次期は次世代ゲーム機への対応も予定

 セガサミーホールディングスが、2013年5月10日に、2013年3月期の決算短信を発表した。そちらによると、同連結会計年度における売上高は3214億700万円(前期比18.7%減)、営業利益は190億7300万円(前期比67.3%減)、経常利益は209億1400万円(前期比64.0%減)となった。

 減益の理由としては、パチンコ遊技機に関しては、大型タイトルを中心に入れ替えは堅調に推移したものの、設置台数が減少傾向にあるなど、やや低調に推移したとのこと。アミューズメント業界については、おもにプライズカテゴリーに牽引される形で市場が堅調に推移したものの、今後の市場活性化に向けては、多様化する顧客ニーズに応じた、斬新なゲーム機の開発、供給などが期待されると説明。さらに、家庭用ゲーム業界に関しては、「おもに欧米におけるきびしい経済環境の影響によって、パッケージゲームの需要が低調に推移いたしました。一方で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やスマートフォン向けなどのデジタルゲーム市場における需要がさらに拡大しており、このような市場環境の変化への対応が求められております」(短信より)としている。

 具体的に家庭用ゲーム機では、パッケージゲーム分野において国内向けタイトル『龍が如く5夢、叶えし者』、海外向けタイトル『Sonic & All-Stars Racing Transformed』及び『Aliens. :Colonial Marines』などの販売しつつも、「前期末より実施している欧米での構造改革施策としてタイトル数を絞り込んだ結果、パッケージ販売本数は、米国420万本、欧州442万本、日本214万本、合計1078万本となり、前期実績を下回りました」とのこと(前年実績は1724万本)。一方で、デジタルゲームの分野では、2012年7月よりサービスを開始した『ファンタシースターオンライン2』の登録ID数が250万IDを突破し、課金収入も予想を上回る水準で推移。さらに、スマートフォンタイトルでは『ドラゴンコインズ』、『Kingdom Conquest2』やポケラボとの共同開発タイトル『運命のクランバトル』など、複数のタイトルを投入し、ラインナップの拡充を行ったとしている。家庭用ゲーム機やデジタルゲーム、アニメーションなどを含むコンシューマ事業の2013年3月期の業績は、売上高847億4000万円(前期比2%減)で、7億3200万円の損失となっている。

 次期の見通しとしては、コンシューマ事業のパッケージゲーム分野においては、引き続き合理化に取り組み、安定的に収益を創出できる体制の構築を行っていく。また、発売が予定されている次世代ゲーム機への対応も予定しているとのことで、パッケージ販売本数は、米国431万本、欧州469万本、日本264万本、合計1166万本を見込んでいる。デジタルゲーム分野では、携帯電話・スマートフォン・PCダウンロードなどの開発を強化するなど、環境変化に適応した体制への転換を図っていくとのことだ。

 以上を踏まえ、次期の売上高は4850億円(前期比50.9%増)、営業利益は730億円(前期比282.7%増)、経常利益は720億円(前期比244.3%増)、当期純利益は470億円(前期比40.5%増)を見込んでいる。