気になる軍用犬の存在

 『コール オブ デューティ』(以下、『COD』)シリーズのファンであれば、“軍用犬”に対していろいろな思い入れがあることだろう。記者の場合は、ぶっちゃけ“恐ろしい”というイメージが強い。というのも、マルチプレイヤーの対戦では、いつも軍用犬を仕掛ける側ではなく、仕掛けられる側だからだ(※)。フィールドのどこかで誰かが放った軍用犬の鳴き声が聞こえてくる度にビクッと身構えるも、その直後にかみ殺されることが、しょっちゅうある。
 だが、シリーズ最新作の『COD ゴースト』のキャンペーンモードでは、軍用犬が主人公たちのパートナーとして登場するという。……これまでさんざん苦しめられた軍用犬を、まさか自分が利用する日が来るようになるなんて、下手の横好きFPSプレイヤーにとっては非常に感慨深いものがあるではないか。ということで、軍用犬のことがいまから気になってしかたがない記者が、『COD ゴースト』の開発者にインタビューを敢行。さっそく軍用犬に名前があるのか聞いてみたところ……“Riley(ライリー)”という名が判明した。ライリー、いい名前だ。早くライリーと行動をともにしたい!
 ……などと浮かれていたのだが、開発者インタビューを続けるうちに衝撃の事実が発覚。『COD ゴースト』は、これまでのどのシリーズ作品よりも重い雰囲気の作品になるとのこと。そういえば、先日公開された2本のプレイ動画“No Man's Land”と“Into the Deep”でも、建物がボロボロに朽ち果てていたりして、重苦しい閉塞感が感じられる。本作の世界にいったい何が起きたのか、詳細が気になるところだ。
 さらに、今回の取材で、“Federation Day”という未公開のミッションを見せてもらうことができた。このミッションは、ゴースト部隊が高層ビルの屋上からジップラインで降下し、窓から内部に侵入することになる。建物を警備する敵を窓の外から静かに始末していくときの緊張感はかなりのものだ。首尾よく潜入し、目当てのデータを盗み出したゴースト部隊だが、敵に見つかってしまい、交戦状態に突入。そして最後にゴースト部隊と敵が立っているビルが倒壊するシーンでプレイ動画がストップ。……続きがとても気になる! もっと『COD ゴースト』の情報が知りたいという方のために、下でインタビューを掲載。現時点では不明なことばかりだが、概要をチェックしておこう。

※本シリーズの対戦では、連続キル(またはスコアを連続で獲得)したプレイヤーに“キルストリーク(スコアストリーク)”という支援が与えられる。キル数が多いほど効果の高いキルストリークが得られる仕組みとなっており、軍用犬は高レベルに位置するキルストリークに設定されていることが多い。

あのワンコ(軍用犬)の名前が判明! その名も“ライリー”!!『コール オブ デューティ ゴースト』開発者インタビュー【E3 2013】_01
あのワンコ(軍用犬)の名前が判明! その名も“ライリー”!!『コール オブ デューティ ゴースト』開発者インタビュー【E3 2013】_02
あのワンコ(軍用犬)の名前が判明! その名も“ライリー”!!『コール オブ デューティ ゴースト』開発者インタビュー【E3 2013】_03
あのワンコ(軍用犬)の名前が判明! その名も“ライリー”!!『コール オブ デューティ ゴースト』開発者インタビュー【E3 2013】_04
あのワンコ(軍用犬)の名前が判明! その名も“ライリー”!!『コール オブ デューティ ゴースト』開発者インタビュー【E3 2013】_05
『コール オブ デューティ ゴースト』
シニアアニメーター
Chance Glasco

――ここ最近の『COD』シリーズと言えば、『モダン・ウォーフェア』と『ブラックオプス』というふたつのラインがありました。昨年に『ブラックオプスII』が発売されたので、今回は『モダン・ウォーフェア』のターンかと思いきや、主要人物と時代設定が様変わりしたようです。シリーズを刷新した意図を教えてください。
Chance Glasco(以下、Glasco)氏 ちょうどプレイステーション4やXbox Oneといった次世代機がリリースされる時期だったので、『COD』シリーズを刷新するいい機会だと思い、『コール オブ デューティ ゴースト』の開発に取りかかりました。ストーリーや主要キャラクター、メカニックなど、すべてを新しいゲームエンジンで表現しています。

――本作のメインビジュアルでは、兵士がマスクを被る姿が象徴的に描かれていますが、これは何を意味しているのでしょうか?
Glasco おもに主人公たちが所属する“ゴースト部隊”を表しています。ゴースト部隊というのは、ミステリアスな集団です。あのマスクは、いったいどこから来たのかもわからないような、神出鬼没の“ゴースト”と呼ばれる存在を象徴しています。

――今回のおもなテーマについて教えてください。
Glasco 本作でもっともお見せしたいのはストーリーです。この作品がこれまでのシリーズ作品と異なるポイントは、強大な力を持つ敵と戦うところです。圧倒的な力の差がある者に対して、たとえ勝ち目が薄くても立ち向かわなければいけません。ゲームの雰囲気もこれまでと違い、全体的にダークな感じのものになっています。

――ストーリーの冒頭部分はどんな感じなのですか?
Glasco 本作の舞台は、恐るべき力を持った敵からの攻撃によって完全に破壊された地球です。地形変動が起きるくらいの大破壊があった場所から、ストーリーが始まります。主人公は10年ぶりにアメリカに戻ってきたふたりの兄弟で、彼らは特殊部隊の“ゴースト”に加入し、強大な力を持った敵に立ち向かうことになるのです。

――恐るべき力を持った敵とは、いったいどんな勢力なのでしょうか?
Glasco 物語の核心に触れる部分なので、残念ですが現時点ではお答えできません。

――それでは、主人公たちの名前や経歴を教えてもらえますか?
Glasco そのことに関してもいまはまだ秘密にさせてください。軍用犬のことであればお答え伝えできますよ(笑)。

――軍用犬と言えば、先日公開されたプレイ動画の“No Man's Land”で大活躍していた彼ですね。主人公たちは軍用犬と行動をともにしていますが、お互いにパートナーのような存在なのでしょうか?
Glasco はい。そうなります。基本的には1匹の軍用犬が相棒となっていっしょに戦うことになります。

――その相棒の名前はなんですか?
Glasco “Riley(ライリー)”です。

――いい名前ですね。ライリーがいることによって、ゲームプレイはどう変わりますか?
Glasco プレイヤーが戦場でできることが増え、ゲーム性が広がります。たとえば、“No Man's Land”のデモプレイでは、ライリーを探索させて敵を倒しているシーンを公開しました。ライリーと連繋を取ることで、より多彩な攻めかたが可能になります。

――ライリーは攻撃以外にも、背中のカメラを使って偵察もできるようですね?
Glasco ライリーが着用しているベストの背中側にはカメラがついていて、プレイヤーはライリーの視点でフィールドを見回すことが可能です。そして敵への攻撃や隠密行動など、さまざまな指示を出すことでライリーを動かすことができるのです。ちなみに、ライリーもちゃんとモーション・キャプチャーをしています。犬の行動をキャプチャーするときは、実際に犬に指示を出してその通りの動きをさせたのですが、思った通りにいかなくて苦労することもありましたね(笑)。