ひと足早く“魔法劇場”へご案内！
2013年8月10日、東京・某所にて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアより9月5日発売予定のプレイステーション3用ソフト『パペッティア』の制作スタジオへユーザーを招待するプレミアムイベント“『パペッティア』制作スタジオ潜入ツアー”が実施された。ここだけでしか見られない、“魔法劇場”の舞台裏へ潜入！ 本イベントは、公式コミュニティサイト“プレコミュ”とのコラボレーションにより実施されたもの。ちなみに、記者が参加させてもらったのは第2部となる。
■会場は『パペッティア』一色！
会場には、『パペッティア』のイメージボードやコンセプトアート、設定画などがズラリ！ 出演声優たちが実際に使用していた台本を手にとって見ることもでき、参加者たちは、声優本人が書いたであろう蛍光ペンやボールペンの書き込みなどに感心していた。また、開発スタッフらが自ら手作りしたという超レアなオリジナルグッズも展示。フェルト地のキーホルダーやマグネット、クウタロウをモチーフにした切り絵、ピカリナのパペットなどなど、スタッフたちの愛をビシバシ感じる出来栄え！
■いざ、魔法工房へ！
いよいよ制作ルーム潜入ツアーがスタート。同ビル内にある、実際に開発を行っているスペースへ特別に入れてもらい、“キャラクターアニメーションの作り方”、“スクリプトツールによるゲームデザインの裏側”、“イメージボードから実際のゲーム画面ができるまで”、“ライティングによる舞台演出表現”という、開発スタッフによる4つのデモンストレーションを見られるというものだ。ふだんは見ることのできない、デバッグモードで操作されるゲーム画面や作成段階のキャラクターなどの説明に、参加者たちは興味津々。また、内容が決まっていない状態で描かれたイメージボードが、実際のゲームとしてよりおもしろいステージになっていく過程や、本作専用のツールを使用しているというライテイングによって画面の印象がガラリと変わることなどを語る開発スタッフの話に、熱心に耳を傾けていた。
本イベントのスペシャルな演出として、この日のためだけに収録された、本作のナレーターを務める声優・藤原啓治さんのナレーションが、会場やエレベーター内で放送されていた。とくに、会場から制作ルームへ移動する際のエレベーター内のナレーションには、参加者たちも驚きを隠せないようだった。ちなみに、記者たちが乗った際にはナレーションが流れず、「どういう仕組みなんですか？」と問うと、スタッフ曰く「魔法です」とのこと。
■体験試遊ではスペシャルなサプライズが！
次は、“制作スタッフ おもてなし試遊”。初期のコンセプトPV（すべて英語音声）が放映された後、体験試遊会場への扉が開かれた。体験試遊は、なんと参加者ひとりひとりに開発スタッフひとりがアテンドとして付くという“おもてなし”っぷり。さらに、今回体験できるのは本イベント専用バージョン。ゲームが始まる前のナレーションの中で、藤原啓治さんの声で参加者それぞれの名前が呼ばれるというサプライズが用意されていた！ 来てくれた参加者に一生の思い出を、というスタッフの想いから、参加者全員分の名前を事前に収録、その名前を組み込んだゲームデータを個別に用意したという。サプライズに驚きつつも、参加者たちはスタッフに感想を述べたり攻略ポイントなどを聞いたりと言葉を交わしながら、たっぷり1時間、和気藹々と体験試遊を楽しんだ。
■第2部限定でサプライズゲストが登場
最後は、“制作スタッフとパペッティアについて語ろう”というトークセッション。ソニー・コンピュータエンタテインメント ジャパンスタジオのクリエイティブ・ディレクター、ギャビン・ムーア氏、リードゲームデザイナーの佐藤一信氏、シナリオライターの岩片烈氏、司会として、PR担当の北尾氏が登壇した。
『パペッティア』が作られたきっかけについて、「日本に来て10年ぐらい」というギャビン氏は、「『The Getaway（ゲッタウェイ）』や『SIREN』シリーズなど、リアルなゲームに携わってきたので、ファンタスティックなものが作りたいと思った。また、自分はゲームが趣味で、子どもといっしょにゲームを楽しみたかったが、プレイステーション3でそういうものがなかったので、リビングで、友だちや家族みんなで楽しめるものを目指した」と語った。「ギャビン氏の発想をスタート地点に、大人だからこそ伝わるストーリーであるとか、ひとりでもしっかり遊べるようなゲームに作り上げました」と佐藤氏がつないだ。
一見かわいらしくて子ども向けゲームに見えるが、大人だからこそギョッとしたりクスッとしたりするようなセリフが散りばめられていることについて、岩片氏は、「最初はきちんとマジメに考えて、設定なんかも盛り込んで作っていたんですけど、なんかふつうですね、って言われるんですよ（笑）。じゃあもういいや！ って吹っ切れて書くと、おもしろいねって言われて。本当にこれで大丈夫ですか？ って何度も聞くんですけど、その度に（佐藤さんは）大丈夫！ って言うんです（笑）」、「誰か止めてくれると思ってたら、誰も止めないんですよ（笑）」とコメント。
クウタロウの武器を何故ハサミにしたのか？ という質問には、「主人公にはもちろん武器が必要だけど、剣はふつうだし見飽きたので。コンセプト的にも合ってるし、好きな形に切れたり、音がいいところも含めてハサミに決めました」とギャビン氏。
本作は、とにかくつねにキャラクターやナレーターが喋っており、今回の体験版でも参加者たちの名前が収録されていることに話題が及ぶと、ナレーターを務める声優の藤原啓治さんがサプライズ登場！ 本日の猛暑ぶりと、参加者たちとの距離が近いことにコメントしつつ、トークセッションに加わった。何故、藤原さんにキャスティングしたのかという質問に佐藤氏は、「本作はまず海外版の収録を行っているのですが、ナレーターがかなり年配の方で、落ち着いた雰囲気だった。で、日本ではどうしようとなったときに藤原さんの声をお聞きし、その瞬間に惚れました」、「藤原さんの声は、すごく品があって、色気があって、なのにすごく軽薄という感じ。ナレーターの性格も海外とは少し変えています」と答えた。藤原氏は、「今回のナレーターのお芝居は、人を惑わしているというか、斜に見ていたりとか、シニカルなことを言ったりとか、そういう切り換えみたいなものがおもしろくて、演じていて楽しかったですね」とコメント。シナリオは、後半にいくにつれて崩れていき、おふざけに対するブレーキがなくなっていくとのこと。また、藤原さんの声に合わせて言い回しを変えたところもあるという。「一度のセリフ量が多いうえに、少し古めかしい言い回しも多いので、自分が試されているような感じで、芝居心をくすぐられました」と藤原さんは収録時を振り返っていた。
苦労した点としては、海外とのセリフの時間差が挙げられた。海外では演技優先でセリフを収録するため決められた時間に合わせるという習慣がなく、かなり時間がバラバラになってしまった。そのため、日本での収録の際は、藤原さんにアドリブを入れてもらったり、岩片氏が収録現場でセリフを書くこともしばしばだったという。また、本作はCERO：A（全年齢対象）だが、セリフ内容のせいであやうくレーティングが上がりそうになってしまい、セリフはかなりマイルドになったとのこと。また、参加者からの「クウタロウのヘッドはいくつありますか？」という質問には、「全部で100個あります。ヘッドの解説は全部岩片が書いているので、ぜひ集めてください！」と佐藤氏がコメントした。
『パペッティア』の舞台裏が存分に語られたトークセッションの最後には、開発スタッフの手作りグッズと、特製イラスト集が抽選で当たるというサプライズ発表が。手作りグッズは開発スタッフが勝手に作り始めたのが発端で、「女性スタッフはもちろん、男性スタッフもがんばって作りました！」とのこと。最後に参加者、開発スタッフら全員での記念撮影が行われ、特別収録の藤原さんのナレーションで、「皆さん、帰るまでが魔法劇場ですよ！」を聞きながら、イベントは終了となった。
