最新のスマートテレビと3D機能の実力をゲームを通じて体験
4月6~7日の2日間、韓国の大手家電メーカーであるLGエレクトロニクス主催のゲームイベントがソウル市内で開催。最新スマートテレビが展示され、3D映像の圧倒的な臨場感を体感できたゲーム大会などが行われた。”3D ワールドフェスティバル”と銘打たれたこのイベントは、今年で3回目の開催。エンターテインメント文化の支援や、ゲームユーザーの拡大などを目的としており、毎年数多くの来場者を集めている。
会場には大小さまざまなスマートテレビが設置され、ゲーム、ビデオなどあらゆるコンテンツの3D映像が、あちこちから目に飛び込んでくる。プロチームも存在する人気タイトル『スタークラフトII』や、おなじみの『ストリートファイターIV』(Xbox 360版)をはじめ、スマートテレビでマーケットから直接ダウンロードして遊べるタイトルも多数展示。もちろん、すべて3D映像で楽しむことができ、カップルや子どもたちが嬉々としてプレイしていた。
LGエレクトロニクスの担当者は、「ダウンロード可能なタイトルとして、ディズニーやEAなどのコンテンツの配信も予定している」としており、カジュアルなゲームはもちろん、コアユーザー向けのリッチなゲームが増えてくることは十分考えられる。また、「アンドロイドやUnity(ゲームエンジン)のゲームはすべて遊ぶことが可能」とのこと。まさに、家庭用テレビとゲームマシンが一体化しているのだ。
”デュアルプレイ”でふたり同時プレイが変わる!?
また、3D機能、マジックリモコンとならぶ、スマートテレビの3つめの特徴としてLGエレクトロニクスの担当者が挙げていたのが、”デュアルプレイ”。これは下の写真のように、ひとつのモニターを左右のフィルターを通して見ると、それぞれまったく違う映像が流れるというもの。もちろん、ゲーム画面が分割されることはなく、大画面の迫力は維持される。レースゲームに当てはめると、ふたり同時に同じコースを走ることができる、というわけだ。さすがに、実用的かと言われれば、まだまだという印象は拭えないが、驚きを提供できる可能性を秘めた機能であることは間違いないだろう。
ステージでは『スタークラフトII』の激闘と大迫力の3D映像が展開
メインステージ上では、世界中で根強い人気を誇るPCオンラインゲーム『スタークラフトII』のエキシビジョンマッチが開催。韓国のトッププロチームによるハイレベルな対戦を、多くの来場者が観戦していた。驚くべきは、その映像のクオリティーだ。超巨大モニターで展開する3D映像は、まさに大迫力のひと言。小さなユニットがごちゃごちゃと動き回る、決してビジュアル的に映えるタイプではないゲームにもかかわらず、目の前で展開される戦闘に圧倒されてしまう。映像のブレや見にくさを感じることもなかった。
さて、素人目には、なんら問題なく見えた3D映像だが、果たしてプロの目にはどう映るのか。エキシビジョンマッチに参加した選手に、3D映像で遊ぶ『スタークラフトII』の印象を聞いた。
--3D映像の印象を聞かせてください。
Marine King 3D映像のほうが楽しく遊べると思います。まだ、慣れていないところもあるので、距離感などがつかめず、少しやりにくい部分もありますが、これはすぐに解決できることです。
--今後、プロの競技の対象となる3D映像のゲームが出てくると思いますか。
Marine King いままで3D映像でプレイしたことは、あまりなかったのですが、ほとんど違和感のない、臨場感のある映像に驚きました。ここまで技術が上がっているなら、将来的に3D映像がゲームのスタンダードになってもおかしくはないと思います。何より3Dでプレイしたほうがおもしろいですから!
韓国のゲーマーがうらやましい!
イベントの最後は、トップガールズグループ”少女時代”がまさかの登場。キュートかつパワフルなステージを披露し、観衆を熱狂させていた。
これだけの規模のゲームイベントを毎年、しかもいち家電メーカーが主導して行うことは、日本でも頻繁にあることではない。LGエレクトロニクスのゲームを始めとするエンターテインメントへの理解とその姿勢は、非常にうらやましいと思えた。また、プロゲーマーさえも驚かせる、3D映像のクオリティー向上にも目も見張るものがあった。ゲームはスマートテレビにより、また新たな可能性が発掘されるはずだ。