カプコンの『モンスターハンター フロンティアG』(以下、『MHF-G』)が、4月17日にサービスを開始。その見どころをプロデューサー・杉浦一徳氏と、アシスタントプロデューサー・宮下輝樹氏、そしてディレクター・木本龍己氏の3人に伺った。

ついに“G級”解禁!『モンスターハンター フロンティアG』について3人のキーマンに直撃インタビュー_01
●(中央)杉浦一徳(すぎうらかずのり)氏
『モンスターハンター フロンティア オンライン』サービス開始時より、運営プロデューサーを務める。2012年4月にプロデューサー就任。
●(左)宮下輝樹(みやしたてるき)氏
ゲーム内の武器や防具、イベント、配信クエストなど、ゲームの核となる部分を担当するアシスタントプロデューサー。
●(右)木本龍己(きもとたつみ)氏
『モンスターハンター フロンティア オンライン』の立ち上げ期からタイトルに携わり、現在はディレクターを務めている。

『MHF-G』における“G級”について

――本作のG級とは、どのようなものかお聞かせください。

木本 HR(ハンターランク)、SR(スキルランク)よりも上位のコンテンツとして、“G級”を追加します。今回の『MHF-G』ローンチ時点では、10種の新モンスターがG級に登場するほか、イャンクックやダイミョウザザミなど、既存のモンスターもG級クエストで遭遇することになります。

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◆新モンスター“シャンティエン”
G級を象徴する、古龍種のモンスター。G級への昇級試練として、ハンターが最初に遭遇する。その姿もさることながら、数々の強力な攻撃に圧倒されることだろう。雷を自身の体に帯電させ、一挙に四散させる攻撃や、周囲を薙ぎ払う強烈なブレスなどがハンターを襲う。狩猟の舞台となる大型探査船に備えられた迎撃装置が、試練突破のカギとなる。
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◆新モンスター“ポカラドン”
極海に生息し、群れる多数の雌雄を束ねる凍海獣のボス。脂肪をたっぷりと蓄えた巨体と、鋭く伸びた大牙が特徴的。黒く硬い皮膚と、皮下脂肪に覆われた体は、生半可な攻撃であればビクともしないほど強靭である。一方、腹面だけは氷上を滑って、素早く移動するのに適した滑らかな質感の皮膚を持っているとされる。
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◆新モンスター“ファルノック”
見るからに派手な外見は、メスへの求愛行動に端を発した独自の進化によるもの。踊るようなコミカルな動きも、繁殖期のメスに向けた自己アピールのための動作だとされる。トリッキーな動きと、羽毛の摩擦によって引き起こされる電撃のあわせ技が、最大の脅威となる!
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◆新モンスター“ヒュジキキ”
高地を縦横無尽に駆ける強靭な脚力と全身に生えた鋭利な針が武器。毛の一部が硬化した針毛は鋭く尖っており、触れるだけで危険。見事なまでの素早さで獲物を翻弄し、鋭い針毛でトドメを刺す!
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◆新モンスター“ミドガロン”
全身の体毛は耐火性に優れており、火山での活動に適している。手足の発達が著しく、脚力を活かしたパワフルな突進攻撃は俊敏かつ強力。目にも止まらぬ高速移動から放たれる灼熱のブレスで、標的を焼き尽くす!
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◆新モンスター“ギアオルグ”
巨体に似合わぬ俊敏性を持ち、氷や外気を用いた攻撃を得意とする。獰猛かつ攻撃的な性格を有しており、自尾に氷を纏わせて巨大な氷の刃を作り出す。
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◆新モンスター“アノルパティス”
極海に君臨する、青き飛竜。長くのびた鼻は、獲物を串刺しにするほどの鋭さを持つ。ギザギザとした鋸状の甲殻で氷雪の中を削り進み、高速で移動することができる。
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◆新モンスター“レビディオラ”
磁力によって発生させた雷を体に蓄え、自在に操る特性を持つ古龍。放出する雷は、視認できるほどの強力さを持ち、興奮状態では全身に青く光る雷膜を纏う。紫色の外殻と金色の翼膜は、雷を体内に留めておくために変異したものとされるが、その姿は優雅さと気高さをも感じさせる。

――G級に進んだあと、どのようにランクを上げていくのでしょうか?

木本 G級に昇級すると、新たにGR(ジーランク)がハンターに付与されます。GRは、さらにGR1-1、GR1-2といったように、クラスに細分化されており、それぞれのクラスで受注可能なクエストが分類されています。

宮下 まずは、該当クラスのクエストをこなしてGRP(ジーランクポイント)を溜めていきます。一定のGRPが溜まると、つぎのクラスに進み、最終的にはそのGRでの"ギルド要請依頼"が発生します。このギルド要請依頼を達成すると、より上のGRへと進むことができます。

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杉浦 GR1の場合、ギルド要請依頼でポカラドンが登場します。これを狩猟すれば、GR2に進めるということになりますね。

――GRはいくつまで存在しているのでしょうか?

木本 相応のランク数をご用意していますが、段階的にGR上限を解放していく予定です。

宮下 GRに関係なく、どのGRでも遭遇することになるモンスターも予定しています。

――G級クエストの報酬はどのようなものでしょうか?

木本 モンスターの素材やGRPのほかに、Gz(ジーゼニー)が手に入ります。これは、G級武具の生産や強化、G級クエストの契約金などで使用する、G級専用の通貨です。

――G級クエストは、配信クエストがメインとなるのでしょうか?

宮下 配信されるものもありますが、基本的にはGR帯ごとに解放されたクエストは、従来のハンターズクエストのように、つねに受注できるようになっています。

――G級クエストに登場する既存モンスターに変化はありますか?

木本 外見は通常のものと同様ですが、動きや攻撃がG級にふさわしく強化されています。これらのモンスターを狩猟した際も、それぞれのG級素材が手に入ります。

新フィールドについて

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――G級昇級試練の舞台となる“大型探査船”とは、どのようなフィールドでしょうか?

木本 現在は、シャンティエン専用のステージになっています。船の甲板上で、狩猟を行うことになります。大型探査船には、大銅鑼や拘束用バリスタといった、これまでになかった迎撃装置が備わっており、それを活用することでシャンティエンを攻撃しやすくなります。

杉浦 狩猟が進むと、天候が変わったり、シャンティエンの攻撃も変化したりします。そして、最終的には……ちょっとびっくりする仕掛けがあるかもしれません。

――ほかにはどのようなフィールドがありますか?

木本 ポカラドンやアノルパティスが生息する“極海”があります。ここは、流氷が漂う永久凍土に包まれた白銀の世界です。時間帯で環境が一変し、夜間には美しいオーロラが出現します。

宮下 ほかに、“最果ての地”と呼ばれるフィールドが存在します。禍々しい雰囲気に包まれた謎のフィールドですが、ここにどんなモンスターが出現するのかは、ぜひハンターの皆さま自身でたしかめてほしいです。

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■大型探査船
■極海

G級の武器について

――G級武器の特徴についてお聞かせください。

木本 G級武器は、240種以上あり、通常の武器とは異なる特徴を持っています。G級武器には、“シジル”と呼ばれる特殊な装飾品を取りつけることができます。このシジルによって、武器をカスタマイズしていく仕組みになります。

――シジルにはどのような効果があるのでしょうか?

木本 シジルは生産時に、数ある特殊効果の中から最大3個の効果がランダムで決定されます。これをG級武器に焼きつけると、武器に特殊効果が発動します。

宮下 特殊効果には、たとえば攻撃力を高めたり、属性値を高めたりするものがあったり、特定のエリアで能力が上がるといった、変わったものもあります。

――シジルの特殊効果を絞り込むことはできるのでしょうか?

木本 シジルのレシピは複数あり、使用する素材によって発動しやすい特殊効果はあります。たとえば、ポカラドンの素材を使ったレシピでは、ある特殊効果が出やすい、など。

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■G級武器 天翔剣(片手剣)
■G級武器 ゼーゲウィング(大剣)

新属性について

――新属性とはどのようなものでしょうか?

木本 現在公開している“雷極属性”は、雷属性と龍属性を併せ持つ属性で、“光属性”は、火属性と雷属性を併せ持ちます。2種類の属性ダメージを同時に与えることができ、よりダメージの大きなほうの属性エフェクトが表示されます。

宮下 現在公開している新属性は2種類の属性を持ちますが、それ以上の複属性を持つ新属性もあります。

杉浦 新属性は、G級武器だけでなく、通常の武器に備わっているものもありますよ。

G級の防具について

――G級防具の特徴についてお聞かせください。

木本 G級防具は、現段階で50シリーズ以上を用意しています。G級防具の特徴として、まずひとつ目に、G級専用のスキルが備わっています。G級スキルは、かなりアッパーな効果が発動します。ふたつ目に、G級防具を3部位以上装備すると、スキルの最大発動枠が増加します。これまでは最大10種でしたが、5部位装備することで、最大12種のスキルが発動可能となります。また、同じくG級防具を3部位以上装備している場合、G級クエストで攻撃力が上昇します。

――これらの効果は、同一シリーズの防具でなくても発動するのでしょうか?

木本 はい。G級防具であれば、別のシリーズの防具でも大丈夫です。最後に、G級防具を最大レベルまで強化すると、装飾品として精錬することができます。防具としてはなくなってしまいますが、G級スキルが付属した装飾品になりますので、これをほかの防具に装着することで、さまざまなスキルが発動できます。また、このこともあってG級防具はこれまでと比べると必要な素材数から見てもそうとう作りやすくなっています。

――精錬した装飾品は、G級防具以外にも装着できますか?

木本 G級防具以外の通常の防具、覇種防具や秘伝防具などにも装着して、G級のスキルを発動させることが可能です。

宮下 通常の装飾品をG級防具に装着することも可能です。

――新スキルは、どのくらいの数があるのでしょうか?

木本 新スキルで30種以上あります。従来のスキルとくらべると、かなり効果が高いものもご用意しています。

 ◆G級スキルの例
剛撃……"剛撃+1"で攻撃力が大きく上昇する。"攻撃"スキルより効果が高いが、"攻撃"スキルと重複して発動しない
鼓舞……"激励+1"で"笛吹き名人"の効果に加え、自分とメンバーに"回避性能+1"と"気絶半減"の効果
反射……モンスターの攻撃をガードした際に、攻撃をはね返すことで、自分の周囲の一定範囲にダメージを与える
速射……ライトボウガン専用のスキル。超速射以外の速射弾の場合、発射数が+1され、一度リロードすると装填数が減らない(弾は減る)

宮下 G級スキルのほかにも、釣り名人、焼き師匠、地図常備、自動マーキングといったスキルが同時に発動する“狩人”スキルのようなものも追加しています。また、既存スキルの上位版も追加しています。これまでの“根性”や“いたわり”はG級クエストでは効果が発動しませんが、新たに追加した上位版の“真・根性”や“いたわり+3”では、効果が現れます。

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■G級防具 ポカラGシリーズ
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■G級防具 ファルノGシリーズ
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■G級防具 ヘッジGシリーズ

――スキル発動順位の変更などはありますか?

宮下 いまのところ、変更予定はありません。

――既存の覇種防具や秘伝防具は、G級防具に強化可能でしょうか?

木本 検討はしているのですが、覇種防具、秘伝防具に関しては、今回はG級防具への強化はできません。今後のアップデートで、徐々に対応していく予定です。狩護防具については、今回新規で追加されるものは“G級狩護防具”に強化可能としています。既存の狩護防具については、今後"G級狩護防具"に強化できるように対応する予定です。

杉浦 最初は覇種防具や秘伝防具でG級クエストに挑んでいただき、G級の素材を手に入れてG級武具を作ってほしいですね。

――ちなみに、3種類目の秘伝防具の追加予定はありますか?

木本 現段階では予定していないのですが……要望が多ければ検討したいです。

新たなアクションについて

――全武器種に新アクションが追加されるとのことですが、どの程度の変更がなされているのでしょうか?

木本 各武器種に何種類ずつとは一概に言えませんが、全般的に手を加えていますので、どの武器種でもこれまでとは違った感覚で遊んでいただけると思います。

――これまでのアクションで、使えなくなるものもありますか?

木本 とくにありません。既存のアクションとアクションのつながりを変更しているものはあります。たとえば、片手剣のスライディング斬りが、いろんな攻撃から使用可能になったりと。

――威力が変更されているものもありますか?

木本 はい。武器種間の格差が少なくなるよう、多少威力を変更してバランスを調整しています。

――かなり細かなところまで調整されているのですね。

宮下 大きなところでは、強走効果を変更したことによる、双剣の鬼人化の仕様変更もあります。

木本 これまでは鬼人化をすると、強走薬や狩猟笛の演奏効果による強走効果が切れてしまいましたが、継続するようになります。ただし、鬼人化中は、通常よりも強走効果が早く切れてしまいます。これはほかの武器種でスタミナを消費する行動(回避やダッシュ以外)を取った際にも適用されます。ガードしたときや、ハンマーや弓の溜め攻撃などもそうですね。

※公式プロモーションサイト内 アクション動画→こちら

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■太刀の新アクション“気刃放出斬り”
■ガンランスの新アクション“爆竜轟砲”

今後の予定など

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――『MHF-G』のアップデートは、どのくらいのペースで行われますか?

宮下 『G2』、『G3』という、大きなアップデートは、年に2回程度の予定となっていますが、その合間にも武器や防具、コンテンツの追加を行うアップデートも行います。これまでは『フォワード.』のコンテンツを制作しながら、『MHF-G』も同時に制作していましたが、これからは『MHF-G』に専念できますし、チームの戦力もアップしているので、皆さんに満足いただけるボリュームのアップデート内容をご提供できると思います。

――今後は、G級以外のモンスターなどの追加予定はありますか?

宮下 はい。G級以外の、下のHR帯で狩猟できるモンスターも追加していきます。

木本 モンスターの追加だけではなく、たとえば、チュートリアルなどもいままでよりも丁寧なものにしたいと思います。つぎの目標がわかりやすく提示されるようなものを予定しています。

――『G3』では、新たな武器種が追加されると伺いましたが、ズバリ、どのような武器になるのでしょうか?

木本 (握った両手を上げる動作をしつつ)こんな感じですかね!(笑)

――おお!?

木本 まぁ、両手に持つタイプの武器になる……かもしれません。

杉浦 「かもしれない」ですからね(笑)。

木本 もちろん独自の性能を持つものになります。しかも、現段階ではかなりアクション性が高いものになるのではないかと思います。

――最後に、ひと言メッセージをお願いします。

杉浦 『MHF-G』はアップデートではなく、“第2ローンチ”という意気込みで制作しています。従来の大型アップデートレベル以上のものが多数盛り込めたと思います。現在プレイされている方だけでなく、現在お休みしている皆さんにも遊んでいただきたいです。

木本 “第2ローンチ”ということで、G級の追加をはじめ、さまざまな部分に手を入れています。なかでもG級モンスターやG級武具、新アクションなどは開発スタッフ一同、気合を入れて仕上げました。多くの方に楽しんでいただけるとうれしいです。

宮下 『MHF-G』は、「新しいゲームを作る」という思いで制作に励んでいます。G級の新たな狩りを、ぜひとも体験してください。また現在、4月17日のサービス開始に向け、多数のイベントや企画を練っています。こちらも楽しみにお待ちいただければ、と思います。