話題のスタジオQuantic dreamの内部へ!

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 “Quantic dream”スタジオツアーリポートの2回目は、スタジオの様子と『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー・ソウル)』の試遊機インプレッションを掲載しよう。
 今回のスタジオツアーでは、まずQuantic dreamの創始者であり、『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー・ソウル)』のディレクターでもあるデヴィッド・ケイジ氏がメディアの前に登場。彼の案内でQuantic dreamの中を見て回ることとなった。デヴィッド氏と言えば、『ファーレンハイト』や『ヘビーレイン -心の軋むとき-』、『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー・ソウル)』といった一連のQuantic dream作品のシナリオを書き、ゲームシステムを構築し、アートの部分も担当したりと、ゲーム全体を統括するキーパーソン。Quantic dreamの頭脳とも言えるデヴィッド氏が案内してくれるとは、じつに光栄なことだ。記者が見たところ、Quantic dreamの中はシンプルにまとまっていて、余計なものがない印象。デヴィッド氏によると『ヘビーレイン -心の軋むとき-』の開発時は100人程度だった開発スタッフの数も、いまでは倍の200人ほどになったという。それだけ多くの人数がいるにも関わらず、ごちゃごちゃせずにスッキリとしているので不思議な感じだ。デヴィッド氏はさらにゲーム開発会社の設備としては珍しい、社内スタジオにも案内してくれた。この場所で『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー・ソウル)』のパフォーマンスキャプチャーを行ったという。

試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_01
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_02
▲Quantic dreamの入口。世界的に有名なゲーム開発会社なので、もっとド派手な入口を想像していたが、けっこうシブい。
▲少しカメラを引いてパチリ。写真の右側にあるのが入口である。注意深く探さないと見落としてしまいそうだ。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_03
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_04
▲デヴィッド氏がメディアをお出迎え。この日のスタジオツアーのために世界中から80以上のメディアが集まった。
▲1階には事務的な仕事に従事するスタッフがいる。ちなみに、ヨーロッパでは1階のことを0階と数えるらしい。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_05
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_06
▲2階(フランスでは1階)はゲームクリエイターたちが集まっている。
▲1999年にリリースされたQuantic dreamの記念すべき1作目、『Omikron: The Nomad Soul』のポスター。日本では未発売。近未来で輪廻転生がテーマのオープンワールドタイプのアクションゲームだ。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_07
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_08
▲Quantic dreamの名前を一躍世界に知らしめた『ヘビーレイン -心の軋むとき-』。「この作品のヒットはQuantic dreamの転換期だった」とデヴィッド氏は語る。
▲Quantic dreamに設置されたパフォーマンスキャプチャーのスタジオ。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_09
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_10
▲スタジオの壁には、役者の演技をキャプチャーするための装置がたくさん設置されている。
▲この写真はゲーム開発時のもの。体中にデバイスをつけたエレン・ペイジらとミーティングをするデヴィッド氏。

試遊機のインプレッションをお届け

 スタジオツアーリポートの1回目でお伝えしたデヴィッド氏によるプレゼンテーション後、絶賛開発中である『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー・ソウル)』のワンシーンを遊ぶことができた。ここからは、試遊機のダイジェスト映像とともに、プレイインプレッションを掲載する。

 今回の試遊機は、ウィレム・デフォー演じる教授がジョディをクルマに乗せるシーンからスタートする。ふたりが向かう先は、DARPA(国防高等研究計画局)。世界最先端のテクノロジーや軍事技術を研究するアメリカ国防総省の施設で、いったい何が起きているのだろうか?

 ジョディがクルマを降りると、周囲は騒然としていた。DARPAの前は警察官や研究員、兵士、黄色い科学防護服を着込んだ男性など、たくさんの人で溢れかえっている。皆一様に混乱の表情を浮かべており「施設の中で何か重大な事故が起きたのだ」と感じさせる。そんな中、ジョディはたったひとりで施設の中に足を踏み入れる……。おそらく、ふつうの人間では解決できない“何か”が発生し、霊体と交信できる能力を持ったジョディが呼ばれたのだろう。

試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_11
▲DARPAの中は、いろいろなオブジェクトが散乱し、天井の一部が崩落している。尋常でない“何か”がこの中で起きている模様。ジョディも不安そうにあたりをきょろきょろ見回しながらゆっくり進むので、こちらもだんだん怖くなってくる。

 地下に向かうジョディはエレベーターに乗ろうとしたが、うまく作動しない。ここは霊体のエイデンの出番だ。本作では、ゲーム中に△ボタンを押すと、いつでもジョディとエイデンの操作を切り換えられる。エイデンはジョディと見えない鎖でつながっていて、その範囲内であれば、空中を飛び回ったり、壁をすり抜けることが可能。ここでは、エイデンを操作してエレベーターの中に入り、ドアを塞いでいるオブジェクトをどかせば、エレベーターを呼ぶことができた。

試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_12
▲見えづらいかも知れないが、画面中央の白い丸が新UI(ユーザーインターフェース)だ。“QTE(クイック・タイム・イベント:カットシーンにおいて、画面に表示されるボタンのアイコンに合わせて、タイミングよくボタン入力すると、成否に応じてプレイヤーキャラクターの行動が変化するシステム。)”方式の『ヘビーレイン -心の軋むとき-』と違い、本作では白い丸が見えたら、右アナログスティックをグラフィックに合わせて倒してゲームを進めていく。最初は面食らったが、慣れてくるとどの方向に倒したらいいのか、正解を探すのがおもしろい。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_13
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_14
▲エイデンの操作画面。このときは後ろからジョディの背中を見ている状態だ。かすかに見えている青い点の集まりが見えない鎖。エイデンの操作はけっこう快適で、壁をすり抜けたりするのがおもしろい。
▲ドアに挟まっているオブジェクトを吹っ飛ばそうとするエイデン。エイデン操作時も、ジョディと同じUIとなっている。この場面では、ふたつのアナログスティックを一定時間下に倒し、その後上に倒すという操作が要求された。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_15
▲すべてのQTEが排除されたわけではない。ときには『ヘビーレイン -心の軋むとき-』でおなじみのアイコンが表示されることも。写真はコントローラーのジャイロセンサーを使った操作。……と、エレベーターの中に死体があって焦った。

 地下4階に着いてからは、エイデンと協力して先に進むシーンが続く。ロックされた扉をすり抜けてスイッチを押したり、ジョディの力ではびくともしない棚を倒して足場にしたりと、エイデンが大活躍。エイデンを駆使したゲームプレイはちょっとしたパズルを解いているような感覚でおもしろい。

試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_16
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_17
▲エレベーターを降りてすぐ死体とご対面。急いで通り抜けようとしたところ……。
▲突然死体が立ち上がる! ……が、つぎの瞬間死体はもとの横たわった状態に。怖い怖い。いったい何が起きたというのか。
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_18
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_19
▲エイデンとなって扉のスイッチを押したり……。
▲大きな棚を倒したりもできる。

 エイデンは“チャネリング”と呼ばれる特殊能力を持っているようだ。チャネリングを使うと、死体が持っている記憶を再生することができる。あたり一面に火が広がっていて、先に進めない場所では、消防員の死体にチャネリングし、彼が生前持っていた消火器の位置が判明。エイデンを操って消火器をジョディのもとに転がして、火の勢いを弱めて進むことができた。このように、チャネリングを使って道を切り拓く場面も多数用意されているようだ。

試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_20
試遊機インプレッションをお届け!『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その2】_21
▲地下4階は、一面火に包まれている。燃えさかる火の勢いや動きが非常にリアル。こちらにも熱さや息苦しさが伝わってきそうなほど。
▲消火器があれば、火の勢いを弱められる。この先には何が待っているのだろうか?

 消火器で火を消したり、いろいろなパズルを解いて、いよいよ施設の深奥に! ……というところで試遊機の横に立っていた開発スタッフからストップの声が。どうやら試遊の範囲はここまでのようだ。スタッフによると、この先のシーンはゲームの重大なネタバレを含むので、現時点では見せられないとのこと。そう言われると、余計気になるのだが……。とは言え、今回の試遊で、ゲームの新UIやエイデンの操作、ジョディとエイデンの連携でパズルを解決していく場面など、本作の基本的なシステムを体験することができたのは大きな収穫だ。ストーリーや演出に注目されることが多い本作だが、ゲームプレイの部分も遊び応えのあるものに仕上がっている模様。なお、今回遊んだ場面はホラー色がやや強めだったが、デヴィッド氏のプレゼンテーションで公開されたような、人の感情の機微を描いたドラマ部分も遊んでみたいと思った。いろいろな表情を持ったゲームなので、そのほかにもどんな遊びかたができるか、とても楽しみだ。

 この後、Quantic dreamの中核を成すクリエイターたちにインタビューを敢行! その内容をお届けするので、お見逃しなく。

★キーパーソンへインタビュー『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その3】→【コチラ
★キーパーソンへインタビュー『BEYOND: Two Souls』Quantic Dreamスタジオツアーリポート【その4】→【コチラ


BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)
メーカー ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン
対応機種 PS3プレイステーション3
発売日 2013年発売予定
価格 価格未定
ジャンル アドベンチャー / ドラマ
備考 開発:Quantic Dream