シリーズの前日譚となる物語、間もなく開演!
カプコンから2013年8月29日発売予定のプレイステーション3・Xbox 360用ソフト『ロスト プラネット 3』。極寒の惑星を舞台にしたTPS、『ロスト プラネット』シリーズの最新作だ。今回、完成直前のプレイステーション3版のROMが到着したので、インプレッションをお届けする。
『ロスト プラネット』シリーズは、世界のすべてが雪に覆われた惑星“EDN-3rd”での、人類と原住生物“エイクリッド”との戦いが描かれてきた。今回の舞台は人類による入植実験が開始された直後、つまり初代『ロスト プラネット』以前の、シリーズの原点となる物語が明かされるのだ。
本作の主人公は、元軍人であるジム・ペイトン。不慮の事故でキャリアを断たれたジムは、生活資金を稼ぐために入植船団に志願。愛する家族を地球に残し、未開の大地“EDN-3rd”にてさまざまな任務に挑むのだ。
過酷な環境での力強い相棒となる“ユーティリティ・リグ”
というわけで、ジムが“EDN-3rd”へ向かう場面から物語はスタート。着陸ポッドで地表を目指すジム一行だが、突如嵐に遭遇。目的地から離れた場所に不時着するという、なんとも波乱に満ちた幕開けとなる。
本作の操作方法は、L1ボタンで狙いをつけ、R1ボタンで射撃という一般的なTPSに準じたもの。シューターファンならば、とくに戸惑うことなく操作できるのはありがたい。このほかに、グレネードを投げる、回避行動を行う、などのアクションが行える。
さて、最初の目的であるビーコンを見つけ出し、無事に基地へたどり着けたジム。だが、この極寒の地では生身での活動はきびしい……というわけで、自分の“UR(ユーティリティ・リグ)”を組み立てることになる。
URとは二足歩行の大型建設用重機で、シリーズに登場した“VS(バイタルスーツ)”の前身にあたるメカ。かなり大きなパワードスーツ、といったイメージだろうか。URは武器を装備できない規則らしく、左腕のクローと右腕のドリルで作業を行うのだ。
URに乗っているときは、生身の三人称視点から、より臨場感あふれる一人称視点へと切り替わる。URはあまり小回りがきかず、ちょっとクセのある乗り心地だ。この“重機らしさ”を存分に感じられるURの操作感は、本作の魅力のひとつだろう。またサクサクと操作できる生身との対比も、メリハリがきいている。
雪原の支配者である原住生物“エイクリッド”
敵である“エイクリッド”にも触れておこう。“EDN-3rd”に生息する生物を“エイクリッド”と総称しており、狼のようなタイプから巨大なカニのようなものまで、多彩なタイプが存在する。彼らに共通するのは、体のオレンジ色に光る部分“コア”が弱点ということだ。
“エイクリッド”は凶暴で、基本的に人類を襲ってくるため、彼らとの戦いが本作のバトルの大半を占める。敵の猛攻をしのぎつつ弱点を探し、そこを正確に狙い撃つという、シューターの楽しさを存分に味わえるゲームデザインだ。
また、URに乗りながらエイクリッドと戦うこともできる。小型のエイクリッドならば、踏みつぶすだけで倒せるという無双っぷりを発揮するが、逆に大型以上のエイクリッドと敵対する場合は、一気にきびしい戦いとなる。URは武器を装備していないため、作業用のアームやドリルでやむなく戦う接近戦を強いられるからだ。
だが、勝機がないわけではない。URはガードアクションを行うことが可能で、敵の攻撃をタイミングよくガードすると、相手にスキを生じさせられる。このときにクローで敵をつかめば、ドリルによる攻撃で一気に大ダメージを与えられるのだ。
このURでのバトルは本作におけるバトルの大きな魅力となっている。過去シリーズのVSは、戦闘に特化したこともあって非常に強力だったが、本作のURは“上手に戦えば大ダメージを与えられる”ぐらいの強さであるため、バトルでの緊張感は過去最大級。ヒリヒリした戦いを楽しめるというワケだ。
ちなみに戦闘中にURから降りて生身で戦うことも可能。状況によって、URと生身での戦闘を使い分ける戦略も楽しめるのだ。
装備をパワーアップして新たな場所へ!
続いて、パワーアップに関する要素に触れておこう。主人公やURは、ショップで武器やアップグレードを購入し、強化することが可能だ。また、ゲームの進展に応じて新しい道具を入手することもあり、新しいアクションや行動が可能になることもある。
たとえば主人公は、あるイベントでシリーズおなじみのアイテム、“アンカー”というロープを射出する機械を入手する。以降は、ちょっと高い崖などをアンカーで登ったり、逆に急な崖をアンカーでラペリング(下降)できるのだ。主人公の行動範囲が広がるため、新しい場所を探索したり、新たなミッションにチャレンジできるようになる。
またURでは、“ウィンチ”という装備が登場する。これはURからロープを射出する機能で、このロープを前述のアンカーで移動することができる。このウィンチをアンカーと併用することで、さらに行動範囲が広がる仕組みなのだ。ゲームの展開に応じて行えるアクションや行動範囲が広がるため、早く先に進みたくなるという、ニクイ作りになっているのだ。
ちなみにこの惑星では、シリーズでおなじみの“T-ENG”(サーマルエナジー)というエネルギー源が通貨として流通している。“EDN-3rd”では、エイクリッドの血液や地中から“T-ENG”を採取でき、これを集めることが主人公の目的……というか、仕事のひとつである。もっとも、これ以外にもさまざまな雑用を申しつけられるわけだが。
探索の楽しさを広げる多彩な要素
本作には、そのほかにも多数の要素が存在する。まず本作はミッション制となっており、本編とは関係ないサブミッションも発生する。早く話を進めてクリアーを目指してもいいし、サブミッションで惑星探索を隅から隅まで味わうスタイルもあり。自分のプレイスタイルに合わせてゲームを楽しめるのだ。
また、マップのあちこちで音声ログやテキストログを発見することもある。いわゆる収集アイテムで、発見したログからはさまざまな情報を入手できる。世界観をより深く楽しみつつ、アイテムを探す楽しさも味わえるのだ。
個人的に気に入ったのは、エイクリッドの情報を調べられる“エイクリッドペディア”。ゲームを進めるとレーザー照射でエイクリッドのDNAを収集することが可能になり、一定まで集めるとメニューの“エイクリッドペディア”から、そのエイクリッドの特長や弱点を確認できるのだ。小型のエイクリッドならば収集も簡単だが、大型のエイクリッドの場合は攻撃を避けながらかなりの長時間レーザーを当て続ける必要があるため、より緊張感あふれる戦いを楽しめる。見事成功した暁には敵の弱点が明白になり、以降の戦いをより優位に進められるという仕組みなのだ。
いきなり周囲が氷解、現れた施設とは!?
というわけでさまざまな任務に従事し、“EDN-3rd”での生活も数ヵ月が経過したころ、新たな任務を言い渡された。今度は“氷の洞くつ”と呼ばれる場所で、T-ENG溜まりを見つけることが目標のようだ。目的地で巨大エイクリッドに襲われるハプニングがあったものの、無事にデータポストを設置。だが、何か様子がおかしい……と思ったのもつかの間、なんと周囲が一気に氷解し、謎の施設が出現したのだ!
この施設はいったい何を意味するのか? 正体を確かめるべく、ジムは足を踏み入れる……というところで今回のプレイは終了。先が気になるストーリー展開にも注目していきたい作品だ。うーん、早く続きを遊びたい!
ロスト プラネット 3
メーカー | カプコン |
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対応機種 | PS3プレイステーション3 / X360Xbox 360 |
発売日 | 2013年8月29日発売予定 |
価格 | 6990円[税込] |
ジャンル | シネマティックシューティング |