近年のSCEカンファレンスではいちばんの盛り上がり

 2013年6月11日~13日(米国時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催される世界最大級のゲーム見本市E3 2013(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ 2013)。E3開催に先立ち、2013年6月10日(現地時間)に行われたソニー・コンピュータエンタテインメントのカンファレンスにて、プレイステーション4の価格、発売時期などが発表された。ここでは、【速報】として掲載した内容に補足を加え、SCEカンファレンスを総まとめする。※記載しているタイトルの発売日やタイトル数などは北米でのものです。

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PS3、PS Vitaのラインアップも充実

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SCEAプレジデント兼CEOのジャック・トレットン氏

 まず、登壇したのは、SCEAプレジデント兼CEOのジャック・トレットン氏。トレットン氏は、プレイステーション4の話題に移る前に、プレイステーション Vitaとプレイステーション3の現状とホリデーシーズンの展望などを報告。

 それによると、PS Vitaは、2013年年末までには、新たに85以上のPS Vitaタイトルが追加され、タイトルラインアップをさらに拡充するとしている。る強力なPS Vitaタイトルとして、『Batman: Arkham Origins Blackgate』、 『CounterSpy』、『Destiny of Spirits』、『Killzone: Mercenary』、『Tearaway』、『FINAL FANTASY X』および『FINAL FANTASY X-2』などが紹介された。

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 一方のプレイステーション3では、2013年中に『Rain』、『Gran Turismo 6』、『BEYOND: Two Souls』、『The Last of Us』、『Batman: Arkham Origins(邦題:バットマン: アーカム・ビギンズ)』、『Grand Theft Auto V』(北米ではヘッドセット同梱のBOXも発売)などが発売される予定となっている。7回目のホリデーシーズンを迎えるPS3だが、300に近いタイトルが年末までに発売されるとのことで、まだしばらくは収穫期が続きそうだ。

全体的なデザインは、圧倒的なパワーと親しみやすさを兼ね備えたPS4のコンセプトを体現

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SCEのプレジデント兼グループCEO アンドリュー・ハウス氏

 続いて、SCEのプレジデント兼グループCEO アンドリュー・ハウス氏が登壇。比類ないパワフルなマシンであり、ソーシャルの強化、クラウドベースのテクノロジーの統合、ゲームクリエイターが作りたいものが作れるアーキテクチャーなど、ハウス氏がその特長をざっと説明したあと、ついに本体のお披露目となった。イメージ映像がスクリーンに映し出され、それが終わるとPS4を手に持ったハウス氏がステージ中央に。全体的にエッジの効いた外観に、ディテイルにはプレイステーションらしいデザインが。そのデザインに来場者から大きな歓声が上がり、ハウス氏もそれを楽しむように少し間を置き、次のように述べた。「プレイステーション4は、ソニーの各部門のネットワークを活かして、さまざまなエンターテインメントのプラットフォームとして、皆さんに新しい体験を提供することをお約束します」(ハウス)。

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ソニーグループも強力にバックアップ

 ここで、ハウス氏はソニー・エンタテインメントのCEO、チェアマンであり、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントCEOでもあるマイケル・レイトン氏を紹介。レイトン氏は、ミュージックアンリミテッドやビデオアンリミテット(PS4ロンチから提供予定)、ソニー・ピクチャーズで制作する映画などグループで手掛ける幅広いエンタテインメントを紹介。プレイステーション4では、専用のコンテンツを用意する準備があることなど、ソニーグループをあげて、プレイステーション4をサポートしていくことを約束した。

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PS4の多彩なソフトラインアップ

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SCEワールドワイドスタジオの吉田修平プレジデント

 レイトン氏のスピーチのあとは、SCEワールドワイドスタジオの吉田修平プレジデントが登壇。ここからは、いよいよプレイステーション4ソフトがプレゼンされる。

 吉田氏は、14スタジオからなるワールドワイドスタジオがプレイステーション開発に大きな役割を果たし、デベロッパーがおもしろいゲームのアイデアを実現できるハードとなっているとコメント。もちろん、ユーザーがどんなゲームを遊びたいか、ということも同じくらい大切に考え、その両軸が並び立つ理想のハードであることに自信を見せた。また、吉田氏は、現在、ワールドワイドスタオ全体で、30タイトルものPS4タイトルを開発中であるとし、そのうちの20タイトルはPS4発売初年度にリリースする予定だと述べた。その中で、想像力豊かに開発されているタイトルのひとつしてReadyatdawnスタジオが手掛ける『THE ORDER:1886』を公開。そのほか『Killzone: Shadow Fall』、『Knack』や『DRIVECLUB』など北米のローンチ時に同時発売となるタイトル群も紹介した。

 吉田氏によるファーストパーティタイトルに続いて、SCEAのSCEA デベロッパー アンド パブリッシャー リレーション バイス・プレジデントのアダム・ボイス氏によるサードパーティタイトルの紹介が行われた。プレイステーション4では、インディーズ(独立系)や小規模のゲーム開発者の皆様との連携がさらに推進され、SCEA デベロッパー アンド パブリッシャー リレーション バイス・プレジデントのアダム・ボイズが、PS4TMに独占的に提供される『Super Giant』(Super Giant)、『Starve』(Klei Entertainment)、『Mercenary Kings』(Tribute Games)、『Octodad: Deadliest Catch』(Young Horses)などがお披露目された。

『FF』最新作もプレイステーション4に

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『キングダム ハーツIII』は色彩が変わり、これまでの雰囲気も一新。

 大作ソフトとしては、『ディアブロIII』(PS3、PS4用ソフト)、そしてしばらく沈黙を守っていた『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』の最新映像が公開。PVの最後には、『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』改め、ナンバリング最新作『ファイナルファンタジーXV』としてプレイステーション4で発売されることが明かされると、会場は大いに湧いた。続けて、こちらもサプライズとして『キングダム ハーツ』最新作の映像が流れ、最後にタイトルがナンバリング最新作『キングダム ハーツIII』のことだと判明すると、こちらも大きな歓声が(なかにはガッツポーズやバンザイをしている人も。さすがE3という感じだ)。さらに、『Assassin’s Creed IV Black Flag』および『Watch_Dogs』(Ubisoft Entertainment,)、『NBA 2K14』(2K Sports)、『The Elder Scrolls Online』(Bethesda Game Studios)、『Mad Max』(Warner Bros. Interactive Entertainment )など、プレイステーション4の多彩なラインアップがつぎつぎと紹介された。

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 有力タイトルが連発し、会場も盛り上がった中で再びジャック・トレットン氏が登壇。現在、プレイステーション4用ソフトは世界のスタジオで140タイトルが制作中であることを明かし、そのうち100タイトルがPS4発売後1年でリリースされ、40タイトルがPS4専用ソフトとのこと。また、ソフトだけでなく、購入した人がプレイステーション4を所有していてよかったと思ってもらう施策として、プレイステーション4は中古ゲームの譲渡などに制限がないことや、PS3同様、ディスク版タイトルをオフラインプレイで楽しむ際は、ネットワーク接続や認証などの必要はないことが明かされると、盛り上がりは最高潮に。これらの発表は、もうひとつの次世代機を意識した内容にも感じられたが、来場者は拍手喝采はしばらく続き、ジャック・トレットン氏も大いに手応えを感じた様子だった。

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PlayStation PlusもPS4に対応

 そのほかには、PlayStation Plusはプレイステーション4でも利用可能になる。PS Plusを利用しているユーザーは、PS4、PS3、PS Vitaの各プレイステーションプラットフォーム上で、“ディスカウント”や“セーブデータお預かり”、“フリープレイ”などの会員専用の機能や特典が享受できるのだ。PS4の発売と同時に、本体と同時発売を予定している『DRIVECLUB』の基本機能のすべてが楽しめる『DRIVECLUB PS Plus エディション』がを“フリープレイ”タイトルとして提供される。加えて、PS4発売から1年以内に無料にて『Don’t Starve』、『Outlast』、『Secret Ponchos』などのダウンロード版タイトルも“フリープレイ”タイトルとして提供される。

 そして最後に、トレットン氏は「最後まで取っておいた」という、とっておきのタイトルとして、PlayStation Meeting 2013でお披露目された『Destiny』を紹介。『Halo』シリーズでお馴染みのBungieと『コール オブ デューティ』シリーズのActivisionがタッグが制作を組む本作は、FPS好きには興味が付きないタイトルだろう。今回は、ふたりで協力しながらフィールドを進むが、ひとり、またひとりと仲間が増えていき、多人数で協力しながら進めるFPSであることがわかるプレイデモが披露された。

納得の価格!?

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 『Destiny』のプレイデモが終わり、万雷の拍手の中、再び登壇したのはアンドリュー・ハウス氏。ハウス氏はSCEのクラウド展開に言及し、2014年にGaikai, Inc.の技術を活用したクラウドゲームサービスを、米国を皮切りにスタートさせることを発表。これにより、PS4、PS3、PS Vitaユーザーのユーザーは、 人気のPS3タイトルをダウンロード時間なしで楽しむことが可能となる。

 「新作ソフトはもちろん、クラウドにより過去の資産も活かし、そのほかさまざまなエンタテインメントが楽しめる」と自信を見せるハウスは、その価格をついに発表した。

399ドル、399ユーロ、349ポンド

 これは同日午前にマイクロソフトが発表したXbox Oneの価格よりも北米では100ドル安い価格ということもあって、会場全体から歓声があがった。

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 最後にハウス氏は、「エンターテインメントやイノベーション、バリューなどをもっとも感じてもらえる、みんなが集まる“場所”になるでしょう!」と自信のコメントを残し、大盛況だった2013年のE3のプレイステーションカンファレンスを閉めた。

 プレイステーション4とXbox One。プレイステーション3とXbox 360でライバル関係にあった両機種の新ハードが同じ時期に展開されるとあって、大いに注目を集めた今年のE3 2013のプレカンファレンス。例年になく盛り上がり、ついに本日、E3初日がスタートする。