『Halo』シリーズの新たなる展開
ついに発表されたマイクロソフトの新世代機、Xbox One。発表会では数多くのアナウンスが世界中に発信されたが、中でもひときわ注目を集めたのが、『Halo』テレビシリーズの発表(⇒関連記事はこちら)。マイクロソフト最大のフランチャイズにして、シリーズ累計5000万本の販売本数を誇る『Halo』。映像作品としては、日本の才能溢れるクリエイターが集結したアニメ作品『Halo Legends』なども2010年にリリースされており、『Halo』シリーズを積極的に追いかけてきたファミ通.comとしては、「テレビシリーズ決定!」の報は感慨深いところ。そこで今回は、イベント後の会場で、『Halo』テレビシリーズのキーパーソンである、マイクロソフトのジェネラルマネージャ メディア&エンターテインメントグループのキャシー・ステポニアスさんに直撃インタビューを敢行した。もともとウォール街で、エンターテインメント関連のアナリストをしていたという彼女は、「より主体的にエンターテインメントに関わりたい」との思いから6年前にマイクロソフトに入社。NetfrixやESPNがXbox Liveにサービスを提供する際に大きな役割を果たしている。
――いよいよXbox Oneが発表されましたね。
キャシー 今日の発表で感じたのは、エンターテイメントの未来が今日始まったということです。Xbox Oneそのものの性能に加えて、ゲームやテレビ、エンターテイメント、音楽といったコンテンツがすべてフラットで簡単に楽しめるものになるということです。しかも、Kinectの音声認識を使うことで、より気軽に楽しめる。Xbox Oneに関しては、ゲームだけでなくエンターテイメントの面で新しい時代のコンテンツを提供していける、ということに大きな魅力を感じています。『Halo』のテレビシリーズで、スピルバーグ監督といっしょに仕事ができるというのは、すばらしいことです。これは既存のテレビシリーズとは一線を画するものです。今後、エンターテインメントサービスでは、ワクワクするようなことがいっぱいありますよ。
――スピルバーグとの協力はどのような経緯で?
キャシー いつから動いているかについてはコメントできませんが、ドン・マトリックとスピルバーグ監督とは旧知の仲なんです。また、今回新設された、Xboxエンターテイメントスタジオを率いる(エンターテイメント&デジタルメディア社長の)ナンシー・テレムもハリウッドでの経歴を持っています。いずれにしても、監督ほどの力量を持った方といっしょに仕事ができるのはすばらしいことです。このプラットフォーム(Xbox One)は、これまでとは違うストーリーの語り方が出来るようになる可能性を持っています。私たちは、ゲームやデバイスを作り、サービスを提供するための専門知識と能力は持っていますが、「どのようにストーリーを語るか」という部分で飛び抜けた才能を持つスピルバーグ監督と仕事ができるのは得がたい経験です。たとえば、いまここにいる人たちがお互いにインタラクト(相互作用)でき、同時にコンテンツとインタラクトできるようになったら、ストーリーの語りかたがどう変わっていくのか……。監督を始めとして、ほかの方たちとパートナーを組んでいくことで、新しい形でのエンターテインメントが経験できるようになると思っています。
――スピルバーグ監督はどのような立場で今回のプロジェクトに関わっているのですか?
キャシー スピルバーグ監督は、343 Industriesとともに、エグゼクティブプロデューサーという立場で今回の『Halo』テレビシリーズに関わっています。『Halo』テレビシリーズについては、E3でさらに発表する予定です。
――キャストなどの詳細に関しては……?
キャシー 残念ですが、いまは何もお話できません。
――『Halo』テレビシリーズは、Xbox Oneでどのような形で見ることになるのですか?
キャシー 詳細はE3で発表しますが、ひとつ言えることは、インタラクティブなレイヤーがあり、ストーリーの中に組み込まれているということです。これは、Xbox Oneで経験できることのひとつになります。
――最後に、日本のエンターテイメントファンはXbox Oneから何を期待できるか教えてください。
キャシー 日本にいてもアメリカにいても同じだと思いますが、いま、リビングルームでは複数のデバイスを持つのがふつうになっています。アプリを使うため、テレビを見るため、ゲーム、音楽など用途によって違うデバイスを使っています。Xbox Oneはこれらの経験をひとつでできるようにしてくれるんです。そして、「映画を見る」、「ゲームをプレイする」、「音楽を聴く」、「テレビの生放送を見る」、「友だちとSkypeで連絡取る」などの異なる経験を、自分の声を使ってシームレスに切り替えることができるんです。いまは、工務店があちこちの下請けを使うように、自分で“あのデバイス”、“このデバイス”と使い分け、ナビゲートしなくてはなりませんが、これがひとつのボックスにまとめられ、非常に使いやすくなるんです。それは、世界中でXbox Oneを購入する人たちが共通して感じてくれることだと、私は思います。
Xbox One+『Halo』ということで、ふつうのテレビシリーズになるわけがない。「視聴者どうしが相互に関わることができ、映像ともインタラクティブ性がある」との主旨の気になる発言も聞かれたが、いったいどのようなテレビシリーズが生まれるのか……? 新しいエンターテインメント誕生の予感に、ついわくわくしてしまうというものだ。