アメリカは発売直前!

 ボストンで行われたゲーマー向けイベント“PAX EAST 2013”。地元ボストンのIrrational Gamesのパネルディスカッションのテーマは、もちろんアメリカでの発売を目前に控えた『バイオショック』シリーズ最新作『バイオショック インフィニット』だ。

『バイオショック インフィニット』声優、役者、AI――稀代のパートナー、エリザベスが誕生するまで【PAX EAST 2013】_02
『バイオショック インフィニット』声優、役者、AI――稀代のパートナー、エリザベスが誕生するまで【PAX EAST 2013】_01
▲BioWareやGearboxと並び人気があったIrrational Gamesのパネルディスカッション。気合を入れたコスプレ姿のファンも多数。

 先月行われたスタジオツアーと内容が重なる部分も多かったが、パネルディスカッションは、ヒロインのエリザベスの声優、モーションキャプチャーを行った俳優も出席し、いかに彼女をプレイヤーの真のパートナーに築きあげたかについて多くの時間が割かれた。

 本作においてエリザベスは、守らなければゲームオーバーになってしまうような古典的なお姫様型のキャラクターではなく、戦闘時の協力者であり、世界へプレイヤーを引き込む先導人であり、主人公ブッカーの冒険の動機でもあり、天空都市コロンビアの謎を解く鍵でもあるといったように、さまざまな役割が与えられている。

 AI面でもブッカーの後ろについていくようにはせず、半歩先を歩き、プレイヤーの興味を察して行動するように設計しているそうで、デモ映像ではエリザベスがある像に反応しようとしているところで、プレイヤーが視線を外す(あまり興味が無い証である)と反応をキャンセルして次の候補へと自然に動き出している様子が示されていた。

 このように、AI面では彼女があたかも周囲の世界を観察し理解しているかのように振る舞うことを目指し、同時に声優やモーションキャプチャーの収録では、彼女の反応や行動に真実味が出るよう、かなり苦労した様子。
 ただし遠くからでも彼女の動きが伝わるよう、モーションキャプチャーでは映画型のリアル寄りな演技と、遠くの観客にも伝わるように行動する演劇型の演技をミックスした形を狙ったそうだ。

『バイオショック インフィニット』声優、役者、AI――稀代のパートナー、エリザベスが誕生するまで【PAX EAST 2013】_03
▲エリザベスに多彩な反応をさせるために、ある一枚の絵画に設定された属性の数々。

 エリザベスを人間らしくするのは非常に複雑な挑戦が必要で、時間がかかり、いっそ彼女を排除してしまおうかと検討したこともあるそうだが、スタジオを率いるケン・レビン氏以下、開発チームは彼女の仕上がりにかなり自信をもっている様子。

 果たして『バイオショック インフィニット』が初代『バイオショック』のように革新性が評価され、エリザベスがビッグダディのように長く愛されるキャラクターになるか? ここアメリカでは3月26日、日本では4月25日に発売される予定だ。