3D『マリオ』シリーズの新展開がWii Uにも!

 2013年6月11日~13日(米国時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大級のゲーム見本市E3 2013(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ 2013)。2013年6月11日のNintendo Directで発表され、任天堂ブースにて試遊できたWii U用ソフト『スーパーマリオ 3Dワールド』(2013年末発売予定)のプレイリポートをお届けする。

 Nintendo Directで突如発表され、その数時間後には試遊台が出ているという、驚きのスピード感で出展された『スーパーマリオ 3Dワールド』。基本的なプレイ感覚は、2011年にニンテンドー3DSで発売された『スーパーマリオ 3Dランド』と同じながら、遊んでみれば、そのパワーアップぶりに驚く内容となっていた。

 3Dの奥行き感がありながら、プレイ感覚は2Dの『スーパーマリオ』の延長線上。ニンテンドー3DSの『スーパーマリオ 3Dランド』は、3Dゲームの長所である箱庭感を活かしながら、奥行きがつかみづらいという欠点を補った、まさに“発明”の詰まったアクションゲームだった。最大4人同時プレイで楽しめるようになった『スーパーマリオ 3Dワールド』も、そのプレイ感覚は同じ。だが、フィールドのあちこちに散らばった4人が思い思いに行動し、敵を倒したり、ブロックを叩いたり、仲間を持ち上げたり、持ち上げられて自由を奪われたりという、それぞれが好き勝手に動いている感覚は、まさに箱庭ならではのマルチプレイで、これまでの『マリオ』シリーズにはない、とても新鮮なプレイ感覚だ。『マリオブラザーズ』から脈々と受け継がれる、協力もできれば、いつの間にか対戦になって盛り上がっているという遊びにもつながるだろう。

 選べるキャラクターは、マリオ、ルイージ、ピーチ、キノピオの4人。4人は、『スーパーマリオUSA』のようにそれぞれ能力が異なり、バランスタイプのマリオを基準に、ルイージはジャンプ力が高い、ピーチはジャンプしたまま少しだけ浮遊できる、キノピオは少し足が早いという特徴を持っている。

 本作は、アクション面でも数々のパワーアップを遂げている。その最大の特徴が、新たなパワーアップの“ネコ”だ。ネコは、ブロックから出てくる“鈴”を取ると変身可能。変身すると、壁にしばらくつかまっていたり、壁をスルスルと上っていったりできる。また、前転のような回転アタックの攻撃もでき、ジャンプ中に回転アタックボタンを長押しすると、空中から前方の地面に向かって一直線に滑空するようなアクションも可能だ。攻撃はもちろんのこと、ジャンプの軌道修正にも使えるだろう。……と、ネコの特徴を羅列しているが、そんな特徴よりも書かなければいけないことがある。それは、ネコの姿になると手も地面につけてネコのように歩くということ!!! ネコマリオ、ネコルイージ、ネコピーチ、ネコキノピオの4人が全員でネコのように駆けている姿を見ると、もうかわいくてかわいくて、それだけでほのぼのしてしまうのだ。完全に筆者の個人的な感想で恐縮だが、ネコのピーチのかわいさは圧倒的。任天堂ブースにかざられてある、大きなネコピーチは必見なので、ゲーム紹介とは関係なく、写真をお届けする。見て!

▲こちらがネコマリオ。かわいい。
▲こちらは任天堂ブースにいたネコピーチ。すげえかわいい。
▲こちらが鈴。
▲壁をすごい勢いで上るネコマリオたち。ちなみに、ゴールのポールにつかまった後も上れるため、頂上に届かなくても、スルスルっと上って頂上の1UPに到達できる。ズルいけどすごい。
▲ボス戦では、ザコ敵に上ってボスを踏むという、ネコの能力が前提になる場面もあった。

 ネコへのよくわからない興奮はさておき、ほかに細かい部分で気づいた点を列挙していこう。まずは、シリーズ初となる透明の土管。ここは、入るとツツーっと滑って自動的に出口まで移動するようになっている。しかし、土管内部での分かれ道ではどちらに行くか、移動したいほうにアナログスティックや十字ボタンを押せば、移動可能。土管内部で敵がループ状に同じルートを移動している場合があるので、その敵を避けるルート選びや、タイミング調整が必要になる。ちなみに、ファイアーマリオなどのファイアーフラワーを取っていれば、土管内部にファイアーボールを打ち込んで敵を倒すこともできる。

▲透明な土管を滑りながら進んでいくマリオ。

 続いて、Wii U GamePadの使いかた。GamePadで操作する人は、フィールド上に隠されたブロックをタッチすることで、テレビ画面を見ているプレイヤーに知らせることができる。また、画面内の敵をタッチすることで、足止めなども可能。このあたりは、『New スーパーマリオブラザーズ U』のバディプレイに近い感覚かもしれない。

▲ひとり用でもマルチプレイでも、Wii U GamePadにゲーム画面が映る。ひとりプレイならば、テレビを使わずに楽しめそうだ。
▲マルチプレイのイメージ。画面外に出たキャラクターは泡に包まれるというのも、『New スーパーマリオブラザーズ』のマルチプレイに近い。

 そして、大きな特徴のひとつが、ステージ構成だ。E3の試遊台では、フィールドやボス戦などのさまざまなコースが選べたのだが、そのひとつが、海竜のようなドラゴンに乗って川を下っていくというものだ。今回、ふたりプレイで挑戦したのだが、ドラゴンの向きやジャンプの高さなどは、ふたりの操作、どちらでもある程度動かすことができ、大きく曲げるためには、ふたりで同じ方向に移動しなくてはいけないため、意思の疎通ができないと、うまく操作できず川から何度も落ちていってしまう。筆者は、見知らぬ外国人の方とプレイしたのだが、何度かのミスを経たあとは、無言で意志の疎通ができるようになり、自然とコースをクリアーできた。とはいえ、取り逃がしたスターなどのアイテムもあり、くり返しプレイしたくなるコース設計になっていた。このドラゴンのコースのほかにも、前述の透明な土管をどんどん進んでいくコースなどもあり、コースのバリエーションの豊かさは、従来の3D『マリオ』らしさに負けず劣らずかもしれない。

▲このドラゴンの背中に乗って進む。4人プレイのときは、意志の疎通がたいへんそうだ……。

 E3でプレイできた部分だけでも、フィールドはかなり広く探索のし甲斐がある内容だった。こういうゲームの説明の場合、「ひとりでじっくり楽しむもよし、みんなでワイワイと遊ぶもよし」といった言葉が決まり文句だが、本作に限って言えば、「ひとりでじっくり楽しむもよし、みんなとジックリ楽しむもよし」という言葉も使えてしまう内容になっている。ニンテンドー3DS版の経験者はもちろん、2Dの『マリオ』しか遊ばない人にも楽しめる作品になっているので、ぜひ続報に注目したいところだ。