ホールライブの興奮冷めやらぬうちに!
2013年2月15日、大阪・梅田CLUB QUATTLOで、声優・今井麻美の3rdアルバム“Precious Sounds”ツアーの大阪公演が行われた。 このライブは、追加公演として行われた仙台に続いてのもので、3rdアルバムを引っ下げたライブツアーの最終公演となる。なお、同ライブツアーの東京公演を収録したBlu-ray&DVD、“今井麻美 5th Live Precious Sounds - 2012.12.22 at SHIBUYA-AX -”が、2013年5月29日に発売される。残念ながら、大阪公演の模様とは異なるが、こちらのリポート記事と合わせてチェックしていただきたい。
・Limited Love
・天空の炎
・Hasta La Vista
青いサイリュームで会場が包まれるなか、『Limited Love』でライブがスタート。サビの部分のコールでは、会場全体で揃ったコールを見せ、いきなり一体感を生み出す盛り上がりで、会場の熱気が一気に高まっていく。『Limited Love』の締めで、今井からの「大阪、飛ばしていくぞー!」というシャウトが響き、『天空の炎』、『Hasta La Vista』へと続き、最初のMCへ。
「ここのクアトロは初めてなんだけど、後ろまで見えるねー。仙台は会場で見たときに、うしろのほうが見えないかなーと思って、『Limited Love』でぴょんぴょん跳んでたんだけど、息が切れちゃって(笑)。でも、今回はやらなくても見えるなって思ってました!」(今井)
・COLOR SANCTUARY - Bossa Nova ver. -
・The Azure - Latin Acoustic ver. -
大人の色気が漂うサックスの音色から始まったアコースティックコーナー。最初の曲では、1stアルバムの表題曲である『COLOR SANCTUARY』の“Bossa Nova ver.”を、今井がやさしげに会場に語りかけるように歌っていく。続く『The Azure - Latin Acoustic ver. -』は、ベース担当であり、今井麻美のバンドメンバー“+A”のリーダーである、みゃあみゃあこと宮下智の両手を使った口笛でスタート。観客も、みゃあみゃあの口笛に負けない、見事なハンドクラップで楽曲をサポートしていく。
アコースティックコーナー後は、キーボードのたまちゃんこと花岡環と今井のふたりだけに。
今井 「大阪で初めての人もいるでしょうから、たまちゃんの声を聞いていただきましょうか」。
たまちゃん 「(すごくかわいらしく)皆さん、こんばんは。花岡環です」。
今井 「たまちゃん、マネするならする、しないならしないにしないと、そういう風にしゃべる人なんだって思われるよ?(笑)」。
たまちゃん 「違う違う、私そんなんじゃない(笑)」。
今井 「かわいいでしょ? 今日は紅一点でがんばってもらうんですよ。あ、私? 私はそれなりに女子なので」。
観客 「かわいー! かわいー!」
今井 「あー、聞こえないなー。なんか電波の調子が……。ああー、向こうから雷の音が聞こえてきたからね。というわけで、聴いていただきましょう。『遠雷 - Pianno Ballad Ver. -』」。
・遠雷 - Pianno Ballad Ver. -
たまちゃんのピアノと今井の歌声が絡み合うように響き渡る『遠雷』。歌声とピアノの音色が静まり返ったライブハウス全体に響き渡り、伸びやかな声の隅々までが観客に染み渡っていく。
今井 「誰もサイリューム持ってなかったんだけど、ライブ始まる前にみんなで決めたの!? 仙台でもあったんだけど、びっくりしました。でも、こういう曲をスタンディングで聴いていただくのもアレなので、いつかはゆったり座って聴いていただきたいなと思います。って、いつも見切り発車で言っちゃうんだけど、でも言ったもん勝ちだよね! ワールドツアーとか。武道館? 何人、入るか知ってる? どうするの、みんな親戚だったら! みんな、ちゃんと家族連れてきてよー(笑)。でも、+Aメンバーで行けたら最高だよねー」。
このMCがきっかけなのかどうかはわからないが、結果的にこの後のソロライブ、“今井麻美 Birthday Live 2013”を日本青年館、つまり座席指定のホールライブを実現することになる。まさに“言ったもん勝ち”? その話はさておき、ライブは続いてメドレー曲へ。
・メドレー
『Day by Day』、『Strawberry ~甘く切ない涙~』、『フレーム越しの恋』、『Promised Land』、『Faraway ~最後の夢~』、『雪原のカルマ ~snow storm~』、『Kissing a dream』、『花の咲く場所』、『Day by Day』
アップテンポな楽曲の3連続でスタートしたスペシャルメドレー。ハイテンションな曲から重厚な曲まで、曲調もテンポも違う全8曲を一気に歌いこなしていく。また、観客も楽曲の変化に合わせて、サイリュームを色とりどりに変えるなど、楽曲だけでなく見た目的にも楽しいメドレーになっていた。
・僕から君に
・SPARKLE
ソロWebラジオ番組『今井麻美のSinger Song Gamer』スタッフの結婚を祝して贈った曲だという『僕から君に』では、楽曲ラストの「I Love You」の部分を、会場全体での大合唱に。続く『SPARKLE』は、同webラジオのオープニング曲。ライブでの披露はかなりひさしぶりだが、かわいらしい歌いかたで盛り上げていく。間奏では、サックス担当のファイアーさんこと渡辺ファイアーのソロが入るなど、ライブアレンジが施されていた。
・Instrumental
・ガーベラ~今年の花
・Aroma of happiness
+Aメンバーのオリジナル曲演奏を挟んで、『Precious Sounds ~風が残していった~』のMusic Video(以下、MV)と同じ白いドレスに着替えた今井は、『ガーベラ~今年の花』、『Aroma of happiness』を披露。『Aroma of happiness』では、今井が左右に手を振ると、オレンジのサイリュームを持った観客も同じフリを見せ、会場全体が楽曲の持つ雰囲気さながらの明るく楽しげな状態に。間奏では、ファイアーさんと今井とがジャンケン勝負。最初はグーから始まり、あいこを経た結果は、ファイアーさんの勝利。ふたりの勝負に、多数の観客も混じるという、おもしろい光景が広がっていた。
今井 「大阪特別仕様でございまーす。えへへー。これまで『Aroma』が入っていなかったのが意外だったと思うんですが、まさかの大阪での披露ということで。やったね! 各会場ごとにちょっとずつ変えているんですが、衣装は『Precious Sounds』のMVのドレスですー。あのとき履いていた靴は、長時間水に入っていたので、ふよふよになりました。すごい高い靴だったんですが、90%オフで買うという私の腕! 90%オフでも1万円以上したんだよねー。でも、そんな高い靴を1日でダメにしてしまうという……(笑)。いま、私の靴箱に入れています。で、どうするキッシー? この後、どうする?
キッシー(岸本泰明) 「えっ!」
今井 「スルーしないほうがいい? 仙台公演のときに、この後の誰かさんを呼ぶのをマジ忘れしまして……(笑)。でも、大丈夫です。覚えていますよ。ということで、濱田プロデューサーでーす」。
仙台公演でど忘れしたという、濱田プロデューサーを呼び入れ、続いて新曲の披露へ。
今井 「春に『コープスパーティー』のアニメの主題歌となる、『星屑のリング』です。この作品のアフレコをするたびに具合が悪くなるという……。これ笑えない状況です。そして、もう1曲、(2013年)3月27日に発売される、『Dear Darling』です」。
・星屑のリング
・Dear Darling
仙台公演に続く、初披露となった『星屑のリング』、激しくも切なさを感じさせる楽曲に、天ちゃんのギターソロを交えて、大盛り上がり。『星屑のリング』の赤いサイリュームから、『Dear Darling』では会場全体がピンクのサイリュームに。中には、ピンクのハート型サイリュームを持ちながら、イントロで「L・O・V・E」というコールを入れた観客もいたため、それを聞いた今井は「それやめよーよー、恥ずかしいよー(笑)」と照れながら、満面の笑みで熱唱していた。
・三日月色
・夢のMAHOROBA
・クレッシェンド
青と黄色に照らされる夜空のような空間で熱唱する『三日月色』に続いて、『夢のMAHOROBA』では踊るように歌う今井。そして『クレッシェンド』では、笑顔のまま、圧倒的な声量で歌声を会場中に届ける、見事な声量を披露。アーティストととしての階段を着実に上っている様子を実感させた。
今井 「仙台、東京はこの辺は、歌になってなくて、“もうみんな歌ってー”って泣いちゃってたんですが、大阪は元気に笑顔で『Precious Sounds』を届けたいと思っていたので、よかったです。……でも、つぎが最後の曲になります!」
観客 「えーーー!」
今井 「ホントですよ! 私もエンジンかかってきたので、ここから50曲くらいいけちゃうほどですよ。でも、そんなつもりで、つぎの曲を歌いたいと思います。『Precious Sounds』。……そうね、イメージカラーの黄色のサイリュームを持っている人は振っていただいて、持っていない人は黄色を振っている気分、もしくは黄色い声援を……。あ、それはマズイな」
観客 「Fuuuuuu!」
今井 「いま、ほとんど黄色くなかったよ(笑)」
観客 「(さっきよりちょっと高い声が一部であがる)Fuuuuuu!」
今井 「ああ、そこは黄色いね、黄色いね(笑)」
観客 「(さっきよりけっこう低い声が一部であがる)Fuuuuuu!」
今井 「ああ、野太いね、野太いね(笑)。では、改めて。聴いてください。『Precious Sounds ~風が残していった~』」
・Precious Sounds ~風が残していった~
「最後まで笑顔で」という言葉にふさわしく、終始笑顔で歌い続ける今井に、観客も黄色いサイリュームで会場を染め上げ、楽曲を盛り上げる。そして、楽曲終了後、ステージは暗転。アンコールへ。アンコールからミンゴスコールへと移り変わり、+Aメンバー、濱田プロデューサー、そして今井が登場し、アンコールへ突入。「燃えたぎる曲を連続で行くぞー! 愛らしいたまちゃんが作ったとは思えない、激しい曲だぞー! まずはこの曲『散花の祈り』」(今井)。
・散花の祈り
・struggle
今井も縦ノリで激しい2曲を、拳を振り上げながら熱唱。それに応えるように観客もサイリュームを振り、この日いちばんの一体感を生み出していく。とくに『struggle』の間奏では、観客のほぼ全員が揃ったジャンピングを見せ、会場が揺れるほどのうねりに。歓声とともに、真冬とは思えない熱気をライブハウスに立ち上らせ、最後は出演者、観客を含めた+A全員のジャンプで曲を終えた。
今井 「飛びすぎた(笑)。いやー、燃えましたねー! “Precious Sounds ツアー”の最終日に来ていただいて、本当にありがとうございます。東京は泣き、仙台はあらぬところにテンションがいき、大阪は地に足がついてたくさん歌えたんじゃないかなと思います。これも、大阪の地が与えてくれるパワーだとおもいます。すぐにへばっちゃう私ですが、最後までこんなに元気に歌えたのは土地の力と、後ろまで見える皆さんのその笑顔が私を元気にしてくれたんだと思います。これからもがんばっていろいろ活動してきたいと思っていますので、声優・今井麻美、歌い手・今井麻美、+Aのメンバー、みんなでいっしょに歩んで行きたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします! 最後は、みんなでいっしょにあの歌を歌ってお別れしたいと思います。何でしょう? そうです。『いっしょ。』です。歌詞のわからない方もいっしょに手拍子したり、隣りの人と肩組んだり、手をつないだり、恋を育んでみたりしながら、いっしょにこの空間を作ってください。それでは、行ってみますか。『いっしょ。』」
・いっしょ。
今井のライブ最後の曲として定番となった『いっしょ。』で締め。曲の最初から、観客全員での合唱となり、左右に振る今井の手に合わせて、観客も手を、身体を、横に揺らし、ひとつの空間を作っていく。また、曲の終盤では、会場全体で「ラララ♪」で歌い、最後には全員のジャンプで曲を締めた。今井をセンターに、ステージの前に集まった+Aメンバーが手を取り合い、最後の挨拶。「それではご挨拶するよ。みんなも隣りの人と手をつないで!」(今井)という掛け声にから、観客も手をつなぎ、「ありがとうございましたー!」の挨拶で、大歓声のなか、“Precious Sounds”ツアーは幕を閉じた。
■今井麻美 5th Live“Precious Sounds” @梅田CLUB QUATTLO
セットリスト
01. Limited Love
02. 天空の炎
03. Hasta La Vista
04. COLOR SANCTUARY - Bossa Nova ver. -
05. The Azure - Latin Acoustic ver. -
06. 【メドレー】Day by Day/Strawberry ~甘く切ない涙~/フレーム越しの恋/Promised Land/Faraway ~最後の夢~/雪原のカルマ ~snow storm~/Kissing a dream/花の咲く場所/Day by Day
07. 僕から君に
08. SPARKLE
09. Instrumental
10. ガーベラ~今年の花
11. Aroma of happiness
12. 星屑のリング
13. Dear Darling
14. 三日月色
15. 夢のMAHOROBA
16. クレッシェンド
17. Precious Sounds ~風が残していった~
【ENCORE】
En01. 散花の祈り
En02. struggle
En03. いっしょ。