モータースポーツが盛んな欧州に『GT6』が上陸
ドイツのケルンにて、2013年8月21日から開催されている欧州最大級のゲームイベント、gamescom 2013。同イベントに合わせて公開された『グランツーリスモ6』の最新情報を山内一典プロデューサーみずからが会場近くのホテルでメディア向けにプレゼンテーション。ここでは、最新画面写真とともに、その内容を紹介しよう。
まず、プレゼンされたのは、『グランツーリスモ』15周年を記念して実施されるコラボレーションプロジェクト“Vision Gran Turismo”(詳細は→こちら)。同プロジェクトは、自動車メーカーを始めとする世界的企業のデザイン部門に『グランツーリスモ』シリーズ15周年を記念して、それぞれが考える“2ドア2シートのスポーツカー”をデザインしてもらい、そのコンセプトカーを『グランツーリスモ6』に登場させるというもの。
山内氏により、参加メーカーのクルマについて紹介されたのだが、そこで感じたのは、各メーカーの本気度。たとえば、欧州、北米、中国など世界中にスタジオがあるメルセデスは、100人以上のデザイナーが参加してコンペによりデザインを決定。また、山内氏がフォルクスワーゲンのデザインセンターを訪れ、そこで見たというスケッチの数々は「どれもセクシーでクオリティが高い」と、山内氏をも唸らせるものばかりだったようだ。また、シミュレーターとして完成度の高い『グランツーリスモ6』ならではの話として、コンセプトカーを『グランツーリスモ6』のゲーム内で走らせることを、実験的な試みと捉えるメーカーもあるようで、「アウディはイノベイティブなメカニズムを提案してくれるかもしれません」と明かし、また「日産は未来のGT-Rというのが出てくればおもしろいですね」と、期待も口にした。
現在は、発表された18社の自動車メーカー、ブランドが参加を表明しているが、今後も同プロジェクトに賛同するメーカーは増えていくとのこと。
“Vision Gran Turismo”プロジェクトのクルマは、2013年12月6日の発売からアンベールが始まり、約1年をかけて、月に1台から2台ペースで順次アンベールされる。コンセプトカーは、アップデートで追加され、プレイヤーは基本的に無料で入手できるという。
新たなクラシックカーやエコカーなどがラインアップ
“Vision Gran Turismo”に続いては、gamescom 2013のタイミングで発表された『グランツーリスモ6』に登場する新しいクルマについて。山内氏が「BMWの歴史上、とてもエレガントなクルマ」と表現するBMW 507 '57といったクラシックカーやFordのエコスポーツカーFocus ST'13など、バラエティーに富んだラインアップとなっている。
魅力的な新コースに、復活するコースも
新たなコースも紹介され、現実には限られたドライバーしか走ることができない名門コース、グッドウッドヒルクライムコースも本作で収録される。ゲーム中では、主催者から招待状を受け取ることで走ることができるようになるという。
シルバーストーンに並び、イギリスのサーキットの聖地と名高いクラシックスタイルのブランズ・ハッチも登場。同サーキットはアップダウンが激しく、走るのが楽しいコースとのことだ。また、『グランツーリスモ5』では収録されなかった、オリジナルコースも本作ではいくつか復活する予定だ。今回公開されたアプリコットヒル・レースウェイはそのひとつだ。
ブランズ・ハッチ
アプリコットヒル・レースウェイ
さらに快適になるオンライン
『グランツーリスモ5』では実験的なものも含め、さまざまなオンライン要素が盛り込まれた。その結果、同作では、発売から3年経ったいまでも1日約125万人がオンラインを楽しんでおり、現在、“プレイステーション3でもっともオンラインで遊ばれているタイトル”となったという。そこからのフィードバックも当然膨大なものとなり、それが『グランツーリスモ6』のオンライン要素に大いに活かされている。「『グランツーリスモ6』のオンラインはユーザーの皆さんが作ったものと言っていいほどです」(山内)。
最後に質疑応答が行われたが、PS4版についての質問では、少なくとも開発には1年以上はかかるとの見解を示したあと、「それはもしかしたら『グランツーリスモ7』になるかもしれません」との発言も。そのほかでは、『グランツーリスモ6』ではロード時間を感じさせない作りになっていることや、新世代機では大いにアピールされているソーシャル要素については、「『グランツーリスモ5』のそれをよりリファインして実現している」(山内)とし、だが、「インタラクティブ要素は『グランツーリスモ5』でやり尽くした感がありますので、『グランツーリスモ6』ではドライビング・シミュレーターとしての完成度に注力しています」と、走る楽しさをリアルに追求した作品となるよう、開発していることを改めて欧州のメディアにアピールした。