『トモダチコレクション 新生活』などが牽引
任天堂の2014年3月期 第1四半期の連結業績が明らかとなった(2013年4月1日~6月30日)。それによると、売上高は815億4800万円(前年同期比3.8%減)、営業損益は49億2400万円、経常利益は148億1700万円(前年同期は297億8100万円の損失)、四半期純利益は86億2400万円(前年同期は172億3100万円の損失)となった。
決算短信による各プラットフォームの第1四半期の状況は以下の通り。
■ニンテンドー3DS
国内では『トモダチコレクション 新生活』を4月に発売し、139万本を販売。一方で、海外向けには『とびだせ どうぶつの森』を6月に欧米で発売し、海外で119万本、全世界で154万本を販売したとのこと。さらに、3月に発売した『ルイージマンション2』が全世界で143万本の販売となったほか、『ドンキーコング リターンズ 3D』を全世界で発売し、好評を博したとのことだ。
前期から好調な国内市場に加え、欧米市場でも有力タイトルを連続して発売したことでプラットフォームが勢いを得つつあり、販売数量は、ハードウェアが140万台、ソフトウェアが1101万本となったとしている。
■Wii U
昨年ハードと同時発売した『New スーパーマリオブラザーズ U』の追加コンテンツ『New スーパールイージ U』の販売が開始されたほか、3月に国内で発売した『ゲーム&ワリオ』を海外でも発売したが、ハードウェアの売上を強く牽引するような自社の有力タイトルを新たに発売できなかったため、ハードウェアの販売台数は16万台、ソフトウェアの販売本数は103万本となった。
■ニンテンドーDS
ハードウェアが6万台、ソフトウェアが215万本。
■Wii
ハードウェアが21万台、ソフトウェアが367万本。
決算短信によると、以上の状況に加え、為替相場が円安に推移した影響などにより、売上高は815億円(うち、海外売上高519億円、海外売上高比率63.7%)となったとしている。さらに、「Wii Uハードウェアの採算が依然として厳しいものの、売上高全体に占めるソフトウェアの割合が上昇したことに加え、ニンテンドー3DSハードウェアの採算性が上がったこと」などにより、売上総利益は364億円に。営業損益では、とくに海外でのニンテンドー3DSの販売拡大のための広告宣伝や、Wii U向けタイトルなどの研究開発を推進したこともあり、販売費および一般管理費が売上総利益を上回り、49億円の損失となった。ただし、為替相場が前期に比べ円安になったため為替差益が169億円発生し、その結果、経常利益は148億円、当期純利益は86億円となったとのことだ。
今後の展望としては、ニンテンドー3DSでは、国内市場において、引き続き、市場の活性化に取り組むとのこと。海外市場では、欧州では7月、アメリカでは8月発売の『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』に加え、『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ポケットモンスター X・Y』を10月に全世界で発売するなど、「自社の有力タイトルを集中的かつ積極的に発売し、今年前半での販売の勢いをさらに加速させ、プラットフォームとして最高の状態で年末商戦を迎えることを目指していきます」としている。また、国内のソフトメーカーが手掛ける有力タイトルの海外展開も、いままで以上に積極推進する予定。さらに、昨年夏から開始したパッケージソフトのダウンロード版の販売について積極的に取り組み、ダウンロード販売の割合を高め、新たな販売機会の拡大と収益性の向上を進めていくとのことだ。
Wii Uでは、プラットフォーム普及の勢いを取り戻すためにも、日本と欧州で7月、アメリカで8月に発売する『ピクミン3』を皮切りに、『ゼルダの伝説 風のタクト HD』、『Wii Party U』、『ドンキーコング トロピカルフリーズ』、『スーパーマリオ 3Dワールド』、『Wii Fit U』など、自社有力タイトルを今年後半から来年にかけて集中的・積極的に展開する予定だ。また、“お客様同士がゲーム体験を共感し合い、交流するための場を提供する新しいネットワークサービス”であるMiiverseを活用して、「ハード・ソフトの魅力をより多くの人々に伝えることで販売の拡大を目指すほか、コスト削減によるハードの採算性の向上に努めます」としている。