あーくれぼ大会総括&優勝者インタビュー
アークシステムワークスによる、同社のアーケード版対戦格闘ゲームの全国大会“ARC REVOLUTION CUP(アークレボリューションカップ)”、通称“あーくれぼ”。今回は、2013年5月19日にパシフィコ横浜にて開催された決勝大会の総括と優勝者インタビューをお送りする。総括では東西日本の力バランスやキャラクター情勢をメインに、印象的だったプレイヤーなども紹介。インタビューでは、競技種目3タイトルの各優勝者に得意戦法や今後の動向等を語っていただいた。後日公式サイトにアップされる予定の対戦動画を閲覧する際は、注目点としても参考にしてもらいたい。また、当時の感動をおさえた多数の写真も掲載する。
『ブレイブルー クロノファンタズマ』 総括
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『ブレイブルー クロノファンタズマ』(以下、『BBCP』)部門でベスト8に進出したキャラクターはレリウス、ライチ、ヴァルケンハイン、ミュー、プラチナ、アズラエル、レイチェル、タオカカ。優勝予想2位の“ソウジ”選手(アラクネ)が初戦敗退という波乱があったものの、各キャラクターのエキスパート8名が勢ぞろいした形に。その中でも“RYO”選手は大会中唯一のレリウス使いで、公式の全国大会には初めての出場となる。『ブレイブルー』は、2012年3月に開催された公式全国大会“ぶるれぼ”終了後からやり込みを開始。約1年間の努力の成果を発揮し、初の大観衆を前にしても臆することなく素晴らしい結果を残した。そして、ベスト4に進出したプレイヤーは東京エリア代表が1名と、近畿エリア代表が3名。決勝大会前日に東京のゲームセンター“新宿スポーツランド本館”で行われた“前夜祭5on5大会”でも関西チームが優勝しており、関西勢の強さを示す結果になった。
■ベスト8進出選手
似合っていると評判だった“どぐら”選手のハザマコスプレ。壇上での試合勝利後にはハザマの勝ちポーズを真似たパフォーマンスをしたり、空き時間には来場者の写真撮影に応えて長時間ポーズをとり続けるなど、サービス精神旺盛な姿を見せていた。
壇上まで勝ち上がり、会場を大いに沸かせていた“辻川”選手。この変身のことは誰にも何も言わずに準備し、決勝大会に臨んだとのこと。その夢と希望に満ち溢れる姿に、多くの観客が魅了されていた……。
■『BBCP』部門優勝者”ガリレオ”選手 インタビュー
――ライチの強さはどういう部分でしょうか?
ガリレオ選手(以下、ガリレオ) 自由度の高さから対応できない場面が少ないのが強みですね。本作ではとくに不利がつくキャラクターはいないと思うくらい万能です。このキャラは研究すればする程強くなれるので、プレイヤーの強さが出る楽しいキャラクターだと思ってます。かなり研究してると思いますが、いまだに底が知れないですね。
――強力なオーバードライブですが、まだ発展の余地はありそう?
ガリレオ まだまだ発展します。決勝大会のときにたくさんの方々からオーバードライブの使い方が凄かったと誉めていただきましたが、かなり妥協してしまったので自分の中では50点でしたね。ライチのオーバードライブ中は通常技が何にでもリボルバーアクションできるという性質から、考えれば考えるほど発展するのでいずれ“最悪のオーバードライブ”になり得ますよ(笑)。
――ご自身のプレイスタイルで、どういった部分にいちばん自信がありますか?
ガリレオ 読み合いや、読み合いのスピードに自信を持っています。“太い選択肢”を通したり、早い展開で圧倒していくのが得意です。“バースト読み”については賛否両論ですが、僕はガンガンやっていきますよ。格闘ゲームはじゃんけんをする場面が多いので、重視するべきポイントだと考えています。
―― 一部ではプレイヤー主催の大規模大会等も噂されていますが、今後もガリレオさんの活躍に期待していいでしょうか?
ガリレオ いまプレイヤー間で企画されている段階の“4on4大会”では、辻川さん、どぐらさん、N男さんという今回の決勝大会壇上チームを組みます。最強のチームだと思ってますし、絶対に優勝するので期待して下さい。あーくれぼではライチやレイチェルの対策不足が感じられたので、つぎは対策されたうえでの完全勝利を目指したいですね。
『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』 総括
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『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(以下、『P4U』)部門でベスト8に進出したキャラクターは美鶴、鳴上、千枝、ラビリス、真田、直斗、クマ×2。やはり勝ち上がってきた美鶴、鳴上、千枝の3強。しかし、他キャラクター使いたちもかなり奮闘しており、出場者の3強対策の仕上がり具合をうかがえる結果になった。特筆すべきは出場者数の多かったアイギスがベスト8に届かなかったこと。優勝者予想キャンペーンでも3位に”ユメ”選手、4位に”コイチ”選手と、アイギス使いが上位に食い込んでいただけに、その点では予想を覆す結果になったと言える。また、ベスト8は関東エリア代表が6名、北海道・東北エリア代表が2名。東西日本のパワーバランス的には、東日本が西日本に水をあけている状態を示している。
■ベスト8進出選手
好戦績を残した北海道・東北エリア代表の”電波”選手とゆーさま”選手”。『P4U』は家庭用でのネット対戦も充実しており、地方勢と言えども十分にやり込める環境が整っている。
『BBCP』と2タイトルに出場した“ソウジ”選手は、『P4U』部門で準優勝。過去にはアメリカで開催された大規模大会“NEC”にも参戦して準優勝に輝いており、優勝予想では2位にダブルスコアを付けて1位になる程の圧倒的人気だった。
■『P4U』部門優勝者“みのり”選手インタビュー
――決勝大会に臨むにあたって、何か特別な準備はしていましたか?
みのり選手(以下、みのり) これといった準備はとくにないですね。優勝を意識できるところまで残れるとは思わなかった分、気楽にやれたのはあるかなと。ただその中でベストを出したいという想いがあったので、前日は早めに寝てしっかり睡眠を取って、朝食をしっかり取って、体調を整えるようにはしました。
――みのりさんの考える、美鶴の強い部分はどこでしょう?
みのり リーチの長い牽制での制圧力と全体的な火力の高さです。現状、コンボは大分煮詰めてるので、何か刺されば試合をぶっ壊すこともできます。できる限り楽して勝ちたいと思ってるので、キャラ対策よりコンボの火力を伸ばすほうに力入れてました(笑)
――いちばん辛かった試合はどこでしたか?
みのり 2回戦の“ひらかた”さん(雪子)戦ですかね。1ラウンド目はふつうに勝てたと思うんですが、2ラウンド目に開幕直後に“クイックエスケープ”を通されたり、“バースト”の使い方をミスって倒された辺りで大分“ヒヨり”ました。3ラウンド目にはシューティングで押され気味の試合になっていましたが、相手の“ガードキル”つきの炎攻撃がうまく重ならなかったり、こちらの無理やりの“ダッシュ立ちA”が通ってゴチャゴチャになったりと、本当に運がよかったです。いま思うと、完全に負け試合でしたね。
――今後、『P4U』に望むものはありますか?
みのり 大会が終わってもやる気のあるプレイヤーはまだまだいますし、詰められる部分も多くあるので息の長いゲームにしたいと思いますね。
『ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラスアール』 総括
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『ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラスアール』(以下、『GGXXAC+R』)部門のベスト8に進出したキャラクターはディズィー、ヴェノム、アクセル、アバ、ファウスト、ジョニー、ポチョムキン×2。この中でもとも印象的だったのは“テロだ~”選手のアバ。優勝予想で1位の“ekiちゃん”選手(ザッパ)を初戦で破り、キャラククターの個性である爆発力を武器に壇上まで駆け上がっている。ベスト8各選手の代表エリアは、東京関東エリア代表が6名と近畿エリア代表が2名。優勝予想では西日本代表プレイヤーに多くの票が集まったが、結果では関東勢が意地を見せ付ける形になった。また、8人の中で優勝予想上位に食い込んだ選手は“FAB”選手のみ。予想では一部プレイヤーに多くの票が入っていたものの、シリーズの歴史が長いこともあり全出場者の実力は拮抗していたようだ。
■ベスト8進出選手
■『GGXXAC+R』部門優勝者“キーシャ”選手 インタビュー
――最後はポチョムキンとの2連戦でしたが、何か特別なキャラ対策を意識しましたか?
キーシャ選手(以下、キーシャ) 自分の悪い癖である「安易な飛び込みをしない」ということを心がけていました。“FAB”さん、“ハーケン”さん両名とも、過去に負けた試合はいずれも安易な飛び込みに対空されて負けていたこともあって、とくに意識しました。そのほかは比較的ふだん通りの動きができるように、程度ですね。
――ファウストは強い?
キーシャ 間違いなく強いと思います。前バージョンの『アクセントコア』と比較しても平均的な火力が上がり、立ち回りも強化されていますし、さらにアイテムが非常に便利なものが増えました。機動力、切り返し面で若干クセのあるキャラクターですが、それ以外においては非常に使いやすく、初心者の方にもオススメのキャラクターだと思います。
――ご自身のプレイスタイルで、どういった部分にいちばん自信がありますか?
キーシャ キャラ対策を重点的に考えてます。相手の行動を“読む”ことがあまり得意ではないため、「この技にはコレ!」といった用に、各々の行動に対処することを心かげています。幸いファウストは立ち回りが強く、対処をするための技も揃ってるのでキャラ的にも自分のプレイスタイルとマッチングしていると思います。
――新作の『Xrd』も発表されて盛り上がっていますね。今後も『ギルティ』を続けていきますか?
キーシャ 新作の『Xrd』が注目されてますが、現行の『GGXXAC+R』も自分を含めてほとんどのプレイヤーがまだ煮詰めてきれてないと思うので、今後も本作を勢力的にプレイし続けて行きたいと思います。いま現在は「Xrd」のファウスト参戦決定と、家庭用『GGXXAC+R』でのネット対戦を首を長くして待ってる日々ですね(笑)