『討鬼伝』週刊ファミ通に掲載したアンケートの完全版を公開！

誌面で掲載できなかったインタビューの全文をお届け！

　週刊ファミ通2013年8月8日号では、『討鬼伝』について、小笠原賢一プロデューサーと森中隆ディレクターに、ファミ通.comで行ったアンケート（※）をもとにしたインタビューを行った。本記事では、誌面スペースの都合で泣く泣くカットした部分を加筆した、インタビューの完全版を公開！　ぜひともお見逃しなく！
（※アンケート実施機関：2013年7月5日～8日。有効回答数：603票）

――発売から１ヵ月ほど経ちましたが、ユーザーの反響はいかがですか？
小笠原　プレイヤーの皆様が、我々の予想以上に楽しんでいただけている様子で、本当にありがたいと思っています。とくに、マルチプレイは製品のマスターギリギリまで調整していただけに、盛り上がっていただけているようで安心しました。

――予想以上に手応えを感じていると？
小笠原　そうですね。まだアドホック通信が主流なのかなと思っていましたが、ネットワークの環境が整ってきつつあるなかで、オンラインでも盛り上がってもらえるんだなと感じました。

――なかなか友だちと集まれないという人もいるでしょうし、オンラインで気軽にマルチプレイが楽しめるのはうれしいですよね。さて、ここからはアンケートの結果をご覧になっていただいて、感想などをうかがっていきたいと思います。まず、本作のよかったところと改善してほしいところですが、よかったところでは、ミタマのシステムや部位破壊をあげる人が多かったです。

■よかったところについてのおもな意見
●ミタマのシステムは、ほかの作品にはない新しいものだったし、よく知る歴史上の人物が使われているところが魅力的（30代/男性）
●ミタマを育成するシステムは斬新。ミタマのイラストも美しく、カード収集のような感じで楽しめているので、満足しています（30代/男性）
●アクションはどの武器を選んでも個性的で楽しく、部位破壊が決まると爽快です！（30代/男性）
●キャラクターが全員魅力的で、それぞれ主人公と絆を深めていくストーリーも、ほかの狩りゲーにはなく、見ていて飽きずに楽しむことができた（20代/男性）
●好感の持てるキャラクターばかりで、和のテイストの音楽と相まって、ストーリーへの没入感がすごかったです（20代/女性）
●“タマハミ”状態になった鬼の動きの変化がおもしろい。ヒノマガトリの翼が伸びたときには、思わず笑ってしまった（20代/男性）
●キャラクターデザインの担当が左さんだったので、そこに魅力を感じて購入しました（20代/男性）
●それぞれのキャラクターに、好感度が設定されているところがおもしろかった（10代/男性）

■改善希望点についてのおもな意見
●和風の作品なので、防具が鎧兜をベースに作られているのはわかるのですが、それだと髪型が見えなくなってしまう。頭が出るような装備、もしくは兜部分のオンオフ機能があるとうれしいです（20代/男性）
●武器はかっこいいものが多かったのですが、女性用装備に、もう少し女の子らしいものがあってもよかったと思います。キャラクターがみんなかわいらしいので、少し違和感を覚えました（20代/女性）
●和にとらわれない武器・防具が欲しい。遊び心があるもの歓迎。他作品とのコラボ歓迎。すべて無料は大歓迎（40代/男性）
●攻撃をキャンセルするアクションを実装してほしい。ミタマを使えば一時的にできますが……（10代/女性）
●ミタマのスキルは、覚えた中から3つを選ぶ形がよかった（30代/男性）
●光の柱で示すなど、フィールドの拾得物が落ちている場所をもう少しわかりやすくしてほしい（20代/男性）
●自宅にいる天狐がかわいいので、コミュニケーションを取れるようにしてほしい（10代/男性）
●マルチプレイで進行度が低い人が入ってきてしまうと、進行度がその人に合ってしまうのを何とかしてほしい（20代/男性）

小笠原　この結果は、本当にうれしいですね。

森中　本作が掲げていたセールスポイントが、“部位破壊”、“ミタマ”、“和の世界観”の3つだったので、アンケートの結果を見て、これらがちゃんと響いたのだなと実感できました。

――まさに狙い通りだったわけですね。逆に、“改善してほしい”ほうの意見では、“武器・防具のデザイン”という意見が目立ちました。
小笠原　防具のデザインについての意見が圧倒的ですね。これに関しては善処します！

――防具については、重厚的なデザインの衣装が多かったのがネックだったようですね。頭装備のオン・オフ機能を望む声も多かったです。
小笠原　そうですね。世界観を考慮すると、どうしても重量感のある防具が多くなってしまいました。防具のデザインは、ダウンロードコンテンツの追加装備も含めて、幅広いニーズに対応していきたいと思っていますが、我々としては単純に頭装備のオン・オフ機能を導入するつもりはありません。オン・オフの機能は、あまりにも“システムに寄りすぎている”ので。それに、「単なるオン・オフ機能ってどうなの？」とおっしゃるユーザーさんもいましたしね。ですから、オン・オフ機能に似た仕組みを、楽しめるような形で実現したいと思っています。

──なるほど。防具では、「同じシリーズの防具を一式揃えて装備することで発動するスキルの存在が、防具選択の自由度を狭めている」という意見もありました。
小笠原　確かに、一式装備のスキルを用意したために、防具を組み合わせる楽しみが減っている、という面はあるかもしれません。防具の仕組みは、デザインと合わせて、改善の余地は十分にあると思います。

――ほかには、「天狐とコミュニケーションを取りたい」という意見もありました。
小笠原　おかげさまで、「天狐はかわいい」と好評ですので、もうちょっとフィーチャーしてもいいのかなと思っています。

──モフモフしたいという声が多かったですね（笑）。
小笠原　そうですね。しかし、こうして皆様からいただいたご意見を見ていると、どれも納得できるものばかりです。たとえば、「仲間にもっと指示を出したい」という意見は、私のほうでもうかがっています。ただ、指示を出せるようになったらなったで、もしかすると、それが面倒に感じる方もいるかもしれません。ですので、皆様の意見を聞きながら、バランスをとっていきたいですね。

――続いて、好きな鬼の結果はいかがでしょうか？

■好きな鬼は？（複数回答可）
1位ゴウエンマ187票
2位ミフチ140票
3位カゼキリ89票
4位クエヤマ86票
5位タケイクサ70票
6位ヒノマガトリ45票
7位ダイマエン42票
8位アマキリ13票
8位マフチ13票
10位ツチカヅキ10票

小笠原　ゴウエンマは『討鬼伝』を象徴する鬼なので、うれしいですね。

――順当といったところですか。序盤に登場する鬼が多いのは、プレイしていて印象に残りやすかったからなのかもしれませんね。では、苦手な鬼の結果はいかがですか？

■苦手な鬼は？（複数回答可）
1位ダイマエン236票
2位ツチカヅキ171票
3位トコヨノオウ163票
4位ミフチ40票
5位ヒノマガトリ37票
5位ミヅチメ37票
7位カゼキリ31票
8位タケイクサ25票
9位オカミヌシ20票
10位ヤトノヌシ19票

小笠原　これは、行動パターンが厄介な鬼が選ばれているのでしょうね。1位のダイマエンは飛びますし、2位のツチカヅキも地面に潜ったりして、どちらも攻撃しにくいですから（苦笑）。

――確かに、ダイマエンは最初に太刀で挑んで苦戦しました（苦笑）。弓を使うと、かなり楽に倒せるんですけどね。弓と言えば、好きなキャラクターの1位は那木でしたね。

■好きなキャラクターは？（複数回答可）
1位那木240票
2位桜花180票
3位速鳥141票
4位初穂131票
5位天狐63票
5位富嶽63票
7位橘花48票
8位息吹37票
9位大和27票
10位木綿18票

森中　正直、那木の1位は固いかな、と思っていました（笑）。性格はやさしいですし、戦闘でも回復役として活躍してくれますからね。明暗が分かれたのは、速鳥と息吹でしょうか。速鳥は、天狐好きというギャップで上位に食い込んだのでしょうが、息吹もイケメン度では負けていないのに。

小笠原　息吹はカッコいいけど、過去の恋人のことを引きずっているので、女性受けがあまりよくないのかもしれない（笑）。

――なるほど（笑）。では、那木と桜花の差はどこで生まれたと思いますか？
小笠原　桜花は前線で活躍してくれますが、やはり回復してくれたり、生き返られてくれる那木のほうが印象が強いのではないでしょうか。ただ、どのキャラクターもユーザーの皆様に気に入っていただけているようで、そこはうれしいですね。

――続いては、よく使うミタマの項目に行きますが、魂が1位だったのは意外でした。攻や迅あたりが1位だろうと予測していたのですが……。

■よく使うミタマは？
1位魂139票
2位迅138票
3位攻95票
4位防91票
5位癒67票
6位隠13票
6位空13票
8位賭7票
（有効回答数：563票）

森中　上位3つのミタマは、攻めに特化しているスタイルなので、自分が主体となって攻めたい人が多いであろうことを考えると、私は妥当かなと思います。ただ、5位の癒のミタマまではそれなりに票が入っていますし、基本的には幅広く受け入れられているのかな、と感じました。

――そんな中で賭のミタマは、結果が運に左右されるという不安定さもあって、8位でもしかたないのかなと（苦笑）。

小笠原　賭はちょっと難しいんですよね。ただ、作り手としては、使ってもらえないのは悲しいので、今後バランス調整をかけて、より使いやすくする、ということも考えています。

――ぜひ、賭のミタマに光を！　さて、意外だったと言えば、よく使う武器の結果も意外でした。まさか槍が2位にくるとは……。

■よく使う武器は？
1位双刀159票
2位槍115票
3位弓98票
4位太刀81票
5位鎖鎌80票
6位手甲43票
（有効回答数：576票）

小笠原　槍に関しては、私たちも意外でしたね。ただ、弊社のテスターの中には、「槍は使いにくい」という人もいれば、「槍は強すぎるんじゃないか」という人もいまして。使いかたを覚えると強さがわかる武器だと思うので、その強さに気づいた方たちを中心に、票が集まったのではないでしょうか。

森中　私は、愛用する手甲が6位なのがショックです。5位の鎖鎌は、クセがあるので順当だと思いますが、手甲は攻撃力が高いし、武器の中で唯一ガードもできるのに。

──手甲の魅力が伝わってほしいですね（笑）。それと、下記のように期待している武器の意見も寄せられていましたが、次回作が発売されるとしたら、武器系統は増やしますか？　というか、そもそも次回作のご予定は？

■今後追加してほしい武器系統は？
●銃が楽しそうですよね。火縄銃などはどうですか？（20代/女性）
●ガードができる盾と矛。ガードできる武器が手甲しかないので（20代/男性）
●羽扇や護符など、『 無双』ブランドを活かした武器（20代/男性）
●式札。 鬼やミタマのキャラクターを召喚したい（20代/男性）
●重い一撃を放てる重量級の武器。 ひるみなどを起こしやすければ、 なおいい！（20代/男性）

小笠原　そうですね。まず、『討鬼伝』はこれだけ多くの方から熱い支持をいただいていますので、次回作の制作は、もちろん前向きに考えたいと思っています。

──おお、それはファンにとってはうれしいですね！

小笠原　我々としても、『討鬼伝』はひとつの大きなIP（知的財産）として育てていきたいと思っていますしね。それで、武器系統についてですが、現状では遠距離武器が弓しかないので、遠距離武器は追加したいですね。

――確かに、意見の中にも銃や手裏剣といった、『討鬼伝』の世界観に合った遠距離武器を希望する声が多かったです。
小笠原　ただ、武器系統をいたずらに増やしすぎると、飽和してしまうので、なるべくひとつひとつの武器系統のアクションを掘り下げていくほうがいいのかな、とは考えています。武器に限らず、先ほど言った防具やミタマなども合わせて、調整は今後も続けていきたいですね。

――ユーザーの声を今後も反映していくと。
小笠原　そうですね。早急に対応していかないといけないものから対応しつつ、バランス面の調整も進めていきたいと思います。たとえば、現状ではミタマのスキル選択は上書き方式になっていますが、「10個からの選択式にしてほしい」という意見も多く寄せられています。こういった点を含めて、ユーザーの意見を聞きながら検討したいですね。

――ほかに、今後はどういった展開を考えられていますでしょうか？
小笠原　まず、ダウンロードコンテンツの配信は定期的に続けていこうと思っています。任務のほかに、新しい武器や防具を順次配信するので、楽しみにしてください。それと併せて、プレイステーション Vitaの“共闘”のプロモーションをもっと盛り上げていきたいので、『SOUL SACRIFICE（ソウル・サクリファイス）』とのコラボを進めたりしています。今後も、いろいろな作品とコラボして盛り上げていきたいですし、ダウンロードコンテンツを提供していきたいので、ぜひご意見をおよせください！

――それでは、最後にメッセージをお願いします。
森中　最初のアクション体験版リリースからの流れもあって、この『討鬼伝』は通常のタイトルに比べると、ユーザーの皆さんからのレスポンスが非常に活発です。プレイ後の感想や調整の要望がユーザーサポートにまで寄せられていて、皆さんからの熱い想いを強く感じました。我々としましても、もっともっと皆さんや意見を吸収して、いっしょによりよいタイトルを作っていきたいと思います。ぜひご期待ください。
小笠原　今後も、ダウンロードコンテンツの配信は続けていきます。任務のほかに、新しい武器や防具を順次配信するので、楽しみにしてください。それと併せて、プレイステーション Vitaの“共闘”のプロモーションをもっと盛り上げていきたいと思っておりまして、『SOUL SACRIFICE（ソウル・サクリファイス）』とコラボさせていただきましたが、今後も、いろいろな作品とコラボしていきたいですね。『討鬼伝』は今後も、ユーザーの皆さんと我々がいっしょに高めてあっていけるIPにしたいと思っておりますので、応援をよろしくお願いします！