優勝チームは、7月の世界大会へ進出

 マイクロソフトが主催している学生のためのITコンテスト“Imagine Cup 2013”の日本代表選考会が開催され、今年の日本代表に、ゲームエンジン“Knowall Library 5.0”を制作した“Project N”(京都コンピュータ学院)が選ばれた。
 “Imagine Cup”とは、マイクロソフトが革新的なアプリやゲーム、ソリューションを開発する学生を応援し、国際競争力のある人材育成の場として提供する、学生のためのITコンテスト。2003年に第1回が開催され、現在では180を超える国と地域から35万人以上の学生が参加する世界最大級のコンテストとなっている。今回の選考会は、2013年7月にロシア・サンクトペテルブルクで開催される世界大会の日本代表を決める大会だ。
 出場した6チームの中から見事優勝したのは、京都コンピュータ学院“Project N”のゲームエンジン“Knowall Library 5.0”。“5.0”とあるように、制作にはこれまで4年以上をかけ、コツコツをバージョンアップを重ねてきたという。“Knowall Library 5.0”の最大の特徴は、2Dでも3Dでも関係なく制作できるゲームエンジンだということ。将来は、このエンジンを使っての起業まで視野に入れている。
 表彰式で、審査員の加治佐俊一氏(日本マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者)は、「6組ともすばらしい内容だったが、中でも“Project N”は、これまでの実績やアイデア、将来の起業まで考えられており、抜きんでていた。世界大会でも十分活躍できると思います」と語った。
 世界大会に向け、“Project N”のChester Lee Chin Zhenさんは「私はマレーシア人なので、日本代表というのはちょっと複雑ですが(笑)、日本のためにがんばります!」と語り、一方開発担当の米山哲平さんは「いちばん支援してほしいのは“時間”ですね(笑)。世界大会には、現行の“5.0”をベースにしてさらによいものに仕上げたい」と意気込みを語ってくれた。

“Imagine Cup 2013”日本代表は“Project N”に決定_02
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▲“Imagine Cup”では、アイデアや技術力もさることながら、プレゼン能力も評価される。
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▲優勝の“Project N”には、“Imagine Cup”の創設者でもあるビル・ゲイツ氏の写真が入ったケーキも贈られた。
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▲NFC(近距離無線通信技術)を使って、災害時などに車両のドア開閉を行う“NFKey”(HAL東京・NFKey)。
▲Kinect for Windowsを使ったパズルアクション“ぬけがみ”(HAL名古屋・でやんぞ)。

●日本独自開催の“Windows 8 チャレンジ部門”
 また、当日は“Windows 8 チャレンジ部門”も開催された。この部門は、日本独自に開催されるもので、Windows 8用アプリのコンテスト。4チームによるプレゼンの結果、“青リンゴ”(木更津工業高専)が出展した対戦型ゲーム“New War's”が優勝した。

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▲“New War's”は、分かりやすいルールと熱中度が評価され、見事“Windows 8 チャレンジ部門”優勝。