ゲームの雰囲気は大分変わったが、オリジナル版へのオマージュなども

90年代の怪作ニンジャFPSがポーランド流のスタイルで復活! 『Shadow Warrior』プレイリポート【E3 2013】_01
▲ダウンロード専門パブリッシャーであるDevloverは、E3会場の外、フーターズの横の駐車場というナイスな場所で本作ともう1タイトル(まだ秘密)を見せていた。

 『Shadow Warrior』が復活! と書いて何人が喜ぶのかはわからないが、まぁとにかく、90年代のゲームが次々と復活するのに合わせて、3D Realmsが生んだ怪作中の怪作FPSも復活するのである。

 オリジナル版の自由すぎる内容をご存知ない人は本誌連載でのBRZRK氏による記事(前編後編)を見てもらうとして、E3に合わせて会場近くで一部プレスにデモを披露しているというので、遊びに行ってきた。

Painkiller+ニンジャ+YAKUZA=新Shadow Warrior!!

 本作を開発しているのはポーランドのFlying Wild Hog。パブリッシャーはDevlover Digitalが担当している。

 基本的にオリジナル版を踏襲しない完全なリブート作品となっており、主人公ロー・ワンも、どう見ても香港な感じの日本で“死のドージョー”を経営する老マッチョニンジャではなく、ドライブ中にノリノリで80sソングを歌っちゃうような、金もあってアメリカンカルチャーも好きな若者となっている。ニンジャやYAKUZA、オリエンタル過ぎる嘘日本な感じといったモチーフは共通しているが、毒々しさはあまりない。

 というわけで怪しげな90年代FPSの淀みを煮詰めて作ったかのようなオリジナル版の復活を期待して行った記者はちょっと面食らったが、プレゼンテーションが進むに連れて、全然違う魅力に気がついた。

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▲斬ったり撃って吹き飛ばしたりに対応するためにキャラクターモデルが最初からバラッバラに分解可能。

 それは攻撃手段の幅広さ。ロー・ワンは近接攻撃用のカタナとさまざまな銃を駆使して戦うのだが、カタナには通常の斬撃に加えて複数の必殺技があり、銃にも通常攻撃と特殊攻撃の2種類が用意されている。
 特殊攻撃は、リボルバーならジョン・ウェインスタイル(早撃ちになる)、サブマシンガンなら二丁持ち、クロスボウなら爆発タイプといった感じに通常攻撃と性能が異なり、右クリック押しっぱなしで発動可能。

 それだけでなく、特定のキー入力(S、S、右クリックなど)をすることで、忍術も発動でき、これが使用制限がなくてなかなか強力(ただし敵がちょっと強くなるデメリットもあるらしい)。忍術には地面にパワーを叩きつけて周囲の敵を浮かせる技、緊急回復を行う技、爆破する技といったさまざまな能力があって、プレイヤーは獲得した経験値で刺青をアップグレードすることで習得できる(要はファークライ3のアレの和彫り版だ)。

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▲トレードマークのダブルSMGやカタナは健在。手裏剣なども出てくる。
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▲カタナのアクションは結構凝っており、通常の攻撃以外にも、強攻撃、一回転斬り(FPSでそれやると酔うよ!)、斬撃を飛ばす必殺技などがある。

 ド派手な効果を持つ豊富な攻撃手段と、スピーディーなテンポ、一気に出てくる敵、強めのデカいクリーチャー、道中に仕込まれたシークレットの置き方などは、オリジナル版『Shadow Warrior』よりも、むしろFlying Wild Hogと同じポーランドのPeople Can Flyがかつて開発した『Painkiller』を思い起こさせる。3D Realmsのスタイルとはまた違うが、これはこれでひたすら攻撃に没頭できるのでアリといった感じ。

 しかしながら原作を忘れているわけではなく、オマージュもしっかりあって、オリジナル版のサウンドが聞こえてくるアーケードマシンや、オリジナル版のグラフィックを踏襲したシークレットエリア、そしてウサギなどがマップ中に仕込まれている(ウサギは子作りをしていることもあるらしい。ちなみに下ネタは3D Realmsらしさのひとつである)。

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 『Shadow Warrior』を期待して行ったら出てきたのがニンジャ版Painkillerだったという、今はいったい何年なのかという感じだが、まぁひたすら攻撃するスタイルが楽しかったので個人的にはまったく問題ナシ。本作はPCで2013年秋の発売を予定している。