ついに、発売日が2013年11月14日と決まった、プレイステーション Vita/プレイステーション・ポータブル用ソフト『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』。発売日発表を受けて、本作のプロデューサーである富澤祐介氏と、ディレクターの吉村広氏にインタビューを実施。週刊ファミ通8月1日号ではその一部を掲載したが、当記事ではそれを補完した形でお届けする。

体験版配信直前! 『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』開発者インタビュー補完版_01
▲プロデューサーの富澤祐介氏(左)と、ディレクターの吉村広氏(右)。

体験版では、わがままを言ってほしい

――ついに、発売日が11月14日に決まりましたね。

吉村 やっと言えた! という感じです! 本当にお待たせしました!

富澤 当初考えていたコンセプトをいったん壊して、新コンセプトを打ち出してからちょうど1年くらい経ちました。6月8日、9日に体験会も開くことができて、やっとユーザーの皆様に触っていただける段階になったんだという感じです。

――その体験会も、試遊だけではなく、参加者ひとりひとりから意見を聞くという、ものすごいイベントになっていましたね。

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富澤 とにかく、ユーザーさんを長らくお待たせしている状況ですから、体験できるバージョンができたら、すぐにでも触ってもらいたいねと、開発スタッフのあいだでも話していたんです。そんな中で、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアさんのご協力もあって、600名を招待しての体験会を実現できました。

吉村 もし体験会を開くなら、きちんと意見を聞けるようにしようねって、宣伝担当には伝えていたんです。でも、1組30人を1日10組、計2日間で600人というのは、想像を絶するスケジュールでしたね。1組ごとの休憩が10分くらいしかなくて(笑)。しかも、その休憩のあいだですらも、スタッフどうしでディスカッションが続くといった状況で、イベント終了後はそれこそ頭が茹で上がるような感じでした。

富澤 でも、率直な意見がもらえたのは大きかったですね。プレイ時間は約15分間と短いものでしたが、それで感じるファーストインプレッションというのはとても重要です。ここでの意見が体験版へ活かされていますし、とても意味があるイベントでした。

吉村 体験版のようにじっくりと遊ぶと、ちょっと違和感があったとしてもプレイヤーが“慣れて”しまうんですね。私たちとしては、ゲームに対してのストレートな感想が聞きたかったわけです。

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▲『GE』シリーズの1作目からプロデュースを担当してきた富澤氏。前作の『GOD EATER BURST(ゴッドイーターバースト)』では、アペンド版(1作目との差分のみを収録し、安価に提供した)というユニークな製品構成を打ち出した。また、その『GOD EATER BURST(ゴッドイーターバースト』は、2013年6月6日に、再廉価版として1800円[税込]に価格改定。最新作発売まで、ユーザー拡大を狙う。

――なるほど。では、具体的にどういった意見が体験版に反映されているのでしょうか?

吉村 とくに多かったのは、コンフィグまわりのご意見ですね。『GE2』はアクションゲームで、何度もくり返し遊ぶゲームですから、プレイ環境についてはストレスフリーでありたいというユーザーさんのこだわりを、すごく感じました。『GE2』では、戦況を無線で知らせてくれるのですが、自分に必要な無線だけを聞きたいとか。このあたりも、コンフィグで対応できるように改修しています。

富澤 あとは、新武器を始め、すべての武器で何かしらの改修をしていますね。

吉村 チャージスピアが、見た目のシャープなイメージに反して動きが重い、という意見も多かったです。これについては全面的に改修していて、手触りはかなり変わっていますよ。

――仕様から変えているものもあるんですね。

吉村 はい。ほかにも、アサルトの銃身で“連射弾”という、OP(オラクルポイント。銃を撃つために必要なポイント)を消費しないバレットがあるのですが、これはその性質の通り、撃ち続けられるというのが特徴です。しかし、バレットそのものに際だった部分がなかったため、弾を撃ち続けられる気持ちよさが伝わらなかった。そこで、連射弾を撃つとOPが回復するようにし、そのOPで強力なバレットを撃つという仕様に変えました。

富澤 通常であれば、OPは近接攻撃で溜めていくのですが、アサルトであれば連射弾でOPを回復させられるので、ずっと銃形態のままで戦うことができるようになるわけです。

――なるほど、神機を切り替えるのではなく、バレットを撃ち分けることで、銃形態のみでの戦いかたを作り出したと。このほかにも何かありますか?

吉村 ブラストの銃身で使える“OPリザーブ”というアクションも、新たな気付きがありました。OPリザーブとは、OPを神機に蓄積する特殊アクションで、ほかの銃身よりも多くのOPを溜めておくことができます。体験会のバージョンでは、OPリザーブを使うと、銃形態に強制的に切り替わっていたんですね。でも、よくよく考えると、OPリザーブはOPを溜めるアクションなので、つまりは“いまは銃を撃たない”わけで……。

富澤 OPを溜めようとしているのに、銃に変形するのはおかしいだろうと(苦笑)。とは言え、銃形態の状態でOPを回復させるアイテムを使用した後にOPリザーブを行い、さらに続けてOP回復アイテムを使うという流れも考えられるので、近接形態に戻るというのも必ずしも正解ではないわけです。

――では、けっきょくどうしたのですか?

吉村 OPリザーブ後の挙動をコンフィグで選べるようにしました。この指摘には、ハッとさせられましたね。

富澤 自分がつぎにやりたいと思う行動にすぐ移れることが、『GE』シリーズの連続的なアクションを実現するところで重要なんですね。ムダな動きはしたくないと。そういった点を、ユーザーさんが大事にしていることがわかりました。

――ユーザーさんの感覚と異なる部分については、シビアな意見が出るわけですね。

吉村 はい。それと、もうひとつ気になった点があって、必殺技のブラッドアーツに対する反応です。正直、みなさんの目がキラキラしていなかった(苦笑)。ブラッドアーツの気持ちよさがぜんぜん足りていないんだなって思ったんですね。これについては、体験版で底上げしています。そして、体験版での要望を受けて、さらに強化していく必要があると感じています。

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▲ディレクターの吉村氏は、シリーズのコンセプトから関わっている、いわば“生みの親”。体験版で寄せられた要望を、製品の発売までに可能な限り応えていくという開発スタイルは、吉村氏の意向によるところが大きい。

――こうした、体験会を通じての改修の成果が体験版というわけですね。

吉村 そうですね。体験版をプレイしたら、ぜひご意見をいただきたいです。『GE2』では、至らないところの修正だけでなく、「もっとこうだったらいいのに」という意見にできる限りお応えしていきたいと考えています。我々は皆様の“わがまま”を欲しています(笑)。

富澤 体験会の600人から、今度は50万人、100万人の意見の幅を知りたいですね。臆せず、公式サイトからどんどん意見をお寄せください。今回の『GE2』の体験版で、初めて『GE』シリーズに触れるという方もいらっしゃると思います。ぜひ、そもそもここがわからない、といった意見もお聞かせください。僕たちも、『GE』シリーズを3年間作っていて、自明になっている部分もあります。少しでも分かりにくいと感じた部分については、とりあえず言っていただきたいですね。

吉村 これから製品が発売されるまでの数ヵ月間、全力で開発していきますので、よろしくお願いします。

富澤 これまではアクション部分をメインに情報公開してきましたが、今後は発売に向けて、ストーリーやキャラクターメイクなど、アクション以外の要素もお伝えしてきます。体験版でも、そのストーリーの一端を楽しむことができますので、ぜひ遊んでみてください。じつに3年かけて鍛え上げたグラフィックには、驚いていただけると思います。

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『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』公式サイト

明日(2013年7月25日)、プレイステーション Vita版の無料体験版が配信開始!

 『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』の無料体験版が、PlayStation Storeでいよいよ配信開始。7月25日からはプレイステーション Vita版、8月1日からはプレイステーション・ポータブル版が配信となる。

 無料体験版では、新武器を含むすべての武器を試せるほか、バトルアクションの新要素である“ブラッドアーツ”も収録。同じハードどうしでのマルチプレイはもちろん、プレイステーション Vitaとプレイステーション・ポータブルによるクロスプレイにも対応している。体験版で作成したデータは製品版へ引き継ぐことが可能で、前作『GOD EATER BURST(ゴッドイーターバースト)』のデータと合わせて製品版に引き継ぐこともできる。いち早く、ドラマティック討伐アクションを体験せよ!

ファミ通グループは『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』を全力でバックアップ!

 本日より、ファミ通.comに『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』の特設サイトがオープン! シリーズのファンはもちろん、これから始めようとしているユーザーにとっても役に立つ情報が盛りだくさん。いますぐアクセス!

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