・ホット・ハッチ”、“ラリー・スポーツ”、“モダン・スポーツ”、“アーリースポーツ”、“スーパースポーツ・ミニ”。何から始めるかはプレイヤー次第で、RPGのように何時間もかからず、20分程度で報酬がもらえるのだという。「フェラーリを持っていなくても、十分に勝負できるので、ムダな時間を費やした感覚がないんです」と、エックバーグ氏。

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▲8つのリーグと6つのキャリアが用意。

 そして物理演算。『Forza Motorsport 5』では、たとえばコースが坂になっていたりする場合、前輪と後輪とで、接地する部分の角度が微妙に異なる……といったことも再現している。「そこまでこだわるか!」という感じだが、このようなシミュレートはXbox 360ではできなかったことだという。

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▲前後のタイヤで接地角度が違う。

 タイヤのモデリングもキモになっているという。タイヤに関しては、前作の『Forza Motorsport 4』では、ピレリとパートナーシップを結んでいたが、今回は完璧を求めて、ニューヨークにあるタイヤテスト会社のカルスパン社とパートナーを組み、世界中のメーカーの何100本というタイヤを送り、データ採集のためにテストをしてもらったという。なにやらF1でもおなじみのスパ・フランコルシャンでテストをしたとのことで、「タイヤのために、どんだけお金かけているんだ!?」と、半分呆れてしまうが、Turn10 Studiosの妥協を許さぬ開発姿勢を象徴するエピソードだと言えるだろう。

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▲傷の表現も絶妙。まさに、名誉の負傷といったところ?

 というわけでプレゼンはあっという間に終了。Xbox Oneのロンチタイトルとしてリリース予定の『Forza Motorsport 5』だが、これを超えるXbox One向けのレースゲームはしばらく登場しそうもないような……と思ってしまった記者だった。

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