ゲームソフト事業は増収増益を達成

 コーエーテクモホールディングスが、2014年3月期第1四半期(2013年4月1日~6月30日)の連結業績を発表。それによると、売上高は64億9900万円(前年同期比10.9%)、営業利益4400万円(前年同期比79.8%)、経常利益16億6900万円、四半期純利益は9億3800万円となっている。経常利益、四半期純利益については、第1四半期連結累計期間としては経営統合以来、最高の業績となったとのことだ。

 短信によると、ゲーム業界においては、市場全体としては依然成長が続いており、なかでもオンラインゲームコンテンツ市場の伸びは目覚しく、ネイティブアプリを中心としたゲームアプリ市場が急成長したとのこと。また、スマートフォン向けプラットフォームの多様化やクラウドゲームの登場など、市場環境は急速な変化を遂げており、家庭用ゲーム市場においても、ダウンロード販売の伸長、“フリー・トゥ・プレイ(基本プレイ無料のアイテム課金方式)”の増加など、ビジネスモデルに広がりが見られるとしている。

 セグメント別に見ると、ゲームソフト事業は売上高41億6400万円。牽引したのはプレイステーション Vita/PSP用ソフト『討鬼伝』で、国内外で発売し、「26万本を販売するなど好調な滑り出しとなりました」としている。さらに、ガスト20周年記念タイトル『エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~』(PS3用)、『Winning Post』シリーズの最新作『WinningPost 7 2013』(PSVita用)も、大変好評を博したとのこと。「新作タイトルに加え、旧作のリピート出荷やダウンロードコンテンツ販売が引き続き好調に推移したことなどから、増収増益を達成しております」としている。

 オンライン・モバイル事業は売上高14億200万円に。ソーシャルゲーム事業では、“LINE GAME”向けにパズルゲーム『LINE でろーん』を、Yahoo!Mobage向けには『AKB48の野望』をそれぞれ配信開始。『100万人の三國志』など主力タイトルも、安定した売上を続けた模様。海外では、台湾で人気を博した『のぶニャがの野望』を中国でもサービスインし、好調な立ち上がりに。また、台湾・香港・マカオで『100万人の信長の野望』をはじめとするスマートフォン版3タイトルの提供を決定するなど、アジア市場への展開強化を進めているとのこと。「オンラインゲーム事業においては、各タイトルとも底堅く推移いたしました。これらの結果、ソーシャルゲームとオンラインゲームを合わせた総累計会員数は、国内外を合わせて2400万人を突破しております」としている。ただし、新規タイトルの先行投資が発生したことなどから、減益になった。

 なお、今回の業績発表受け、コーエーテクモホールディングスでは、「為替や株式相場の好転により有価証券関連損益が大きく改善した」ことなどを理由に、 2014年3月期の第2四半期累計(4~9月期)の連結業績予想を上方修正。売上高145億円(前回予想と同じ)、営業利益4億円(前回予想と同じ)、経常利益20億円(前回予想15億円)、四半期純利益10億円(前回予想6億5000万円)とした。なお、通期の連結業績予想については、「当社においては第3四半期以降の売上、利益比率が高いことを踏まえ、当初予想のままとしております」とのこと。