原由実が語る3rdシングル――そして初のフルサイズ・ミュージッククリップ

 声優・アーティストとして活動する原由実の3rdシングルが、2013年7月24日に発売予定。全3曲を収録し、うち2曲がドラマCD『オーバーロード4 蜥蜴人(リザードマン)の勇者たち』と、プレイステーション3&Xbox 360用ソフト『ファントムブレイカー:エクストラ』のテーマ曲となっていることが明らかにされていたが、2013年6月8日にファミ通.comにて配信された『原由実の○○ラジオ』第42回にて、CDに収録される3つの楽曲のうち、ふたつのタイトルが判明! 表題曲の『intention』は、厳かな雰囲気が漂う楽曲、『Blue Moon』はピアノとエレキギターが印象的なロック調の楽曲となっている。本記事では、楽曲情報の詳細とともに、原へのインタビューをお届けしよう。

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■原 由実
声優として、アニメ『黄昏乙女×アムネジア』の庚夕子役や、PSP&プレイステーション3用ソフト『アクセル・ワールド -加速の頂点-』四埜宮 謡役など、多数の作品に出演。PSP用ソフト『コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯 Hysteric Birthday 2U』にも水原さつき役で出演しており、2012年5月からスタートしたWebラジオ『今井麻美と原由実のRADIOコープスパーティー』では、今井麻美とともにパーソナリティーも担当。2012年8月18日からは、自身のWEBラジオ『原由実の○○ラジオ』が、ファミ通.comで配信されている。2012年8月22日に、『コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯 Hysteric Birthday 2U』エンディングテーマの『HANABI』で、アーティストとしてのソロ活動を開始。2013年3月には、OVA『コープスパーティー Tortured Souls -暴虐された魂の呪叫-』のエンディング曲である『蛍火』を、2ndシングルとしてリリースした。

楽曲について一問一答!

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──2ndシングルのプロモーションが終わるや否や、3rdシングルの発表となったわけですが、発売が決まったときのお気持ちを教えてください。
原 由実(以下、) 2ndシングルのイベントをたくさんやらせていただき、2ndシングルの熱みたいなものが、わーっと高まっている中で3rdシングルが発表されたので、すごくありがたい話だなと思いましたね。

──やはり、リリースの期間が短いほど、テンションが持続できるのでしょうか?
 そうですね~。皆さんの曲の感想を聴いて、うれしくなったり、もっとがんばろうっていう気持ちが湧いてくる中で、テンションが上がったままレコーディングに入れました。

──楽曲のレコーディングはいつごろ行ったのですか?
 表題曲の仮歌を録ったのが、5月の第1週か第2週でしたね。そのときはまだ音源も仮だったんですが、橋本由香利さんがアレンジをしてくださって、『オーバーロード』の雰囲気によりいっそうリンクしたと感じました。

──『オーバーロード』の主題歌を歌う、と聞いたときのご感想は?
 じつは去年かな? けっこう前にお話をうかがっていたのですが、やっぱりすごくうれしかったですね。主題歌を歌わせていただけることと、アルベド役を演じさせていただけることを同時にうかがったので、声優としてもアーティストとしてもうれしいニュースでした。

──『オーバーロード』の物語について教えてください。
 オンラインゲームが好きな主人公のモモンガさんが、そのオンラインゲームの世界から出られなくなってしまい、しかもNPC(プレイヤー以外のキャラクター)たちが自由に動き始めて……という物語です。モモンガさんは現実世界ではふつうの男の子でありながら、このオンラインゲームの世界では最強のプレイヤーなんです。私は、アルベドさんという、ちょっとセクシーで、高貴な雰囲気を持ったお姉さんの役で出演しています。

──『オーバーロード』の物語を知った上で、『intention』を聴いてみていかがでしたか?
 作詞の濱田さん(原の音楽プロデュースを務める濱田智之氏)が、脚本を読んだうえで詞を書いてくださったので、曲と合わせて、ストーリーにとても合っていると感じました。『オーバーロード』は表紙の絵柄がすごく独特なんですが、その絵柄が、曲を聴いた瞬間に思い浮かぶんです。また、歌の収録のときは、アルベドさんのことを思いながら歌いましたね。前向きな気持ちの中にある切なさや悲しみといった感情を詞から感じたんですが、アルベドさんからはそういったものを感じるんです。彼女はゲームのNPCなので、本来は無機質な存在ですけど、モモンガさんが来てくれたことで、感情を持って、世界の中で活き活きと動いています。そうしたアルベドの気持ちを込めて歌いました。

──『intention』で好きな部分は?
 余韻にこだわったところです。たとえばAメロの終わり際をささやくように歌っているなど、儚げで物悲しい気持ちが感じられるようにしました。それと、歌った後にオーケーはいただいたんですが、私が納得できなくて、歌い直させてもらったりもしたんです。でも、その結果、私がイメージした“ささやく感”が出たと思うので、皆さんにもそう思ってもらえるとうれしいです。

──『intention』の収録を終えての感想を教えてください。
 『オーバーロード』の重厚なイメージにぴったりの曲に仕上がったと思います。そう言えば、ひとつエピソードがあって、収録のときに聴いた楽曲のベースの音源が、打ち込みだったんです。でも、スタッフさんたちと相談をする中で「これは生音にしたほうがいい」という話になり、急遽ベーシストの宮下さん(今井麻美のバンド“+A”でもベーシストを務める宮下智氏)に来ていただいて、演奏をしていただきました。こうしたこだわりのおかげで、すばらしい楽曲になっていますので、ぜひ聴いてみてください。

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──続いて、2曲目の『Blue Moon』についておうかがいします。『ファントムブレイカー:エクストラ』のオープニング楽曲だと聞いたときのご感想は?
 『ファントムブレイカー』という作品は知っていました。また新しい作品の曲を歌わせていただけることはうれしかったですね。

──『ファントムブレイカー:エクストラ』は対戦格闘ゲームですが、対戦格闘ゲームをプレイされたことはありますか?
 スーパーファミコンを20歳くらいまで遊んでいたんですが、小学生のころに親が買ってくれた『ストリートファイターII』をずっとプレイしていましたね。でも、私はヘタクソで、必殺技もうまく出せなかったので、必殺技が出せなくても闘えるダルシムを使っていました。ただ、低い難度でしかクリアーできなかったので、エンディングを観たことがないのが心残りです(笑)。とはいえ、格闘ゲームのことは知っていますし、『ファントムブレイカー』をプレイしているところも見たことがあるので、今度は自分で遊んでみたいですね。

──『Blue Moon』の作詞は、2ndシングルの収録曲『Spiral Moment』と同じHIDETOさんですが、これは原さんのご希望ですか?
 そうなんです。『Spiral Moment』の歌詞は、楽曲にとても合っていると思いましたし、前向きな感じも大好きなんです。だから、「『Blue Moon』の作詞はどうしますか?」って聞かれたときに、「HIDETOさんでお願いします」とお伝えしましたね。前に進んでいこうという感じの詩で、大好きです。

──『Blue Moon』を聴いてみた感想は?
 しっとりした面と、派手でかっこいい面の、ふたつの顔がある楽曲だと感じました。この曲はコンペを行なって、私がお気に入りの楽曲をいくつか選び、最終的に濱田さんに決めていただいたんです。私も楽曲に深く関われたので、お気に入りの1曲になっています。

──レコーディングで印象深かったことを教えてください。
 自分の中でいつも心がけているのは、“人の曲を歌っている”と思われないようにすることなんです。最初に私が歌った『Blue Moon』を聴いたとき、借りものの曲を歌っているようなしっくりこない感じがしたので、自分の歌にするために、かなりの本数を録りました。ギターの音色もカッコよく、エンジニアさんが曲をうまく仕上げてくださったこともあって、最終的にはうまくいってよかったです。

──楽曲の中で、こだわった部分は?
 やっぱり、サビですね。サビはいちばんテンションが高い状態で歌えるように心がけていますが、とくに最後のサビには、持てる最大限の力を込めました。きれいに歌おうという気持ちを捨てて、パワーが届くように歌いましたね。

──3曲目はこれからレコーディングされるとのことですが、どういった楽曲なのかを教えてください。
 私の中では、優しい雰囲気のミディアムロックで、さわやか系の楽曲という印象です。この楽曲は、別の楽曲のコンペで聴いたときにビビビッと来たんですけど、そのときには事情があって選べなくて。ただ、本当に好きだったので、3曲目として入れてもらいました。

──作詞にも原さんの意見が取り入れられているとうかがいましたが?
 そうなんです。私は、詞が曲に合っているかどうかをめちゃめちゃ大事にしているんです。詞が乗っていない曲を聴いたときに、「曲がこう言ってる」と感じることがあるんですよね。今回の詞はコンペで募集することになったんですが、曲に合った歌詞を書いてくださいということはお願いしました。細かいコンセプトがない、というところが作詞のコンセプトですかね~(笑)。今回のコンペのように、ひとつの楽曲に何通りもの詞が乗るというのは初めての体験なので、ドキドキ、ワクワクします。

──DVD付盤に収録される予定のミュージッククリップについて教えてください。
 まだ詳しいことはお話しできませんが、濱田さんと監督さん発案の、とあるチャレンジをさせていただくことになっています。どんな感じになるのか楽しみです。

──『intention』と『Blue Moon』は、それぞれ歌詞の中に色が入っています。ライブで振るサイリュームの色のご希望はありますか?
 『intention』は、楽曲に合わせて、1番は赤、2番は青、最後はその2色の同時振り、とかもおもしろそうですね。『Blue Moon』はタイトルから青かなと思いましたが、ラジオで皆さんの意見も聞いてみたいです。

──CDの発売イベントなどで、「毎回違うことをやりたい」とおっしゃっていますが、それはご自身がファンとして、そういったイベントを見てきたご経験からですか?
 そうですね。自分が10数年来、ファンをさせていただいている某アーティストさんのライブやイベントに行くことがあって、いろんなことに挑戦する姿を見ては、「こういうのって楽しいな」と感じていました。だから私も、プラスアルファとして何かやりたいなといつも考えています。

──最後に、ひと言メッセージをお願いします。
 今回は2ndシングルに続く3曲入りで、しかも初めてミュージッククリップ付きのDVD付盤も発売されます。じつは私のリクエストで、ミュージッククリップ以外に、収録時の様子をまとめた映像をおまけとして付けていただくつもりです。悔いが残らないように、1曲1曲、こだわって作らせていただきましたので、ひとりでも多くの方に聴いていただけたらうれしいです。

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■原由実3rdシングル「intention」
発売日:2013年7月24日
発売元:5pb. 販売元:メディアファクトリー
価格:【DVD付盤】2310円[税込]、【通常盤】1680円[税込]
【CD収録内容】
01. intention(小説『オーバーロード4 蜥蜴人(リザードマン)の勇者たち』ドラマCD主題歌)
02. Blue Moon(プレイステーション3&Xbox 360用ソフト『ファントムブレイカー:エクストラ』OPテーマ)
03.タイトル未定(録り下ろし新曲)
04. intention(off vocal)
05. Blue Moon(off vocal)
06. タイトル未定(off vocal)

【DVD収録内容】(※DVD付盤のみ)
表題曲Music Clip