関東の激戦をふたりのハクメン使いが突破!

 アークシステムワークスによる、同社のアーケード版対戦格闘ゲームの全国大会“ARC REVOLUTION CUP(アークレボリューションカップ)”、通称“あーくれぼ”。2013年2月16日よりスタートした予選大会も残り1ヵ月あまりとなったが、『ブレイブルー クロノファンタズマ』(以下、『BBCP』)では当初有力視されていたトッププレイヤーの多くがまだ予選通過を決めておらず、いよいよ大混戦の様相を呈している。そんな激戦の中から今回は、3月30日に行われたタイトーステーション溝の口(神奈川)と3月31日に行われたセガ秋葉原1号館(東京)の『BBCP』店舗予選&エリア決勝の様子をリポートする。

あーくれぼ『ブレイブルー』溝の口&秋葉原のエリア決勝をリポート【ARC REVOLUTION CUP】_01

■ARC REVOLUTION CUPとは?
 ARC REVOLUTION CUP(アークレボリューションカップ)、通称あーくれぼは、『ブレイブルー クロノファンタズマ』、『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』、『ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラス アール』というアークシステムワークスの3タイトルを競技種目とした、国内最大規模のアーケード版対戦格闘ゲームの全国大会。全国各地のゲームセンターで開催される店舗予選、店舗予選勝者が集うエリア決勝を勝ち抜くと、2013年5月19日に開催される同社の創立25周年記念イベント“ARC SYSTEM WORKS FESTIVAL(アークフェス)”内で実施予定の決勝大会に出場できる。なお、同大会はトーナメント方式で、各タイトルの最強を決めるべく1on1の試合形式が採用されている。

【ARC REVOLUTION CUP概要】
◇大会名称:ARC REVOLUTION CUP(アーク レボリューション カップ)
◇競技種目:
・BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA(ブレイブルー クロノファンタズマ)
・ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ
・GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R(ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラス アール)
◇予選大会:2013年2月16日(土)~2013年4月21日(日)
◇会場:全国の予選実施店舗
 ※詳細は、公式サイトの予選店舗スケジュールをご覧ください。
◇全国決勝大会:2013年5月19日(日)
 会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
 (ARC SYSTEM WORKS FESTIVAL(アークフェス)内に実施)
◇主催:アークシステムワークス
◇公式サイト(こちら

まさかの逆転劇がくり広げられた溝の口予選

 2013年3月30日、タイトーステーション溝の口にて、神奈川エリア3の店舗予選・エリア決勝が開催された。同店舗では毎週火曜日に定期大会が開催されており、常時30名程度の参加者が集まっているという。定期大会としては珍しい3ON3形式なので、近くに住んでいる人はぜひ一度足を運んでみてほしい。そんなタイトーステーション溝の口には、すでに複数回店舗予選を通過したことのある南選手(ノエル)、ろにった選手(ジン)、そして、数少ないレリウス使いの中でも屈指の実力を誇るRYO選手(レリウス)などのトッププレイヤーら16名が参加。大会は、南選手、RYO選手が敗退する中、ジン使いのろにった選手が優勝。3度目となるエリア決勝進出を決めていた。

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 続いて行われたエリア決勝は、当日の店舗予選を勝ち上がったタイトーステーション溝の口代表のろにった選手(ジン)、AM PIA 川崎モアーズ店代表のtiku(テイガー)、アミューズメントスクウェアテクモピア向ヶ丘遊園店代表のげんたろう(ニュー)、アミューズメントスポット ドリームス代表のナタキシ(ハクメン)によって争われた。試合形式はこの4名による総当りのリーグ戦。勝率1位の選手が優勝となり、同率の選手が発生した場合は再度総当り戦を行うという過酷なルールに。

 エリア決勝1順目のリーグ戦でもっともギャラリーを沸かせたのは、間違いなくtiku選手のテイガーだろう。tiku選手の使用するテイガーは、格闘ゲームで言うところのいわゆる“投げキャラ”で、接近戦の爆発力はものすごい代わりに機動力が低く、相手に近づきにくいキャラクターだ。そのため、遠距離戦を特化したニューを使うげんたろう選手には相性が悪いと思われた。しかし、各種“D攻撃”によるニューの牽制に苦しみながらも、ジャンプからのオーバードライブ発動で相手の対空攻撃を避け、強力な投げ技“ギガンティックテイガードライバー”を決めるなど、ワンチャンスをモノしてげんたろう選手を撃破。さらにナタキシ選手との試合では、地上でプレッシャーをかけ、たまらず空中へ逃げたナタキシ選手のハクメンを待ってましたとばかりに空中の投げ技“エアードライバー”を決める場面も見せ、読みの鋭さを発揮して勝利を収めていた。

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 2連勝を飾って王手をかけたtiku選手は、ろにった選手に挑む。1ラウンド目を先取されるも、2ラウンド目はギガンティックドライバーを3回も通す読みの鋭さを見せて取り返す。迎えた3ラウンド目は接戦となり、残り体力わずかになったtiku選手に対して、ろにった選手が“6A”でガードを崩しにいく。しかし、この“6A”が相手の目の前ですかってしまう。その隙を見逃さなかったtiku選手が“立ちA”からのコンボを決めてジンの体力が奪っていき、コンボの締めに“オーバードライブ発動→マグナテックホイール”を決めれば勝利。という場面で、まさかのコンボミス。“マグナテックホイール”がガードされてしまい、反撃を受けて撃沈。tiku選手は2勝1敗でリーグ戦を終える。

 リーグ戦全試合を終了し、ナタキシ選手0勝3敗、ろにった選手2勝1敗、tiku選手2勝1敗、げんたろう選手2勝1敗という結果になり、同率の選手が発生してしまったため、再度総当り戦を行うことに。リーグ戦2順目では1順目で活躍したtiku選手が精彩を欠き、なんと3連敗。代わって3連勝を収めたのが、1順目で3連敗を喫してきびしいと思われていたナタキシ選手だった。試合後に「最初に負けて開き直れたのがよかった」と語っている通り、空中投げからのオーバードライブコンボに代表される、ハクメンの火力の高さを活かした大胆な選択肢を通して、格上とも言える相手をなぎ倒しての優勝となった。

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東京代表の切符が地方勢の手に!?

 2013年3月31日、セガ秋葉原1号館にて店舗予選と東京エリア5のエリア決勝が行われた。秋葉原は、『BBCP』の対戦台が10セット以上設置されている店舗が複数存在する日本屈指のメッカ。セガ秋葉原1号館にも『BBCP』の対戦台が12セット設置されており、都内近郊の強豪プレイヤーが日夜凌ぎを削っている。同店舗の予選には、ソウジ選手(アラクネ)、南選手(ラグナ)、コナン選手(ツバキ)、いさ選手(タオカカ)といった有名プレイヤーに加え、先日の立川予選で活躍したタカヒロ選手(ツバキ)とT.N選手(ハクメン)、さらには前日の溝の口予選でエリア決勝まで進んだろにった選手(ジン)、複数回エリア決勝に進出している馬の骨選手など、上げればきりがないほどのそうそうたるメンバー58名が参加。ラグナ、ジン、ノエルなどの主人公系キャラクターの人気の高さは相変わらずだったが、アマネ、イザヨイといった大会ではなかなか見られないキャラクターを使っている人の姿も見受けられた大会となった。

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 エリア決勝進出経験者どうしの組み合わせが多数発生する超激戦トーナメントを決勝まで勝ち上がったのは、この日のために筑波から駆け付けたという“虚無僧”選手(ハクメン)と、全国ランキング1位争いをくり広げている“いさ”選手(タオカカ)のふたり。序盤はいさ選手がタオカカの機動力を活かした攻めで虚無僧選手を圧倒。しかし、2ラウンド目に虚無僧選手がその流れを断ち切る。体力を大幅にリードされた虚無僧選手は、オーバードライブからのコンボで7000近くダメージを奪い逆転。立て続けに攻め、いさ選手がたまらず“ブレイクバースト”を発動。虚無僧選手はこれをしっかりガードしてトドメを刺す。これで波に乗った虚無僧選手は、1-1で迎えた3ラウンド目。いさ選手のラッシュをガードで耐え、連携の合間に空中投げからのコンボを決めて最後は危なげなく勝利。エリア決勝進出を決めた。

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 予選終了後に行われた東京エリア5のエリア決勝には、パソピアード東京代表のGOLD選手(ジン)、セガワールド大森代表のタヒチ選手(アズラエル)、セガ秋葉原1号館代表の虚無僧選手(ハクメン)、シルクハット蒲田M2店代表のコージ選手(ラグナ)が参加。試合は、4名による総当たりのリーグ戦を行い、同率の選手が出た場合はその選手どうしによる決定戦を行う方式。

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 猛者の集ったエリア決勝で勝負強さを発揮したのは、虚無僧選手。“ジャンプC”や“4C”でけん制しながらじっくり立ち回りつつ、ゲージが溜まったら空中ダッシュからの“アギト”による奇襲を仕掛けていくスタイル。こうした安定した立ち回りのほか、“クラッシュトリガー”に対して見てから当て身技の“D”で反撃する反応のよさや、思い切りのいい“虚空陣 雪風”、そしてピンポイントで“空中投げ”を決める読みの鋭さなど、すべてのスキルが高いレベルでまとまっていた。

そんな虚無僧選手は、最終ラウンドまでもつれ込む接戦となったコージ選手との初戦に勝利。続くGOLD選手との一戦は、“虚空陣 雪風”による割り込みや“空中投げ”からのオーバードライブを絡めた大ダメージコンボを決めるなど、2-0で圧勝。タヒチ選手との最終戦は1ラウンドを先制される悪い流れになってしまうが、2ラウンド目に相手の“立ちBB”のラッシュに対して“オーバードライブ発動→虚空陣 雪風”を決め、さらにダッシュからの“紅蓮”で拾い直すという大ダメージコンボを決めて逆転勝利。最終ラウンドも接戦となったが当身技のD攻撃による切り返しで流れを作り、最後はオーバードライブを絡めたコンボでフィニッシュ。東京エリア5代表の座を獲得した。

予選通過者インタビュー

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ナタキシ選手

■神奈川エリア3代表 ナタキシ選手(ハクメン)

――優勝おめでとうございます。

ナタキシ選手(以下、ナタキシ) ありがとうございます。本当にうれしいのひと言です。諦めないで最後までやってよかったです。

――最初に3連敗したときの心境は?

ナタキシ 3連敗したことによって、逆に気持ちが楽になりました。そのおかげで2順目はいいコンディションで挑めたと思います。

――それがつぎの3連勝につながったわけですね。

ナタキシ そうですね。でもみんな強い方だったので、まさか3連勝できるとは思いませんでした。開き直れたのがよかったですね。

――決勝リーグの相手は、ふだんから対戦している人だったんですか?

ナタキシ 毎日やってるわけではないんですけど、たまに対戦するとぜんぜん勝てていない相手ばかりでした。

――ふだんは溝の口で対戦しているんですか?

ナタキシ 横浜か溝の口ですね。

――ハクメンは以前から使っているんですか?

ナタキシ 1度もキャラ変えをしないでシリーズを通してハクメンを使っています。ずっとやって来てよかったなと思っています。

――使用キャラを迷うひともいるみたいですが。

ナタキシ 僕はキャラクターの性能でキャラ変えをするのは嫌なんですよ。たとえば、ほかに好きなキャラができて変えるのはいいんですけど、性能に満足いかないから変えるというのはないですね。

――ハクメンのキャラクター性がすごく好きなんですね。

ナタキシ そうですね。やっぱり好きなキャラじゃないと長く続きませんし、最強キャラと言われるキャラに変えて勝ったとしても、自分の力というよりキャラの性能に頼った形になってしまうので、そういうのは嫌だなと。せっかくなら自分の力で勝ちたいですし。

――決勝へ向けての意気込みを教えてください。

ナタキシ 今日はハクメンの強い部分を活かした試合運びができたので、本戦でもそういった試合ができるようにしたいです。

――ちなみに、ハクメンの強い部分というのは?

ナタキシ 一発の火力を活かした逆転要素ですね。どんなに体力をリードされていても、空中投げやカウンターヒットからのオーバードライブを使ったコンボでひっくり返せるんですよ。

――ダメージが7000くらいいってましたね。

ナタキシ そうなんですよ。それでひっくり返せるので、ワンチャンスでしっかり試合を決められるように仕上げていきたいですね。

――本戦に向けての課題はありますか?

ナタキシ タオカカの対策はしっかり立てたんですけど、ジンが苦手なのでそこをしっかり対策したいです。

――なるほど。ぶっちゃけ本戦の自信は?

ナタキシ 余裕です(笑)。

――それでは本戦もがんばってください。

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虚無僧選手

■東京エリア5代表 虚無僧選手(ハクメン)

――当日予選からの優勝おめでとうございます。試合を振り返ってみていかがですか?

虚無僧選手(以下、虚無僧) 全試合を通してミスが多かったんですけど、逆にそれがうまく噛み合っちゃって勝った感じですね。

――運もあったということですか?

虚無僧 そうですね。かなり運の部分が大きかったと思います(笑)。

――今日は店舗予選からの優勝でしたね。

虚無僧 万が一当日予選を抜けられれば、勢いがあるのでいけるかなとは思っていました。

――エリア決勝は自信があったんですか?

虚無僧 そうですね。予選は手が震えるくらい緊張していたんですが、エリア決勝はかなりリラックスして挑めました。

――今回のハクメンは使ってみてどうですか?

虚無僧 そうですね。1作目からずっとハクメンを使っているのですが、今回はだいぶ強いですね。オーバードライブを使ったコンボで即死クラスのものもありますからね。

――そういった火力の高いところが魅力ですよね。

虚無僧 はい。そういった火力の高いキャラが好きなんですよ。ワンチャンスを活かすっていう。

――ふだんはどこでやっているんですか?

虚無僧 ふだんは茨城のピンクパンサーつくば店(こちら)というゲーセンでやっています。

――茨城から来られたんですね。

虚無僧 はい。秋葉原なら筑波エクスプレスなら1時間くらいで来れるので、今日は地元の仲間数人といっしょに来ました。

――茨城の盛り上がりはいかがですか?

虚無僧 『ブレイブルー』を大好きな人が多くて、かなり盛り上がっていますよ。定期的に大会も開催されています。段位制限のある大会もあるので、始めたばかりの人でも楽しめると思いますよ。

――どのくらいの参加者がいるんですか?

虚無僧 前回は県外のプレイヤーも来てくれて70人集まりました。

――すごい盛り上がりですね。

虚無僧 はい。秋葉原から1時間程度なので、ぜひ都内のプレイヤーにも参加してほしいですね。

――茨城では、どういったキャラクターが多いんですか?

虚無僧 やっぱりラグナやジンといった使いやすいキャラクターが多いですね。カルルやアラクネといった難しいキャラはほとんどいないので、そういうキャラの対策が練りたいときは秋葉原に出るようにしています。

――やる気魔人ですね。

虚無僧 ありがとうございます(笑)。

――予選は今回が初めての参加ですか?

虚無僧 はい。地元で出る予定だったのですが、秋葉原なら近いかなと思って出たら優勝しちゃったという(笑)。本当に運がよかったです。

――それでは本戦に向けての意気込みを聞かせてください。

虚無僧 以前、“SOB”という全国大会にも参加したんですけど、そのときチームメイトだった“あばれんじゃー”(ミュー)と“らず”(カルル)も本戦出場を決めていて、3人で本戦にいけるのでがんばりたいと思います。

●店舗紹介

■タイトーステーション溝の口
住所:神奈川県川崎市高津区溝口1-11-8ムサシボウルビル1F
TEL:044-844-7252
営業時間:9:00~23:50
定休日:年中無休
公式サイト(こちら

■セガ秋葉原1号館
住所:東京都千代田区 外神田1-10-9
TEL:03-5256-8123
営業時間:10:00~24:00
公式サイト(こちら