PS4に直接触れるイベントが検討中!? SCEJA、VIPインタビュー第2弾!
先にソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアの河野弘プレジデントのインタビューを掲載したが、ここでは、同社のSVP兼戦略企画部部長の植田浩氏に登場いただき、プレイステーション4(PS4)のプロモーション戦略を中心にお話をうかがった。ゲームファン注目の発言もあるので、要注目!
SVP兼戦略企画部部長
植田浩氏
PS4に触れる機会を作りたい
――植田さんは戦略企画部の責任者でもあり、PS4を始め、PSフォーマットを日本市場でいかに広げていくかという大変な重責を担っていますが、まずはPS4に関して、日本でどのように広げていくのか、展望をお聞かせください。
植田浩氏(以下、植田) PS4に関しては、ゲームファンの皆さんにいかにして届けるか、プランニングの真っ最中です。ただ、個人的に「これはやるべきだろう」と思っていることはあります。
――おお、それは気になります。
植田 大前提として、私たちは、いまPSフォーマットで遊んでくれているユーザーの皆さんをとにかく大事にしたいと思っています。もちろん、まだPSフォーマットに触れていない皆さんを取り込むことも大切ですが、それ以上に、いまのお客さんを重視していきたい。そのために、先日『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)』を最速で体験できるイベントを、プレコミュの会員限定で、抽選招待制で行いました。ユーザーの皆さんと、開発者の皆さんが意見交換できる機会を作ることは、双方にとって意義があると思いますので、その橋渡しは継続的にしていきたいんです。これを年間通して行い、積み重ねることで、結果的にユーザーの皆さんにもっと満足していただけたり、口コミでPSユーザーの輪が広がってほしいと考えています。
――ユーザーを巻き込み、いっしょに成長していきたい、と。
植田 そうです。いまの時代、優れたハード、タイトルがあることは当然として、さらに充実したサービスを提供することは必須です。そのために、何ができるか、ということはつねに考えています。
――その延長線上に、PS4のプロモーション、マーケティング戦略もある、ということでしょうか?
植田 はい。私たちにとって、たとえば東京ゲームショウはすごく大事なイベントですから、相当に力を入れます。ただ、それだけでは足りないとも思っています。PS4の発売前に、少しでも多くのゲームファンの皆さんに説明して、さらには実際に触れてほしい。そのために何ができるかと言いますと、私たちが、PS4に触れられる機会、場を作るしかありません。まさに「やるべきだろう」と思っていることです。
――確かに、発売前のハードに触れられる機会があることは、ゲームファンにとってとてもうれしいことです。
植田 最終決定ではありませんが、まさにいま、そういった機会を作る方向で、準備を進めています。
――それは、ぜひとも実現してほしいです。突っ込んでお聞きしますが、やるとなったら、いつくらいからスタートしたいとお考えですか?
植田 まだ計画段階ではありますが、準備が整い次第実施したいとは考えています。少しでも多くの皆さんに触っていただいて、気に入ってもらえたなら、まわりの人たちに勧めてほしい。PS4では、スマートフォンで利用できる、PlayStation App(PS4の楽しみ方を広げる専用アプリケーション)の提供もありますし、それを活用いただくことで、口コミだけではなく、より簡単に、気軽に広げてもらうことができるとも思っています。
プロモーションは遠慮なく、やるならとことん!
――PS4を中心にお聞きしましたが、PS3は現役ハードで、PS Vitaも元気です。これから年末にかけて、各ハードをどのように打ち出していくのでしょう?
植田 奇をてらったり、難しいことをする必要はないと思っていて、各ハードの魅力や特長をストレートにお伝えします。PS Vitaでは“共闘先生”というアプローチをしていますが、これは、魅力ある“共闘タイトル”が増えているからこそのプロモーションで、PSPユーザーの皆さんにも、いよいよPS Vitaがきましたよ、と発信しているつもりです。そういった筋が通ったプロモーションを、年間通してやっていくことも必要だろうと感じています。
――確かにここ最近のプロモーションは、遠慮なく、とことんハッチャけている印象を強く持ちます。
植田 中途半端にやっても、意味が薄れますから、どうせやるならとことんやって、自分たちも楽しもうと、スタッフのみんなががんばってくれています。確かに、皆さんに驚きを与えるなら、振り切ったほうがいい。私はスタッフを信頼して、背中を押しているだけです(笑)。
――(笑)。ある意味、原点に立ち返っているわけですね。
植田 まさにそうですね。
――そういったプロモーションを展開する中で、手ごたえやこれから注力したい点があったら教えてください。
植田 そうですね。いまは、ひとつのプラットフォームが業界をけん引して、それだけで物事を語ることは難しい時代です。それは私たちも十分に認識していて、携帯機で言うと、PS Vita以外にもスマートフォン、タブレット端末などさまざまにあります。でも、PS Vitaで遊べるゲームは、奥が深かったり、やり応えがあったり、ときには感動して涙を流したり……そこまでできて、人に勧めたくなるのは、私たちのハードがいちばんじゃないかと自負もしているんです。だからこそ、その点をもっとアピールしなければいけないと思っています。
――ゲームを柱に据えたマシンのプライドでもありますよね。
植田 はい。おかげさまでソフトメーカーの皆さんから、PS4やPS Vitaのタイトルの開発がしやすいと評価をいただいています。PS4は、これまでよりも早い期間で、ハードの性能、機能を活かしたタイトルが出てくる可能性は高いと感じています。それなら私たちは、その魅力がわかりやすく伝わるようなメッセージや機会を提供していかなければなりません。くり返しになりますが、そのために、PS4に直接触ってもらえる機会をできるだけ作るつもりです。ぜひ、ご期待いただければと思います。