かなりのエルダースクロールズ感! 『The Elder Scrolls Online』プレイリポート【プレE3ツアー】_02

 5月17日、カリフォルニア州サンタモニカで、ベセスダ・ソフトワークスのプレE3イベント“BFG”が行われた。
 『Wolfenstein: The New Order』、『サイコブレイク』と次世代コンソール(家庭用ゲーム機)を狙う2タイトルと並んで出展されていたのが、PC/Mac用のオンラインRPG『The Elder Scrolls Online』だ。
 現在βテスト中の本作は『ザ エルダースクロールズ IV: オブリビオン』や『ザ エルダースクロールズ V: スカイリム』などと同じ“エルダースクロールズ”シリーズのMMORPGなのである。

舞台はスカイリムの1000年前、三勢力による闘争の時代

 本作については何度か紹介しているが、改めて概要をおさらいしよう。
 ゲームはタムリエル史第2期件、『ザ エルダースクロールズ V:スカイリム』の約1000年前が舞台。Ebonheart Pact、Aldmeri Dominion、Daggerfall Covenantという三勢力が覇権を争っており、タムリエル中央のシロディールはそれぞれの勢力が進出を狙う対戦エリアとなっている。
 各勢力に所属する種族は異なり、。Ebonheart Pactはダークエルフ、アルゴニアン、ノルドが、Aldmeri Dominionにはハイエルフ、ウッドエルフ、カジートが、Daggerfall Covenantにはブレトン、レッドガード、オークが属する。今回のデモではDaggerfall Covenantでのプレイが可能で、記者はオーク女のテンプラーでプレイした(クラスはそのほか、ドラゴンナイトとソーサラーが選べた)。

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かなりのエルダースクロールズ感! 『The Elder Scrolls Online』プレイリポート【プレE3ツアー】_01
▲基本的に収録地域を限定して展開されてきたTESシリーズだが、『TES Online』では、久しぶりにタムリエル全土をカバー。というわけでハンマーフェル(『TES II: Daggerfall』の舞台)のストロス・エムカイの砂漠や、ノルドの故郷である雪深きスカイリム地方なども登場する予定だ。(『TES V: スカイリム』のクエストに出てきたストロス・エムカイ・ラムを覚えてる人はいるだろうか?)

スキル構成は3系統

 気になるスキル構成は、クラス(職業)に依存するクラススキルが3種類ずつ、そして武器の種別(両手武器、片手武器+シールドなど)ごとにあるウェポンスキル、防具の種類(ライト、ミディアム、ヘビー)ごとにあるアーマースキルと、大きく分けて3系統がある。
 スキルにはアクティブスキルとパッシブスキルがあり、それぞれ習得可能なスキルレベルが決まっている。スキルの系統ごとにレベルがあり、欲しいスキルの習得レベルを超えたらスキルポイントを使ってアンロックするといった形だ。
 ちなみにクラスと装備は依存関係がないので、結構幅広いカスタマイズが可能なんじゃないだろうか。

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▲弓矢、近接、それとも魔法を伸ばすか……カスタマイズも楽しいところ。

クエストが……いい! “エルダースクロールズであること”を最重要視

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▲どよーんとしたダガーフォール。この暗黒な感じがイイ。

 デモプレイは1時間半ほど、ダガーフォール周辺で自由に遊ぶことができたのだが、これが予想以上に良かった。
 いや、基本はベタベタなMMORPGなのである。一人称視点モードとかスニーキングとかがちゃんとあるとはいえ、操作は割とオーソドックスなオンラインRPGだし、クエストもいわゆる“おつかい”な感じと言えばそうだ。

 でも「ダガーフォール城下で物乞いたちが連続して殺される事件が起きているらしい……」とか「どうもダガーフォール領主を狙ってカルト教団が暗殺集団を送り込んできたようだ」とか「オラの村に森が、森そのものが襲ってきたダ」ってなクエスト内容がこう、オブリビオンとかスカイリムを絶妙に思い出す。

 中でも良かったのが、その暗殺集団を排除するミッション。波止場に停泊した船の積み荷に隠れているらしいアサシンを見つけては倒していくという内容なのだが、“アタリ”の積み荷にはアサシンがいるが、“ハズレ”の積み荷を開けるとアルゴニアンが入っていて、「ヒィーッ」ってな感じに逃げ出していく。
 この“わかってる”感じ、いいじゃないですか。ただでさえ迫害されたりしがちなアルゴニアンたち、ダガーフォールではヨソ者(本拠地はEbonheart Pact)なわけで、これはどう考えても密航者なのをそれとなく示しているってことでしょ。ああ、哀れなアルゴニアン!

 実は本作はオブリビオンやスカイリムを作ったベセスダ・ゲームスタジオではなく、同グループのZenimax Online Studiosが開発をしているのだが、エルダースクロールズ史や過去の設定からかけ離れないよう、専門の3人の“ロアマスター”と呼ばれるスタッフを置いてチェックしているとのこと。
 ディレクターのMatt Firor氏いわく、本作のメインコンセプトとしても、いかにも三勢力による大規模対人戦などをメインにしそうなところ、“エルダースクロールズであること”を最重要視しているそうで、PvPしたければいいし、したくなければ探索ばっかりしていてもいいというスタンスには非常に好感を持った。

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▲探索もエルダースクロールズの楽しいところ。マップ上に現れたスポットにフラフラ寄り道したら別のサイドクエストに遭遇して……みたいなこともある。ちなみに、Wayshrine間のファストトラベルも実装予定とされている。

日本からは……もうちょっとしたら遊べる、かも?

 現在のβテスターは北米を中心にしたものになっているのだが、こちらについても日本から参加できないか聞いてみたところ、現在のテスト項目がゲームの基本的な部分に限定されていることや、サーバーの処理能力の問題などもあって、現状は多地域のプレイヤーを招待する段階ではなく、もうちょっと待ってね、との回答。ラグによる影響の検証などが重要なPvPなどをチェックするフェーズに入っていけば、アジア圏のプレイヤーの招待なども拡大していくだろう、とのことだった。
 現在はサーバーもスタジオ内に置いているようで、1~2ヶ月後ぐらいにちゃんとしたデータセンターに移設する予定があり、その点でも今後ますます参加テスターの拡大が見込めそうだ。日本語向けのサービスは現状未定なので確実に参加できるとも言えないが、気になる人は公式サイトからテスター登録をしておくといいだろう。

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エンドコンテンツもバッチリ

 ちなみに種族と地域が分離されていることで「他の地域も遊んでみたいんですけど……」って人もいるかもしれないが、LV50に到達した時点で所属する勢力を変えられるそう。
 次に選んだ地域は“LV50+”なハードモード、そこもクリアーして3つ目の地域に行くと“LV50++”とでも呼ぶべき超ハードモードになるそうで、さらなる高みを求めるプレイヤーはコンスタントなアップデートコンテンツも遊びつつ、全地域踏破を目指すのもいいだろう。

 またエルダースクロールズシリーズおなじみの戦士ギルド、魔術師ギルド、盗賊ギルド、闇の一党(暗殺ギルド)などはNPCクエストとして登場するのだが、プレイヤーが設立するギルドも当然存在し、同時に5つ所属可能とのこと。

 そこら辺に落ちているアイテムの収集、ロックピッキング(スカイリムよりもオブリビオンスタイル)、武器やアイテムのクラフティングなど、非常にエルダースクロールズらしいMMORPGとなっている本作。ビジネスモデルなど不明な点も多いが、非常に大きな可能性を秘めているタイトルだと感じた。それでもできれば……日本語サービス、お願いできませんかね?