【ファミキャリ!会社探訪】「大阪から世界へ!」、DeNA Games Osakaを訪問!_06

世界を目指すディー・エヌ・エーの新たな拠点“DeNA Games Osaka”

 ファミ通ドットコムに2013年5月30日にオープンした、ゲーム業界専門の求人情報サービス“ファミキャリ!”。ゲーム業界での転職を目指す人たちに向けた“ファミキャリ!”では、ゲームメーカーを訪問して、実際にお話をうかがっている。第2回となる今回は、DeNA Games Osaka! 国内の新たな拠点として大阪を選んだワケ、そして大阪ならではともいえる、ソーシャルゲーム作りにおける可能性とは?

受け継がれたモノづくりの風土に期待して大阪へ拠点を設立

 【ファミキャリ!会社探訪】「大阪から世界へ!」、DeNA Games Osakaを訪問!_04
川上 睦生/ゲーム開発部 ゼネラルマネージャー
Webやスマホアプリなどの受託開発をメインとした会社で15年間勤務した後、もっとソーシャルゲームの開発を行いたいとディー・エヌ・エーに入社。プランナーからキャリアをスタートし、プロデューサー、クリエイティブプロデューサーへとステップアップ。2013年2月から現職。

――まず、DeNA Games Osaka設立の経緯をお教えください。
川上 DeNA Games Osakaは、ディー・エヌ・エーにとって初めてとなる、ソーシャルゲーム開発・運用に特化した国内拠点として、2012年12月に誕生しました。ディー・エヌ・エーはグローバルな事業展開を加速しています。グループ全体としての拠点が東京であることに変わりはないのですが、東京では事業の拡大を支える人材の確保が難しくなっています。とは言え、事業のノウハウは国内に蓄積されている。そこで、国内の別地域にソーシャルゲーム専門の拠点を構えることを考えました。
――大阪を選んだ理由はなぜですか?
川上 大阪が選ばれたのは、モノづくりの風土があるからです。大阪にはグローバル展開するメーカーを筆頭に、大小さまざまなモノづくり企業が活躍しています。そして、私たちがとくに注目したのが、それらの企業におけるモノづくりが、つねにユーザーの目線に立って行われていること。これは、ユーザーとコミュニケーションを取りながら改善・進化させていくソーシャルゲームに通じるものがあります。当社が、採用にあたって“経験より意欲”という方針を打ち出しているのも、そういった大阪、ひいては関西のモノづくりに対する姿勢に期待しているからです。
――立ち上げにあたってご苦労もあったのでは?
川上 なにせ初めての国内拠点づくりであり、ひとつの会社をつくり上げるのですから、苦労の連続です。予想外の苦労としては、関西の方がお持ちの当社に対するイメージが、実際の社風とは大きく違ったことです。どうも、固い会社のように思われていたんです。あとは、完全成果主義のドライな会社というイメージもありました。でも実際は、フランクで風通しがよくて、チーム一丸となって仕事をする会社なんです。このあたりの“本当のディー・エヌ・エー”を知ってもらうために、いまもこうやって会社の姿をお伝えしているところです。

経験より意欲を重視して採用。成長の速度は期待以上

――立ち上げ間もない会社において、どのようなお仕事を担当されているのでしょうか?
川上 ひと言で言えば、“会社づくり”全般です。一般的な会社の部署を当てはめるなら、総務、経理、人事、事業推進といったところでしょうか。もっと具体的に言うなら、採用イベントでの会社案内にはじまり、社員研修、就業規則作成から、社内ルール、業務フロー作成、オフィス改善、毎月の予実管理からキャッシュフローなどなんでもです。つまり、社員のみんなが気持ちよく仕事に打ち込むことができ、仕事を通して自己実現するためのよりよい環境を整えるのが私の役割です。ですから、メンバーの仕事効率が上がったりするとうれしいですね。仕事方法や仕事への取り組みかたなど、私が伝えたことをメンバーが受け止め、自分なりの経験や工夫を加えたうえで別のメンバーに伝えてくれたときには「やっていてよかった!」と強く感じます。「自分で考え、行動する」という当社の社風が根付き始めたと実感できるからです。
――意欲重視で、未経験者も積極的に採用されていますね。
川上 現在のメンバーのうち、ソーシャルゲーム業界の経験者は約1割。コンソール系まで含めて広い意味でのゲーム業界経験者で言えば、約3割です。残りの7割は完全な未経験者。いちばん多いのは、Web系のシステム開発や制作に携わっていた人ですね。そもそも、ソーシャルゲーム自体がここ数年で誕生し、発展した分野です。10年選手で大ベテランと言える人がいない業界なのです。ですから、経験にこだわらないのは当然の流れ。それよりも、今後ますます変化と進化を重ねるソーシャルゲームに対して、「学んでいこう、おもしろいことをやってやろう」という意欲重視になるのです。もちろん、未経験からでもスキルアップして最前線で活躍していただくための研修には力を入れています。もっとも入口の部分では、オリジナルの“ソーシャルゲーム用語集”というものを使った研修もあります。その後は職種ごとに課題を出し、制作・開発してもらって、フィードバックをするという積み重ねです。これをくり返すことで仕事の流れを把握し、必要なスキルを磨けるようにしています。ちょっと変わったところでは、企画部門の研修で、ボードゲームをプレイするというものがあります。これは、みんなでやるゲームのおもしろさを知り、発想を柔軟にします。また、勝ったらうれしいし、負けたら悔しい。この気持ちはゲームづくりの根本ですからね。メンバーの成長は期待以上に速いです。会社を立ち上げてたった2ヵ月で、ソーシャルゲームの運用を行えるまでになりました。意欲の高い人に集まってもらえたおかげだと感謝しています。

フラットな社風が働きやすさと開発力の向上を実現。大阪から世界を目指す

――御社の強みや魅力を教えてください。
川上 ディー・エヌ・エーのグループ全体に当てはまることですが、社員間の関係が非常にフラットで、風通しのいい会社です。役職や年齢、社歴や業界経験にとらわれずに意見を言い合える会社なんです。新入社員が社長に直接意見をする、なんていうことも普通にあるんですよ。また、現場でどんどん物事を決めていきますので、とてもスピード感があります。ユーザも変わり状況も変化する。ですから、我々もスピード感をもって、業務を進める必要がありますし、そうゆう組織作りを心がけています。DeNA Games Osakaに限って言えば、成長を実感できる場所、ということが魅力です。ほとんどのメンバーが未経験者で、会社自体も生まれたて。当社で経験することのすべてが、みなさんの成長へとつながるはずです。また、“大阪から世界へ!”というチャレンジができることも魅力だと言えます。グローバル展開というと東京が拠点になりがちですが、当社は大阪を拠点にして世界に打って出ることができる会社です。「世界を相手に仕事がしたいけど、大阪では難しいかも……」と考えていた人には、ぜひ当社にお越しいただきたいです。
――現在、とくに強化を図っている職種はあるのでしょうか。
川上 2Dアートディレクターとエンジニアの2職種です。2Dアートディレクターは、ゲームのクリエイティブをけん引する仕事。世界観やキャラクターを創造し、パートナー企業やクリエイターと協力しながら、実際のカタチへと落とし込みます。ソーシャルゲームにおいて、ユーザーからのクオリティーに対するニーズは高まる一方です。これに応えるためのキーパーソンが、2Dアートディレクターなのです。期待する能力は、トレンドをキャッチする力と、漠然としたイメージを明確な言葉に置き換えて相手に伝える力。絵を描く力は必要ですが、業界経験は必要ありません。最重視するのは意欲です。エンジニアも同様に、業界未経験でもオーケー。Web系での開発経験は、おおいに役立つはずです。現状ではおもに“Perl”を使っていますが、ほかの言語の経験でもかまいません。なにせ変化の早い業界ですから、いつ、別の言語がスタンダードになるかわかりません。大切なのは、新しい言語や手法を学ぼうという意欲です。

ユーザー目線で考え抜くことからすべての発展と成長が可能に

――転職を考えている方へメッセージをお願いいたします。
川上 ソーシャルゲームには、“ならでは”の部分が存在します。それはコミュニケーションです。“勝った”、“負けた”も含めて、相手が人だからこそ発生するコミュニケーションが、ソーシャルゲームの最大のコンテンツだと私は考えています。そして、このコミュニケーションがより楽しいものになるための環境を整えるのが、私たち作り手の役割。そこでは、つねにユーザーのことを考えることが求められます。でも、これって、じつはソーシャルゲームに限ったことではないのです。コンソール系も、まったく違う分野のビジネスも、仕事の基本は「どんなことをすれば相手は喜んでくれるかな、楽しんでくれるかな」と考えることですよね。そうとらえ直すと、私たちはごく当たり前のこと、ごく単純なことを積み重ねているだけなのです。ほかと少しだけ違うのは、当たり前のこと、単純なことを徹底的に考え抜き、そこで得た気づきや発見を、とにかく早く実行へ移していることです。このくり返しが、ユーザーからの現在の評価につながっています。そして、みなさんの成長へとつながるのです。“気づき、考え、行動する。そして成長する”。このような経験を求めている人に、おおいに期待しています。いっしょに大阪から世界へチャレンジしていきましょう。

仕事の幅を広げ、ステップアップを求めてDeNA Games Osakaへ

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古川 健太/ゲーム開発部 2Dアートディレクター
コンソール系ゲーム制作会社に約4年間勤務。ユーザーインターフェースやキャラクターの制作を担当する。ディレクション業務へのステップアップを目指して派遣会社に登録し、そこでソーシャルゲームと出合う。2013年4月、DeNA Games Osakaへ入社。

――現在の仕事の内容を教えてください。
古川 2Dアートディレクターとして、カードゲームのイラスト制作などに携わっています。仕事はまず、企画部門からのオーダーでスタート。ゲームにおけるイベントなどに合わせて、「こんなカードがほしい」といった要望が届きます。それを受けて、キャラクターのポーズや全体の構図を考えます。このとき、ゲーム全体の世界観やキャラクターの性格などにマッチしているかどうかが重要なポイントになります。決定した内容はラフにまとめ、協力会社やクリエイターさんに制作を発注。できあがったイラストへフィードバックを行いながら完成度を高めていき、最終的なものへと仕上げていきます。やりがいは何と言っても、自分が手がけたカードなどに対するユーザーのナマの声を聞けること。これはソーシャルゲームならではです。「これ、カッコいいよね」などといった声がダイレクトに届くと、気分は最高です。
――DeNA Games Osakaへ入社された経緯を教えてください。
古川 新卒でコンソール系のゲーム制作会社に入社しました。そこで担当したのは、キャラクターのイラスト制作やユーザーインターフェースをつくる仕事。当時からディレクション業務へステップアップしたいという思いを持っていて、4年間の在籍期間中、最後は社内のチームリーダーを担当しました。その後、派遣社員としてソーシャルゲームに関わるようになり、念願のディレクターに。協力会社への発注や進行管理、クオリティーチェックを担当しました。DeNA Games Osakaに入社したのは、さらに仕事の幅を広げたいと思ったからです。絵が上手な人はたくさんいます。その道を究めていくのもすばらしいですが、私は、絵を核にしながらプラスアルファの仕事をしたいと考えていました。それがディレクション業務であり、もっと言えば、チームのマネジメント業務です。ディー・エヌ・エーでは、イラストをはじめとしたデザインメンバーだけでなく、エンジニアやプランナーといっしょに仕事をすることができます。そこで新たな経験を積むことで、ゲーム全体を考えることのできる人材へ成長していくことができると考えたのです。また、ディー・エヌ・エーをグループ全体で見れば、eコマースなど、ソーシャルゲーム以外にもさまざまな事業を展開しています。ゲーム内のイラストを描くことから始まった自分のキャリアを、まったく違った分野へ広げられる可能性もあります。そのようなチャンスに魅力を感じ、入社を決めました。

チームワークは抜群。垣根がなく自由に意見を出し合える会社

――DeNA Games Osakaはどんな雰囲気の会社ですか?
古川 メンバー全員のモチベーションがとても高いです。新しいこと、おもしろそうなことにどんどんチャレンジするんです。そして、細部まで徹底的にこだわり抜く。プロ意識が高い会社だと感じています。また、プロ意識という点では、“プロのビジネスパーソン”という面も持っています。これは、ひとりひとりが会社の経営者のような視点から物事を考えているという意味です。部署や役職、担当業務という枠組みではなく、「会社全体として適切か」という基準で判断し、行動しているのです。それを象徴するのが、業務の担当領域を超えた意見の交換です。エンジニアがデザイナーに対して、デザイン上の注文をつけることもよくあるんですよ。以前の私でしたら、「専門分野外なのに」と、不満に感じていたと思います。でも、いまは素直に「なるほど」と耳を傾けることができます。それは、「ユーザーに喜ばれるいいゲームをつくって、会社をもっとよくしていこう」という共通認識があるから。この目標のためなら、担当業務などの枠組みは意味を持たないんです。目指す方向がしっかり共有されているので意見も言いやすいですし、仮に反論されたとしても、納得するまで議論できます。とても気持ちよく仕事ができる環境です。大きな目標の前では一切の垣根はなし、という社風を象徴するもうひとつの例が、“教え合い”です。これは、社内の勉強会などで社員が講師役を務めること。講師に指名されるのは、勉強会のテーマについて詳しい人なら誰でもいいのです。年齢も役職も関係ありません。“わからないことは詳しい人に教えてもらえばいい”というシンプルな考えかたで、みんなが講師役を務めています。おかげで、新しい知識もどんどん吸収できます。教えるという経験は、自分自身の知識の再確認や定着にもつながっています。お互いが刺激し合い、学び合い、高めていく、という会社ですね。チームワークは抜群です。

世界を目指す“野心”を持ったメンバーたち

――これからのゲーム制作において、どんな人材が求められると感じていますか?
古川 技術やニーズの変化はますます加速します。それらへ柔軟に、そしてスピード感をもって対応する力は不可欠ですね。そのうえで、芯の強さが必要だと感じています。変化に振り回されるだけでなく、「自分はこう思う」とはっきりと意見を言える力です。もちろん、そのためにはトレンドに対するアンテナを張り巡らせ、数字で上がってくるデータなどにも目を光らせておく必要があります。また、芯の強さとは、自分なりの強みと言うこともできると思います。私の場合は、それをディレクションやチームマネジメントで磨いていこうと思っています。より広い視野で物事を見つめ、メンバーをゴールへ引っ張っていける人材になりたいです。あとは、意欲です。もっと言えば、“野心”という言葉でもいいかも。私も含め、いまこの会社にいるメンバー全員が「大阪から世界へ!」と本気で思っていますからね。

毎日の出社がきっと待ち遠しくなるはずです

――転職を考えている方へメッセージをお願いいたします。
古川 2Dアートディレクターの仕事には、チームで働いた経験や、社外のクリエイターに仕事を依頼し、マネジメントした経験が活かせます。それは必ずしもソーシャルゲームの分野でなくても構いません。Webサイトや紙媒体で同じような業務を担当した経験は、必ず役に立つはずです。あえて必須の条件をあげるとすれば、ソーシャルゲームをプレイヤーとして楽しめることです。ユーザーと同じ目線に立って「おもしろい!」と思ったり、「なんだかこのゲーム、つまらないな」と感じることがゲームづくりに活かされますからね。DeNA Games Osakaのメンバーは、本当に個性豊かです。いろんな分野で、いろいろな経験をしてきた人が集まっています。話を聞いているだけでおもしろくて勉強になります。だから、毎日、会社に行くのが楽しみで仕方ないんです。ぜひ、みなさんもメンバーの一員になって、おもしろい話を聞かせてください。そしていっしょに、世界中の人をワクワクさせるようなゲームをつくりましょう。

 【ファミキャリ!会社探訪】「大阪から世界へ!」、DeNA Games Osakaを訪問!_03

DeNA Games Osakaってどんな会社?

 ソーシャルゲームプラットフォームの“Mobage(モバゲー)”や、今年の3月には、スマートフォン向け音楽サービス“Groovy”の配信もスタートしたディー・エヌ・エー。成長を続けるそのグループにおいて、新たにソーシャルゲームの開発・運用に特化した国内拠点として大阪に設立されたのが、“DeNA Games Osaka”だ。
 すでに世界規模の市場へと拡大し、いまだ成長し続けるソーシャルゲーム業界において、大阪から世界へと、独自コンテンツの発信を目指す同社。すでにスタッフも70名を越え、今後もゲーム業界での経験よりも意欲や情熱を持った人からのチャレンジを待っている。
<会社概要>
株式会社DeNA Games Osaka ●代表取締役社長:関 俊彦 ●設立年月日:2012年12月1日●従業員数:70名(2013年6月1日現在) ●事業内容:DeNAオリジナルのソーシャルゲーム開発・運用

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 【ファミキャリ!会社探訪】「大阪から世界へ!」、DeNA Games Osakaを訪問!_02
▲会社が設立されてから、わずか半年。真新しいオフィスには、これから入社する人用の席もすでに用意されている。
▲働きやすい雰囲気の中、メンバーの意見交換も活発に行われている。大阪発のソーシャルゲームに注目だ。