開発度は70%! 新モード“Ver1.5”も収録決定!

 ケイブから、2013年5月30日発売予定のXbox 360用シューティングソフト『怒首領蜂最大往生』。発売に向け、開発も追い込みに入った中、取材に行ったところ、なんと新モードの存在が判明。さらに、超限定版や5月5日のケイブ祭りのことなど、浅田誠プロデューサーと、結局本作の開発に加わることになっ(てしまっ)た池田氏のおふたりに話を聞いてきた。
 と、その前に、本日(4月18日)オープニングムービーの完成版が公式サイトで公開されたので、紹介しよう。

『怒首領蜂最大往生』オープニングムービー完成版

――現在の完成度はどのくらいでしょうか。
浅田 70%くらいですかね。残る30%の作業は、“桜夜”が主人公となる“新Xbox 360モード”関係がほとんどです。そんなタイミングですが、じつは収録モードがひとつ増えました。これまではアーケード、ノービス、新Xbox 360の3種類のゲームモードをアナウンスしていたのですが、アーケードを再調整した“Ver1.5”を入れることになりました。
――ここに来てゲームモードが増えるとは驚きです!
浅田 テストプレイヤーとして、うまいプレイヤーに来てもらっているのですが、3月のはじめにアーケード版の不満点や、もっとおもしろくする案はないかと聞いてみたんです。そうしたら、ものすごくたくさんの案が出まして(笑)、それをスタッフが吟味したものを、プログラマーの市村に言ったところ「できる」ということで、急きょ入れることになったんです。じつは、“Ver1.5”の作業自体はもう終わっています。

<新たに追加された新モード“Ver1.5”について>
 急きょ収録が決まった“Ver1.5”は、アーケード版をベースに製作された調整版。テストプレイヤーの意見を取り入れ、大規模な変更が加えれている。“Ver1.5”はこれまでにも『虫姫さまふたり』や『怒首領蜂大復活』にも登場しているので、ケイブシューティングをよくプレイする人にとっては、ある意味おなじみのバージョンだろう。アーケード版から変更されたシステムは、以下のとおりだ。
◆星アイテム取得時にレーザー撃ち込みHIT上昇のインターがリセットされないように変更
◆ハイパー中のレーザー撃ち込みでコンボゲージが上昇するように変更
◆通常時のレーザー撃ち込みHIT上昇速度が早くなるように変更
◆ハイパー使用時の各種数値を調整(詳細は以下)
・レベルごとの撃ち込み点
・レベルごとのGP BONUS倍率
・レベルごとのハイパー継続時間
・レベルごとのスコアアイテム出現数
・レベルごとのレーザー撃ち込みHIT上昇値
◆スコアアイテムの各種パラメータを調整(詳細は以下)
・取得時のHIT数加算値
・取得時のスコア加算値
・取得時のGPS加算値
◆レベル6以上のハイパーで出現するスコアアイテムがすべて(大)に変更
◆敵のスコアとスコアアイテム出現数を調整
◆蜂アイテム取得時の、HIT数に応じたハイパーゲージ増加量を調整
◆機体別の敵撃破時コンボゲージ増加量を調整
◆ボス戦でのスコアアイテム出現条件を調整
◆クリアリザルトのノーミスボーナスの得点をアップ
◆マキシマムボーナスの値を調整
◆ハイパー中にハイパーゲージが1本たまった際に発生する弾消しで出現するスコアアイテムが(小)→(大)に変更
◆ランクの値に応じて、スコアアイテム取得時のハイパーゲージ加算値に補正がかかるように調整

『怒首領蜂最大往生』開発追い込み中の浅田P&池田氏を直撃_01
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▲ゲームモードはXbox 360、アーケード、Ver1.5、ノービスの4種類。アーケードにのみ存在する“チャレンジ”の文字が気になるところ。
『怒首領蜂最大往生』開発追い込み中の浅田P&池田氏を直撃_09
▲アーケード版開発統括・池田恒基氏。

――そういえば、池田さんは以前のインタビューで、本作には関わらないことを表明していましたが、どのような経緯で参加されることになったのですか?
浅田 池田が参加しているプロジェクトの優先順位を考えると、たしかに当初は参加が難しい状況でした。それでどうしたかというと、結局は外堀から埋めていったんです。会社というのは縦社会ですから、上を押さえればいいわけです(笑)。まあ、池田よりも上の人間となると、社長しかいなんですけどね。政治的なかけひきの結果です。
池田 まあ、そうだね(笑)。
浅田 ちなみに、社長はかなり怒る人なんですが、いつも怒られるのは池田で、僕がほめられ役なことが多いんです。だからバランスが取れています(笑)。しかも、僕が言うとほめられるようなことでも、池田は怒られちゃいますから(笑)。
池田 しゃべらなくても怒られるし、しゃべっても怒られる。どうすればいいんだっていう(笑)。
浅田 現行機では今度こそ本当に最後だと思うので、僕としてはどうしても池田に参加してほしかったんですよ。ただ、参加時期はかなりずれてしまいました。それで制作が遅れてしまっているんですね。

『怒首領蜂最大往生』開発追い込み中の浅田P&池田氏を直撃_10
▲Xbox 360版開発プロデューサー・浅田誠氏。

――では、“新Xbox 360モード”のコンセプトを聞かせてください。
池田 浅田からはカジュアルなゲーム性にしてほしいとだけ言われていて、どうせ作るならできるだけアーケードとプレイ感覚が違うものにしたかったんですね。それでシンプルな構成を考えていった結果、ゲージを管理するゲーム性に落ち着きました。
――なるほど、そこはスムーズに決まったんですか?
池田 いや、実際にはいろいろな紆余曲折がありました。先ほど浅田も言っていたテストプレイヤーの方に、最初に考えていたシステムを話したときに、彼がポロっとゲージ管理ゲームの発端のアイデアを出してくれたんですね。それをベースに私のほうで詰めていきました。
――それまではどのようなものを考えていたのですか?
池田 新Xbox 360モードは当初は市村がやる予定で、最初はタイムアタックを考えていたみたいなんですね。私も彼のアイデアの一部を引き継いで作ってみたんですが、どうにも問題が多くて、さらに個人的にもいまひとつ燃えない(笑)。そういうこともあり、あれこれと変えながら来たのがいまの仕様です。
――レースのように、クリアータイムを競う内容だったのですか。
池田 レースというよりは“キャラバンシューティング”に近いもので、タイムを回復しながら遊ぶものでした。ただ、もともとはいかに死なずに進むかというゲーム性だったので、正直あまり合わなかったんです。それでも方法はあるのではないかと試行錯誤はくり返したんですが、どうにも解決できませんでした。タイムオーバーになると突然自機が死んで「なんだ、これ?」みたいなことになったりして(笑)。
――いきなりだとびっくりしますね(笑)。
池田 払拭できない問題がいろいろあって、ガラリと作り変えてしまいました。結果的にはタイムを管理していたものを、ゲージに置き換えたわけです。
――会話のほうは、“桜夜”とオペレーターの掛け合いが中心になるのですか?
浅田 そうですね。オペレーターは司令室から、“桜夜”はプレイヤーの前で会話をして進めていきます。いままでの『怒首領蜂』シリーズもストーリーや設定は用意していましたが、プレイヤーに委ねていた部分も多々ありました。今回はそれをしっかり作ったので、どういうふうに受け止められるか楽しみでもあり、不安でもあります。成功か失敗かは実際に発売されるまでわかりませんが、こういう挑戦ができたのはよかったですね。どう受け止められるかによって、たとえば次世代機ハードでのシューティングのありかたにも影響を与えていくかもしれません。
――ふたりはつねに会話をしてる感じでしょうか。
浅田 無音の状態はあまりないと思います。アーケード版もよくしゃべるゲームだと言われていたんですが、それと比べ物にならないほどしゃべります。だから、逆に一瞬だけ無音の状態になると、「あれ?」ってちょっと違和感を感じるかもしれませんね。

<メインモード“新Xbox 360モード”のシステム>
 インタビュー中では、“新Xbox 360モード”が“ゲージ管理ゲーム”であることが池田氏の口から語られているが、じつはインタビューの直前に最新バージョンを触らせてもらうことができ、池田氏の回答はそれを受けてのものとなっている。ここでは、“新Xbox 360モード”が具体的にどういうシステムなのか、記者の雑感を交えながら解説していこう。
 まず、聞いていたとおり、選べるキャラクターは“桜夜”のみ。アーケードと同じくショット強化、レーザー強化、エキスパート強化があり、それぞれノービス、ノーマル、2周目相当の難易度になっている。アーケードと大きく異なるのは、画面下に1本の太いゲージが表示されていることだ。このゲージはライフの意味を兼ねていて、ゼロになるとゲームオーバーになる。つまり、残機制ではなくライフ制となっている。
 ただし、このゲージは被弾や体当たりでふつうに減っていくわけではなく、ミス時はゲージを一定量消費してオートボムが発動する。逆にオートボム発動に必要なゲージ量がないと、ミスイコール即ゲームオーバーということになる。また、ショットとレーザーを同時押しすると、ふたつの武装を同時発射する“ショットレーザー”を放てるのも特徴だ。当然ながら非常に強力な攻撃手段だが、これを使っている最中もゲージは少しずつ減少していく。言い換えれば、命を削って使うことになるわけで、使い過ぎるとオートボムに頼れなくなる諸刃の剣といえそうだ。このゲージを回復する手段がひとつだけで、ハイパーを使用中に星アイテムを取得することだ。ハイパー自体はアーケードよりもかなり溜まりやすくなっており、差し当たって安全に進むのであれば、ゲージの消費はオートボム圏内まで抑えつつ(オートボム時のゲージ消費量は調整中とのこと)、ハイパーが溜まりしだい発動してゲージを回復するのが有効に思われた。

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▲下にあるゲージがライフおよびショットレーザーのゲージ。左側にある目盛りが、オートボムの発動ラインと思われる。
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▲ゲーム画面の両サイドを使った演出にも注目! “桜夜”とオペレーターの会話が楽しめるほか、中ボスとの戦いでは左上と右上の表示が変化する。

 画面外に目を向けてみると、左右中央のウインドウでは“桜夜”とオペレーターがしきりに会話をしている。もちろん瞬きや口パク、表情も変化する。この会話はボス撃破後もあり、リザルト画面中もずっとしゃべっていることが多かったが、ここはボタンで飛ばすことができた。プレイ中はなかなか見る余裕がなかったので、発売されたらリプレイでじっくり見てみたいと思う。ウインドウ以外の部分には、近未来的なモニターなどのカザリが入っていたが、中ボス戦時は中ボスのモデリングと名前が表示されるなど、効果的な演出が挿入されていた。
 今回プレイさせてもらったのはノービス相当のショット強化ということもあり、初回プレイで5面まで行くことができたが、まだ細かく調整は続いているとのこと。この日に遊んだバージョンに比べると若干難易度がアップするようだ。

――本作で搭載されるショップですが、特殊なオプションメニューを買う感じでしょうか。
浅田 装備品のようなものですね。自機に装備スロットがあって、そこに設定することで自機の当たり判定が小さくなったり、自動的にアイテムを回収してくれる効果があります。壁紙やボイスなどもショップで購入してアンロックする形です。
――ショップの通貨はどのゲームモードでも手に入るのですか。
浅田 はい。モードに関係なく、プレイするたびにもらえます。そのなかでもいちばん稼げるのは、オンライン専用の“チームバトル”です。腕はあまり関係ないので、ぜひ参加していただければと思います。また、アーケードモードに連動した“ミッション”があるのですが、『怒首領蜂最大往生』を楽しく遊ぶためのテクニックを動画つきで50個用意してあります。その報酬としてもまとまった通貨がもらえる仕組みです。ミッションは実績とも連動しているので、ミッションをクリアーすればするほど実績も解除しやすくなっています。
――そうした導線があると、遊びやすさがまた違いそうですね。
浅田 ケイブのシューティングの楽しさは、稼げるようになると格段に変わってくるんですが、そこを感じてもらうまでがかなり長いと思うんですね。その意味では、アーケード版をあまりやったことがない方にも触ってもらって、『怒首領蜂最大往生』のおもしろさに触れてもらえたらいいなと思います。

超限定版と発売前イベント情報のウラを取れ!

――超限定版についても、新しい情報がありましたね。
浅田 これまで公開していた同梱物は、アレンジCD、原曲CD、設定資料集でしたが、新たに大きめのステッカーを3種類用意しました。好きなところに何度でも張って剥がせるようになっているので、Xbox 360やノートPCなどに張っていただければと思います。ほかには、ケイブで伝統的に作っていた、取扱説明書がデザインされた下敷きも入ります。それと、平野綾さんに歌っていただいている主題歌のシングルCDが入ります。
――3点が6点になったわけですね。豪勢ですね!
浅田 何とかいけそうだというところを詰めて、現状ではこの6点が決まっています。

『怒首領蜂最大往生』開発追い込み中の浅田P&池田氏を直撃_08
▲現在決定している“数量限定!!超限定版”の6大特典。

――5月5日には発売前イベントも開催されますが、具体的にどんな内容を予定されているんですか?
浅田 大きなところでは、シューティングイベントの“わっしょい”を合同でやらせていただきます。今回はXbox 360を筐体の中に入れて、まだ発売してないゲームをお見せするという、極めて異例の試みです。しかも、きっちり“陽蜂”を落としてもらいます(笑)。
――それはまた……。ある意味では前代未聞ですね!
浅田 Xbox 360版をお披露目するだけではちょっと物足りないかなと。昨年千葉でやった“ゲームサマーフェスティバル 2012”の“わっしょい”で、『怒首領蜂最大往生』をプレイした方にお願いして、Xbox 360版の一発勝負で“陽蜂”を落としてもらいます。それ以外にもステージイベントをいくつかやります。そのうちのひとつには僕と池田が出るのですが、その前にちょっとおもしろそうなステージを予定しています。
――それは盛り上がりそうですね。
浅田 あとは、Kinect for Windowsを使って、ユーザーさんの携帯で『怒首領蜂最大往生』のキャラクターと写真が取れるブースを出展します。また、予約してくれた人にはA1サイズの大きなポスターをお渡しします。大阪では2種類でしたが、東京では3種類用意しているので、そこから選んでいただいてお持ち帰りいただければと思います。
――盛りだくさんですね。楽しいイベントになりそうです。
浅田 イベントは本当に久しぶりなので、これまでに来てくれていた人がまた集まってくれるとうれしいですね。スタッフもほぼ当時と同じです。あとは、僕自身も当日発表したいことがあります。皆さん驚かれるでしょうが、そこからいろいろな未来につながっていくと思います。
――なんでしょう? 気になりますね。そこは当日の発表を待ちたいと思います。それでは最後に、ユーザーの方々へひと言ずつメッセージをいただけますか?
浅田 『デススマイルズ』から振り返ってみると、Xbox 360では本当に好き放題やらせてもらったと思います。現行機では最後になると思いますが、つぎへの布石として『怒首領蜂最大往生』でいろいろなことをやっておきたかったんです。ここでやったチャレンジは、きっと今後に生きてくると思います。率直な感想も聞きたいので、ひと通り遊んでもらって意見をいただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします!
池田 “新Xbox 360モード”に関しては、本音を言えばもう少し作り込む時間がほしいという思いはあります。まだ途中ですが、Xbox 360のアレンジモード全般はだいたい1ヵ月くらいの期間をもらって、結局は半月くらいオーバーする。そんなパターンがほとんどで、いつも時間が足りなかったんですよ。その意味では毎度のことですが、限られた期間の中でできる限りのことをやって、少しでもクオリティーを上げたいですね。超限定版を出すことができて、あまつさえたくさんの予約を入れてもらえたのも、アーケード版を遊んでくれている人たちがいるからだと思います。そういう方たちも満足させられるように最後まで努力しますので、楽しみにしていてください。


怒首領蜂最大往生
メーカー ケイブ
対応機種 X360Xbox 360
発売日 2013年5月30日発売予定
価格 7140円[税込]
ジャンル シューティング
備考 限定版:9660円[税込]、数量限定!!超限定版:13440円[税込]