Windowsの名作バイクゲームがついに復活!?

 2013年4月10日、Xbox LIVE アーケードで『Motocross Madness』が配信された。本作はオフロードバイクでレースを行う競技、モトクロスを題材としたレースゲーム。山あり谷あり崖ありジャンプ台あり、クラッシュ上等のデンジャラスなコースを疾走できるのが大きな特長だ。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_01
トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_02
▲バイクの競技モトクロスを題材としたレースゲーム。道なき道でくり広げられる、ワイルドなバトルを楽しめるのだ。
▲エジプト、オーストラリア、アイスランドをモチーフとしたコースが登場。美しい景観も本作の魅力のひとつ。

 ちなみに1998年に同名のWindows用モトクロスゲームが登場しており(日本語版は未発売)、2000年にはその続編も登場(こちらは日本語版も発売された)。本作は、13年ぶりに復活した『Motocross Madness』シリーズ最新作との見方もできるだろう。ただし直接的なつながりはないようで、過去作を遊んでいなくとも問題なく楽しめる内容に仕上がっている。

トリックをキメればさらに速く走れる!

 では、ゲームの内容を紹介していこう。本作のキャリア(シングルプレイモード)は4つのカテゴリーが存在し、それぞれコースやルールが異なる。最初はもっともスタンダードな“レース”のみプレイでき、ゲームを重ねると新たなコースやほかのカテゴリーがアンロックされていく仕組みだ。
 バイクの操作はRトリガーでアクセル、Lトリガーでブレーキ、左スティックでハンドル操作、Bボタンでドリフトと、シンプルにまとめられている。
 コースデザインは自然を活かした内容で、激しい高低差や水場が存在するため、ダイナミックな走行を楽しめるのが大きな特長だ。ショートカットも存在しており、いかに速く走れるコースを見つけるかの試行錯誤もおもしろい。うまく活用できてライバルをぶっちぎったときの快感はかなりのものだ。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_03
トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_04
▲レースに加え、ライバルやフィールドツアーといった4カテゴリーのイベントを楽しめる。
▲各コースにはショートカットも存在。画面左下のミニマップに表示される青い線がヒントになる。

 本作最大の特徴は、ジャンプ中に行えるトリックだ。コースには大小のジャンプ台が存在し、場合によっては5秒以上も空中にとどまる大ジャンプを行える。さらにジャンプ中に左スティックとXボタンを押すことで、多彩なトリックをキメられるのだ。このとき、スティックを入力する方向によってトリックが変化する。
 このトリック、単に格好いいだけのギミックではなく、成功させると画面下のブーストゲージが増加する。Aボタンを押せば、このゲージを消費して一気に加速できるのだ。レースで勝つには、単に最短ルートを見つけ出すだけではなく、効率よくゲージを稼げるジャンプポイントを発見することも重要になる。
 1回のジャンプで複数のトリックを連続でキメたり、より長時間トリックをキメると、より多くゲージを稼ぐことができる。ただし、トリック中に着地するとクラッシュしてしまい、タイムロスに加えてブーストゲージが減ってしまうため、一気に不利になってしまう。いかにギリギリまでトリックをキメられるかという、せめぎ合いも熱いのだ。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_05
トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_06
▲ジャンプ中は、左スティックとボタンの組み合わせでトリックを発動できる。スキルレベルが上がると、新しいトリックが使えるように。
▲トリックを成功させるほか、ドリフトを行ったり、青い炎のアイテムを入手することでもブーストゲージを増やせる。

バイクを強化してより上位のイベントへ!

 本作にはパワーアップ要素も存在する。レースを行うと、順位や内容に応じてXP(経験値)とキャッシュを入手できる。XPが一定まで溜まるとスキルレベルがアップし、新たなスキルを取得できる。
 スキルは、より高度なトリックやスリップストリームなど、全21種類が存在。レベルが上がるにつれ、レース中に行える駆け引きの幅が増えていく。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_07
トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_08
▲レース終了時、成績に応じてXPとキャッシュを入手できる。XPが一定まで溜まるとスキルレベルがアップ。
▲スキルレベルが上がると新しいスキルを覚えられ、より高度なトリックや新たな能力が使用できる。

 キャッシュは、おもにバイクのアップグレードに使用する。エンジンやギア、タイヤなど5種類のカテゴリーが存在し、各パーツをアップグレードすると、トップスピードやアクセル、ハンドリングといったバイクの性能が向上するのだ。また、アップグレードの内容によってバイクのクラスランクも変化。レースにチャレンジするとき、どの程度の性能が必要かを計る目安になるのだ。
 なお本作でのランクはあくまで目安であり、たとえばDクラスのコースにEクラスのバイクで参戦しようとした場合、「性能不足でかなり難しくなるけどいい?」と尋ねられる程度のもの。逆にDクラスのコースに、それ以上の性能であるAクラスのバイクでも問題なく出場できるため、バイクの性能は可能な限り高めておきたい。
 またバイクも数種類が存在し、こちらもキャッシュで購入できる。バイクごとに各能力と最大値が異なるため、イベントの内容に応じてバイクを使い分けるのがキーポイントだ。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_09
トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_10
▲能力が異なるバイクが6種類存在。イベントを進めるとアンロックされ、購入可能になる。
▲各バイクはパーツを購入することで性能を上げることが可能。性能に応じてバイクのクラスが決まる。外装やアバターのファッションも購入できる。

広大なマップを自在に走れるユニークなイベントも

 レースを重ねていくうちに、レース以外のカテゴリーもアンロックされていく。ここでは、そのほかのイベントを紹介しよう。
 “ライバル”は、ラップタイムを競うタイムアタックのイベントだ。開発者のゴーストを相手にレースを行い、設定されたラップタイムを上回ることでメダルを獲得できる。それ以降は、オンラインランキングからライバルが自動的に選ばれ、そのゴーストとバトルするというストイックな内容になっている。
 “フィールドツアー”は、レースで走ったコースを自由に走り、コース中に散りばめられたスカルやコインを集めるイベント。プレイ感はオープンワールドのゲームに近く、コースに左右されないフリーダムな走行を楽しめるのが特長だ。
 “トリックセッション”は、フィールドツアーと同様のオープンワールドを自由に走り、トリックをキメて制限時間内にどれだけポイントを稼げるかを競う内容だ。1回のジャンプで多数のトリックを発動したり、より長時間トリックをキメることができれば高ポイント。コースにあるアイテムを入手すれば、トリックポイントの倍率が上昇するため、このアイテムを上手に活用するのが攻略のポイントだ。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_11
トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_12
▲広大なマップを自由に走り、スカルやコインを集めるフィールドツアー。オープンワールドゲームの収集要素に近い楽しさを味わえる。
▲トリックのスコアに特化したイベントのトリックセッション。思う存分にトリックを楽しめる内容だ。

アクションゲーム好きにもオススメ!

 モトクロスというアグレッシブなレースゲームに、大きなジャンプとトリックの爽快感をうまく組み込んだ本作。よい意味でレース一辺倒ではないため、アクションゲーム好きにも楽しめる内容に仕上がっている。個人的には、トリックを上手にキメられたときの爽快感がいちばん魅力的に感じられた。
 バイクレースが好きな人にはもちろん、2009年にXbox 360とプレイステーション3で発売されたATV(小型バギー)のレースゲーム『エクストリーム・レーシング -PURE-』にもプレイ感が似ているため、そちらのファンも楽しめるだろう。
 最後に欠点を。本作はゲームが少々不安定で、起動時にフリーズしてしまうことが多い。いったん起動してしまえば安定して遊べるため、早急にパッチで改善してほしいところだ。

トリックが気持ちいいバイクレース、XBLA『Motocross Madness』プレイインプレッション_13
▲“AVATAR FAMESTAR”機能にも対応。チャレンジを達成してポイントを溜めると、アバターのコスチュームなどがボーナスとして入手できる。本作のほかに『Home Run Stars』や『Fire Pro Wrestling』などが対応している。

■著者紹介:喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当していたフリーライター。筆者のアバターはスーツ姿だったため、本作でもスーツでモトクロスを楽しむという変な絵面に。こんなミスマッチを楽しめるのも本作の魅力、のハズ!


Motocross Madness
メーカー 日本マイクロソフト
対応機種 X360Xbox 360
発売日 2013年4月10日(Xbox LIVE アーケードでダウンロード配信)
価格 800マイクロソフトポイント
ジャンル レース&フライト、スポーツ&レクリエーション