“紐育星組ショウ2013”はセリフが増えてお芝居パートがさらに充実

 この夏行われる“サクラ大戦 紐育星組ショウ 2013 ~ワイルド・ウエスト・希望~(以下、紐育星組ショウ2013)”。その開催を1ヵ月後に控え、舞台キャストとスタッフの顔合わせが行われるというので取材に出かけてきた。

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 思えば、『サクラ大戦』というのは、ゲームから舞台化という流れを築いた作品になるのではないか。そもそも第1作『サクラ大戦』がセガサターンでリリースされたのが1996年で、翌年には早くも“サクラ大戦歌謡ショウ”として舞台化された。当時、ゲームからアニメやマンガというメディアミックス展開は一般的だったものの、ゲームの舞台化というのは極めて稀。ましてや出演声優さんみずからが舞台でも同じ役柄を演じる……ということで、当時ゲーム雑誌の編集になりたてだった記者は、「こういう展開もあるんだなあ」と驚いたのを覚えている。以降、『サクラ大戦』は毎年のように舞台化され、ファンに好評を博してきた。以降、ゲームの舞台化というのは、けっこう一般的になってきたように思う。そういった意味では、画期的な出来事だったと言えるだろう。そんな『サクラ大戦』の最新舞台作品がこの夏お目見えする。今回行われる“紐育星組ショウ 2013”は、2005年にリリースされた『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』をモチーフにしたもの。前2回の公演と異なるのは、前2回が“紐育星組ライブ”だったのに対し、今回は“紐育星組ショウ”を銘打たれていること。どうやらセリフ量も相当増えて、お芝居パートがかなり充実しているようなのだ。

 舞台キャストとスタッフの顔合わせが行われたのは、都内のとあるスタジオ。一面鏡張りのだだっ広い稽古場には、開始時間近くになると徐々にキャストさんが集まってきた。稽古場には高揚感が満ち溢れ、「これから始まるんだ!」という雰囲気がふつふつと沸き上がってくる。記者も自身の似たような体験に当てはめてみようとするのだが、どうにも思いつかない。入学式ともちょっと違うし……。まあ、独特の高揚感と言えるのだろう。

 22名の舞台キャストさんとスタッフの方が集まった顔合わせは、レッド・エンタイテンメントの名越康晃社長の挨拶からスタートした。「台本も分厚くて、セリフも多くて、本当にたいへんなんじゃないかなということがひしひしと伝わりました。その分いちファンとしては、非常に楽しみな内容になっていると思います」とコメントした。名越氏の言葉からもわかる通り、今回の“紐育星組ショウ”は、本当に相当セリフ量が増えているようで、事前に台本読んできたキャストさんからも、セリフの多さに言及したコメントが多く聞かれた。以下、スターファイブの皆さんのコメントをご紹介しよう。

■小林沙苗さん(ジェミニ・サンライズ役)
 「台本を読ませていただいて、ものすごくおもしろかったのですが、それ以上にすごく焦っています。これから3週間くらいの稽古で、この本をどれだけみんなとおもしろくできるのかなというのが、勝負かなと思っています。私もがんばりたいと思っていますので、皆さんよろしくお願いします」

■皆川純子さん(サジータ・ワインバーグ役)
 「台本を読んで、笑えないくらいやばいと思っています。これは相当な集中力を持って、気持ちを高めていかないと、ちゃんと楽しんでいただけるものができないと思っているので、いままで以上に必死でがんばっていきたいです。でもお稽古はたのしく一生懸命に、夏を乗り切っていきたいと思います」

■齋藤彩夏さん(リカリッタ・アリエス役)
 「今回、ビリー・ザ・キッドの役をもらったのですが、(ネットで)調べてみたら優男みたいなものが出てきて、“むむっ”と思いました(笑)。何はともあれ、かっこよく演じられたらいいなと思っています」

■松谷彼哉さん(ダイアナ・カプリス役)
 「今回セリフがすごく多くて、まず楽曲を聴いて悪夢を見、台本を読んで悪夢を見てしまいました。“これ、間に合うのかしら”と焦ったんですが、よく見るとシャーマンの20分の1くらいしかセリフがないので、大丈夫かなと(笑)。ほかのメンバーは実在の人物なのですが、私はシスター・ダイアナという“誰それ?”みたいな役で、そのままで演じられるので、皆さんよりたいへんじゃないかなと思っています」

■園崎未恵さん(九条昴役)
 「私も台本を読んで、昨年よりもさらにハードルが上がっていることを実感しています。スターファイブともども焦りを感じています。スターファイブは皆さんのお力添えがあって成り立っているチームです。今年もよろしくお願いします!」

 とはいえ、何度も舞台をともにしていることもあり、チームワークはすでにバッチリのよう。園崎さんの挨拶に返すように、マイケル・サニーサイド役の内田直哉氏が「このたいへんな作品に向かって皆さん明るくコメントされているのを聞いていると、(最初に仕事をした)8年前を思って、“たくましくなっているなあ”と思いました。そうです。皆さんに私たちが付いているんです!」とコメントすると、会場からは期せずして大きな拍手が沸き上がっていた。

 さて、“サクラ大戦 紐育星組ショウ 2013 ~ワイルド・ウエスト・希望~”の公演は、2013年7月26日(金)~7月30日(日)。顔合わせを経て、このひと月で、どのような舞台に仕上がっていくのか、楽しみだ。

 最後に、紐育華撃団のスターファイブの5人と、大河新次郎役の菅沼久義さん、そして今回ゲストとして登場するエマ・シュミットマイヤー役の北原瑠美さんに、読者に向けてのメッセージをいただいたので、以下にご紹介しよう。

“サクラ大戦 紐育星組ショウ 2013”はセリフ量がスゴイらしい、舞台キャスト&スタッフの顔合わせを直撃_01
▲前列左から、北原瑠美さん、松谷彼哉さん、皆川純子さん、小林沙苗さん、齋藤彩夏さん、園崎未恵さん、菅沼久義さん。後列左からVelo武田さん、西村陽一さん、園岡新太郎さん、内田直哉さん、麻生かほ里さん、本名陽子さん、笠原留美さん、田村連さん。

■小林沙苗さん(ジェミニ・サンライズ役)
 「今年は“ショウ”というタイトルがつきまして、いままでよりもすごく内容が濃いです。歌はもちろんですが、お芝居の部分がすごく多いんです。いままでジェミニはひとりでカントリーをやっていたのですが、今回全員で西部劇ができるので、そこが見どころだと思っています。そこにいろんな事件が絡んできて、複雑にお話が進んでいきます。本当におもしろいので、ぜひ見に来てください」

■皆川純子さん(サジータ・ワインバーグ役)
 「今回の公演は、いままで星組の公演を観ている方からすると、びっくりするくらいテイストが違うものになっています。ですので、いままで観ていた方も、ご覧になったことがなくて“どんな感じかな?”って思っていらっしゃった方も、絶対に楽しんでもらえることは間違いありません。楽しんでもらえるように無茶苦茶がんばるので、“じゃあ、観てやろうじゃないかよ!”って来てください(笑)。待っています」

■齋藤彩夏さん(リカリッタ・アリエス役)
 「西部劇なので、皆さんのカウボーイ姿のかっこいいところが、いままでよりも観ていただけるかなと思っています。ぜひ、お待ちしております!」

■松谷彼哉さん(ダイアナ・カプリス役)
 「毎年、とても楽しいショウをお届けさせていただいていたのですが、今年は台本を開いてびっくり。とても重厚なショウになっております。知らない方でも、とても楽しめる内容になっていますので、“観たことないけど、どうかな”なんて思っている方も、ぜひ足を運んでください。絶対に元気になってもらえる舞台にしますので、よろしくお願いします」

■園崎未恵さん(九条昴役)
 「ちょうとニコニコ動画のほうで、2011年と2012年の公演が配信されるのですが、両公演をご覧になっていただいた方は、同じ紐育なのに2011年と2012年とでは、若干テイストが違うなと感じられるかもしれません。今回もさらに、前回、前々回と違った、重厚な内容になっているのではないかと思っています。配信をご覧になった方も、ご覧になっていない方も、毎年来ていただいている方も、今回初めてだけど、“紐育ってどうなの?”って思っていらっしゃる方も、ぜひ足を運んでみていただけたらなと思っています。皆さんお誘い合わせのうえ、リトルリップ・シアターまでアツい夏を満喫しにきてください」

■菅沼久義さん(大河新次郎役)
 「最初に台本を見たときに、あまりのセリフの量に僕だけではなくて、みんながみんな、これは“ふんどしを締め直さないとたいへんだぞ”と思いました。まあ、ふんどしは履いてないんですが……(笑)。とにかく、がんばります!」

■北原瑠美さん(エマ・シュミットマイヤー役)
 「台本と楽譜を拝見したのですが、純粋にミュージカルとしてお楽しみいただける、楽しい作品になると思います。皆さんの足を引っ張らないようにがんばりたいです」

 さて、園崎未恵さんも触れているとおり、ニコニコ動画で“サクラ大戦 紐育星組ライブ2011&2012が期間限定で無料配信されている。配信期間は以下の通り。“紐育星組ショウ2013”の予習にどうぞ。

【サクラ大戦 紐育星組ライブ2011 ~星を継ぐもの~】
配信期間:2013年6月28日(金)21時~7月11日(木)23時59分
※配信ページはこちら

【サクラ大戦 紐育星組ライブ2012 ~誰かを忘れない世界で~】
配信期間:2013年7月12日(金)21時~7月25日(木)23時59分
※配信ページはこちら